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東京女子医大病院特別短期入院健康診断受診者の臨床化学検査結果

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(1)

(東京女医大月響第28巻二陣2号興21一監125葦昭和33年2月)

東京女子医大病院特別短期入院健康診断受

.診者の臨床化学検査結果

東京女子医科大学中央検査室臨床化学部’ o主任 松村義寛教授)

講師宮 川

啓 ミヤ カワ ケイ (受付 昭和32年12月 4日) 緒 言 昭和30年7月,本学病院の特別短期入院健康 診断,所謂〃入間ドック〃開設以来,昭和31年 11月中旬まで17カ月露,当検査室で取扱つた人 間ドック受診者139例についての臨床化学検査結 果’ンまとめて,二,三の知見を得たのでここに報 告する。 実験方法 検 体 早朝空腹時,受診者の肘静脈より採」馨し,血液の凝 固後,可及的速やかに分離した血清を用いた。 検査項目 総蛋白,A/G比,γ一グmブリソ,残余窒素,リポ イド燐,コレステロール,ビリルビンの項目で,一部 の検体では,アルカリ性フォスファターゼ,無機燐, 尿素窒i素,尿素クリアランスを測定した。 検査方法 表 1 ビウレツb法 rl Kunkel氏法

㌶磐難・ミクロキ

Bloor氏法 Bloor氏法 Somogyi−Nelson三法 Evelyn−Malloy氏変法 Shinowara, Jones & Reinhart法氏 羨アセチ7レモノオキシム Fiske−Subbarow氏法 検:査方法の詳細は別報工∫に述べてあるから省略する が大約を示せば表1の如くである。 結果及び考察 以上の検査項目の検査結果を,人間ドック受診 者139例について,各年令別に綜合すると図1∼ 図8の如くになった。 総蛋白量は,30∼39才では最高8.959/dl,最: 低5.91 9/dlで,正常値6.0∼8.29/dlを示した 例は,10例中6例で全体の60%を占め,40∼49 才では最高9.329/dl,最低5.299/dlで,39例 中23例,59.0%が正常値を示し,50∼59才で は,最高9.039/dl,最低5.289/dlで,51例中 41例,80.5%が正常値を示し,60∼69才では:最 高9.519/dl,最低5.929/d1で,34例中28例 壽 lo,e 総 蛋 白

AIG比

γ一グ ロ ブ リ ン 非蛋 白 窒 素 リ ポ イ ド 燐 コレステnP・ノレ 」血 糖 ビ リ 7レ ビ ン アルカリ性燐酸酵素 尿、 素 無 機 燐 q,o 8,0 田 蜘7,0 鯉 6,0 / s・o 。。 5・、・8 . ・ 昌● 『‘ 9 ◎。二勉 ・.。 の り リ ロ ー…』∴一’一TeT H;鯨博4勉」一「 ・・ ∵3・∴∵.、’・ 正 . ’遣!:彗㌔.・ ・常 馬 :’..㍉: 壕 , 。 _____L 皿 一 一 一 匿一 m 「一 rm 』 一山 一 } rT 曜「一 、 一一u−t一一一一.一」一rr+一一一一L一+一−−一一=一一m−lr. 20 30 ao so 60 ’lo so 一→ 年 令 オ 図1年面恥血清総蛋白量

Kei MIYAKAWA (Brarich of Clinical Chemistry, Central Laboratory, The University Hospital, Tokyo Women’s Medical College) : Results of clinical chemical investigation on the patient visited aHuman dockft Clinic of the University Hospital, Tokyo Women’s Med kNcal College.

(2)

46 82.5%が正常値を示し㊧。 A/G比は,30∼39才では,最高2.88,最低 1. 35であり,正常値ユ.3∼2.5を示したものは10 例中9例で全体の90%を占め,40∼49才では,最: 高2.85,最低1.10で,39例中29例,74.4% 50∼59才では最高2.46,最低0.73で,51例中 43例,84.4%,60∼69才では,最:高2.32,最:低 0.38 34回申28例82.5%が各々正常値域に あった。 ・ 3,0 25 2,0 翼 ま1・5

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一一一一一一丁劉1一.↓詩隻一一」 20 30 40 so eo 70 so う 年令 才 コレステロールは,30∼39才では最高275mg/ dl,最低109 mg/d1で,10例中6例60%,40 ∼49才では最高364 m9/dl,最低136 mg/dlで 39例申34例87.2%,50∼59才では最高300 mg/dl・最低114 mg/d1で・51例中聞例70・6% 60∼69才では最高318mg/dl,最低148 mg/d1 で,34例中26例76.5%が正常値150∼2601ng/d1 を示した。、 400 350

g

E 3qo

図2年三三AIG比

7一グロブリンは,30∼39才では最高20.0クン ケル単位,最低1.0クンケル単位で9例中8例 88.8%,40∼49才では最高20.6クンケル単位, 最低1.0クンケル単位で23例中14例56.5%, 50∼59才では最高20. 2クンケル単位,最:低1.0 クンケル単位で41例中26例63.4%,60∼69才 では最高27.2クンケル単位,最低1.0クンケル lk”15,z 150 lOO 50 13s 超3。 登 25 巳 三∠20 さ t{ 15 .; t 一 一 一一一一一一一 ム一:一『・⊥+F一ドご不 . . s

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一年今 オ

図3年三三7一グPプリン /if,

20 30 40 50 6σ ワ0 80 一一一一一

ィ 年令 オ

図4年令別総コvステロ’一ル . 単位で,29例中19例65.6%が各々正常値域2.0 ∼12.0クンケル単位にあった。 ・ 9■ ロ ロ コ リ }一一 ラ一:∴7ゴψ曳一=「=歪

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図5年令別リポイドP

リポイド燐は,30∼39才では最高19.Omg/d1 最低9.6mg/d1で,7例中5例55.6%,40∼49 才では最高21.Omg/d1最低7. O m9/dIで,17 例中12例70.6%,50∼59才では最高34.O mg/d1・最低5・Omg/dlで.、35例中20例57・2 %,60∼69才では,最高23.Omg/dl最低4.5 一 122 一

(3)

mg/d1で,27例中63.0%が各々正常値.7∼14 mg/d1の範囲内にあった。 ビリルビンは,30∼39’才では最高1。12mg/d1 最低0.06mg/dlで,9』適中7例77,8%,40∼ 49才では最:高1.33mg/d1,最:低0.13 mg/d1で 23例中17例74.0%,50∼59才では最高0.96 mg/dl,最低O.’06 mg/dlで37例中29例87.5 %,60∼69才では最高0.01mg/d1,最:低0.18 mg/d1で,28例中24例85.8%が各々正常値 0.2∼0.8mg/dlを示した。 1.4 L2 鼠。 Llgli

一 一.. 一一 一. 一“一 rmo 一 一. 一. 一. m 1 一不 ・。 .蝕,● ‘ 正

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一一

ィ年令 オ

一一

ィ年令

60 70 80 オ

図7年令別NPN

図6ビ リルビン

残余窒素は,30∼39才では最高36mg/d1,最 低20mg/dlで9例中7例77.8%,40∼49才で は最高65m9/dl,最低15 m9/d1で25例中19 例76.1%,50∼59才では最:高48m9/d1,最低 16mg/dlで,42例中28例66.7%,60∼69才 では最高51mg/dl,最低16 mg/dlで,30例中 22例73.3%が各々正常値18∼30mg/dlの範囲 内にあった。 空腹時血糖は,30∼39才では最高109 mg/dl, 最低79 mg/dlで,9例中6例66.7%,40∼49 才では最高129m9/dl,最低63 mg/dlで,38例 中16例42.2%,50∼59才では最高122mg/d1 最低64mg/dlで,51例中30例58.9%,60∼69 才では最高128 mg/d1,最低76 mg/dlで,34例 申20例58.8%がそれぞれ正常値70∼93mg/dl を示した。 次に各検査結果の年令別平均値を比較してみる と表2のようになった。各平均値は,」血糖を除 いてはいずれも正常値を示し,総蛋白,A/G比は 共に,30∼39才が最:も高く,40∼49才,50∼69 才では年令の増加と共に漸次減少する値が見られ た。コレステv 一一ルは40∼49才が最も高い値を 壽 K lr)o 鯉 JOO 目 /so e . . ● ・● ・ ● r ●・ り サ ね の り ぼ

1τ回生墨rll

e o o 一一一_⊥__鳳_一L__■__」_冒_噛曽一L____k 20 3e 40 so 60 vo so 》年令 才

図8空腹時 血 糖

示し,ビリルビンは40∼49才において最も高い 値が見られた。iL糖の食前値は,各年令共ほぼ 正常であったが,食後2時闇値及び食後3時間値

(4)

48

表2年令別検査結果平均値

\\ 年令

検査露\_

30∼39才

総 i蛋 白

AIG 比

γ一グnブリン

コレステm一7レ

リ ポ イ ド 燐 ビ リ ?レ ビ ン

N

r食 t P

N

」食後1時間

血糖

/食後2時間

I !食後3時’間 7.83土0.89 gfd1 1.95士0.43 クンケル単位 8.1士6.5 mg/d1 204士55 mgfd1 12.7士3.4 mg/dl O.48=ヒ0.33 mg/d1 27士4. 8 皿9/d1 90±ユ0 140土24 121士23 101士 6 40’)49才 7. 66 ±O. 98 gfd1 1.78士0.45 クンケル単位 6.3士6.1 mg/d1 209土41 mgfd1 13.4土3.6 mgfdl O. 62±O. 27 mgfd1 28 ±8.7 mgfd1

94士16

138 ± 26 130 ± 31 116 ± 33 50’)59才

’ gfdl

・7.48士0.82 1.65士0.38 クンケル単位 5.7 ±5.5 mg/d1 199士47 mg/d1 13.4土5.8 mg/dl O.49士0.23 mg/d1 29土8.1 皿9/d1 93 ± 12

60∼69才

136土29 131土30 116 ± 23 7. 34±O. 88 gfd1 1.61土0.37 クンケル単位 6.6土5.5 皿9/d1 222 ± 45 ・2・・

ツ1:「

O. 48 ±O. 22 mg/d1 27士6.2 mg/dli 92士13 1 140土34 134土26 124土20 量 軽

碧羅

臼比彦

図9 受診者の検査結果

鷺∴

当臨床検査室に於ける人闘ドック はいずれも異常に高く,60∼69才では,より高い 値が認められた。リポイド燐,γ一グロブリン,残 余窒素はいずれも年令別の差異を示さなかった。 人間ドック入りをした受診者の総数について各 検査項目の検査結果が正常値を示す割合を調べて 見ると第9図の如くなる。即ち,総蛋白は137例

中102例73.4%,A/G比は139例中117例

84.2%,7一グロブリンは105例中69例65.7% コレステロールは139例中107例77.0%,リポ イド燐は89例中56例62.9%,ビリルビンは 100例中80例80.0%,残余窒素は110例中80 例72.7%,血糖は137例中75例54.8%が, それぞれ正常値範囲にあった。更に40∼49オ14 例,50∼59才9例,60∼69才5例につき,アル カリ性フォスファターゼ,無機燐,尿素窒素,標 準尿素クリアランスを測定した結果は表2∼4の 通りである。 アルカリ性フォスファターゼは,50∼69才では 平均値3.6±1.7S−J−R単位で,40∼49才,60 ∼69才に比較して正常値ではあるが低い値が認め られた。無機三値は,年令的差異が殆ど認められ なかった。尿素窒素値は,30 mg/d1,43 mg/dl, 27 mg/d1,37 mg/d1の如く異常値が二二認めら れたが,概ね正常値を示した。 標準尿素クリアランス値は,各年令層において ばらつきが多かったが,平均値は何れも正常値を 示した。 一 124 一

(5)

表340N49才

一1一一

1年

姓名i性

1 令

E 永 ○ ○ 野 「平○ ○ 達 広 ○ ○ 上. 小 ○

○藤

、岡○ 』O i# 岡 ○

○沢

町 ○ 島 ○ 944 949 943 849 849 846 948 949 844 943 948 845 847 847 ア7レカリ 性フォス ファター ゼ(S−J −R単位) 4. 3 4. 4 4.0 3. 9 2. 2 7. 4 6.4 6. 9 5.7 1.3 6.7 6. 5 7. 7 3. 7

無機燐

(mg/dl) 3. 4 3.9 3. 8 2. 7 4.0 2.4 3. 6 3.9 2. 2 3. 9 4.0 3. 6 4. 6 3. 5 標準尿素 クリアラ ンス (ml/rnin) 90 45 63 65 42 34 48 53 67 60 44 75 92 30 尿i素N (mg/dl) 14 21 12 17 8 19 20 21 43 22 30 12 11 20

平例

is.1±1.g 13. s±o.7 1 ss±ls 1 lg±s. 61 、表450・)59才 1 ア?レカリ 1 年性フォス 姓名1性 プアPt 一 令ゼ(S−J −R単位:) 未 ○ ○ 原 金

○葉

武○

○ 村 .柴 ○ ○○田

厚○

950 854 850 859 as 59 855 S53 957 951 4. 0 3. 5 3. 9 3. 5 2.6 1. 4 7. 4 4. 8 1.3

細螺隣霧縢N

(mg/dl) 1(X’.1’f〈 ,.i.)!E (Mgfdl) 3. 8 3.8 4. 1 3.6 2. 3 3.2 4.0 2. 9 3.7 56 90 58 54 45 66 44 22 48 9 20 27 14 21 12 30 19 17

平鋼

ト・…7ト…654・・71・9・6・・ 以上の結果から総蛋白,A/G比, or一グロブリ ン,コレステリン,ビリルビン,リポイド燐,残 余窒素の値は,受診者の6⑪%以上が正常値を示 したが,血糖は54.8%が正常値を示したのに過 ぎなかった。 総蛋白,A/G比は,各年令において平均値は いずれも正常値を示したが,30∼39才が最も高く 40∼49才,50∼59才と漸次減少した値を示し,こ れは木谷氏等2)の老年者では血清アルブミン量の 軽度減少が見られるという報告から考えれば,老 年になるにつれてA/G比低下が認められるのは 当然であろう。 年令別に検査結果を比較すると40∼49才にお いては,総蛋白,A/G比,γ一グロブリン,ビリ ルビン,一血糖値が他の年令層に比較して,正常値 を示す割合が最少であった。之はこの年令層の人 々が祉会的活動上からみても最も充実した時期に あり,軽度の身体の変調にも敏感になり,諸種の 医学的検査を希望して人間ドック入りをするため であろうと思われる。 結 語 本学病院特別短期入院健康診断受診者139例に ついて,.血清の総蛋白,A/G比,グロブリン, コレステロール,ビリルビン,リポイド燐,残余 窒素及び血糖の測定値を年令別に分類した結果を 述べ,更に28例の.血清アルカリ性フォスファタ ーゼ,.血浩無機燐,一血清尿素窒素,標準尿素クリ アランスの測定結果を附記した。 終りに臨み御指導,御校閲を賜った松村教授に深謝 する。

表560∼69才

姓名

織 ○ ○ 部 岡 ○ ○ 野 福 ○ 年 性 令 S64 S63 962 862 865 文 献 1)宮川啓,工藤智子:東京女医大誌,28,111∼ 120(HU33) 2)木谷威男,中島敏夫,田村珍彦,戸田良郎:生 物物理化学,2,300(昭30) ア7レカリ 性フオス ファタr’” ゼ(S−」 一R単位) .Z7 5.8 4. 8 3. 1 5. 4

無機燐

(mgfdl) 4. 5 2.7 2. 8 2. 8 5. 8

「辮蓼尿素N

ンス (ml/mi。)(mg/d1) 」 92 42 55 84 24 11 16 16 37 19 平均 5.4=ヒ1。7 3.7士1.4 59士28 20±11 1

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