Title
1321 ダンベル型供試体を用いたHPFRCC の一軸引張試験に
関する有限要素解析(強度・力学的特性(1),材料施工,2014年
度日本建築学会大会(近畿)学術講演会・建築デザイン発表
会)( 本文(Fulltext) )
Author(s)
佐藤, あゆみ; 六郷, 恵哲
Citation
[学術講演梗概集] vol.[2014] p.[641]-[642]
Issue Date
2014-09-12
Rights
The Architectural Institute of Japan (一般社団法人日本建築学
会)
Version
出版社版 (publisher version) postprint
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/53791
Finite-element Analysis of Uniaxial Tensile Test of HPFRCC with Dumbbell Specimens
SATOH Ayumi, ROKUGO Keitetsu ダンベル型供試体を用いた HPFRCC の一軸引張試験に関する有限要素解析 正会員 ○佐藤あゆみ* 同上 六郷恵哲** HPFRCC ダンベル型供試体 一軸引張試験 有限要素解析 ひずみ硬化 セメント複合材料 1. はじめに 複数微細びび割れ型繊維補強セメント複合材料(以下 HPFRCC)は,微細なひび割れを複数発生することで,鋼 材に類似した引張ひずみ硬化型の引張応力-ひずみ挙動 を示す材料である1)。HPFRCC の性能を活かした設計を行 うためには,HPFRCC の引張性能を適切に評価すること が重要である。 本稿では六郷ら 1)が提案したダンベル型供試体を用いた 一軸引張試験方法(写真 1)を対象に,HPFRCC の構成則を 変えた 6 ケース,また鋼製フレームの寸法を変更したモ デルの有限要素解析を行い,それら構成則と鋼製フレー ムの寸法が HPFRCC の引張性能と試験結果に及ぼす影響 を検討した。 2. 解析概要 2.1 解析モデルの概要 本研究で用いた解析モデルは 2 次元モデルであり,そ の概要を図 1 に示す。図 1(a)は基準となるモデルであり, ダンベル型供試体の中心部に 80mm の評価部分を有する 形状である。境界条件として,下側の鋼製フレームの節 点の鉛直方向および法線方向変位成分を拘束した。載荷 は図に示す矢印の位置に,最終的に 5mm となる強制変位 を与えた。図 1(b)は,鋼製フレームの寸法が基準モデルよ り 2 倍大きいモデル(フレーム大)である。図 1(c)は解析モ デルの要素分割図であり,供試体,鋼製フレームともに 平面応力要素で統一し,供試体の検長区間部は要素間隔 2.5mm に分割した。モデルの厚みは全て 15mm とした。 2.2 材料構成則 HPFRCC を想定した引張構成則として表 1 および図 2 に示す 6 ケースの構成則を使用した。引張構成則は図 3 に定義するひずみ硬化係数 H を-40~40 N/mm2の間で変更 した。全てのケースで圧縮強度は 40 N/mm2,弾性係数 E は 20 kN/mm2とした。なお,ひずみ硬化係数 H= 20 N/mm2 が E/1000 に該当する。 全ての解析において,鋼製フレームには十分に高い剛 性を与えて解析を行った。 2.3 解析条件 有限要素解析の計算には汎用非線形構造解析ソフト DIANA を利用した。ひび割れ軟化特性として要素の応力 -ひずみ関係を用いる分散ひび割れモデルに回転ひび割 写真 1 一軸引張試験装置 図 1 解析モデル 表 1 HPFRCC の引張構成則 れモデルを適用して解析を行った。解析ステップは変位 増分とし,収束計算はニュートン・ラフソン法を用いた。 3. 解析結果および考察 3.1 ひずみ硬化係数と引張試験方法との関係 図 1(a)の基準モデルに対して表 1 に示す引張構成則を適 用した解析結果として,引張応力-ひずみ関係を図 4(a) に示す。図 4(a)の横軸は検長区間(80mm)の変位から求め 写真-1 一軸引張試験装置 ひずみ硬 化係数H 引張降伏 強度fy 引張降伏 時ひずみ 引張 強度ft 引張終局 ひずみε t N/mm2 N/mm2 ε y×10-4 N/mm2 ×10-2 H40 40 4.00 2.0 5.99 5.0 H20 20 4.00 2.0 5.00 5.0 H0 0 4.00 2.0 4.00 5.0 H-1 -1 4.00 2.0 3.95 5.0 H-20 -20 4.00 2.0 3.00 5.0 H-40 -40 4.00 2.0 2.01 5.0 解析 ケース 0 1 2 3 4 5 6 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 引張応力 (N/m m 2) ひずみ H40 H20 H0, H-1 H-40 H-20 2.0×10-4 5.0×10-2 図 2 解析に適用した HPFRCC の引張応力-ひずみ関係 図 3 ひずみ 硬化係数 H (a)基準モデル (b)フレーム大 (c)要素分割 日本建築学会大会学術講演梗概集 (近畿) 2014 年 9 月
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Architectural Institute of Japan
* 熊本大学自然科学研究科環境共生工学専攻 助教 ** 岐阜大学工学部社会基盤工学科 教授
* Research Assoc., Graduate School of Science and Technology, Kumamoto University
** Prof., Dept. of Civil Engineering, Faculty of Engineering, Gifu University.
(a) HPFRCC の引張構成則を変えた 6 ケースの比較 (b) フレームの寸法を変えた 2 ケースの比較 図 4 解析結果の引張応力-ひずみ関係 (a) H20 (b) H-20 (c) フレーム高 40mm 図 5 降伏時 主応力コンター図 (a) H20 (b) H-20 (c) フレーム高 40mm 図 6 ひずみ 1%時 主応力コンター図 たひずみである。また図 4(a)の引張応力-ひずみ関係の降 伏時における H20 と H-20 の主応力コンター図を図 5(a)と (b) に,同様にひずみ 1%時の主応力コンター図を図 6(a) と(b)に示す。図 4(a)より,ひずみ硬化係数が 0 以上の場 合,解析結果はひずみ硬化型の引張応力-ひずみ関係と なり,一方でひずみ硬化係数が 0 以下つまり構成則に軟 化特性を持つ場合に,急激に応力が低下した。 図 5(a),(b)に示す主応力コンター図より,降伏時には H20 と H-20 の主応力の分布状態は類似しており,フレー ムの接触部(a, c 点)と検長区間の端部(b, d 点)の主応力が比 較的高いことが分かる。しかし,変位が進むにつれて H-20 では,図 6 (b)のように検長区間の端部(h 点)に極端な応 力集中が生じ,局所化したひび割れが発生した。この局 所化したひび割れはひずみ硬化係数が 0 以下の構成則を 適用した全ての場合に発生することから,軟化特性を持 つ材料では検長区間内の引張性能を適正に評価できない 可能性がある。一方で,ひずみ硬化特性を持つ材料の場 合,検長区間端部の応力集中の影響が小さく,図 6 (a)の ように検長区間内(f~g 点間)の材料の引張性能を均質に評 価できていると考えられる。 3.2 鋼製フレームの寸法と引張試験結果との関係 図 1(a)の基準モデルと図 1(b)のフレーム大の解析結果と して,引張応力-ひずみ関係を図 4(b) に示す。図 4(b)は どちらもひずみ硬化係数に 20 N/mm2を適用した結果であ るが,ひずみが約 1%に達した後,フレーム大の場合には 応力の向上が見られなかった。これを図 6(c)の主応力コン ター図(ひずみ 1%時)でみると,図 6(a)の基準モデルと比 較して,応力を負担している領域が狭いことが分かる。 また基準モデルを使用した場合より,検長区間端部(i 点) に発生した主応力が高いことが,図 6(a)と図 6(c)とを比較 することで分かる。これらの影響は降伏強度後の結果に 影響し,図 4(b)のようにひずみ硬化挙動が基準モデルと異 なったと考えられる。 4. まとめ HPFRCC の 引 張 構 成 則 と 鋼 製 フ レ ー ム の 寸 法 が , HPFRCC の引張性能と引張試験結果に及ぼす影響を有限 要素解析によって検討した。その結果,本稿で検討した 形状の供試体はひずみ硬化特性を持つ材料に適応するこ とが分かった。また鋼製フレームの寸法は試験結果に影 響し,特に降伏後の引張挙動に強く影響を与える結果が 得られた。 参考文献 1) 土木学会(編):複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料設計・ 施工指針(案),コンクリートライブラリー127,316 pages,2007 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 0 0.02 0.04 0.06 引張応力 (N / mm 2) ひずみ H40 H20 H0 H-1 H-20 H-40 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 0 0.02 0.04 0.06 引張応力 (N / mm 2) ひずみ 基準モ デル フレー ム大 ひずみ硬化係数H=20 a b c d e f g h i
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