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実質賃金か標準商品か?     ―生産性上昇と分配率変動―

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(1)

実質賃金か標準商品か?

    ―生産性上昇と分配率変動―

聖二

1.はじめに

 賃金が上昇すれば利潤は下落する。いいかえれば,労働者の取り分が多くなれば資本家 の分け前はすくなくなる。このような「賃金一利潤の相反関係」は,日常的にもひろく知 られてはいるし,また,リカードウがかれの経済理論の要石として採用した命題でもあっ

た。

 ところが,「賃金上昇」の意味の解釈しだいによっては,この命題の真意を誤解するお それすらある。はじめに,ここでいう「賃金」が「名目賃金」ないし「貨幣賃金」でない ことだけは,あきらかであろう。経済がインフレーション過程にあるときには,「名目賃 金」がどれだけ上昇しようとも,その上昇率が物価上昇率におよばなければ,結果的には

「実質賃金」は低下し,かえって労働者には不利に作用するからである。

 それでは,「賃金」を「実質賃金」として,すなわち,なんらかの必需品の数量に換算 した労働者の受け取り分として解釈すれば,すべてがうまくゆくのであろうか。ふたたび,

インフレーション経済の例にもどろう。さきの例とは逆に,物価上昇率を「名目賃金」上 昇率がうわまわり,そのため「実質賃金」は上昇しているとしよう。たとえこのケースで も,生産性が上昇していれば,多少の「実質賃金」の上昇を認めてさえも,なお,資本家 には有利な状況が生じるかもしれない。したがって, 「実質賃金」の上昇,いいかえれば 労働者の生活水準の向上は,資本一労働の観点からみれば,かならずしも,相対的には,

かれらの経済上の地位の改善を意味しないかもしれない。

 そうすると, 「名目賃金」や「実質賃金」が労働者の経済上の相対的地位を代表する指 標として失格した以上,なにか別の指標を探しだす必要がある。そこで,こんどは,やや 観点をかえて,資本一労働間の相対的取り分を労働価値タームで表現することにより,マ ルクス以来経済理論ではひろく使用され,一般に「搾取率」または「剰余価値率」とよば れている指標を試してみよう。「搾取率」は,労働の成果として生産物に体化された労働 時間のうち,労働力提供の対価として労働者に帰属する部分にたいする,資本家の取得分 の相対的比率をあらわすものであり,名目的な賃金変動や,生産性上昇に起因する必需品 の価値の相対的低下などから生じる不都合からまぬがれた,分配率をあらわす指標として はまことに申し分のないものであるといえよう。

 このように, 「賃金一利潤の相反関係」を代表する指標として「搾取率」には及第点を あたえることができるわけではあるが,「搾取率」は,労働価値を用いて定義される投下 労働タームの指標であるため,われわれが直接認識できるような,価格や賃金といった支 配労働タームで表現された情報からは,ただちには知覚しえない。「搾取率」を確定する

(2)

ためには,個々の商品の労働価値を計算する必要があるし,また,支配労働タームで表現 される賃金を,なんらかの手法を用いて,投下労働タームの数値に変換する必要があるか らである。

 そこで,こんどはスラッファの標準商品に注目してみよう。スラッファの標準体系は,

現実の投入産出構造をあらわすデータを利用して,すべての産業に均一な物的剰余比率を 生むように調整された仮想的な産出量体系であり,この体系のなかでは,価格タームのデー

タであれ価値タームのデータであれ,標準比率という物量タームであらわされた数値に帰 着するような表現に変換することができる。しかも,この仮想的な体系の投下労働量を,

現実の体系のそれと一致するように規準化できるのである。そうすると,このような理想 的な性質をもった体系をうまく利用すれば,価格タームのデータと価値タームのデータと をリンクさせることにより,支配労働を投下労働の表現に変換できそうである。

 本稿では,賃金を測定するニュメレールとして標準商品を採用しさえずれば,支配労働 を投下労働に,したがって,賃金分配率を「搾取率」にリンクさせることができ,その結 果, 「名目賃金」の変動や生産性上昇に起因する不都合をまぬがれた,分配率として理想 的な指標が得られることを,あきらかにする。あわせて,この標準商品で測った賃金とい う指標が,リカードウのいう「不変の価値尺度」となるべき資格を有していることも示そ

う。

2. 「実質賃金」と「賃金一利潤フロンティア」

 森嶋通夫は,その著書『リカードの経済学』のなかで,リカードウのいう「賃金一利潤 の相反関係」を, 「実質賃金」と利潤率とのあいだに成立するトレード・オフをあらわす 関係であるという解釈を提唱している1)。そこで,本節では,まず森嶋にしたがって,

「賃金」を「実質賃金」と解釈したときに, 「実質賃金率」と利潤率とのあいだに成立す る関係をあらわす「賃金一利潤フロンティア」を導出したのち,生産性が上昇するときに は,なぜ,この「実質賃金率」が労働分配率を代表する指標として失格するのかを検討し

よう。

 いま,つぎのようなスラッファ体系をかんがえよう。

    P=(1十r)(畑+ωα。)      (2.1)

ただし,記号はそれぞれ,

    p:価格ベクトル,  r:利潤率,  ω:賃金率,

    。4:投入係数行列,  α。:労働投入係数ベクトル

をあらわす2)。ここで, 「実質賃金」を定義するために,なんらかの必需品ベクトルをバ スケット方式で規定し,このベクトルを記号。であらわそう。そうすると,この賃金財バ スケットで測った「実質賃金率」を記号μであらわせば,

      ゆ

    μ=π      

(2.2)

1)森嶋[4]訳書23〜24ページ参照。

2) スラッファ体系についてはスラッファ[17]参照。また,永田[7]もみよ。

(3)

になる。すなわち,1単位の労働力販売の報酬ωは,基準となる賃金財バスケット。の 何単位分に相当するのか,ということをあらわす指標が「実質賃金率」μである。そして,

この定義式を代入すれば,スラッファ体系は,

    」P=(1十r)」P(!霊十μcαo)       (2. 3)

になる。あるいは,増補投入係数行列を

    ∠4=ノ重十μcαo      (2. 4)

と定義することにより,

    p=(lrトr)、ρノ4       (2. 5)

というかたちであらわされる。定義から,あきらかに,増補投入係数行列は「実質賃金率」

に依存し,μの増加関数となる。

 それでは,この増補投入係数行列を利用して,「実質賃金率」と利潤率のあいだにトレー ド・オフ関係が成立することを示そう。いま,「実質賃金率」がμoからμ へ上昇したと しよう。このとき,μo<μ1であるから,増補投入係数行列の定義式(2.4)により,

    .40<.41

ここで,増補投入係数行列につけられた添数は,それぞれ,「実質賃金率」に付されたそ れらに対応する。そこで,価格方程式(2.5)をみたす解p,rにも同様の素数をつけ

よう。そうすると,価格ベクトルは増補投入係数行列の固有行ベクトルになり,また,こ の行列のフロベニウス根から利潤率が定まることがわかる3)。さらに,増補投入係数行列 を介して価格体系に双対な体系が存在するので,対応する固有列ベクトルを記号4であら わし,「実質賃金率」水準の相違に応じて,さきと同様の虚数を付そう。すなわち,ベク

トル6は,バランス式

    9=(1十r).49      (2.6)

をみたす非負ベクトルであり,価格ベクトルと同様に, 「実質賃金率」に応じて定まる。

そこで, 「実質賃金率」がμoのときのバランス式(2.6)の両辺にベクトルpユをかけ たものから,μ1を代入した価格バランス式(2.5)の両辺にベクトルgoをかけたもの

をひけば,

    0=(1+ro)P1.40go一(1+r1)P1.41go      <(rO−rユ)Pユ.4ユgo

ここで,p1」1go>0であるから4), rO>r1。したがって,森嶋推薦の「実質賃金率」を 採用すれば, 「賃金一利潤の相反関係」が

    、μ0<μ1 ⇒ rO>r1 というかたちで表現される )。

 このように,分配指標として「実質賃金率」を採用すれば,いちおう,利潤率を「実質 賃金率」の減少関数のかたちであらわした, 「賃金一利潤フロンティア」が得られること

3)フロベニウス根については,二階堂[10], [ll]参照。また,そのスラッファ体系への応用に ついては永田[5], [6]もみよ。

4)ここで,労働者が消費する必需品のなかに,すくなくともひとつ,基礎的生産物が存在すること が仮定されている。なお,基礎的生産物についてはスラッファ[17]あるいは永田[6]参照。

5) 森嶋[4]第1章, [3]第6章参照。

(4)

から, 「実質賃金率」は「賃金一利潤の相反関係」をあらわす適当な指標であるかのごと くおもえるかもしれない。ところが,あとで述べるように,リカードウが「不変の価値尺 度」に求めた要件は,あきらかに,生産性の変動にもかかわらず「不変性」を保つ分配指 標であったから,森嶋推薦の「実質賃金率」がこの「不変性」テストに合格する・までは,

適切な評価をあたえることはできないだろう。じっさい, 「実質賃金率」はこのテストに 失格するのである。以下では,生産性が変動するときには, 「実質賃金率」が分配指標と

して不適切になる理由を述べよう。

 「不変性」をもつ分配指標として「実質賃金率」が失格することを示すために,ここで,

定義式(2.2)を利用して, 「実質賃金率」を「搾取率」に変換してみよう。まず,そ の変換式の導出のために必要になる,たがいに双対なふたつの体系,産出量体系と価値体 系とを導入しよう。前者は,考察の対象となる経済の投入・産出構造にもとつく,産出量 バランスをあらわす式

    κ=ノ4κ十デ      (2. 7)

のことであり,一方,このような再生産の条件を,投下労働に還元されたバランス式

    o=o∠1−1一αo      (2. 8)

として表現したものが価値体系である。ここで,記号κ,f,ひは,それぞれ,産出量,

最終需要,労働価値をあらわすベクトルを意味する6)。このとき,これら2式が双対な関 係にあることから,この経済全体の投下労働時間α。κは,経済の最終需要に体化された 労働価値ofに恒等的に等しいことがわかる。じっさい,これら両式から

    α。κ=o(1一オ)κ=of

が成り立つ。ただし,記号1は単位行列をあらわす。

 この経済の投下労働時間は全体でα。んであるから,定義式(2.2)によれば,賃金 総額ωα。κを,この金額をすべて使ったとき購入可能な必需品ベクトルのかたちに換算 すれば,ベクトルμcα。κに相当する。そこで,これを労働価値で評価すればμひ。α。κに なるので,この額を最終需要ベクトルに体化された労働価値。 から控除した残余が,労 働価値タームであらわした資本家の取り分になる。このとき,労働者の取り分にたいする 資本家の取得分を,投下労働タームで, 「搾取率」

    毒一〇ノーμcα・κ一1一μoe       (2.9)

        μOCαoκ      μOC

のかたちに変換できる。この変換式をみれば一目瞭然に, 「実質賃金率」μの上昇は「搾 取率」あの低下をまねくことがわかるので,一見分配率を代表する指標として,後者 の代理に前者を採用できるかのように,おもえるかもしれない。ところが, (2.9)式 を注意深く検討してみれば, 「搾取率」は, 「実質賃金率」のほかに,価値ベクトル。や 必需品ベクトル6にも依存することがわかる。したがって,たとえ,かりに必需品ベクト ルは「実質賃金」の測定単位として不変であると想定できたとしても,つぎに示すように,

生産性が変動するときには商品に体化された労働価値そのものが変化するために,価値ベ クトルの変動の影響をうけて,「実質賃金率」の上昇は,かならずしも,「搾取率」の低

6) これらの体系について,くわしくは,パシネッティ[13],森嶋[3],塩沢[16],あるい  は永田[7]参照。

(5)

下を意味しないかもしれない。そのばあい,「実質賃金率」はりカードウの「不変性」テ ストには合格しないために,これを「賃金一利潤の相反関係」をあらわす指標として採用 することはできない。

 それでは,つぎに,生産性が上昇するときには商品に体化された労働価値が低下するこ と,したがって,たとえ「実質賃金率」をあらわす指標μが不変であったとしても「搾取 率」そのものは上昇することを示そう。はじめに,生産性の上昇は,一般に,なんらかの 生産物の投入係数の値の低下のかたちで表現できる。すなわち,初期の投入係数行列に添 数0を,また,係数変化後の行列に添数1をつけたとき,生産性の上昇は,

    。40>。41

というかたちであらわせる。このとき,それぞれの投入係数行列に応じて,価値ベクトル にも同様の添数を付せば,

    00=α。(∫一.40)弓≧α。(ノー.41)一1=か

すなわち,生産性上昇の結果,商品1単位あたりに体化された労働量をあらわす価値ベク トルは低下することがわかる7)。

 したがって,労働者の消費の対象となる必需品ベクトルにふくまれるなんらかの生産物 を生産するために,直接的にも間接的にも,まったく必要とされない商品をのぞいて,任 意の商品の生産性の上昇は,必需品ベクトルに体化された労働価値ocを低下させるので,

このようなケースでは,たとえ「実質賃金率」μが不変であり,必需品の数量に換算した 労働者の生活水準に変わりがなかったとしても,変換式(2.9)に照らしあわせてみれ ば,このとき「搾取率」あの低下を確認できる。その結果,じっさいは,このケースで は投下労働タームで評価した労働者の相対的地位は悪化していることがわかる。

 このように,生産性が変動するときには,「実質賃金率」の値は,かならずしも,「搾 取率」水準の動きを代表するとはかぎらないため,森嶋の強力な推薦にもかかわらず,リ カードウの「不変性」テストに適合しない「実質賃金率」を,労働者の相対的地位を代表 する分配指標として採用することはできない。なお,生産性の上昇が,直接,労働時間の 短縮のかたちで,

    αo>α1

として出現するケースでも,まったく,同様の議論が成り立つことは1あきらかであろう。

7)ここで,行列。40は生産的であること,したがって,行列1一.40の非負逆転可能性が仮定されて いる。そうすると,.4 も生産的な行列になるので,1一・4 も非負逆転可能である。そこで,不等

   1一ノ40<1一」41

の両辺に,左右からそれぞれ,非負の逆行列(1一.40)一1と(1一.41)一1をかければ,

   (ト.40)一1>(1一。41)一1

 を得る。なお,非負行列の非負逆転可能性については,二階堂[10], [11],Nikaido[12],

 または,塩沢[16]参照。また,永田[5], [6]もみよ。

(6)

3.標準商品と「賃金一利潤フロンティア」

 前節で示されたように,森嶋推薦の「実質賃金率」が,分配率を代表する指標としての 要件をみたしているかを検証するリカードウの「不変性」テストに失格した以上,支配労 働タームの情報を投下労働タームのそれへ変換するための,あらたな指標を探しだす必要 がある。しかも,その指標は「不変性」テストにも適合することが要求される。はたして,

そのようなつこうがよい指標は存在するのであろうか?こめ難問はリカードウの提起以来

「不変の価値尺度」問題としてひろく知られているが,標準体系という仮想的な体系の純 生産物を測定単位に選ぶという,簡明かつ斬新な解決をあたえたのがスラッファである8)。

本節では,はじめに,この標準商品を測定単位に採用したときに「賃金一利潤の相反関係」

を表現する「賃金一利潤フロンティア」を導出したのち,標準商品で測った賃金と「搾取 率」とを結びつける変換式を求めることにより,この指標がリカードウの「不変性」テス

トに合格することを示そう。

 まず, 「賃金一利潤フロンティア」を求めるさいに測定単位となるべき標準商品を導入 しよう。標準体系とは,現実の投入産出構造を反映した投入係数行列を利用して,すべて の産業に均一な物的剰余比率を生みだすように調整した仮想的な産出量体系のことであり,

また,この仮想的な体系の純生産物を標準商品とよぶ。すなわち,この体系の産出量ベク トルをg,物的剰余比率をRとすれば,

    9=(1十R)、49       (3.1)

が成立するので,この体系の純生産物     9一・49=R49

が標準商品である。ただし,この仮想的な体系は,投下総労働量が現実の体系のそれに一 致するように,

    α。9=αG」C      (3.2)

という規準化をほどこしてある。なお,このときの物的剰余比率Rを標準比率とよぶ。

 そこで,現実の体系の賃金総額を標準商品に換算すれば何単位に相当するのかを,記号 ω*であらわせば,

    ω・一ωαoκ一ω〃09      (3.3)

      珈オ9        謬論

になる。この標準商品で測った賃金総額を,便宜上,標準賃金とよぼう。そうすると,標 準体系の定義式(3.1)に価格ベクトルpをかけたものと,価格方程式(2.1)にベ

クトル4を乗じたものとを比較すれば,標準賃金で測った「賃金一利潤フロンティア」

      E(1一ω*>

    r=      (3.4)

      1十ω*R

を得る。上式から,標準賃金の上昇は利潤率低下をまねくこと,また,賃金がゼロのとき の最大利潤率が標準比率Rに等しいこと,さらに,利潤がゼロのときには標準賃金は1 になること,などがわかる。より明示的な表現をすれば, (3.4)式から,

8)スラッファ[17]参照。

(7)

    ∂r    R(1十R)

        =一        〈0     ∂ω*   (1十ω*E)2     ∂2r     21ぞ2(1十1ぞ)

        =         >0     ∂ω*2  (1十ω*R)3

が得られるので,ω*一r平面上では,「賃金一利潤フロンティア」は,1とRとを切片 とする右下がりの曲線であり,ω*が0から1へ近づくにしたがって,だんだん,曲線の 傾きの絶対値はゆるやかになってゆくことがわかる9)。

 なお,利潤率rは標準比率Eにも依存し,その偏導関数が     ∂r   !一ω*

    一=       >0     ∂R (1十ω*R)2

となるので,生産性が上昇するときには,「賃金一利潤フロンティア」は,ω*がわの切 片を!に保ったまま右方シフトする。このことは,なんらかの生産物の投入係数の低下の かたちで生産性の上昇が生じたとき,その結果生じる標準比率の上昇が,標準賃金の動き とは独立に,直接,利潤率そのものを上昇させることを意味するので,一見,標準賃金が

「賃金一利潤の相反関係」を表現する指標であるという解釈に矛盾するような反例が見つ かったかのようにおもえるかもしれない。ところが,これは,利潤率の定義自体に潜む根 本的な問題であって,その定義式中の生産手段価額の低下に起因するものであり,賃金の 測定単位としてなにを採用するかということには,まったく無関係である。したがって,

標準賃金にかぎらず,森嶋推薦の「実質賃金率」をふくむ,他の任意の指標でさえも,こ の難点を回避することはできない。いわば,分配指標として利潤率自体に資格上の問題が あったわけである。

  標準賃金が,分配率をあらわす適切な指標のひとつになり得ることを示すためには,

この指標と「搾取率」との1対1対応をあらわす変換式を導出すればよい。そこで,前節 で「実質賃金率」の定義式から「搾取率」への変換式を求めたプロセスと同様に,規準化 の約束(3.2)に注意して,標準賃金の定義式(3.3)を利用すれば,

    ω一〇f一ω*R吻一1一ω*       (3.5)

       ω*

       ω*Ro・49

という変換式を得る。この変換式をみれば,ただちに, 「搾取率」ωは標準賃金ω*以外 のなにものにも依存しないことがわかる。したがって,標準賃金は,たとえ生産性の変動 が生じようとも,分配率を代表する指標としてリカードウが求めた「不変性」の要請を満 足できるので,支配労働タームのデータを投下労働タームのそれに変換する式(3.5)

を介して,りっぱに,「搾取率」の代理として機能する。

 なお,変換式(3.5)を対数微分すれば,

    ω     1   ω*

    ω    1一ω* ω*

を得るので,標準賃金の変化率ω/ωは,直接,逆方向への「搾取率」の変化率ω/ωへ むすびつくことがわかる。ここで,ドット記号は,時間にかんする導関数

9)厳密には,この曲線は,ω*=一1/Rとr=一1とを漸近線とする双曲線になる。パシネッティ  [13]訳書154〜155ページ参照。

(8)

    ・≡4/砒

を意味する。一方, (3.4)式の対数微分からは,

    ÷「+毒R{E ω*(1+RR  l一ω*)・釜}

     一1÷漁{R  l十R ωR  l十ω ω}

が得られるので,生産性が変動するときには,利潤率の変化率r/rは,標準賃金,し たがって,「搾取率」の変化率のほかに,R/Rであらわされる生産性変化率にも影響 されることがわかる。けれども,このような不都合は,たんなる見かけ上の困難以上のも のではなく,分配指標としては利潤率が不完全性なものであることを意味するにすぎない。

 これにたいして,森嶋の指標を採用すれば, (2.9)式から,

    あ   μ/,μ+(oc)/(ひ。)

    あ       1一μひ。

を得る。したがって,生産性が上昇するときには,たとえ,それにともなって,多少,

「実質賃金率」が上昇しても,その上昇率μ/μが,必需品ベクトルに体化された労働価 値の下落率(06)/(oc)を,絶対値で下まわるときには,「搾取率」の変化率あ/あの符 号は正になるので,「実質賃金率」の上昇にもかかわらず,資本一労働間の相対的地位は,

かえって資本家側に有利になるかもしれない。このように,分配指標として森嶋推薦の

「実質賃金率」を採用すれば,労働者の生活水準の改善と「搾取率」の上昇とが両立する 可能性があるので,不断に生産性が変動するような経済では, 「実質賃金率」は,資本一 労働間の相対的地位を代表する指標としては適合性をもたない。

4.リカードウと「不変の価値尺度」問題

森嶋通夫によれば,ニュメレールとして,すなわち,価格や賃金を測る基準となる単位 として,なにを採用すればよいのかを検討するさいに,

  「ワルラスと同じように,私はいかなる商品も,いかなる商品の束もニュメレールと   なることができると考えている。…スラッファとスラッファの追随者は,特殊な商品   に固執しているが,特別の種類の商品の束に忠実である必要性は何も存在しない10)。」

すなわち,森嶋は,ニュメレールの選択という点で,標準商品をほかの商品と同列になら べ,標準商品の採用には顕著な意義を認めてはいない。それどころか,標準商品は,ほか の任意の商品と比較して,現実ばなれをした空想性にのみ,その特殊性を見いだせるとし て,つぎのように述べている。

  「どのような言葉やレトリックが使われようと,標準体系が架空のものであるという   性格は明らかである。それは二重に架空である。第1に,賃金の支払いと労働者の商   品需要を無視している。第2に,商品は,標準経済が斉一の率で成長するのに必要な   固定された比率で生産されていることが仮定されている。そのような空想的な状態は   現実に観察される経済からは極端に遠く離れているし,「標準純生産物」のある割合

10)森嶋[4]訳書63ページ。

(9)

  としてのスラッファの賃金シェアWは,現実の経済における労働者の賃金シェアとは   何の関係もない11)。」

 このような批判は,スラッファにたいしては,まったく的外れである。第1に,森嶋は 賃金支払という現象と労働者の商品需要とを混同しているが,前者は所得の一形態として 分配面にあらわれる現象であって,それを使って労働者がなにを買うのかということとは 無関係である。一般に,労働者は賃金収入すべてを支出するわけではないし,また,かれ らの支出パターンが一義的に定まっているわけでもない。スラッファが問題にしているの は,賃金を標準商品に換算すれば何単位に相当するのかということにすぎない。つぎに引 用するように,スラッファは,一度も,賃金が標準商品のかたちで支払われるといったこ ともなげれば,ましてや,現実の体系が標準体系と一致するという荒唐無稽な想定もした ことはない。

  「このような関係は,その適用が仮想の標準体系に限られることなく,現実の観察さ   れた経済体系にも拡大可能であることが示されうるばあいに,はじめて重要性をおび   てくる。

   このようなことは,標準商品がこの点について演ずる決定的な役割が,標準商品が   国民所得と生産手段との(標準体系に特有の)構成素材であるということにあるのか,

  それとも,それが賃金を測定する媒介手段を提供するということにあるのか,という   問題にかかっている。なぜなら,後者は,適当な標準商品なら,当該体系が標準的な   割合にあろうとなかろうと,どんなばあいにも,みたすことができる機能だからであ

  る12)。」

 森嶋の第2の批判にたいする回答は,この引用文からあきらかであろう。なるほど標準 商品が現実には存在しない空想的な商品であることはたしかである。ところが,スラッファ が提唱しているのは,この空想的な商品を,賃金の測定単位ないし計算単位として採用し ようということにすぎない。なにも,現実の体系が標準体系と同一であると想定する必要 はない。さらに,森嶋は,スラッファの賃金シェアは現実のそれとは異なると述べている が,この主張は,標準体系の規準化ルールを見落としたことに起因する,誤解にすぎない。

(3.2)式をみればあきらかなように,このルールによれば,標準体系の投下労働量は 現実体系のそれと一致するように規準化されているので,標準商品で測った現実の賃金総 額は, (3.3)式のように,標準体系のそれと結果的に等しくなるだけなのである。

 このような森嶋のつまずきのもとは,堀がリカードウ学説の特色であると表現した,

「富の分配ということと価値の分配ということとの区別」いいかえれば「使用価値の分配 と交換価値の分配との区別」を,まったく,理解してなかったことにつきる13>。

  「分配理論史上に於けるリカアドウの学説の特色は,富又は使用価値の分配といふこ   とと価値又は交換価値の分配といふこととを区別した点にあるものといひ得べく,而   して彼がか・る区別を設けたのは, 「社会の三階級」即ち労働者・地主・及び資本家   のそれぞれの境遇及び其の変化をば個別的(又は絶対的)に且つ実質的に考察するた

1!)森嶋[4]訳書67ページ。

12)スラッファ[17]訳書36〜37ページ。

13)堀[2]14ページ参照。

(10)

  めと,これ等の階級の境遇及びその変化をば相関的(又は相対的)に且つ比例的に考   察するためとであった,といひ得るであらう14)。」

堀の分類法にしたがえば,森嶋推薦の「実質賃金率」という指標は,労働者階級の「個別 的または絶対的」な生活水準をあらわす指標ではあっても,けっして,かれらの「相関的

または相対的」な地位をあきらかにするわけではない。しかも,リカードウは, 「これ等 二種の分配の中後者即ち価値又は交換価値の分配の方をより重視して居る 5)」のである。

 そこで,さいごに,リカードウ自身の表現を引用して,森嶋のアプローチの誤りを検証

しよう。

  「われわれが地代・利潤・賃金の上昇もしくは低下を判定するのは,一国の土地およ   び労働の全生産物の,地主・資本家・労働者の三階級間の分割によるべきであって,

  明らかに可変である媒介物で評価されるその生産物の価値によるべきではない。

   利潤・地代・賃金の率の正確な判定は,いずれかの階級が取得する生産物の絶対量   によっては可能ではなく,この生産物を取得するのに要する労働量によって可能にな

  る16)。」

  「賃金は,その真の価値によって,すなわち,その生産に使用された労働および資本   の分量によって評価されなければならないのであって,上着・帽子・貨幣・穀物のど   れかで表現されるその名目価値によって評価されてはならない。…価値の変動しなか   つたこの媒介物で測定して,労働者の賃金が低下していることがわかるとすれば,そ   の賃金が以前の彼の賃金よりも多量の安価な商品を彼に供給することができるにもか   かわらず,やはりこれは賃金の真の低下であろう17)。」

これらのリカードウ自身の表現をみれば,きわめて,森嶋には旗色が悪く,むしろ,かれ が歯牙にもかけずに不合格の烙印を押した,標準商品のほうに分があるようにおもわれる。

 なお,ロンカッリアによれば,リカードウの「不変の価値尺度」問題は, 「技術の変化 にたいして不変である」という性質と,「分配の変化にたいして不変である」という性質 とを,同時にみたすような理想的な価値尺度を探しだそうという問いかけであった。そし て,これらふたつのうち,リカードウがとくに重要視したのは前者の性質であったのにた いして,スラッファが標準商品のかたちで提出した解答は,後者を満足するにすぎず,前 者の問題を同時に解決することはできなかったとしている1⑳。その根拠は,ロンカッリア によれば, 「標準商品は技術が変化すれば変わる19)」からである。このようなロンカッリ アの思考法には,堀のいう「使用価値の分配」という既成観念から,いまだに脱却しきれ ない面が残されているようにおもわれる。標準商品の定義は,あくまでも,すべての生産 物に均一の物的剰余比率をもたらすような体系の純生産物であるといっているのにすぎな い。この定義は,生産性の変動にともなって,どれほど投入係数行列が変化しようとも,

14)堀[2]19ページ。

15)堀[2]15ページ。

16)リカードウ[14]訳書上巻62〜63ページ。

17)リカードウ[!4]訳書上巻64ページ。

18)ロンカッリア[15]第3章参照。

19)ロンカッリア[15]訳書91ページ。

(11)

変わることはない。唯一,変化するのは,この特殊な商品ベクトルのなかの生産物の素材 上の構成にすぎない。変化の前後を比較して,ベクトルとして異なってはいるが,標準商 品であるという性質は共通である。そして,標準体系の投下労働量が現実のそれに一致す るような規準化をほどこせば20),標準商品で測った賃金という指標は, 「搾取率」と同じ く, 「技術の変化にたいして」も「分配の変化にたいしても」,同時に, 「不変性」をみ たすことができるのである。

5.おわりに

 これまでみてきたように,労働者の相対的地位をあらわす分配指標としては,森嶋のつ よい推薦にもかかわらず,リカードウの「不変性」テストに合格しないために,「実質賃 金率」は役にたたない。これにたいして,森嶋が歯牙にもかけずに却下した標準商品こそ が,「搾取率」とならんで,「不変性」テストをパスできることが示された。本稿の結び として,本文中で詳細に検討したこれらの結果を,簡明な図の形式で,ふたたび,あらわ してみよう。

 はじめに,図1は,分配指標として,森嶋推薦の「実質賃金率」を採用したときの,利 潤率rと,「実質賃金率」μならびに「搾取率」ωとのあいだに成立する関係をあらわし ている。図中で,第1象限には, 「実質賃金率」タームであらわした「賃金一利潤の相反 関係」を示す,μ一r曲線が描かれている。すでに第2節で検討したように,この曲線は,

いちおう,単調減少関数であることだけは判明しているが,その曲率はわからない。また,

この曲線の切片をしらべれば,r軸上では,μ=0に対応する最大利潤率Rに等しい。一 方,r=0のときにはp/ω=oが成立することに注意すれば,μ軸上の切片は1/ocであ ることがわかる。第IV象限に描かれているのは,「実質賃金率」と「搾取率」とをむすび つける定義式(2.9)をあらわすμ一あ曲線である。定義から,あきらかに,この曲線 は双曲線であり,また,そのμ軸上の切片は,さきのμ一r曲線と共通になる。他方,

    1imω=Oo

    μ→0

だから,この曲線はあ軸上には切片をもたず,μがゼロに近づくにつれて,あの値はだ んだん上昇していくことがわかる。これらふたつの曲線から導出される, 「搾取率」と利 潤率とのあいだに成立する関係を,第二象限の45度線を中継して,ω一r曲線としてプロッ

トしたものが,第H象限には描かれている。この曲線は,原点から出発して最大利潤率E を上限とする,単調増加関数である。

 森嶋の指標を採用したうえで導出された,これら3つの曲線は,その表現方法が投下労 働タームによるものであれ支配労働によるものタームであれ,あきらかに, 「賃金一利潤 の相反関係」をあらわしているので,生産性が変動しなければという条件つきでならば,

森嶋推薦の「実質賃金率」も,なかなかの健闘をしているといえよう。ところが,この指 標は,生産性の変動に影響されるために「不変性」の要件をみたすことができず,リカー

20)ここで,たとえ,技術変化の前後で経済の投下労働量が変化していても,以下の議論に,まった  く,影響をおよぼさないことにも注意せよ。

(12)

ドウが求めた「不変の価値尺度」になるべき資格をもたない。というのも,生産性の上昇 は,一般に最大利潤率Rの上昇をもたらしr軸上の切片を押しあげるが,森嶋の指標を 採用するときには,同時に価値ベクトル。自体も低下させるので,μ軸上の切片も右方へ 移動する。その結果,μ一r曲線とμ一ω曲線は,ともに,右方シフトし,それに対応し て,ω一r曲線も,漸近線があらたなRになるように,時計まわりにシフトする。これら のことから,図1であらわされているように,生産性上昇以前と以後との状態を比較すれ ば,かりに「実質賃金率」はμoの水準で不変であったとしても, 「搾取率」と利潤率は,

それぞれ,ω0からω1へと,また,rOからr1へと,上昇することがわかる。したがっ て,必需品に換算された,労働者の絶対的な生活水準は不変のままであるから,一見,か れらの暮らし向きは変わらないかのようにおもえるが,「搾取率」が上昇していることか ら,じつは,このとき,かれらの状況は相対的には悪化しているのである。これで,森嶋 の指標がリカドウの「不変性」テストに失格したことが判明した。なお, 「実質賃金率」

上昇と「搾取率」上昇とが両立し得るケースも,この図を利用すれば簡単に導出できるの で,読者の検討にゆだねよう。

 それでは,こんどは,スラッファの標準賃金ω*をテストしよう。測定単位として標準 賃金を採用したときの「賃金一利潤フロンティア」 (3.4)や「搾取率」の定義式(3.

5)の形状については,第3節で詳細に検討しているので,その結果を図示すれば,図2 のようになる。図中で,第1象限にあらわれるのは「賃金一利潤フロンティア」であり,

r

ω一r曲線 R1 μ一r曲線

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   〜ハ一ω曲線

μ

    あ

図1.森嶋の分配指標

(13)

これをω*一r曲線とよぼう。この曲線は,切片を,それぞれ,r=Rとω*=1とするよう な双曲線である。第IV象限には,「搾取率」の定義式が,ω*一ω曲線としてあらわされ ているが,その形状は,切片がω*=1で固定されていることをのぞいて,図1と同様で ある。また,第皿象限の45度線を利用すれば,これらふたつの曲線から,第H象限にω一 r曲線を描くことができる。生産性の上昇は,最大利潤率を増大させるので,r軸上の切 片は上方へ移動する。これにたいして,ω*軸上の切片は,1のまま不変である。その結 果,「賃金一利潤フロンティア」は,ω*軸上の切片を1に固定したまま,右方シフトす る。ところが,標準賃金と「搾取率」とのあいだに成立する関係をあらわすω*一ω曲線 は,生産性の変動にもかかわらず「不変性」を保つ。したがって,どれほど生産性が変動 しようとも,これらふたつの指標のあいだにギャップが生じる余地はない。なお,「賃金一 利潤フロンティア」のシフトにともない,ω一r曲線が時計まわりにシフトすることも,

あきらかであろう。

 これらの結果をまとめれば,つぎのようになる。たとえ,生産性の上昇が生じたとして も,が一ω曲線は不変であるため,標準賃金とそれに対応する「搾取率」の値は,それ ぞれの初期値,ω*o,ωoのままである。これにたいして, 「賃金一利潤フロンティア」

がシフトするために,標準賃金や「搾取率」の「不変性」にもかかわらず,利潤率は,rO からr1へと,上昇する。この事実は,なにも,標準賃金の「不変性」をおびやかすもの ではなく,たんに,その定義上,分配指標として,利潤率が「不変性」をもたないことを

r

ω

ω*一r曲線 Rl

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ω*一r曲線

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F:o    o    一   葡    }   脚

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1

ω*一ω曲線

ω*

     ω

図2.スラッファ分配指標

(14)

示すにすぎない。このように,リカードウが要求した「不変性」をもつ分配指標として,

「搾取率」の代理となる資格をもつのは,「実質賃金率」でも利潤率でもなく,ただ標準 賃金だけなのである。

 このように,森嶋の「実質賃金率」は,かれのつよい推薦にもかかわらず, 「不変性」

をもった分配指標としては,失格するのであるが,それでは,なぜ,かれはこの「実質賃 金率」に固執したのであろうか?おもうに,かれは,ケインズが『一般理論』のなかで新 古典派流の手法を完全には払拭しきれなかったように,利潤極大条件のもとでは「実質賃 金率」は労働の限界生産力に等しいとする,新古典派の限界生産力説の思考法の残津が,

意識的にせよ無意識的にせよ,頭から離れなかったのかもしれない。そうすると,森嶋の つまづきは,われわれに,リカードウ体系やスラッファ体系を解明するさいに,新古典派 的手法を踏襲するアプローチが陥る危険性を知らせる警鐘として,意味ある蹉跣なのかも

しれない。

参 考 文 献

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[5]永田聖二「安定行列と価格一Leontief−Sraffa体系における価格の収束性  」九州大学   『経済学研究』第52巻第6号,1987年。

[6]永田聖二「Leontief−Sraffa体系における非基礎的生産物一「自然価格」の存在とその収束  性一」九州大学『経済学研究』第53巻第3号,1987年。

[7]永田聖二「スラッファ理論の構造」 (時政易,山下正毅編著『現代マクロ経済学一その基礎  と展開一』第12章,中央経済社,1991年)。

[8]永田聖二「スラッファ標準体系の収束性について一どのようにして現実の体系から標準体系  をつくりあげるのか一」 『鳥取大学教育学部研究報告(人文・社会科学)』第42巻第1号,

 1991年。

[9]永田聖二「「剰余」の産業と「欠損」の産業一スラッファ体系における賃金変動一」 『鳥  取大学教育学部研究報告(人文・社会科学)』第42巻第2号,1991年。

[10]二階堂副包『現代経済学の数学的方法一位相数学による分析入門一』岩波書店,1960年。

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(15)

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[16]塩沢由典『数理経済学の基礎』朝倉書店,1981年。

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 ασr読g麗(ゾEcoπo禰。 7んθorッ  , Cambridge U. P.,1960;(菱山泉,山下博訳  『商品による商品の生産  経済理論批判序説  』有斐閣,1962年)。

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