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小学校高学年児童の体育授業に対する好意度を決定する要因分析と授業実践への適用

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Academic year: 2021

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小学校高学年児童の体育授業に対する好意度を決定する要因分析と

授業実践への適用

教科・領域教育専攻

生活・健康系(保健体育)コース

竹 岡 伸

I

研究の目的 体育授業場面では,運動の技能の習得や発揮 を中核とした学習が展開されることがしばしば であり,その運動パフォーマンスによって,そ の児童の学習活動全体が評価されやすい.その ために,運動技能の低い児童の場合は体育授業 で劣等感を抱くことも多くなり,体育に対して 否定的な態度を示す,いわゆる「体育嫌い」の 児童が存在している. そこで,本研究の調査研究では小学校高学年 児童の体育が好きな理由,嫌いな理由を明らか にし,体育嫌いを解消していくための学習指導 プログラムを検討することを目的とした.また, 事例研究では調査研究の結果を基に学習指導プ ログラムを考案し,その有効性を検討すること とした. E 調査研究 方 法 1.調査内容 調査1:体育好き・体育嫌いの抽出 体育の好き嫌いをストレートに問う代表質問 形式で「とてもすきJIすきJIきらいJIとても きらいJの4反応方式を用いた. 調査2:体育好き・体育嫌いの理由について 佐久本らが作成した 50項目からなる運動好 き・嫌いに関する調査用紙の表現等に修正を加 えるとともに必要な項目を加え, 72項目の体育

指 導 教 官 賀 川 昌 明

好き・嫌いに関する質問紙を作成した.とれら の 項 目 に 対 し て と て も よ く あ て は ま るJIや やあてはまるJIあまりあてはまらないJIまっ たくあてはまらない」の 4段階評定尺度で回答 してもらった. 2 .調査対象:徳島県他 3県の小学校高学年児童 2550名. 3 .調査方法;各学校とも学級担任による一斉調 査. 生データ処理 72項目に対する反応から主因 子法により,固有値1.0以上の因子を抽出し, パリマックス回転後,因子負荷量の絶対値 0

.

4

以上を基準とし,因子を解釈した.そして,上 位4項目を選び下位尺度を構成した.その結果, 6下位尺度 24項目が採択された.各下位尺度名 は「運動効力感JI教師の受容的人間性JI教師 の指導に対する不満JI体育授業での身体的苦 痛JI仲間からの疎外体験JI仲間からの受容体 験Jである.これら

6

下位尺度において,体育 の好き嫌いによってどのような傾向がみられる のかを調べるため,体育を「とてもすきJIすきJ と 答 え た 児 童 を 好 き 群 き ら いJIとてもきら い」と答えた児童を嫌い群として,体育の好き 嫌い

(

2

)

の1要因分散分析を行った.また,児 童の体育好き群,体育嫌い群を決定するのに上 記の

6

下位尺度がどのくらい影響を与えている のかを明らかにするためステップワイズ法によ る判別分析を行った.

(2)

-440-結 果 1.分散分析結果 分散分析の結果,すべての下位尺度において, 体育の好き嫌いに有意な主効果 (p<.001)が認 め ら れ た 運 動 効 力 感JI仲 間 か ら の 受 容 体 験JI教師の受容的人間性」では好き群の平均得 点が高くなる傾向がみられた. I体育授業での身 体的苦痛JI教師の指導に対する不満J

r

仲間か らの疎外体験」では,嫌い群の平均得点の方が 高くなる傾向がみられた. 2. 判別分析結果 判別分析を行ったところ,学年・性別に共通 し て 運 動 効 力 感JI仲間からの受容体験J

r

体 育授業での身体的苦痛JI仲間からの疎外体験」 が有意な変数として採択された.その中で学年・ 性別を通じて最も高い係数を示したのが「運動 効力感尺度jであった (5年男子 0.7997,5年 女子0.7823,6年男子0.7945,6年女子0.8016). す な わ ち , 学 年 ・ 性 別 に 共 通 し て 運 動 が で き るか,できないかjが,体育好き群・嫌い群の 区別に影響を与えていることを示している.な お上記下位尺度に基づくこの判別関数による体 育好き群・嫌い群の適正判別率は88%であった. 皿 事 例 研 究 方 法 調査研究で明らかとなったデータを基にして, 体育授業プログラムを立案し,徳島市の S小学 校

(

5

2

5

3

組のクラス担任及び児童) に協力してもらい,授業実践を行った. 1.調査内容

:a

児童の基本的属性, b.体育の好 き嫌い及びその理由について C. 運動有能感,

d

.

形成的授業評価

e

.

マット運動に対する意 識の変化について f.教師の声かけに対する 児童の受けとめ方についての調査 2 .教師の言語行動分析,ターゲット・パーソン (以下, TP)の学習行動の録画:教師の教授行 動, TPの学習行動をビデオカメラで追跡しなが ら撮影した.教授行動に関しては,授業分析用 カテゴリーにより,教師の言語行動を分析した. TPに関しては 3視点から逐次記述した. 結 果 調査項目,教師の言語行動分析, TPの学習行 動記録などのデータを踏まえて,各クラスとも に,全体傾向,態度変容児童, TPの分析を行っ た.その結果,体育嫌いからプラス変容した児 童については「運動ができるようになることJ 「仲間からの受容体験jが影響を及ぼしており, 調査研究での仮説を一応立証する結果となった. しかし,マイナス変容した児童は「運動ができ るようになることJI仲間からの受容体験Jが不 十分であったことが挙げられた.また,変容し なかった児童についてはその原因を確定するこ とは困難であった.

W

結 論 体育授業を通して,体育嫌いを解消していく ためには,運動ができるようになるだけではな く,教師や仲間との関わりあいを重視すること が重要であると考えられる.それを行っていく ためには,こういった授業の工夫だけではなく, 教師が児童に対して肯定的な関わりを持ってい くことが重要であると考えられる. -

参照

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