<報
文>
熊本市における
微小粒子状物質(PM
2.5
)の実態調査(平成25年〜અ月)
*
緒 方 美 治
**・武 原 弘 和
**近 藤 芳 樹
**・藤 井 幸 三
** キーワード ① PM2.5 ②成分分析 ③硫酸塩 ④鉛 ⑤越境移流 要 旨 熊本市における PM2.5の状況を把握するため,平成25年月〜月の期間に成分分析を 実施した。主要な成分はイオン成分であり,主にアンモニウムイオン,硫酸イオンおよび 硝酸イオンであることが確認された。また,無機元素成分は,煙霧や黄砂が観測された日 が多かったことから,土壌起源や海塩起源のカリウム,ナトリウム,鉄,アルミニウムだ けでなく,カルシウム,亜鉛,マグネシウム,鉛,マンガン,銅,バリウム,砒素,バナ ジウムなど多種の元素を検出した。鉛との相関関係を確認したところ,砒素,セレン,カ ドミウムなどが高い正の相関(r=0.90以上)があった。質量濃度が急に高まった日に,化 石燃料の燃焼に由来すると報告があるイオン成分の硫酸イオンや,無機元素の鉛,砒素お よびセレンなどの濃度も上昇したことなどから,今回の高濃度事例は大陸からの一時的な 移流が影響していると考えられた。 1. は じ め に 大気環境における微小粒子状物質(PM2.5)は, 浮遊する粒子状物質のうちでもとくに粒径の小さ いものであり,呼吸器の奥まで入り込みやすいこ となどから人への健康影響が懸念され,平成21年 に環境基準が設定された。熊本市としても大気汚 染常時監視測定局に順次各機器を設置することに しており,平成26年月末現在,PM2.5の監視体 制は,自動質量濃度測定機がカ所(楡木,京町, 古町,水道町,神水本町および天明測定局),成 分分析実施がカ所(神水本町測定局)となってい る。平成26年度からは成分分析をカ所(水道町, 神水本町および天明測定局)で実施することとし ている。 PM2.5は,成分測定をすることで発生源ごとの 影響などの起源解析に有用である。本市において も PM2.5の状況を把握するため,サンプラーを用 いて採取し,イオン成分,無機元素といった各成 分の実態調査を行ったので報告する。 なお,調査期間中には,環境省が健康影響を考 慮した注意喚起のための暫定的な指針を定めて以 降,これに従って熊本県が全国で初めて注意喚起 情報を発出した高濃度事例(50.1 μg/m3)もある*Case Analysis of the Fine Particulate Matter (PM
2.5) in Kumamoto City
**Yoshiharu OGATA, Hirokazu TAKEHARA, Yoshiki KONDO, kozo FUJII(熊本市環境総合センター) Kumamoto City
など,煙霧や黄砂が観測された高濃度日が数多く あった。 2. 調査の概要 2.1 採取期間,採取時間,試料採取地点 平成25年月25日正午から月13日正午まで, 連続して16日間採取を行った。検体は,正午か ら開始し翌日同時までの24時間採取とした。ただ し,サンプラーの不具合のため,月日,日 の日間で欠測となった。なお,注意喚起情報発 出日(月日午前)事例は,月日検体であ る。 試料採取は大気測定局であり PM2.5自動質量濃 度測定機も設置されている神水本町自動車排出ガ ス測定局(熊本市中央区神水本町967-1)で行った。 神水本町測定局は熊本平野のおおむね中央に位置 しており,主要幹線道路沿いにあり,西側の有明 海からは12km 程度離れた地点である。また,遠 く東側には阿蘇西麓の台地や山地が広がってい る。位置関係を図 1 に示した。 2.2 試料採取方法,測定項目,分析方法 試料採取は,PM2.5ローボリュームエアサンプ ラ ー (ThermoFisher 社 FRM2025i) を 用 い て 行 い,捕 集 フ ィ ル タ ー は,サ ポ ー ト リ ン グ 付 き PTFE フィルター(Pall 社直径47mm)を使用し た。測定項目は「大気中微小粒子状物質(PM2.5) 成分測定マニュアル」に示されている項目のう ち,質量濃度,イオン成分(硫酸イオン等項目) および無機元素(ナトリウム等26項目)とした (表 1)。 質量濃度は,捕集フィルターを24時間以上恒温 恒湿(温度:21.5±1.5℃,相対湿度:35±5%) チャンバー内で静置して精密天秤(METTLER TOLEDO 社 XP2UV)で秤量した。秤量後,1/2 片をイオン成分用に,1/2片を無機元素用に使用 した。イオン成分は定量の超純水に浸し,超音波 照射して溶出させ,ろ過後,イオンクロマトグラ フ(Dionex 社 ICS-2100および ICS-1600)で測定 した。無機元素は捕集フィルターのサポートリン グを除去後,マイクロウェーブ機(AntonPaar 社 MultiwavePRO)を用いて加圧加温(210℃)して酸 分解させ,定容後,ICP-MS(AgilentTechnologies 社7500cx)で測定した。 3. 調査結果および考察 3.1 質 量 濃 度 調査期間中の PM2.5質量濃度の測定結果を表 2 ❧⏣ᒣ ᡞᓥᒣ ⓑᕝ ᆤᕝ ⓑᕝ 㔠ᓠᒣ ⥳ᕝ ᡞᕝ 㞜ᅇᒣ ᭷᫂ᾏ ⱂᕝ ᒾ㔝ᒣ ᕞ᪂ᖿ⥺ ᕞ⮬ື㌴㐨㊰ ヨᩱ᥇ྲྀᆅⅬ ຍໃᕝ ᅜ㐨㸱ྕ⥺ 図 1 試料採取地点の位置図(熊本市域) イオン成分 (項目) 成分名 質量濃度 フィルター捕集−質量法 Be,Na,Mg,Al,K,Ca,Sc, V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu, Zn,As,Se,Mo,Ag,Cd,Sb, Ba,Tl,Pb,Th,U 誘導結合プラ ズマ質量分析 法 (ICP-MS 法) Cl−,NO 3−,SO42−,Na+,NH4+, K+,Mg2+,Ca2+ イオンクロマトグラフ法 項目名 分析方法 表 1 測定項目および分析方法 無機元素 (26項目) その他 20.1 備 考 採取日 質量濃度 月25日 採取日 34.3 19.5 備考 質量濃度 表 2 質量濃度の測定結果 (単位:μg/m3) 25.9 月27日 月28日 月日 月日 月26日 ※月日,日の日間は欠測。煙霧および黄砂の情報は, 気象庁データより引用。 月日 煙霧 月日 33.5 月日 24.2 24.5 月日 月日 月10日 月11日 月12日 煙霧 22.7 21.9 14.7 50.1 煙霧・黄砂 黄砂 黄砂 36.5 25.2 26.9
に 示 し た。最 小 値 14.7 μg/m3か ら 最 大 値 50.1 μg/m3まで観測され,平均値は27.2 μg/m3であっ た。日平均基準値の35 μg/m3を超えた日は, 月,日の日間であり,期間中,比較的高い 値で推移した。煙霧が観測されたのは月, ,日の日間,黄砂が観測されたのは月, ,10日の日間(日は煙霧の後に観測。)であ り,煙霧観測日は高い値になった。 3.2 イオン成分濃度 調査期間中の PM2.5質量濃度とイオン成分濃度 の時系列変化を図 2 に示した。イオン成分濃度は 最小値7.8 μg/m3から最大値35.4 μg/m3まで観測 され,平均値は14.7 μg/m3であった。イオン成 分は,質量濃度全体の43%から71%までの範囲で あり,おおむね半分を占めていた。煙霧が観測さ れた月,,日と黄砂が観測された月, ,10日は,それぞれ高い値になった。 イオン成分について,陰イオンと陽イオンそれ ぞれ当量濃度にして比較したものを図 3 に示し た。調査期間中,そのほとんどがアンモニウムイ オン,硫酸イオンおよび硝酸イオンであったこと から,PM2.5の主要な成分は硫酸アンモニウムお よび硝酸アンモニウムであることが明らかとなっ た。 硫黄を含む硫酸イオンは,化石燃料の燃焼など に由来するものであるが,日本国内においては, 燃料中に含まれる硫黄分の削減や排ガス規制等の 対策が進んでおり,近年,大気測定局における二 酸化硫黄の測定結果は低い値で推移している。今 回の調査では,硫酸イオンは日間での濃度が激し く変動する結果が得られ,大陸からの移流が考え られた。また,月日時(神水本町測定局の PM2.5自動質量濃度測定機の1時間値が最大(72 μg/m3) を 示 し た 時 間。) の 後 方 流 跡 線 解 析 図 (図 4)を作成したところ,大陸の都市部を経由し ており,考察内容を支持していた。 なお,月26日に,塩化物イオン,ナトリウム イオン,カリウムイオンが高くなったが,その理 由は,降雨,近隣での焼却,コンタミネーション など考察しているがその要因は不明である。 㻜 㻝㻜 㻞㻜 㻟㻜 㻠㻜 㻡㻜 㻢㻜 㻺㻴㻠㻗 㻹㼓㻞㻗 㻯㼍㻞㻗 㻷㻗 㻺㼍㻗 㻯㼘㻙 㻺㻻㻟㻙 㻿㻻㻠㻞㻙 䃛㼓 㻛㼙 㻟 㻼㻹㻞㻚㻡㉁㔞 ⃰ᗘ 䊼㯤◁ 䊼㯤◁ 䊼↮㟝 䊼↮㟝 㻞㻛㻞㻡 㻞㻛㻞㻢 㻞㻛㻞㻣 㻞㻛㻞㻤 㻟㻛㻝 㻟㻛㻞 㻟㻛㻟 㻟㻛㻠 㻟㻛㻡 㻟㻛㻢 㻟㻛㻣 㻟㻛㻤 㻟㻛㻥 㻟㻛㻝㻜 㻟㻛㻝㻝 㻟㻛㻝㻞 図 2 質量濃度とイオン成分濃度の時系列変化 㻜㻌 㻝㻜㻜㻌 㻞㻜㻜㻌 㻟㻜㻜㻌 㻠㻜㻜㻌 㻡㻜㻜㻌 㻢㻜㻜㻌 㻞㻛㻞㻡 㻞㻛㻞㻢 㻞㻛㻞㻣 㻞㻛㻞㻤 㻟㻛㻝 㻟㻛㻞 㻟㻛㻟 㻟㻛㻠 㻟㻛㻡 㻟㻛㻢 㻟㻛㻣 㻟㻛㻤 㻟㻛㻥 㻟㻛㻝㻜 㻟㻛㻝㻝 㻟㻛㻝㻞 䜲 䜸 䞁 ᡂศ ᙜ㔞⃰ᗘ䠄 㼚 㼑 㼝 䠋䡉 䠏䠅 㻯㼘㻙 㻺㻻㻟㻙 㻿㻻㻠㻞㻙 㻜 㻝㻜㻜 㻞㻜㻜 㻟㻜㻜 㻠㻜㻜 㻡㻜㻜 㻢㻜㻜 䜲䜸 䞁 ᡂศ䚷 ᙜ㔞⃰ᗘ䠄 㼚 㼑 㼝䠋 䡉 䠏䠅 㻺㼍㻗 㻷㻗 㻯㼍㻞㻗 㻹㼓㻞㻗 㻺㻴㻠㻗 図 4 3 月 4 日 8 時の後方流跡線解析図 図 3 イオン成分の陰イオンと陽イオンの当量濃度比較
3.3 無機元素濃度 調査期間中の各無機元素濃度の平均値等を 表 3,図 5 に,時系列変化を図 6-1,2,3 に示し た。平均値が高い順に,カリウム,ナトリウム, 鉄,アルミニウムとなり,土壌起源(アルミニウ ム,カリウム,鉄など)や海塩起源(ナトリウム, カリウムなど)等の主要な無機元素が多く検出さ れた。さらに,カルシウム,亜鉛,マグネシウム, 鉛,マンガン,銅,バリウム,砒素,バナジウム, ニッケル,アンチモン,セレン,クロム,カドミ ウムと続いており,鉛や砒素などの有害性が指摘 される元素も数多く検出された。 <0.043 2.46 1.17 Be 平均値 Na Mg Al K Ca Sc V Cr 表 3 各無機元素濃度の平均値および濃度範囲 (単位:ng/m3) 300 93 250 440 130 最大値 最小値 0.19 5.3 2.9 <0.0067 122 29.0 81.0 216 52.7 平均値 最大値 最小値 平均値 最大値 <0.17 0.16 0.62 2.0 0.066 5.8 <0.0045 <0.0023 0.014 102 250 44 Cd 0.496 1.1 <0.0067 Mn 8.55 17 3.1 Ag <0.17 0.25 最小値 1.54 3.9 <0.57 Ba 3.71 7.2 5.6 Co <0.075 0.18 <0.075 Sb 1.39 2.6 34 Fe 49.6 110 16 Pb 20.4 46 95 Cu 4.79 12 2.3 Tl 0.214 0.51 15 Ni 1.29 2.7 0.64 U <0.0023 0.033 <0.043 As 2.53 5.1 0.73 Th <0.0045 0.052 <22 Zn 0.38 Mo 0.472 1.2 0.20 0.96 Se 㻜 㻡㻜 㻝㻜㻜 㻝㻡㻜 㻞㻜㻜 㻷 㻺㼍 㻲㼑 㻭㼘 㻯㼍 㼆㼚 㻹㼓 㻼㼎 㻹㼚 㻯㼡 㻮㼍 㻭㼟 㼂 㻺㼕 㻿㼎 㻿㼑 㻯㼞 㻯㼐 㻹㼛 㼀㼘 ⃰ᗘ㻔 㼚㼓 㻛㼙 㻟㻕 㻜 㻡㻜 㻝㻜㻜 㻝㻡㻜 㻞㻜㻜 㻞㻡㻜 㻟㻜㻜 㻟㻡㻜 㻠㻜㻜 㻠㻡㻜 㻡㻜㻜 ⃰ᗘ㻔 㼚㼓 㻛㼙 㻟㻕 㻺㼍 㻭㼘 㻷 㻯㼍 㻲㼑 㻞㻛㻞㻡 㻞㻛㻞㻢 㻞㻛㻞㻣 㻞㻛㻞㻤 㻟㻛㻝 㻟㻛㻠 㻟㻛㻡 㻟㻛㻢 㻟㻛㻣 㻟㻛㻤 㻟㻛㻥 㻟㻛㻝㻜 㻟㻛㻝㻝 㻟㻛㻝㻞 㻜 㻞㻜 㻠㻜 㻢㻜 㻤㻜 㻝㻜㻜 㻝㻞㻜 ⃰ ᗘ 㻔㼚㼓 㻛㼙 㻟㻕 㻹㼓 㻹㼚 㻯㼡 㼆㼚 㻮㼍 㻼㼎 㻞㻛㻞㻡 㻞㻛㻞㻢 㻞㻛㻞㻣 㻞㻛㻞㻤 㻟㻛㻝 㻟㻛㻠 㻟㻛㻡 㻟㻛㻢 㻟㻛㻣 㻟㻛㻤 㻟㻛㻥 㻟㻛㻝㻜 㻟㻛㻝㻝 㻟㻛㻝㻞 㻜 㻝 㻞 㻟 㻠 㻡 㻢 ⃰ ᗘ 㻔㼚㼓 㻛㼙 㻟㻕 㻮㼑 㻿㼏 㼂 㻯㼞 㻯㼛 㻺㼕 㻭㼟 㻿㼑 㻹㼛 㻭㼓 㻯㼐 㻿㼎 㼀㼘 㼀㼔 㼁 㻞㻛㻞㻡 㻞㻛㻞㻢 㻞㻛㻞㻣 㻞㻛㻞㻤 㻟㻛㻝 㻟㻛㻠 㻟㻛㻡 㻟㻛㻢 㻟㻛㻣 㻟㻛㻤 㻟㻛㻥 㻟㻛㻝㻜 㻟㻛㻝㻝 㻟㻛㻝㻞 図 5 各無機元素濃度(平均値) ※上位20元素を図示した。 図 6-1 各無機元素濃度の時系列変化 1 図 6-2 各無機元素濃度の時系列変化 2 図 6-3 各無機元素濃度の時系列変化 3
イオン成分と重複するカリウム,ナトリウム, カルシウム,マグネシウムを含めても,無機元素 26項目の合計は最小値230ng/m3から最大値1500 ng/m3までで,平均値は703ng/m3であり,質量 濃度全体の1.0%から4.4%までの範囲であった。 煙霧が観測された月,,日と黄砂が観測 された月,,10日は,それぞれ高い値に なっており,図 7 に示した。 月,,日は煙霧が観測(日は質量濃 度が期間中最大の50.1 μg/m3。)され,日の結 果を中心に見ると,カリウム,鉄,ナトリウム, アルミニウムだけでなく,カルシウム,亜鉛,鉛, マグネシウム,マンガン,銅,バリウム,砒素, さらに微量ではあるが,セレン,バナジウム,ア ンチモン,クロム,ニッケルなど多くの元素が期 間中と比較して高く検出(ng/m3以上)された。 月,,10日は黄砂が観測(日は煙霧の 後に観測。)されたが,カリウム,鉄,アルミニウ ム,ナトリウムだけでなく,カルシウム,亜鉛, マグネシウム,鉛,マンガン,銅,バリウム,バ ナジウム,砒素,さらに微量ではあるが,ニッケ ル,クロム,アンチモン,セレン,カドミウムな どこの事例でも多くの元素が期間中と比較して高 く検出(ng/m3以上)された。黄砂の影響によ り,土壌起源の主要な無機元素であるカリウム, 鉄,アルミニウムなどが増大しており,無機元素 濃度の総量も高くなっていた。 相関分析表(n=14)を表 4 に示した。土壌粒子 に多く含まれているアルミニウム,カリウム,鉄 0. 79 6 0. 377 0.6 28 0.68 0 0.8 40 0.8 29 0. 239 0. 742 0.8 56 0. 731 0. 379 0. 752 0. 915 0. 937 0. 979 0. 219 0. 43 6 0. 715 0. 90 3 0. 924 0. 975 0. 30 8 0. 523 0. 917 0. 90 6 0. 715 0. 98 7 0. 988 0.8 31 0. 94 8 0.8 54 0. 452 n= 14 表 4 期間中の 無機元素同士 の 相 関表 (r) 0.8 47 Sb Ba Tl Pb Th U 0.8 22 0. 41 0 0.6 98 0.8 20 0. 93 8 0. 951 0. 272 0.6 18 0. 943 0. 91 8 0. 929 0. 966 0. 979 0.6 92 0. 34 6 0. 791 0.8 01 0. 98 3 0. 59 8 0. 022 0. 735 0. 915 1. 000 0. 934 0. 73 8 Na Fe 0.8 46 0. 792 0.8 11 0. 954 0. 923 0. 313 0. 186 0. 38 0 0. 399 0. 42 0 0. 486 0.8 06 0.8 28 0.668 0.674 0.935 0. 041 0.8 25 0. 942 0. 934 1. 000 0. 771 0. 39 6 0.68 4 0.8 15 0. 914 0. 915 0. 241 0.6 59 0. 914 0. 923 0.8 79 K Ca Sc V Cr Mn Se M o Ag Cd SbB aT l Pb T hU 0. 58 7 0.6 99 0.6 52 0. 922 0. 74 0 0. 98 3 0. 99 0 0.8 35 0. 95 8 0.8 40 0.86 3 0. 76 2 0. 795 0. 953 0.8 93 0.8 08 0. 755 Co Ni Cu Zn As Se Mo Ag Cd 0.8 78 0. 38 2 0. 92 6 0. 935 0. 931 0.6 91 M gA l K Ca Sc V Cr M n Fe CoN i Cu Zn A s M g A l 0. 96 2 0.8 00 0.666 0.724 0.76 5 0.8 24 0.8 56 0. 10 1 0. 052 -0 .00 2 -0 .0 21 -0 .0 51 -0 .0 88 0. 70 1 0.6 34 0. 542 0. 233 0. 352 0. 175 0. 54 0 0. 394 0. 04 8 0. 266 0. 55 8 0. 73 6 0. 40 6 0. 475 0. 543 0. 75 8 0.6 99 0. 313 0.6 94 0. 233 0. 352 0. 175 0. 54 00 .394 0. 04 8 0. 266 0. 55 8 0. 313 0. 313 0. 38 00 .399 0. 42 00 .4 86 BeN a 0.8 79 0. 91 8 0. 929 0. 966 0. 979 0. 90 6 0. 715 0. 98 7 0. 988 0.8 31 0. 94 8 0. 919 0. 77 0 0. 912 0. 90 9 0. 915 0.66 1 0.868 0.759 0.234 0.697 0.840 0.6 99 0. 366 0. 58 5 0.6 39 0.8 72 0.8 01 0. 159 0.68 2 0.86 4 0. 38 4 0. 792 0.8 11 0. 954 0. 923 0. 39 6 1. 000 0.6 27 0. 447 0. 413 0. 39 0-0. 35 00 .72 00 .452 0. 34 6 0. 38 2 0. 38 4 0. 752 0.6 28 0.6 98 0. 521 0. 257 0. 353 0. 379 0. 377 0. 41 0 0. 797 0.6 10 0. 719 0. 731 0. 79 6 0.8 22 0. 923 0. 53 6 0. 375 0. 451 0.668 0. 75 6 0. 44 0 0. 754 0.8 98 0. 955 0. 973 0. 28 1 0. 447 0. 954 0.68 4 0. 50 2 0.6 16 0. 734 0.888 0.88 5 0. 791 0. 92 6 0.6 99 0. 366 0. 58 5 0.6 39 0.8 72 0.8 01 0. 159 0.68 2 0.86 4 0.8 08 0.8 46 0. 951 0. 93 0 0. 73 0 0. 914 0. 937 0.8 40 0. 93 8 0. 914 0.66 4 0. 91 6 0. 915 0.68 0 0.8 20 0.6 93 0. 50 7 0.68 5 0. 49 8 0. 915 -0 .22 6 -0 .125 -0 .00 2 0. 145 -0 .0 65 -0 .0 41 -0 .0 28 0. 16 0 -0 .0 49 0. 50 8 0. 753 0. 473 0. 53 6 0. 76 5 0. 759 0. 234 0.6 97 0.8 400 .8 400 .86 3 0. 76 2 0. 795 0. 953 0.8 93 0.8 92 0.6 27 1. 000 0. 949 0.8 16 0. 734 0. 50 4 0. 48 7 0. 491 0. 742 0.6 18 0. 352 0. 09 6 0. 241 0. 219 0. 239 0. 272 0.8 94 0. 70 8 0. 993 0. 979 0.8 29 0.8 38 0. 50 8 0.6 29 0.8 20 0. 919 0. 934 0. 443 0.6 49 0. 90 2 0. 70 6 0. 41 8 0. 733 0. 59 0 0.8 94 0. 72 0 0. 15 8 0.8 92 0. 447 0. 949 1. 000 0.8 05 0.8 59 -0 .0 25 0.8 33 0.8 49 0.8 01 0. 935 0.68 4 0. 50 2 0.6 16 0.66 1 0.868 0. 732 0.88 7 0.8 19 1. 000 0. 777 0.8 94 0. 90 7 0.8 59 0. 921 0. 911 0. 70 9 0. 912 0. 942 0.8 56 0. 943 0. 58 0 0.68 4 0.8 15 0. 914 0. 915 0. 241 0.6 59 0. 914 0. 73 8 0. 43 6 0. 715 0. 90 3 0. 924 0. 975 0. 30 8 0. 523 0. 917 0. 931 0. 75 6 0. 44 00 .754 0.8 98 0. 955 0. 973 0. 28 1 0. 447 0. 954 0. 922 0. 74 00 .9 83 0. 99 00 .8 35 0. 95 8 0. 945 0. 90 7 0. 732 0. 993 1. 000 0.8 29 0. 953 0.8 94 0. 71 6 1. 000 0. 993 0.8 13 0. 945 0. 777 1. 000 0. 71 6 0. 56 1 0. 36 5 0.8 41 0. 23 0 0. 42 8 1. 000 0. 51 8 0.6 38 0.6 58 0. 719 0. 755 0. 517 0. 500 0. 768 0. 771 0. 39 6 0. 70 1 0.6 34 0. 542 0. 58 7 0.6 99 0.6 52 0. 717 0. 413 0.8 16 0.8 051 .000 0.6 27 -0 .0 400 .8 00 0. 924 0. 98 3 0.8 92 0.8 92 0. 39 6 1. 000 Be 0. 921 0.8 19 0. 945 0. 953 0. 945 1. 000 0.8 59 0.88 7 0.8 13 0.8 29 1. 000 0. 28 5 0. 41 6 0.8 12 0.6 38 0. 30 1 1. 000 0.6 17 0. 732 0.6 44 0. 05 6 0. 295 0.8 55 0. 51 8 1. 000 0. 30 1 0. 42 0 0.6 27 1. 000 -0 .1 08 0.68 7 0.6 41 0. 59 8 0.6 91 0. 50 8 0. 753 0. 473 0. 53 6 0. 76 5 0. 53 6 0. 375 0. 451 0.668 0. 755 0.6 94 0. 313 0.6 99 0. 75 8 0. 543 0. 475 0. 40 6 0. 73 6 0.8 78 0.6 92 0.8 54 0.8 14 0. 013 0.6 93 0. 717 0. 900 0. 719 0. 56 1 0. 732 0.8 52 1. 000 0. 90 3 0. 30 7 0. 50 5 0. 96 2 0.6 58 0. 42 0 0.6 17 1. 000 0.8 52 0. 90 1 0. 145 -0 .0 65 -0 .0 41 -0 .0 28 0. 16 0-0. 049 0. 052 0. 052 -0 .00 2 -0 .0 21 -0 .0 51 -0 .0 88 0.6 93 0. 39 00 .734 0.6 27 0.8 47 0. 935 0.6 74 0.668 0.8 28 0.8 06 0.8 41 0. 05 6 0. 28 5 0. 30 7 0. 28 9 1. 000 0. 20 2 0. 20 2 0. 755 0. 36 5 0.6 44 0. 90 1 0. 90 3 1. 000 0. 28 9 0. 52 6 0.8 24 0.8 56 0. 013 -0 .35 0-0. 10 5 -0 .0 25 -0 .0 40-0. 10 8 1. 000 -0 .15 0-0. 045 0. 022 0. 041 -0 .22 6 -0 .125 -0 .00 2 0.8 12 0. 96 2 0. 917 0. 20 2 0. 50 7 1. 000 0. 500 0. 23 0 0. 295 0. 41 6 0. 50 5 0. 52 6 0. 20 2 1. 000 0. 50 7 0. 517 0.8 19 0. 735 0.8 25 0. 70 6 0. 41 8 0. 733 0. 59 00 .8 94 0. 72 00 .15 8 0. 49 8 0. 915 0.8 00 0.666 0. 724 0. 76 5 0. 70 8 -0 .112 0.504 0.70 9 0. 797 0. 521 0.6 93 0. 914 0. 32 0 0.8 94 0. 352 0. 58 0 0. 911 0. 768 0. 42 8 0.8 55 0.6 49 0. 90 2 0. 919 0. 77 00 .912 0. 90 9 0. 915 0. 96 2 0.8 14 0. 72 00 .888 0.8 33 0.8 00 0.68 7 -0 .15 0 1. 000 0. 491 0. 942 0. 719 0. 353 0.68 5 0. 91 6 0. 914 0. 993 0. 241 0. 48 7 0. 912 0.6 10 0. 257 0. 50 7 0.66 4 0. 73 0 0.88 5 0.8 49 0. 924 0.6 41 -0 .0 45 0.8 19 1. 000 0. 915 0. 942 0.8 38 0. 50 8 0.6 29 0.8 200 .919 0. 934 0. 443 㻜 㻞㻜㻜 㻠㻜㻜 㻢㻜㻜 㻤㻜㻜 㻝㻜㻜㻜 㻝㻞㻜㻜 㻝㻠㻜㻜 㻝㻢㻜㻜 ⃰ᗘ㻔 㼚 㼓㻛 㼙 㻟㻕 㻼㼎 㻮㼍 㻿㼎 㻿㼑 㻭㼟 㼆㼚 㻯㼡 㻺㼕 㻲㼑 㻹㼚 㼂 㻯㼍 㻷 㻭㼘 㻹㼓 㻺㼍 㻜 㻝㻜 㻞㻜 㻟㻜 㻠㻜 㻡㻜 㻢㻜 ㉁㔞⃰ᗘ㻔 䃛 㼓㻛 㼙 㻟㻕 ㉁㔞⃰ᗘ 㻟㻛㻠 㻟㻛㻡 㻟㻛㻢 㻟㻛㻣 㻟㻛㻤 㻟㻛㻥 㻟㻛㻝㻜 図 7 高濃度日を中心とした各無機元素濃度の割合
などのうち,アルミニウムと他の無機元素の濃度 の相関関係を確認すると,マグネシウム,鉄,ト リウムが高い正の相関(r=0.90以上)があった。 一方で,質量濃度とアルミニウムの元素濃度につ いては高い相関は確認されなかった。質量濃度の 上昇は,土壌粒子の単純な増加だけではないこと が示された。 海塩粒子に多く含まれているナトリウム,カリ ウムなどのうち,質量濃度とカリウムの元素濃度 については正の相関があったが,質量濃度とナト リウムの元素濃度については相関が低かった。 月10日にナトリウムの元素濃度が高くなった(イ オン成分のナトリウムイオン濃度も同様。)が,イ オン成分の塩化物イオン濃度の上昇は相対的に小 さかった。海塩粒子による直接的な濃度の上昇は 確認されなかった。 鉛は,大気汚染防止法(ばい煙発生施設)や水質 汚濁防止法(特定施設)の規制物質である。様々な 起源が考えられるが,人為的起源では金属精錬に よるものや,都市廃棄物焼却によるもの,化石燃 料(ガソリン(有鉛のもの。国内では有鉛ガソリン は廃止。)・石炭など)の燃焼によるものなどがあ る。鉛と他の無機元素の濃度の相関関係を確認す ると,有害な砒素,セレン,カドミウムが高い正 の相関(r=0.90以上)があり,その他にもカリウ ム,クロム,マンガン,鉄,亜鉛,アンチモン, タリウム,ウランも高い正の相関があった。質量 濃度と鉛の元素濃度についても正の相関(r= 0.81)が見られ(図 8),とくに質量濃度が急に高 まった日(月,,日:煙霧観測日)に鉛の 元素濃度も急に高くなる傾向があった(図 8,9)。 今回の平成25年月から月にかけての調査で は,とくに質量濃度が高くなった日には,人為的 な発生の可能性もある無機元素(鉛,砒素,セレ ン等や,鉛と相関が高かったその他の無機元素な ど。)の濃度も高くなっていた。化石燃料の燃焼に 由来すると報告がある鉛,砒素およびセレンなど の濃度が急激に上昇したことから,大陸からの一 時的な移流が影響していると考えられる。 また,石油燃焼に由来すると報告があるバナジ ウムに注目すると,調査期間の後半の月,, ,10日:主に黄砂観測日)に濃度が急に高くなっ ていた(図 6-3 および図 9)。黄砂の気塊とともに 石油燃焼系のバナジウムが大陸から移流したとも 考察できるが,一方で黄砂そのものの起源のバナ ジウムとも考察できるため,今後さらに当該季節 のデータを収集し検討する必要がある。 なお,ニッケルや銅はどの無機元素とも高い相 関は確認されなかった。 4. ま と め 今回の調査で次のようなことが明らかとなっ た。 (1) 調査期間中(平成25年月〜月)において は,PM2.5質量濃度が平均で27.2 μg/m3であり, 日平均基準値の35 μg/m3を日間超過し,比 較的高い値で推移した。とくに煙霧が観測され た日は高い値になった。 (2) PM2.5の主要な成分はイオン成分であり, そのほとんどが硫酸アンモニウムおよび硝酸ア ンモニウムであった。 図 8 質量濃度と鉛元素濃度の相関関係 㼞㻌㻩㻌㻜㻚㻤㻝 㻜 㻝㻜 㻞㻜 㻟㻜 㻠㻜 㻡㻜 㻢㻜 㻜 㻝㻜 㻞㻜 㻟㻜 㻠㻜 㻡㻜 ㉁㔞⃰ᗘ䚷㻔䃛㼓㻛㼙㻟㻕 㖄䚷 㻔㼚㼓 㻛㼙 㻟㻕 ᭶ ᪥ ↮㟝ほ ᪥ 図 9 質量濃度と鉛等元素濃度の時系列変化 ※同一グラフに載るように、各濃度に適切な係数を乗 算・除算して表示した。 㻜 㻝㻜 㻞㻜 㻟㻜 㻠㻜 㻡㻜 㻢㻜 ⃰ᗘ㻔㼚㼓㻛㼙 㻟㻕 㻼㼎 㻭㼟㻌㽢㻝㻜 㻿㼑㻌㽢㻞㻜 㻯㼐㻌㽢㻡㻜 㻿㼎㻌㽢㻞㻜 㼂㻌㻌㽢㻝㻜 ㉁㔞⃰ᗘ㾂㻝㻜㻜㻜 䊼㯤◁ 䊼↮㟝 㻞㻛㻞㻡 㻞㻛㻞㻢 㻞㻛㻞㻣 㻞㻛㻞㻤 㻟㻛㻝 㻟㻛㻠 㻟㻛㻡 㻟㻛㻢 㻟㻛㻣 㻟㻛㻤 㻟㻛㻥 㻟㻛㻝㻜 㻟㻛㻝㻝 㻟㻛㻝㻞
(3) 無機元素については,土壌起源や海塩起源 のカリウム,ナトリウム,鉄,アルミニウムだ けでなく,煙霧や黄砂が観測された日を中心 に,カルシウム,亜鉛,マグネシウム,鉛,マ ンガン,銅,バリウム,砒素,バナジウム,ニッ ケル,アンチモン,セレン,クロム,カドミウ ムなど多種の元素が検出された。鉛や砒素など の有害性が指摘される元素も多く検出され,人 への健康影響も懸念されるため,更なる実態の 解明が必要である。 (4) PM2.5質量濃度が急に高まった日に,イオ ン成分の硫酸イオンや無機元素の鉛,砒素およ びセレンなども上昇しており,大陸からの一時 的な移流が影響していると考えられる日もあっ た。 なお,今回の報告は単年の冬から春にかけての 期間の調査結果であるため,今後は季節変動や 各イベント(煙霧や黄砂など)などより多くのデー タを収集し,導入する予定の炭素分析計の結果も 加え,熊本市における PM2.5の更なる実態の解明 を進め,起源解析に努めていく。 ―引 用 文 献― 1) 辻昭博,日置正:大気エアロゾル中のイオン成分および 無機元素成分の粒径別高時間分解能観測による黄砂と人 為起源物質の越境輸送の詳細解析,大気環境学会誌,vol. 48 No.,82-91,2013