• 検索結果がありません。

Vol.35 , No.2(1987)039黄 美「智光禅寺の水陸道場について」

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Vol.35 , No.2(1987)039黄 美「智光禅寺の水陸道場について」"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

智 光 禅 寺 は 観 音 応 現 の 新 興 道 場 と し て 一 般 民 衆 に 深 く 信 仰 さ れ て い る 禅 宗 係 統 の 寺 院 で あ る。 場 所 は 北 台 湾 の 台 北 近 郊 に あ る 五 股 郷 の 五 竜 山 麓 に 立 地 し て い る 観 音 霊 場 で あ る。 該 寺 に 於 い て 二 昨 年 ( 一 九 八 四) 十 二 月 二 十 六 日 か ら 十 二 月 二 日 ま で 七 日 間 に 在 家 菩 薩 戒 会 と 水 陸 法 会 を 同 時 に 抗 り 行 う こ と に 陰 陽 両 度 の 大 法 会 が 展 開 さ れ、 以 っ て 智 光 禅 寺 の 落 慶 法 要 と し て 盛 大 に 厳 修 さ れ た。 こ こ で は 当 時、 智 光 禅 寺 に お い て 行 わ れ た 水 陸 道 場 の 行 事 に つ い て 考 察 し て み た い。 水 陸 道 場 或 は 水 陸 法 会 と も 称 す る 仏 教 行 事 即 ち 最 大 級 の 中 國 式 お 施 餓 鬼 行 事 で あ る こ れ は 元 来 ﹃ 佛 説 救 抜 煩 口 餓 鬼 陀 羅 尼 経 ﹄ に よ る も の で あ る が、 中 國 社 会 を 背 景 に し て、 南 北 朝 か ら 宋 ・ 明 ・ 清 ま で 長 時 間 を 掛 け て、 中 華 文 化 の 上 で 形 成 さ れ た 仏 教 行 事 で あ る か ら、 全 く 中 國 人 の 天 地 神 明 思 想 と 祖 先 崇 拝 の 社 会 習 慣 に 基 い て、 中 華 民 族 の 人 生 観 に よ っ て 織 み 出 さ れ た 仏 教 儀 礼 で あ る か ら、 純 中 国 式 の お 施 餓 鬼 で あ る。 水 陸 の 題 名 に つ い て 考 え て 見 る と、 そ れ は 中 国 人 の 生 命 感 に よ る も の で あ り、 人 の 魂 は 死 ん だ そ の 場 所 か ら な か く 離 れ る こ と が で き な い の で 水 の 溺 死 に 苦 ん で い る 麦 魂、 又 は 陸 上 に 生 活 し て い た 者 の 死 後 更、 或 は 六 道 群 更 と 三 界 萬 N更 を そ の 供 養 対 象 と す る こ と を 意 味 す る。 現 行 の 水 陸 儀 規 の 出 来 た 時 代 に は 飛 行 机 が 未 だ 発 明 さ れ て い な い た め、 空 中 爆 発 事 故 に よ る 空 中 遭 難 者 の 霊 を 供 養 す る ﹁ 空 ﹂ が 省 か れ て い る、 若 し 新 た に 水 陸 儀 規 を 再 編 修 す る に 当 っ て は、 多 分 昨 年 の 八 月 に、 群 馬 県 の 上 野 村 山 中 で 墜 落 し た 日 航 ジ ャ ン ボ 机 の 遭 難 者 の 更 を 供 養 す る 為 に ﹁ 空 ﹂ の 字 を 付 け 加 え る で し ょ う。 水 陸 道 場 の 行 事 内 容 に は(1)堂 師 門 ・(2)経 繊 門 ・(3)法 器 門 ・ (4)紙 割 門 ・(5)香 燈 門 ・(6)斎 供 門 ・(7)書 記 門 ・(8)作 法 門 ・(9)酬 謝 門 等 の 九 部 門 か ら 構 成 さ れ る も の で あ る。 作 法 門 に よ る 儀 礼 内 容 は、 先 づ 内 壇 を 最 も 主 要 壇 場 と し て 荘 厳 に 設 け ら れ る こ と は 言 う ま で も な く、 こ の 外 に 梁 皇 壇 を 始 め、 華 厳 壇 ・ 法 華 ・壇 ・ 諸 経 壇 ・ 薬 師 壇 ・ 浄 土 壇 等 の 六 経 壇 を 設 け、 こ れ を 内 壇 に 対 し て 外 壇 と 称 す る こ と で あ る。 智 光 禅 寺 の 水 陸 道 揚 に つ い て ( 黄) 一 七 九

(2)

-680-智 光 禅 寺 の 水 陸 道 場 に つ い て ( 黄) 一八〇 外 壇 は 内 壇 の 前 夜 祭 の 役 目 の み な ら ず、 内 壇 の 行 事 内 容 を 必 要 と す る 颯 諦、 礼 繊 儀 礼 の 割 り 当 て と し て 複 合 的 に 奉 修 さ れ る 水 陸 道 場 の 内 外 重 層 の 複 合 儀 規 を 現 す も の で あ る。 1 梁 皇 壇 は 主 と し て 梁 武 帝 親 修 の 梁 皇 寳 繊 に よ る 繊 悔 発 願 ・ 進 求 仏 道 の 礼 戯 行 事 で あ る。 2 華 厳 壇 は 華 厳 経 の 最 高 境 地 を 尊 崇 し て、 読 経 の 仏 道 精 進 を 読 修 す る。 3 法 華 壇 は 法 華 経 を 深 遠 究 極 の 教 え と 信 じ て 読 経 の 仏 道 精 進 を 読 修 す る。 4 諸 経 壇 は 専 ら 読 経 の 功 徳 を 活 し て 読 経 精 進 に 励 む 寺 院 生 活 そ の も の で あ る が、 出 家 学 仏 に 基 く 建 前 か ら 言 え ば、 最 も 大 事 な 修 行 儀 礼 に 値 え す る。 5 薬 師 壇 は 薬 師 経 の 礼 諦 に よ っ て 檀 信 徒 自 身 の 現 世 利 益 を 祈 る 祈 願 儀 礼 で あ る。 こ れ は 即 ち 民 衆 の 信 仰 を 重 視 す る も の で あ る が、 時 に は 樗 厳 経 を 入 れ 替 え て 樗 厳 壇 に 換 え る 場 合 も あ る。 6 浄 土 壇 は 極 楽 浄 土 の 素 晴 し い 風 景 が よ く 造 形 さ れ て い る 他 力 本 願 の 象 徴 で あ る。 こ の 外 に 紙 割 門 の 紙 製 品 に よ っ て、 浄 土 に 到 達 す る た め の r交 通 機 関 と し て、 法 船 ・ 車 ・ 天 馬 等 色 々 な 乗 物 が 用 意 さ れ て あ る、 就 中、 最 も 徴 意 さ れ て い る の は、 辻 去 の 水 陸 道 場 に 見 当 ら な い 浄 土 行 の 極 楽 号 飛 行 机 が、 時 代 の 代 表 作 と し て、 一 際 晴 れ や か に 見 え る。 内 壇 の 行 事 は 極 め て 厳 粛 に 執 り 行 わ れ る の で、 参 加 者 以 外 の 者 は 一 切 立 入 り 禁 止 に な っ て い る。 内 壇 の 行 事 は 外 壇 よ り 二 日 間 遅 れ て 始 ま る の で、 実 際 的 に は 五 日 間 の 儀 礼 で あ る が、 最 初 の 三 日 間 は 丑 の 刻 に 始 ま る も の で あ る か ら 最 も 神 聖 な 儀 礼 で あ り、 真 夜 中 の 夜 空 は 宇 宙 の 神 秘 性 を 湛 え て、 十 方 三 世 の 諸 仏 と 三 十 三 天 の 天 神 様 達 が、 す ぐ 屋 根 の 上 ま で 降 り て 来 ら れ て い る か の よ う に 最 も 広 大 な 世 界 観 が 展 開 さ れ、 内 壇 そ の も の が 宇 宙 の 縮 図 と し て 天 地 陰 陽、 天 人 合 一 の 大 道 場 に 化 し て、 ほ ぼ 五 昼 夜 に 亘 っ て 最 も 厳 粛 に 奉 修 さ れ た 宇 宙 的 規 模 の 大 法 要 で あ る。 水 陸 道 場 の 内 壇 行 事 は 左 表 の 如 く

(3)

-681-第 一 日 に 最 初 の 儀 礼 は 結 界 と 言 う 行 事 で、 こ れ は 宗 教 世 界 の 通 信 基 地 を 定 め る 宗 教 行 事 で あ る。 そ の 内 容 的 特 質 か ら 見 れ ば そ れ は 天 地 の 法 則 に 則 っ て、 正 法 久 住 の 修 行 に 励 む、 そ こ か ら 人 間 の 内 面 に 充 ち て い る 普 遍 的 な 本 具 清 浄 の 仏 性 に 覚 め、 由 っ て 十 方 三 世 諸 仏 の 世 界 に 通 ず る 航 路 を 連 結 さ せ る 創 意 的 な 精 神 昇 華 の 行 事 で、 開 巻 見 本 の 偶 頗 は 左 記 の 如 く、 法 性 湛 然 周 法 界 甚 深 無 量 絶 言 詮 自 従 二 念 失 元 明 八 萬 塵 労 倶 作 蔽 此 日 修 斎 興 普 度 粛 清 意 地 謹 威 儀 仰 愚 密 語 為 加 持 将 仰 自 他 還 本 浄 こ れ は 本 来 清 浄 の 無 念 の 正 念 に 還 っ て、 仏 性 の 普 遍 的 な 存 在 に 覚 め て 十 方 三 世 諸 仏 と の 感 応 を 可 能 に す る 加 持 儀 礼 で あ る。 次 は 発 符 懸 旛 の 行 事、 こ れ は 道 場 の 旗 と し て 高 く 掲 げ、 更 に 使 者 を 使 え て 供 養 対 象 の 招 請 に か け め ぐ る こ と で あ る。 第 二 日 目 の 行 事 は 上 堂 十 席 を 歓 迎 し て 敬 度 に 供 養 す る 請 上 堂 ・ 供 上 堂 の 儀 礼 で あ る。 第 三 日 目 の 行 事 は 下 堂 十 位 と 六 道 群 災 を 迎 え、 三 帰 ・ 繊 悔 ・ 幽 冥 戒 を 授 け る こ と に よ る 冥 界 救 済 の 儀 礼 で あ る。 第 四 日 目 の 午 前 中 は 十 方 三 世 諸 仏 へ の 供 養 で、 午 後 は 下 堂 及 び 六 道 群 霊 の 供 養 で あ る。 第 五 日 目 は 最 高 の 仏 様 を 始 め、 法 界 六 道 の 一 切 衆 生 ま で、 二 度 に 大 供 養 を 行 う 宇 宙 規 模 な 大 曼 会 を 設 け て、 平 等 慈 済 の 大 供 養 を 施 す 圓 満 供 の 儀 礼 で あ る。 そ れ か ら 圓 満 香 を 上 げ て 終 を 示 す、 更 に 送 聖 の 儀 礼 を 以 っ て 供 養 対 象 の 招 待 者 を 見 送 る。 こ れ に て 法 会 の 圓 満 を 告 げ る の で あ る。 ( 南 光 佛 学 院 教 授) 智 光 禅 寺 の 水 陸 道 場 に つ い て ( 黄) 一 八 一

参照

関連したドキュメント

地下貯水槽No.2 No.2からの漏えい量は、当初考えていた約 からの漏えい量は、当初考えていた約120 120m m 3

白山中居神社を中心に白山信仰と共に生き た社家・社人 (神社に仕えた人々) の村でし

ポンプ(B) 循環 K4-B1 K4-B10 K4-B9 K4-B8 K4-B7. K4-B6 K4-B5 K4-B4

5.2 5.2 1)従来設備と新規設備の比較(1/3) 1)従来設備と新規設備の比較(1/3) 特定原子力施設

16 単列 GIS配管との干渉回避 17 単列 DG連絡ダクトとの干渉回避 18~20 単列 電気・通信ケーブル,K排水路,.

協同組合間の提携について

建屋水位・地下水位の監視と制御 特定原子力施設 (第23回)資料 監視・評価検討会 加筆.

上水道施設 水道事業の用に供する施設 下水道施設 公共下水道の用に供する施設 廃棄物処理施設 ごみ焼却場と他の処理施設. 【区分Ⅱ】