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2.伝 統 的 な色 彩 認 識 一 正 色 と間色

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SymbolizationofChinesecolorwords

LiuKebing

Thesenseofcolorbelongingtoaspecificpeopleiseasilyaffectedbyculture andlivingenvironment.Thereforethereisacertaincommonalityimplied specificsenseofcolorforthesameraceandbothanimageandasymbolto bebornthereby.Qfcourse,suchasenseanditsculturalimplicationchange withthedevelopmentofIthatculture.Howeveritisdifficultforsuchasense andcorrespondingfeelingstoreadilygetawayfromthesefivenatural

elementstheory.Thisisbecausethefivenaturalelements,aswellascolor , aretraditionallyoffundamentalimportanceinChinainparticular . Therefore,thesymboliccharacteristicsthatcolorwordshaveinthedepths ofChineseconsciousnessaredeeplyrooted.Onecanstronglyfeeltheir symboliccharacter,ThispaperwillconsidertheChinesehistoric backgroundandsymbolicimplicationofcolorvocabularyintermsof Chineselanguageandculture.

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中国語色彩語の象徴化

劉 渇 氷

o.は じ め に

色 は我 々が好 む と好 まざ る とに関 わ らず 、無 意識 の うちに我 々 の 日常 生 活 に種種 の面 で深 い 関 わ りを持 って い る。 世界 の い た る ところの文化 を歴 史的観 点 か ら見 て も、色 に全 く無 関心 な民族 は あ りえない。 喪服 と 言 えば黒 に決 まっ てい る と思 う 日本 人が 多 い が、 中 国で は 白で あ り、 弔 事 を 白事 とい う くらいで あ る。 白の喪 服 は中 国人 か らみ れ ば 当た り前 の こ とで あっ で も、 日本 入 か らみ た ら奇妙 に思 えるか も しれ ない。 文化 に は元 来 この ような側 面 が あ るだ ろ う。色彩語 は我 々の 身の 回 りに存 在 し、

言 語 と して 出 て くるその 数 の多 さは、 色 を利 用す る こ とが いか に便 利 で あ り、 いか に有益 で あ るか を示 して い る。

こ こで は 中国語 の 色彩 語 の研 究 を通 して そ の文 化 的特 徴 を見 出 して、

中 国文化 の 中で育 って きた色 の呼 び方 や 色彩 語 の意 味 の拡 張 とその文 化 的背 景 との 関係 を明 らか に したい。

1.先 行 研 究 と 問 題 点

色 彩語 につ い て最 も早 く研 究 した者 の一 人 として イギ リス の学者 、 政

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中 国 語 色 彩 語 の象 徴 化147

治 家W.Gladstone(StudiesonHomerandtheHomericAge,1858)を 上 げ る こ とが で き る。 か れ は ホ メ ロ ス 時 代 の ギ リ シ ャ語 に色 彩 語 の語 彙 数 が 少 な い こ と を発 見 し、 そ れ らの 色 彩 語 は 抽 象 的 で 、 意 味 が 曖 昧 で あ り、

そ れ は 古 代 ギ リ シ ャ 人 の 色 彩 弁 別 能 力 が 現 代 人 ほ ど発 達 して い な か っ た た め だ と指 摘 した 。 こ の 発 見 は ドイ ツ の 言 語 学 者Geigerの 興 味 を引 き 出 した 。1867年 か れ は ドイ ツ動 物 、 植 物 学 者 学 会 で 古 代 人 と現 代 人 の 感 知 器 官 の 相 違 に 着 目 し、 古 代 人 が 持 つ 抽 象 的 色 彩 語 と色 彩 語 の 意 味 に 対 す る不 確 定 性 は 色 彩 弁 別 能 力 の 不 足 に よ る もの だ と指 摘 し、 色 彩 語 の 一 般 的 発 生 順 序 の 仮 説一 人 の 色 彩 に対 す る感 覚 順 序 は色 彩 ス ペ ク トル に お け る 配 列 順 序 と関 係 が あ る こ とを主 張 した 。

彼 は 後 に この 仮 説 を 『人 類 発 展 史 探 求 』(ContributionstotheHistoryof theDevelopmentoftheHumanRace,3)に お い て 発 表 した 。 同年 ドイ ツ眼 科 専 門家(H.Magnus)は 「原始 民 族 視 覚 調 査 」(Un㎏rsuchungenuberden FarbensinnderNarurvolker,1880)を 発 表 し、 そ の 中 でGeigerの 理 論 に 反 駁 した 。

1969年 ア メ リ カ の 言 語 学 者BrentBerlinとPaulKayは 基 本 色 彩 語 (basiccolorterms)理 論 を提 唱 した 。 人 類 言 語 に は 十 一個 の普 遍 的 な基 準 範 時 が あ る と主 張 し、 異 な る 言 語 の 色 彩 基 準 範 疇 が 違 うが 、 皆 あ る段 階 に 従 い 発 生 して 行 く。BeriinとKayは 各 民 族 の 色 に対 して 感 知 す る生 理 能 力 に は 差 異 が な い が 、 文 化 の 類 型 化 の 違 い に よ り各 言 語 の ス ペ ク トル に 対 す る 区 別 も違 う と指 摘 した 。 言 語 は 特 別 な方 法 で 人 々 の 色 に対 す 経 験 を 記 録 して い る。 反 対 に これ らの 色 彩 語 は 人 々 の 色 に 対 す 説 明性 を制

限 して い る。

BerlinとKayは 『基 本 色 彩 語 の 普 遍 性 と 発 展 史 』(BerlinandKay, 1969,AppendixIIrThegrowthofcolorvocabulary」)の 中 で 新 し く色 彩 語 の 語 意 の 普 遍 性 に対 して 論 じた 。 そ の 中 で は基 本 色 彩 語 につ い て 定 義

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を した。

中 国語 の 中 の 色 彩 語 は漢 民 族 の社 会 的発 展 につ れ て 豊 か に な っ て き た。1964年 張 培 は 『基 本 英 悟 声 色 洞 与翻 洋 』(商 劣 印 需棺,1964)の な か で比 較 的詳 し く英 語 の色 彩 語 の構 成、 役割 な どにつ いて論 じ、 また 中 国語 の色彩語 と も比 較 した。

八 十 年代 か ら色彩 語研 究成 果 が 次 第 に増 えて きた。 対 云泉 の 「色彩 洞 在移 就格 中 的修 辞 功 能」(『修 辞 学 習』1984)は 代 表 的 な論文 であ る。 語 彙 的角 度 か ら色彩 語 を研 究 したの は対 均 恋 の 「顔 色洞 的杓成 」(『悟文 教 学 与 研 究』1985)と 伍 鉄 平 の 「恰 顔 色洞 及 其 模糊 性 辰」(『梧 文教 学 与研 究』1986)で あ る。 伍 鉄平 は色彩 語 の曖昧 な表現 とその発 生 原 因 につ い て論 じた。張 旺烹 は 「色彩 洞梧朕 想 意X初 恰 」(『屠文 教学 与研 究』1988) で 〔色彩 洞培 意 喉 想 意X的 取 得 是基 干人 対 色彩 的朕 覚 和色 彩対 人 的主 体 影 胸 丙 方 面原 因 的。(色 彩 語 の意 味 的 連 想 イ メー ジの形 成 は、 人 の色 彩 に対す 連 想、 感覚 と色彩 が 人 に与 える影響 とい う二つ の 原 因 に基 づ く

もの で あ る。)〕と述 べ た。 この よ うな認 識 に立 って、 一 歩進 ん で色彩 語 の連 想 イ メー ジの拡 散性 と二 重語 意特 徴 につ い て研 究 した。 色彩 語 の連 想 イ メー ジ と二 重語 性 、象徴 す る意 味 は̲̲̲̲つの 問題 で あ るが、 そ れぞ れ 異 なる側 面 が 持 って い る。 この三 つ の側 面 が互 い に結 びつ いて 人 の主 体 と言語 、 言語 形 式 と文化 価 値 の 間 に様 々 な関係 を表 わ して い る こ とを指 した。張(1988)の 研 究 で は色彩 自身が持 つ客 観 的 な属 性 を論 じた。

九十年 代 叶軍 は 『現 在漢 語 色彩洞 研究』(内 蒙古 出版社,2001)の なか で色 彩語 の定義 、 類 別、特 徴 な どの面 か ら初 め基 本 色彩 語 だ け で はな く 抽 象 的 色彩語 を も研 究 した。 色 彩語 の研 究範 囲 を拡 大 した。 そ の上初 め て明確 に色彩 語 と含彩 語 を分 け た。 叶軍 は語彙 学 理 論 と一 般言 語学 理 論 に基 づ くと同 時 に心理 学 、光 彩 学、 光学 、 比較 言 語学 な どの面 か らも色 彩 語 を研 究 した。

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中国語色彩語の象徴化149

1996年 古 田朱 美、 立松 昇 一 は 「中 国語 の色彩 語 彙 と象徴 」(『流 通経 済 大 学 論 集』30(3)1996)の 中 で 色彩 、 動 物、 植 物 な どの項 目につ い て 日 中双 方 の立 場 か ら論 じた。

1999年 郊高 永 は 「中 ・英 ・日顔 色 洞信息 佑遠.対比」(『奥 羽 大学 文学 部 紀 要』(11)1999,12)で まった く語 系 の違 う中 国語 、英語 、 日本語 の三ケ 国語 の色 彩 に よる伝 達効 果 の相 異 点 が 色彩 と民 族 文 化、 色 彩 語 の分 類 、 相違 性 と使 用 の面 か ら論 じた 。

2002年 矢 野光 治 は 「現代 漢語 にお ける色彩 語 彙 の表象 」(『立正 大学 文 学 部研 究紀 要』(18)2002)に 古代 漢語 で は どの よ うな色 名 が あ るか、 ど の ような成 立過 程 や 意味 を有 す るか につ い て 日中 を代 表 す る辞書類 か ら その用例 や用法 を精察 した。同時 に、現 代漢語 につ いて も同 じ調査 を した。

安 井稔 は 『言外 の 意 味』(1978)で 「共感 覚 とメ タ フ ァー」 の節 で五 感 (視 ・聴 ・臭 ・味 ・触)が か らんで い る メ タフ ァー には、外 の メ タフ ァー と異 なる特 殊 な点 が あ る と指 摘 した。 原感 覚 が聴 覚 で、 共感 覚が 視覚 で あ る よ うな最 も身近 な具 体 例 は 「黄色 い声 」 で あ る。 声 は、 本 来、聴 覚 で識 別 す る もので あ り、 そ れ を黄 色 い とい う視 覚 的 表現 で示 してい る。

原感 覚 とその 共感 覚 との 間 には、 か な り明確 な法 則性 が存 在 す る。 共感 覚 は、 原感 覚 に比 べ 、通 例 、 よ り高 次 の、 あ るい は、 よ り抽 象 度 の高 い と考 え られ る感覚 で あ る。 感覚 の分 化 度 と抽 象 度 とは、「皮膚 感 覚」(触 覚 、 味覚 、 臭覚)、 視覚 、聴 覚 の順 に高 く、 皮膚 感覚 の 内部 に も、触覚 ・ 味 覚 ・臭覚 の順 に高 くなる階層 性 が あ る と論 じた。 ところが、 視覚 と触 覚 を比べ る と、予 想 とは異 な り、 固有 の感覚 表現 は、抽象 度 の よ り高 い 視 覚 にお い て、 よ り少 ない とい うふ うには な って きた。 識別 可 能 な感覚 対 象 の 数 は増 大す る に対 し、 固有 の感 覚表 現 の数 は、 それ に伴 った増 え 方 を示 さな いか らで あ る。 そ の増 え方 にお け る落差 の分 だ け、 よ り高級 で あ る感覚 表現 の側 にお け る、 い わ ば、輸 入超 過 現象 が生 ず るの は当然

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で あ り、 その入 超分 の処理 に(低 級 感 覚表 現 の ほ うか ら)駆 り出 され る のが ・共感 覚 的 メ タフ ァー なので あ る と安 井稔(1978)が 主 張 した。

以 上 の よ う に、 スペ ク トル以外 の 色彩 語 に 関す る研 究 は まだ 少 な い。

言語 は民族 性 の外 在 表現 で あ る。 民族 の伝 統 的 な思惟 方 式 は直接 色 彩語 の発 生 と関係 が あ る。 邦 高 永 は 「中 ・英 ・日顔 色洞 信 息佑 通対 比」(『奥 羽大 学 文学 部紀 要』(11)1999,12)で 三 ケ 国語 の色 彩語 につ いて比較 した が色 彩 イメ ー ジの研 究 は充 分 で は ない と感 じる。 彼 は 「日培 中 的 「黄 色 い声 」 就 是 用 来 表 示 女性 小 核 的疑 又洞 」 と述 べ たが 、実 際 「黄 色 い声 」 に は明 るい、 可愛 ら しい とい うイ メー ジが あ り、 け なす 意 味が ない。古 田朱 美 、 立松 昇 一.の 「中 国語 の色彩 語彙 と象 徴 」(『流 通 経 済 大 学論 集』

30(3)1996)も 主 に黒 、 赤 、 黄、 白 この 四 つ の色 につ い て象徴 化 を述 べ たが この四つ以 外 の色 には触 れ なか った。

本論 で は、 中 国の伝 統 的 な観 念 に基 づ いて伝 統 的 な五 色 を中心 に、 時 代 の流 れ に よる人 々の色彩 の連想 イメ ー ジの変遷 を探 りたい と思 う。

2.伝 統 的 な色 彩 認 識 一 正 色 と間色

中 国 の 伝 統 的 観 念 に よ る 「五 色 」 は 青 、 赤 、 黄 、 白 、 黒 を指 して い た 。 古 代 か ら色 を正 色 と間 色 に 分 け て い た 。 青 、 赤 、 黄 、 白 、 黒 五 色 は 正 色 で 、 緑 、 紅 、 碧 、 紫 、 流 黄 五 色 は 間 色 で あ る。 『説 文 』 で は:「 録 、 青 黄 也;T,赤 白 也;碧,白 青 也;紫,黒 赤 也;流 黄,黄 黒 也 。」 と記 述 して い

る。 間色 は 正 色 が 混 ざ っ て 得 た 色 で 、 純 粋 で は な い 中 間 の 色 で あ る。

孔 子 家 語 ・五 帝 第 二 十 四』 に 「尊 ば れ る もの が 、 そ れ ぞ れ 王 と な っ た 所 以 の 徳 の 次 の 徳 に 従 う の で あ る。 夏 後 氏 は 金 徳 を以 て 王 とな っ た の で 、(金 の 次 の 水 徳 の 色)黒 を尊 ぶ 。 弔 事 で は 遺 体 を棺 に 納 め る の は 日 暮 れ に行 い 、 軍 事 で は黒 馬 に 乗 り、 犠 牲 は黒 毛 を 用 い る。 股 人 は 水 徳 を

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中 国語 色 彩 語 の 象 徴 化151

以 て 王 と な っ た の で 、 白 を尊 ぶ 。 弔 事 で は納 棺 は 日中 に行 い 、 軍 事 で は 白 馬 に 乗 り、 犠 牲 は 白 毛 を 用 い る。 周 人 は 木 徳 を以 て 王 と な っ た の で 、 赤 を尊 ぶ 。 弔 事 で は 納 棺 は 日の 出 に行 い 、 軍 事 で は赤 馬 に 乗 り、 犠 牲 に は赤 毛 を 用 い る 。」 と孔 子 が 述 べ て い る。 長 い 間 の 封 建 的 な 社 会 の 中 で 、 色 を尊 ぶ 考 え方 が 確 立 し、 五 徳(温 、 良 、 恭 、 倹 、 譲)に 五 色 を配 した

り、 異 な っ た色 の服 装 で 異 な っ た 地 位 、 階 級 を 区 別 して きた 。

陰 陽 五 行 説 で は 、 一 切 の 自然 現 象 と 人 間 の 活 動 を五 種 類 の 物 質 元 素

「水 、 火 、 木 、 金 、 土 」 に 還 元 し、 万 物 の す べ て の 変 化 は 陰 陽 二 つ の 対 立 、 互 い の 力 の 相 互 作 用 に よ っ て 引 き起 こ さ れ る と し て い る。 『礼 記 ・ 礼 運 』 に 「五 色 六 章 十 二 衣 、 還 相 為 質 」(五 色 、 六 章 、 十 二 衣 、 還 りて

質 を 相 為 す)と あ る 。 『説 文 』 に 「青 は 東 方 な り。 赤 は 南 方 な り。 白 は 西 方 な り。 黄 は 土 の 色 な り。」 とあ る。 黒 に は釈 文 が な い 。 段 玉 裁 の 補 に よ る と、 「北 方 の色 な り」 とあ る。

五色 青 赤 黄

五行 木 金 水

五方 東 南 西

五帝 青帝 赤帝 黄帝 白帝 黒帝

四季 春 夏 土用 秋 冬

漢 代(紀 元 前206年)か ら、 「五 行 」 の 説 が 盛 ん に な り、 世 界 は 「木 、 火 、 土 、 金 、 水 」 で 構 成 さ れ て い る と考 え られ て い た 。 「五 色 」 と 「五 行 」 は 相 対 応 して い る。 ま た 「五 色 」 と 「五 方 」(東 、 南 、 中 、 西 、 北) が 相 対 応 し、 「五 方 」 に は そ れ ぞ れ の 神 が あ り、 「五 帝 」(東 方 の 青 帝 、 南 の 赤 帝 、 中 央 の 黄 帝 、 西 方 の 白 帝 、 北 方 の 黒 帝)と 言 わ れ 、 「五 色 」 と 「五 帝 」 も相 対 応 す る と考 え られ て い た 。 「五 色 」 は ま た 「四 季 」(春 、

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夏 、 秋 、 冬)と も相 対 応 して い る。 五 行 家 の 論 法 に よれ ば 、 中 国 で は 天 下 太 平 、 国 家 安 寧 は 季 節 の 順 当 な 循 環 に よ っ て な され る と し、 天 子 は 五 行 の 法 則 に 従 っ て 、 方 位 と色 彩 を順 守 す る こ とに よ っ て 、 季 節 の 到 来 を 万 民 に知 ら しめ る と と も に 、 自 ら も確 認 した とい う こ とで あ る。 この 場 合 、 時 間 と季 節 とい う抽 象 概 念 を把 握 す る た め に 、 最 も重 要 な役 割 を果 た し た の は 色 彩 で あ る 。 春 は 木(東)、 青 、 夏 は 火(南)、 赤(朱)、 は 金(西)、 白 、 冬 は水(北)、 黒 とい う よ う に五 色 を そ れ ぞ れ 配 して い う。 従 っ て 、 「青 春 」 と か 「朱 夏 」 とか 「白 商 」、 「玄 冬 」 と い っ た 言 葉 が 出 来 た 。 「白 商 」 は ま た 「素 秋 」、 「素 商 」 と も い う。 素 は 白 色 を 意 味 す る 。 商 音 を秋 の 配 した 。 ゆ え に、 ま た 素 商 、 白 商 と も称 す る。

しか しな が ら、 この 五 色 は 、 伝 統 的 な 観 念 に よ っ て 、 人 々 の 間 で 習 慣 化 され 、 規 範 化 され 、 語 彙 の 中 に 定 着 して い くわ け で あ る が 、 五 色 は い わ ば五 行 思 想 の 中 か ら演 繹 され た 人 為 的 な 色 彩 体 系 と も い え る。

詩 経 ・邨 夙 録 衣 』 に 「録 今衣 今,録 衣 黄 里 。 心 之 仇   ,易 錐 其 己 。 録 今 衣 今,録 衣 黄 裳 。心 之 仇   ,=W其 亡 。」(緑 の 衣 、 緑 の 衣 に 黄 の 裏 よ。

心 の 憂 い は 、 い つ か 巳 む 。 緑 の 衣 、 緑 の 衣 に 黄 の 裳 。 心 の 憂 い は 、 い つ か 亡 む。)と あ る 。 身 分 あ る 人 が そ の 不 遇 を か こつ 歌 の よ うだ 。 序 で は 荘 姜 の 詩 とす る。 当 時 妾 が借 上 の 沙 汰 あ り、 夫 入 が 位 を失 っ て こ の詩 を 作 る とい う。 緑 は 間 色 、 黄 は 正 色 。 『礼 記 』 玉 藻 に、 衣 は 正 色 、 裳 は 間 色 とい う。 そ れ で あ る の に 今 、 尊 い 黄 色 を裏 と し、 裳 と し、 卑 しい は ず の 間色 の 緑 を以 て 上 衣 にす る。そ れ は卑 しい もの 、借 上 を喩 えた の で あ る。

中 国 語 に は 古 くか ら、 豊 か な 色 彩 語 に 恵 め られ て い る 。 『説 文 』 の 糸 部 に は 絹 織 物 の 色 に 関 す る言 葉 は 沢 山 が あ る。 例 え ば 、紅,録,紫,=T, 緋,標,素 な ど。 この 現 象 は 中 国 語 の 大 部 分 の 色 彩 語 に は古 代 の 絹 織 物

と の 関 係 は 大 変 密 接 で あ る こ とが 分 か る。 色 彩 語 の象 徴 義 も客 観 事 物 の 色 彩 連 想 を通 して 生 まれ た の で あ る。

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中国語色彩語の象徴化153

3.色 彩 語 と そ の 象 徴

3.1青 の 象 徴

「青 」 は 古 代 人 が 考 え た 五 正 色 の 「青 、 赤 、 黄 、 白、 黒 」 の 首 位 の 色 で 、 『説 文 』 に 「青 、 東 方 之 色 也 、 木 生 火 、E生 丹 、 丹 青 之 信 、 言 象 然 。」

とあ る 。 「丹 、 巴 越 之 赤 石 也 。」 『説 文 解 字 』 は字 形 を分 析 して 、 「青 」 は

「生 」 と 「丹 」 か ら出 来 て お りそ れ は 一 種 の 濃 緑 色 の 鉱 石 だ っ た と推 測 さ れ る。 「青 」 は 「五 行 」 の 「木 」 と相 対 応 して い る の は 、 草 木 の 色 は 青 色 で あ る の で 、 中 国 語 の 中 で は い つ も草 木 を 「青 」 で 形 容 して い る。

「青 」 と 「四季 」 を関 連 させ る と、 「春 」 と対 応 す る こ と に な り、 春 は草 木 が よみ が え り、 一 面 青 色 とな る の で 、 中 国 語 に は 「青 春 」 と言 う言 い 方 が あ る 。 そ の 意 味 は 「青 色 の春 」 で あ る 。 杜 甫 の 『同 官 軍 牧 河 南 河 北 』

と題 す る詩 に 「白 日放 歌 須 瓠 酒 、 青 春 倣 伴 好 迩 多 」 とあ る の は こ の 意 味 で 、 後 に 若 い 時 代 とい う意 味 に 転 じた。 『詩 経 』 は周 の 始 め か ら春 秋 の 半 ば ま で の 作 品 で 、 中 の 緑 色 の 動 物 、 植 物 は す べ て 「青 」 で 表 現 して い

る。 例 え ば 、 『]ユ凡 ・漠 奥 』 に 「謄 彼 漠 奥,録 竹 青 青 。」 とあ る 。 『小 雅 ・ 若 之 隼 』 に 「若 之 隼,其 叶 青 青 。」 と あ る。 『小 雅 ・青 蝿 』 に 「菅 菅 青 蝿 止 干 奨 」 と あ る。 従 っ て 、 段 の 時 代 の も うす で に 「青 」 を使 っ て 、 緑 色 の 植 物 を表 現 す る こ とが 推 理 で きる。

「青 」 と 「五 方 」 を 関 連 させ る と 「東 」 と対 応 す る こ と に な り、 東 方 の 神 は 「青 帝 」 と言 わ れ 、 これ は春 の 神 で あ る。 唐 代 の 蜂 起 の リー ダー 黄 巣 は 『詠 菊 』 の 詩 の 中 で 自分 を 「青 帝 」 に 讐 え て 「颯 颯 西 夙 満 院 栽 、 蕊 寒 香 冷 蝶 唯 来 。 他 年 我 若 力 青 帝 、 扱 与 梨 花 一赴 升。(颯 颯 た る西 風 満 院 に 栽 う、 蕊 寒 く香 冷 や や か に、 蝶 来 た り難 し。 他 年 わ れ も し青 帝 とな ら ば 、 梨 花 に報 与 して 一 処 に開 か しめ ん)」 と詠 じて い る。

「青 」 は 中 国 古 代 の 慣 用 色 彩 語 の 一 つ で あ る。 時 に は緑 色 を表 わ し、

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時 には藍 色 を表 わ し、 時 に は黒 色 を表 わす。 『詩経 ・衛 風 ・漠奥』 に 「贈 彼 漠 奥、 緑 竹 青 青」 とあ り、 中 の 「青 」 は緑 竹 の色 彩 を形 容 して い て、

緑 色 を指 して い る。 『W子 ・勧 学 』 に 「青 取 之 干藍 而 青 干 藍(青 は藍 よ り出 でて藍 よ りも青 し)」 とあ り、昔 は青色 を藍色 か ら取 った ので あ る。

こ こで の 「青 」 は藍 染 の色 を指 してい る。 「青 天 」 とは実 際 は藍 色 の 空 で あ り、 「青雲 」 は藍 色 の 空 に浮 かぶ 雲 の こ とで あ る。 「青」 は濃 くな る と黒色 に近 くな る。 それ で昔 の 人 は黒 い もの も 「青」 と言 った。 例 えば、

「青 杉 」 とは黒 い衣 服 で あ る。 唐 王 朝 の官 服 、八 品 、 九 品 の等級 の服 は 青 杉 で あ っ た。 白居 易 は江 州 の司 馬 に左 遷 され黒 い服 を着 てい た。 「座 中泣 下 准 最 多、 江 州 司 耳 青杉 湿 。(座 中 な くこ と誰 が最 も多 き、江 州 の 司 馬 青 杉 潤 う)」 の青 杉 は実 は黒 い服 で あ り、 また昔 の 人 は黒 い髪 の 毛 は 「青ZZ」 と言 っ た ように、李 白 は 『將遊 酒』 の 中で 「君 不L高 堂 明 鏡 悲 白友 、 朝如 青 望 暮 成雪 。(君 見 ず や 高 堂 の 明鏡 、 白髪 を悲 しむ を、 朝 には 青居 糸 の如 き も、暮 れ に は雪 とな る を)」 と詠 じで い る。 目の 瞳 は 黒 色 で あ るが 、昔 の 人 は 「青 眼 」、「青 眸」 と言 った。 青 眼 で人 を見 る こ とは尊 敬 を表 し、 白眼 で 入 を見 る こ とは軽 蔑 を表 した。 例 えば 「青杉 」 とは黒 い衣 服 で あ る。 「青 眼 」 は黒 い 目で あ る。青 眼 で 人 を見 る こ とは 尊 敬 を表 し、 白眼 で 人 をみ る こ とは軽 蔑 を表 した。 身分 の低 い こ とを表 す 「青衣 」 とは昔 身分 の低 い もの の着 る服 で 「青楼 」 は遊女 の い る とこ ろ、 妓 楼 を指 して い る。 「愕 共 几 青 」 とは無 鉄砲 な入 で あ る。 中国 語 を 見 る と、 「青楼 」、 「青 陽 」、 「青 鳥 」、 「青 蛾 」、 「青 宮 」、 「青 雲秋 月」 な ど が あ る。 「青 白眼 」 は 「青 眼 」 と 「白眼 」 で 親 しい 人 に対 す る 目つ き、

好 意 を もっ て待 遇 す る こ と、 人 を重 視 す る こ とを 「青 眼」 とか 「青 目」

とい う。 これ に対 して、 人 を軽 視 す る こ と を 「白眼 」 と言 う。 「青 天 」 は青空 を指 す 以外 清廉 で 公正 な官 吏 に も指 してい る。

「青 」 は 黄 色 と調和 して あ で やか な緑 色 とな る。 昔 の 人 は青 色 と緑 色

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中 国 語色 彩 語 の 象 徴 化155

を 区 別 しな か っ た。 例 え ば 「不 分 青 虹 皇 白(黒 白、 善 悪 をわ きま え な い)」 の 中 で 青 と 「紅 」 が 相 対 して い るが 、 実 際 は緑 色 の こ とで あ る。

緑 色 に は も とも とけ なす 意味 は な い。 『涛 蛭 ・郡 夙』 に見 られ る、 「録 今 衣分 、録 衣黄 里。(緑 の衣、 緑 の衣 に黄 の もす そ よ)」 は 当時 の美 人が 流 行 の緑 色 の服 を着 て、色が あ でや か で美 しい さま を描 写 した もので あ る。

藍 天 は 「青 空」 め 意 味 をす る。 「蔚藍 」 は こい あ い色 で あ る。心 が ゆ っ た り と して よい 気持 ち に な る こ と。 思 い を はせ る。 「藍 図」 は青 写 真 、

「藍 色 的 海 洋 」 と言 う表 現 もあ る。 身分 の低 い 人、 肉体 労 働 者 を指 す。

「藍 領工 人」 は 肉体労 働 者 を言 い、 ホ ワイ ト ・カ ラー に対 して いる。 「脱 脱 藍杉 換 紫砲 」 は秀 才 の服 を脱 い で高官 の紫 色 の衣服 に着 替 え るを意味 す し、 いわ ば進 士 に合 格す る こ と。

青 と黄 の 間色 で あ る。 「緑雨 」は新緑 の 頃 に降 る雨 を意 味す る。 「緑煙 」 は春 、若 葉 の は え出た木 にか か る もや。

「緑 」 に は不 名 誉 な意 味 が あ る。 元 、 明両 時代 にな る と芸 妓 と妓楼 で 働 く男 は緑 の頭 巾 をか ぶ らされ たの で、 男子 が緑 の頭 巾 をか ぶ る こ とは 不 名誉 な こ とで あ った 。男 子 が緑 色 の帽 子 をか ぶ って い るの は妻 に情 夫 が い る こ とを表 す とい われ た。

まだ、 「緑 」 には平 和 安 全 の象 徴 で もあ る。 西 洋文 化 で は緑 色 が 平 和 と安 全 の象 徴 で あ り、 白い鳩 が緑 色 の オ リー ブの枝 を加 えてい るの は平 和 の標 識 で あ る。 最 近 で は一 部 の 人 が 自然 環 境 保 護 と生 態 保 護 の 為 に

「グ リー ンピー ス(国 際環 境 保 護 団体)」 を設立 した。緑 色 の こ うい う素 晴 ら しい文化 の象徴 義 は中 国の 人 々 に も受 け入 れ られ てい る。 障害 な く 通 じる、便 利快 適 を現 す。 中 国 の郵 便 局 の印 で あ る。 「開緑 灯 」、 「緑 衣 使 者」 の よ うな言 葉が あ る。

「青 」 は 基 本 的 な色 彩 語 で 、 数 多 くの複 合 語 や 成語 な どを作 っ た り、

典 故 に用 い られ て お り、 今 で も依 然 と して藍 や緑 や黒 を代 表 して い る。

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「青 」 は生 命 力が とて も強 く、現 代 中 国語 の 中で は 「若 い、新 しい」 の 意 味 と して使 わ れ て い る。例 えば、 「樗美 几 青 」 は世 間知 らず の愚 か 者

を指 してい る。

3.2黄 の 象 徴

「赤 」 は 「五 行 」 と関 連 して 「火 」 と対 応 し、「五 方 」 と関 連 して 「南 」 に属 し、「五 帝 」 と関 連 して 「赤 帝 」 と対 応 し、「四 季 」 と関連 して 「夏 」 と対 応 して い る 。 漢 高 祖 劉 邦 は 自 ら赤 帝 の 子 と称 して 、 赤 色 を 崇 拝 し、

楚 と漢 が 争 っ た 時 に 、 漢 軍 は赤 い の ぼ りを 用 い た 。 生 ま れ た ば か りの 赤 ん 坊 は赤 い 色 を して い る の で 「赤 子 」 と呼 ば れ て い る。 赤 ん坊 は純 粋 で あ る の で 、 純 粋 な 精 神 の こ と を 「赤 子 之 心 」 とい う。 「赤 」 は 現 代 漢 語 に お い て 、 「紅 色 」 と し て 使 う の が 大 変 少 な い 。 例 え ば 、 ス ペ ク トル を 表 わ す と き に 「赤 、 榿 、 黄 、 緑 、 青 、 藍 、 紫 」 の よ う に 表 現 す るが 、 多 くの 場 合 は 「赤 」 と 「色 」 と一 緒 に 使 う か ら こ そ 、 「紅 」 を表 わ す こ と が 出 来 る。「赤 」の 基 本 色 彩 語 の 地 位 は も うす で に 「紅 」に取 っ て代 わ っ た 。

「朱 」 と 「赤 」 は 似 通 っ た 色 で あ る。 だ が 、 「朱 」 の 字 は 「木 」 に 由 来 し、 松 柏 に類 す る色 で あ る。 古 代 で は 貴 族 の邸 宅 の 正 門 に は朱 を塗 っ た の で 、貴 族 の 家 を 「朱 門」 と呼 ん だ 。 杜 甫 の 『自京 赴 奉 先 具 啄 杯 五 百 字 』 に 、 「朱 『]酒肉臭 、 路 有 蘇 死 骨O(朱 門 に朱 肉 臭 き に 、 路 に は凍 死 の 骨 が あ り)」 の 名 句 が あ る。

説 文 』 に 「紅 は 畠 の 赤 白色 な り」 と あ る。 現 代 で い う 「粉 紅 色 」(ピ ン ク)で あ る。 そ の 時 の 「紅 」 は 「正 色 」 で は な くて 、 「間 色 」 で あ っ た 。 『論 語 ・郷 党 』 に 「紅 紫 不 以 力褻 服 」(紅 紫 は 平 服 を為 らず)と あ る。

「紅 」 は も と薄 赤 色 で あ り、 正 色 で は な くて、 「赤 」 と 「白」 を混 ぜ 合 わ せ た 色 で 、 も と も と ピ ン ク色 の 絹 織 物 で 、 染 色 と関 連 が あ り、 糸 へ ん が 用 い られ た。 そ の 後 も っ ぱ ら色 彩 を指 す よ う に な っ た 。 南 朝 の 陳 の 後

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中国語色彩語の象徴化157

主 『有 所 思』 の詩 にあ る 「紅 股 桃 花 色」 は ピ ンク色 を指 す もの で あ る。

唐 代 以 後 は 「紅 」が 「赤 」 の か わ りとな りは じめ 、赤紅 色 、鮮 や か な赤 を表 示 す る よ うに な っ た。 王維 の 『相 思 』 の 詩 に、 「紅 豆 生 南 国、 春来

‑几 枝。 慮 君 多 采 纈,此 物 最 相 思 。(紅 豆 は南 方 の暖 か い地 方 に生 え、

春 に な る と多 くの枝 を芽 吹かせ る。どうこの実 を多 く摘 み取 って下 さい。

この 紅豆 は物思 う花 だ か ら)」 と詠 ん でい る。紅 豆 の色 は赤紅 色 で あ る。

白居 易 は 臆 江 南』 の詩 の 「日出 江花Y火,春 来 江 水録 如藍 。(日 出 つ れ ば 江 花 紅 き こ と 日に勝 り、 春 来 た れ ば江 水 緑 な る こ と藍 の如 し)」

の 「紅 」 は濃 い くれ な い色 で真 っ赤 で あ り、 ピ ンク色 で は ない。現 代 中 国 語 で は 「紅 」 を最 も多 く使 用 し、 「赤 」 や 「朱 」 は 次 第 に あ ま り使 わ れ な くな った。

「粉 紅 色 」 は 「桃 色 」 と も称 した。 女性 の顔 色 を形 容 す る の に常 用 さ れ た。唐 詩 に は 「人 面桃 花相 映虹 」 と言 う句 が あ る。 また桃 花 色 は艶 や か で 落 ちや す か っ た の で、「粉 紅 色 」 或 い は 「桃 色 」 は 「軽 薄 色情 」 の よ うな意 味 を も象 徴 した。 「桃 色 新 聞」(艶 聞)、 「桃 花 眼 」(色 っぽ い 目 つ き)、 「桃 花運 」(女 色 の運)な どの ような こ とばがあ る。

「紅 」 は祝 い事 、 喜 び の象 徴 で あ る。 春 節 に は赤 い紙 に対 聯 と福 の字 を書 い て貼 り、 窓 に赤 い切 り紙細 工 の花 を貼 り、 門 には赤 い提 燈 をつ る す。 結 婚 は 「紅 喜事 」 とい い、花 嫁 は赤 い衣 裳 を着 て、 門前 に は祝 いの 双 喜 字 を貼 り、 夫婦 の部 屋 には紅 い蝋燭 を点す。

「紅 」 は 隆盛 繁 盛 を象 徴 し、賑 や か な 日々 を 「紅 火」 とい い、 幸 運 を

「紅 運」 とい い、仕 事が 始 めか ら成績 をあ げ るこ とを 「満堂 紅 」 とい う。

近 現 代 に な っ てか ら、 「紅 色 」 は革 命 、進 歩 的、 先 進 的 な意 味 合 い を 持 ち、 「紅 衛 兵」、 「紅 領 巾」、「紅 旗 単 位 」(先 進 的 な職 場)、 「紅 色 政 権 」

(革命政 権)、 「紅五 類 」(労 働 者、 貧 農、 下層 中農、 革命 の軍 人、 革命 の 幹部)な どの よ うな こ とばが 生 まれ た。

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「紅 眼病 」 は もと もと 目の病 気 、急 性 結 膜 炎 の こ とで あ ったが 、他 人 が成 功 した り金持 ちに なっ た りす るの をみ て、或 い は相 手 の能 力 な どを 嫉妬 す るこ と を 「紅 眼病 」 とい って い る。

中 国語 で 「赤縄 」 とは夫婦 の縁 を意 味 し、 「赤 状 符 」 は未 来 の こ とが 書 い て あ る文 の意 、 「赤 子 之 心 」 とは 自然 で、偽 りか ざ らぬ心 の 意 味 で あ る。 また 中国 で は一般 的赤 は幸福 や幸 運 の シ ンボ ル とされ るが 、沖縄 で は 「死 」 を、 マヤ 族 は 「血」 を、 イ ン ドで は生 命 力 の表象 と され てい る。 赤 は中 国や 日本 にお い て は一 般 的 にお めで た い色 とされ るが 、 ア フ リカの ンデ ンブ族 は赤 を善悪両 方 の意味 に使 用 してお り、 ア フ リカの テ ソ族 は病気 、 死 、危 険 の意 味 と してい る反面 、南 太 平 洋 の トロブ リア テ ド島民 は赤 を光 、生 気 、魅 力 、性 愛 の象 徴 と して い る とい う。 ここで は 赤 が生 死 両面 を表 し、 決 して赤 が普 遍 的 にめ で たい色 で あ る とは言 えな い わけで あ る。

西 洋 で は十 五世 紀 頃、 赤 を式 服 の色 と して用 い、古 代 ローマ 時代 の 花 嫁 の ヴェ ール は炎 の色 で あ った。 英 米で は赤 、特 に濃 赤 は悪 魔 を表 す と 古 くか ら言 わ れて い る。

3.3黄 の 象徴

甲骨 文 や金 文 で は 「黄」 とい う字 は黄 色 の玉石 の意 味 で あ り、後 に黄 色 の 玉石 の語 義 が拡 大 され て広 く黄 色 を指 す よ うに なった。 『説 文解 字 』

は字形 を分析 して、 中 間 に田 の字が あ り、 「黄」 は土 地 の色 で あ り 「田」

の部 に属 す る と解釈 して い る。

黄色 は土 に属 し、色 が 土 と同 じで あ る。 中 国の大 地 は黄色 の土壌 が 多 く、 人 々は よ く黄 色 の土 地 を中 国の 象徴 と して用 い る。 「黄 河 」 は古 代 には 「河 」 と呼 ばれ たが 、黄 土 地帯 を流 れ、 大量 の 土砂 を含 み、水 の 色 が黄 色 に変 わ った ので 「黄河 」 と呼 ば れ る ように な った。 黄河 は広 大 な

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中 国語 色 彩 語 の 象 徴 化159

中央 地域 を流 れ るので 、 中国 を象 徴 す る よ うにな った。

黄 色 は五 方 の うちの 「中」 に属 す るの で、古 代 の人 は黄色 を皇 帝 の好 む 「中央正 色 」 と した。唐 朝 の 高祖 李淵 は皇帝 は 「黄抱 」 を着用 し、 人 民 が使 用 す る こ とを禁 止 す る とい う規定 をつ くった。 中国で は黄 色 を天 子 の色 とみ な してい る例 と して 「黄 門」が 「宮 城 の 門」 や 「禁 門」 をい みす る。 黄 色 い上 衣 で天子 の衣服 に用 い た もの を 「黄抱 」 と言 う。皇 帝 は清 朝 に いた る まで 黄色 を独 占 し続 けた。 この よ うに黄 色 に 関連 の あ る 言 語現 象 には悪 い意味 は なか った。

階 、唐 以前 の皇 帝 は黄 色 を愛 好 し、周 の 天子 の衣 類 や 帽子 も 「玄 衣黄 裳 」 で あ っ た。 漢 朝 の皇 帝 も黄 色 を尊 んだ。 しか し皇帝 が黄 色 の衣 服 を 着 る とい う こ とは まだ制 度 化 され て い なか った。 晴朝 の皇 帝 は黄色 の服

を平 常 で も着 る よ うに な っ た。 『野 客埜 毛 禁 用黄 』 に 「唐 高 祖 武徳 初, 用随 制,天 子帝 服 黄 砲,逐 禁士 庶 不 得服,而 服 黄有 禁 自此 者 。」 とあ る。

唐 朝 の 高祖 李 淵 は皇 帝 は 「黄抱 」 を着 用 し、 人民 が使 用す る こ と禁 止 す る とい う規 定 をつ くった。 「黄抱 」は皇 帝 の身分 の象 徴 にな ったので あ っ た。 この よ うな文化 背景 の上 で、人 々は 自然 に 「黄色」 を 「高 貴、尊厳 」

と連 想 す る。

後 周 時代 に趙 匡胤 が 太尉 とな り、将 兵 が 陳橋 駅 で反 乱 を起 こ した 時 に 将 軍 た ち は彼 に黄抱 を着せ て、 皇 帝 と して 立 て た ので 、 「黄 砲 加 身」 と い う成語 が うまれた。 皇 帝 は清朝 にいた る まで黄 色 をひ と り占め に して

きた。

皇 帝 の住 む宮 廷 に は黄色 の瑠 璃 瓦 を用 い、皇 帝 の車 の 幌 を 「黄屋 」 と 呼 び、皇 帝 の詔書 を 「黄 敷 」 と呼 び、科挙 試験 の殿 試 の後 で公布 す る成 績 発 表 の掲 示 を 「黄榜 」 と呼 ん だ。清 朝 の皇 帝 は皇 室 の子 弟が 黄色 の帯 を用 い る こ とを許 し、 そ れで清 朝 で は皇 帝 の護衛 武 官 に賞 と して黄 色 の 馬 掛 を着 用 させ た。 これ は皇帝 が 遠 出 をす る時 に威 厳 を示 す ため の もの

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して 使 わ せ た 。 仏 教 や 道 教 で 黄 色 と教 義 が 結 びつ い て い る の は 、 黄 色 に は 「超 世 脱 俗 」 の 意 味 が あ るか らで あ り、 黄 色 を使 う こ と に よ っ て濃 厚 な 宗 教 的 雰 囲 気 を 出 そ う と して い る の で あ る。 だ か ら、 道 士 の 着 る服 、 香 り袋 、 仏 教 建 築 、 装 飾 に 黄 色 が 使 わ れ て い る。 「黄 巻 」 は 仏 教 、 道 教 の経 典 の こ とで あ る。

しか し なが ら、 「黄 毛 小 」 と は幼 年 者 の こ と、 「黄 口 小 児 」 は くち ば し の 黄 色 い 人 を指 す 。 「黄 友 」 は 長 寿 の 象 徴 で あ る。 『詩 ・魯 頒 ・呵宮 』 に

「黄t;台 背,寿 骨 与 試 」 と あ る 。 こ こ で の 「黄 友 」 は 人 が 年 を と り、 髪 の 毛 が 白 か ら黄 色 に 変 わ り、 長 寿 の 意 味 で あ る。 成 熟 した穀 物 は黄 色 を 呈 す る の で 、 収 穫 を も象 徴 して い る 。 「青 黄 不 接 」 は前 年 の 穀 物 が な く

な り、 新 しい穀 物 が ま だ 出 な い こ とを 指 す 。

近 年 、 「黄 」 とい う と 人 々 は す ぐ 「黄 色 小 説 」、 「黄 色 電 影 」、 「黄 色 録 像 」 な ど を 連 想 し、 こ う した 「黄 色 の 文 化 」 は一・掃 しな け れ ば な ら な い も の で あ り、 そ れ ゆ え に 「掃 黄 」 と い わ れ る。 黄 色 で 代 表 され る もの は 色 情 ま た は 低 俗 の 意 味 しか も っ て い な い の よ うで あ る。

黄 色 が 色 情 や 低 俗 な 意 味 を持 つ よ う に な っ た の は 、 西 洋 文 化 に由 来 す る もの で あ る。 中 国 は 西 洋 の 黄 色 に 関 連 す る文 化 義 を受 け 入 れ て 多 くの 黄 色 に 関 す る悪 い 意 味 の 言 葉 が 生 まれ た 。

黄 了 とい う言 葉 が あ るが 、 「他 伯 価 几 黄 了 。」 と言 う と 「あ の 二 人 別 れ ま した 。」 と い う 意 味 で あ る。 「黄 毛Y,,」 と は小 娘 、 くち ば しの 黄 色 い 娘 を意 味 す る 。 「黄 花 女 」 は 処 女 の こ と を意 味 す る。 金 の 俗 称 は 「黄 金 」 で あ る。

色 の 文 化 誌 』(風 見 明1997)に よ れ ば 、 日本 で は 一 般 的 に 黄 色 は 、 黄 金 、 愉 快 、 快 活 、 希 望 、 お 喋 り、 陽 気 さ 、 明 る さ な ど を表 す 。 中 国 で は

「黄 髪 」 は 老 人 、 「黄 雀 雨 」 は 時 雨 や 秋 雨 、 「黄 了 」 は だ め に な っ た 、 「黄

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中 国 語 色彩 語 の 象 徴 化161

毛 小 」 と は幼 年 者 の こ と、 「黄 瓜 」 は キ ュ ウ リの こ と、「黄 虫 」 はバ ッ タ、

「黄 花 女 」 は 生 娘 の こ と、 「黄 泉 」 は 地 下 の 泉 、 未 来 、 来 世 な ど、 「黄 泉 客 」 は あ の 世 へ 行 く旅 人 、 「黄 梅 雨 」 は梅 雨 を指 して い る 。

昔 か ら中 国 で は赤 、 青 、 白、 黒 と と も に 黄 色 は正 色 と して 尊 ば れ て き た が 、 黄 色 も東 西 の 青 、 西 洋 の 紫 、 ス カ ー レ ッ トな どの よ う に 善 悪 両 面 を象 徴 す る、 両 面 性 の あ る 色 で あ る。 ドイ ツ語 の 黄 色 は 妬 嫉 を 表 し、 ラ ン ス語 で は 「黄 色 く笑 う」 は 「苦 笑 い」 の 意 味 で あ り、 ア メ リ カ西 部 で は 黄 色 い リ ボ ンが 未 婚 女 性 の シ ン ボ ル と し て 用 い ら れ る。(福 田 邦 夫 1999『 色 の 名 前 は ど こか ら きた か 』 を参 照)

黄 色 は古 代 ロ ー マ で は 帝 国 の 色 と して 使 わ れ た が 、 そ の 反 面 、 黄 色 い 髪 の 毛 は 売 春 婦 の シ ン ボ ル に もな っ て い た 。 西 洋 で は 高 貴 な色 と して 多 くの 国 で パ ー プ ル を使 うが 、 中 国 で は 黄 色 は 高 貴 な 色 で 、 偉 大 さや神 聖 さ を 表 し、 赤 に 次 い で 好 ま れ る 傾 向 が 見 ら れ る。 そ の 他 の 国 で も黄 色 は 王 室 色 と して 用 い られ て い る と こ ろが あ る 。 イ ン ドで は 黄 色 が 光 輝 の シ

ンボ ル と もな っ て い る 。

3.4白 の象徴

『説 文 解 字 』 に よ る と、 白の 字 形 は 「日」 に 由来 す る。 日光 は 白色 だ か ら とい うこ とで あ る。 『説 文解 字』 には 白色 の具 体 的 な事 象 が多 く収 め られ て い る。例 え ば、 月光 の 白 は 「咬」、 人 の皮 膚 の 白は 「哲 」、老 入 の ひげ と髪 の 白は 「幡」、雪 の 白 は 「鎧」 な どであ る。

白 は 「四 季」 の 「秋」 に属 す る。 秋 は万物 が しぼ み枯 れ る佗 しい季 節 で あ る。 そ れ で、 白色 は不吉 の象 徴 であ り、 喪服 の色 であ る。 民 間で は 葬 式 の こ とを 「白事 」 とい っ た。 『史記 ・荊 輌 伝 』 に荊 輌 が 秦 王 暗殺 の 使 命 を帯 びて 秦 国へ 赴 く時、 「太 子及 箕 客 知其 事者 皆白衣 冠送 之。(太 子 も客 も事 情 を知 る もの は皆 白装 束 で見 送 っ た)」 と記 され て い る。 中 国

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が 喪 の色 を これ ほ どまで に白 に徹 して きた根拠 、理屈 に 白 とい う字 の語 源 が あ る。 白 は 「入」 と 「二 」 を合 わせ た会 意文 字 で あ り、 陰陽道 に よ

れ ば入 は入 り日に通 じるか ら陰で あ り(日 の 出 は 陽)、 二 とい う数字 も 陰で あ る。 つ ま り、 白 は陰 が二 つ重 な った まさ に陰気 の極 で あ り、 弔事 の象徴 色 と して ぴ った りとい う もの であ る。 奇数 は陽、偶 数 は陰 の構 図 は 身近 に見 受 け られ る。 中 国生 まれ の五節 句 が そ うで、 奇 数 月 と奇 数 日 の組 み合 わせ で あ り、七草 は一 月七 日、桃 の節句 は三 月三 日、端 午 の節 句 は五 月五 日、七 夕 は七 月 七 日、 重 陽 は九 月九 日とな ってい る。 日本 で は さか ん にな った七 五三 の祝 い もお 同 じ思 想 に よる もの で あ る。 『礼 記』

に 「披 麻 戴孝 」 とい う こ とばが あ るが、い わ ゆる 「孝 」 は 「白」 で ある。

民 間で は葬 式 の ときには、 白衣 を着 、白 い帽 子 をか ぶ り、白い靴 をは く。

今 で は人 々 は白い 花 をつ け、白い花輪 を送 り、死 者 は の尊 敬 、哀悼 を示 す。

なお、 中 国 の都 市 部 で は最 近 、西 洋 式 の黒 い腕 章 をつ け るだ け の喪服 が 浸 透 して きて い る。 同 じ中 国で も台 湾 は 白喪 服 の伝 統 を守 っ て お り、

西 洋化 は見 られ ない。

しか し、 白色 は明 るい色 で あ り、古 代 入 は政 治 が よ く行 なわれ て い る 太平 の世 に は瑞 兆 して 白色 の動 物 が現 れ るの で、 国家 に とって もめ で た い こ とだ と考 えた ようであ る。

古 代 で は庶 民 の こ とを 「白衣 」 とい い、 の ちに 「布 衣 」 とい うよ うに な った。 科挙 に合格 して い ない 人 を 「白 身」、「白丁 」 と呼 ばれ て いた の で、 白い衣服 を着 てい たが 、 これ は喪服 の ような 白い麻 の衣 裳 で は な く て、 白い 木綿 また は絹 織 物 の衣 裳 で あ った。 『水 濤伝 』 に 「白衣 秀士 王 伶 」 とい う、科 挙 に不 合格 とな り、 腹 を立 て て 山賊 にな った男 が 出 て く

る。 科挙 に合格 したが 、 退職 した官 僚 は功 名 はな くな ったが まだ権 勢 が あ った ので 、昔 は 「白衣 某某 」、「白衣 尚書 」、「白衣宰 相」 な ど と呼 ん だ。

「白 衣」 は また仏 門 に入 って い ない俗 人 を もい うが、 これ は仏 教 の僧 や

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中 国 語色 彩 語 の 象 徴 化163

尼 が 「黒 衣 」 を身 に つ け る の に対 して 「白 衣 」 とい っ た もの で あ る 。 「白 巻 」 は 白 紙 答 案 を意 味 す る 。

白 色 は 純 潔 の 象 徴 義 が あ っ た 。 白 色 はcれ が な く、 人 々 の好 む と こ ろ で あ っ た 。 昔 の 人 が 白 玉 を 大 事 に した の も、 そ の 品 質 が 高 潔 で あ る こ と に よ る もの で あ る。 「白壁 微 暇 」(完 全 無 欠)と い う言 葉 が そ う で あ る。

「真 相 大 白 」(真 相 が す っか り明 らか に な る)、 「一 清 二 白 」(き わ め て は っ き り して い る)、 「一 労 二 白」(一 に 貧 困 、 二 に文 化 的 空 白)な ど。

五 四 運 動 以 後 、 白 色 は新 しい 意 味 を持 つ よ う に な っ た。 ロ シ ア の プ ロ レ タ リ ア革 命 で は 、 白 色 は 反 動 の 象 徴 とな り、 反 動 軍 は 「白軍 」、「白 匪 」 と呼 ば れ 、 国 外 に 逃 げ た 反 動 分 子 は 「白 俄 」 と呼 ば れ た。 マ ル ク ス ・ レー ニ ン主 義 が 中 国 に 伝 わ り、 中 国 革 命 で は 国 民 党 の 反 動 派 の 軍 隊 は

「白軍 」、 反 動 政 権 の 支 配 地 区 は 「白 区 」 と呼 ば れ た。 新 中 国 の 成 立 後 は ブ ル ジ ョア思 想 は 「白 」 とみ られ 、 政 治 的 な 進 歩 を求 め な い 専 門 知 識 だ け の 持 ち 主 を 「白専 分 子 」 と呼 ん だ 。 この よ う な 政 治 文 化 義 は外 国 か ら 来 た も の で あ る と も言 え るが 、 古 代 の 五 行 説 で は 、 西 方 は 「白 虎 」 で 、

「刑 天 、 神 を殺 し」、 粛 殺 の 秋 をつ か さ ど っ た 。 古 代 で は 秋 に 戦 うの は 不 義 と さ れ た し、 犯 罪 者 を秋 に処 刑 した 。 従 っ て 、 白 は 死 、 恐 怖 、 不 吉 な 兆 し、 反 動 、 悲 哀 等 の 意 を 象 徴 し て い る。 む しろ 、 「白 」 に は 「反 動 」 の 意 を持 つ の は古 代 か らで あ る と も言 え る 。

「白 費 」 は 無 駄 づ か い 、 「白 吃 」 は た だ で 食 べ る 。 「白 描 」 は彩 色 を ほ ど こ さず に 、墨 だ け で 描 か れ た絵 、あ りの ま ま に 写 し出 す こ と を意 味 し、

「白 話 」 は 口語 、 「説 白」 は 口語 のせ りふ を意 味 す る 。

3.5黒 の 象 徴

黒 は 「五 行 」 と 関 連 して 「水 」 と対 応 し、 「五 方 」 と 関 連 して 「北 」 と対 応 し、 四 季 と 関 連 して 「冬 」 と対 応 す る の で あ る。 金 文 の 中 に は

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「黒 」 は使 用 され なか った。代 わ りに 「玄」 が使 われ て い る。 『詩経 ・郁 風 ・北 風 』 に 「莫 黒 匪 馬」(黒 き と して 鳥 に匪 ざる は莫 し)と あ る。 こ

この 「黒 」 は不 吉 の意味 で あ る。

秦 の始皇 帝 は 自 ら秦王 朝 が 「水 徳 」 に属 して い る と して黒 色 を崇 拝 し て いた。 秦代 に は普 通 の人 は黒 い布 で頭 をおお っ てい た ので、 人民 の こ と を 「贈 首 」 と称 したが 「購 」 も黒 の 意 味 であ る。仏 教徒 は黒僧 衣 を着 たが 、 当時 の 人 々は黒 色 が一種 の厳粛 で荘 厳 な色 だ と考 えてい た こ とが 分 か る。

京 劇 の瞼 譜 で は 「黒 」 は 「力 が 強 く実 直」 な人 を しめ してお り、張 飛 や水 灘 劇 の李 蓬 はすべ て黒 い くま ど りで登場 す る。 一 方 、 白い くま ど り の曹 操 は好 臣で あ る。現 代 に なる と 「黒 」 と 「紅」 が常 に対 にな って登 場 す る。 「紅」 は革 命、 進 歩 を象 徴 して い る。0方 「黒 」 の象 徴 は反 革 命、 後 退、 頑 迷 で あ る。 この点 は、 「黒 」 と 「白」 は 同 じで、 「白」 は政 治 的 に例 えば 「白軍 」 で、 「紅 軍」 と対 立 し、 反革命側 を表 わ してい る。

1966〜1976の 文化 大 革命 の期 間 に、 「黒 」 は反動 の意 味 の象徴 で あ っ たが 、 これ はおそ ら く外 国文化 の 影響 を受 け た もので あ る。 ロシア の民 主 革 命 の 時期 、 す な わ ち1905年 以 後 は、 警 察、 憲 兵 や保 皇 党 が労 働 運 動 を鎮 圧 す る た め に武 装 集 団 を結 成 した が、 当 時 は 「黒 蓄(反 革 命 集 団)」 と呼 ば れ た と言 うこ とであ る。 中 国 の革 命運 動 に そ の文 化義 を取 り入 れ て、 反動 集 団 の こ と を 「黒幕 」 と呼 び、 「文 革 」 中 に さ らに拡 大 され て、一連 の黒 色 の語 彙 が生 まれた の であ る。

黒 と言 う と、 人 々 はす ぐ黒 い と言 う色 に関連す る悪 い意 味 の語 彙 を思 い浮 かべ る に違 い な い。 例 え ば、 「黒 討(反 革 命 集 団)」、 「黒 手(影 の 人)」、 「黒 秀才(反 革命 の 知 識 人)」、「黒 後 台(黒 幕)」、 「黒 五 類(黒 い 五 種 類 の 人、 文 革 中階級 の敵 と され た 地 主、 富 農 、 反革 命 分 子 、悪 人、

右 派 分子)」 な どで あ る。 「無 産 階級 文化 大 革 命(プ ロ レタ リア文化 大 革

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中 国語 色 彩 語 の象 徴化165

命)」 の 中 で は 黒 色 は 反 動 の 象 徴 で あ り、 人 々 は い つ も黒 色 の こ とに 触 れ る と顔 色 を変 え た 。

文 革 中 に で きた 新 語 は 、社 会 の 変 化 と と もに 、死 語 と化 して い った が 、 黒 そ の もの が 暗 黒 を意 味 して い る の で 、 「死 、 恐 怖 、 陰 険 」 な どの マ イ ナ ス義 を象 徴 して い る こ とば に使 わ れ て い る。 そ れ に 黒 色 は 暗 い 色 で あ り、 転 じ て 暗 黒 で 、 明 る さ の な い こ との 意 味 とな った 。 そ れ で 人 目に つ か な い 所 で こ っ そ りと行 な う、 公 明 正 大 で な い事 は 、 黒 で 形 容 され る よ

う に な っ た 。 例 え ば 、 「黒 市 交 易(や み 取 引)」、 「実 黒 貨(盗 品 、 闇 商 品 な ど を 売 る)」、 「嫌 黒 銭(不 正 な 金 儲 け)」、 「升 黒 店(旧 時 、 人 を殺 し、

もの を 奪 う宿 屋 を 開 く。 「文 革 」 中 よ く使 わ れ た 言 葉 で 、 反 革 命 組 織 を 作 る の 意)」、 「錯 黒 幕(黒 い 一 味 の 組 織 をつ くる)」、 「説 黒 話(隠 語 をつ

か う)」 等 い ず れ も公 然 と した 活 動 で は な い の で 、 「黒 」 と よ ば れ る の で あ る 。

黒 色 は 暗 い 色 、 白 色 は 明 る い 色 で あ り、 黒 白 は 相 対 応 して い る の で 、 人 々 は 常 に 「黒 」 を誤 りや 邪 悪 、 「白 」 を正 確 や 純 粋 に喩 え た 。 「黒 」 は 悪 ・ 「白 」 は 善 と言 う こ とに な っ た 。 そ れ で 「顛 倒 黒 白,混 清 是 非(是 非 善 悪 を逆 さ ま に す る)」 とい う 成 語 が 生 まれ た 。 「心 黒 」 は腹 黒 い こ と

を 言 い 、 「手 黒 」 は や り方 が 悪 辣 な こ とを言 う。

「白股 」 や 「紅 瞼 」 は、 京 劇 の く ま ど りの ほ か に も、 日常 生 活 の 中 で

「在 家 里,.ニ..唱 白‑,娼 娼 唱 紅 股 。」(お 父 さ ん は 厳 し く、 お 母 さん は 優 しい 。)の よ う に 使 わ れ て い る。 「紅 腱 」 は ほ め 役 、 「白 股 」 は憎 ま れ 役 で あ る 。

「黒 」 は さ ら に̲̲̲..歩進 ん で 一 切 の 非 合 法 な こ との 喩 え に 用 い られ る。

例 え ば 「黒 戸 口 」、 「黒 核 子 」 は戸 籍 の な い 人 の こ とで あ る。 「黒 戸 」 は 住 民 登 録 を して い な い 所 帯 の こ とで あ る。 「黒 車 」 は ナ ンバ ー プ レー ト か 営 業 許 可 証 の な い 車 の こ とで あ る 。

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現代 中国語 の 中で は古 代 漢語 の影響 で 「青」 や 「緑 」 で黒 を現 して い る こ とばが ま だ幾 つ か が残 って い る。 例 えば 「青 衣」 は黒 い服 、 「青 布 鮭 」 は黒 い布製 の靴 、 「緑 雲」 は美 しい黒 髪 を意味す る。

4.色 彩 認 識 の 象徴 化 一 京 劇 の瞼 譜 の表 す も の

瞼 譜 は歌 舞 伎 の隈取 りに似 てい るが 、 そ れ は役 者 が 色 と形 で 自分 の顔 をキ ャ ンバ ス に して描 きだす ものであ る。 そ こに は、 中 国 人の持 つ色 に 対 す る イメー ジ、 形 に対 す る感覚 が表現 され てい るで あ る。

瞼 譜 の起 源 は南 北 朝 と階 唐 時代(三 八 六 〜 九〇七 年)に 行 わ れ た 「仮 面 歌 舞 」 で あ っ た。 現 在、 瞼 譜 に使 われ て い る主 な色 は、 紅 、紫 、 黒、

白、藍 、緑 、黄 な どや暗 紅色 、 銀 鼠色 、 金、 銀 な どで あ る。 そ して それ ぞ れ の色 は それ ぞ れの性 格 を象 徴 、表 現 して い る。 至誠 、 赤誠 で あ る関 羽 は紅 、廉 直 、正 義 の裁 判 官 で あ る包 公 は黒 、 そ して好 計 と知 謀 の曹 操 は薄 白で 表 してい る。 以 下 にそ れぞ れ の色 が象徴 す る もの を記 して み よ う。(越 埜林1992『 京捌 股う普』p.25「 股漕 的象征 性表現 手法 」 よ りま とめ た もの)

①紅色

②紫

黒 ③

紅 は最 も尊 ば れ る色 で 、至 誠、 忠 義 を象 徴 して い る。 代 表 は関羽 で あ る。

紅 の 次 に 尊 い 色 で 、血 気 盛 ん だ が 粛 然 と した性 格 を現 す。

紅 や黒 と併 用 し、若 き 日の 直情 ・血 気 が 年 齢 を重 ね る こ と で重厚 さを増 した こ とを示 す。

三 国志 の英 雄 ・張飛 や水 瀞 劇 の 李 逡 な ど、沸 き上 が る激 情 を ど うに も押 さえ られず 、 つ い つ い粗 暴 、 過激 な振 る舞 い を して しま う もの の、 実 際 は 無 私 で真 心 の 固 ま りの よ うな

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④ 白

⑤藍

鯖 ㈱

⑧黄

⑨灰

⑩金

⑪銀

中国語色彩語の象徴化167

性 格 を表 現 す る。 また、 包 公 に代 表 され る よ うに、顔 形 が 醜 い もの の廉 直 で あ る性 格 を も示 す。

白 に は猜 疑 、 陰 謀 の 気 象 が宿 る。 妊 智 に長 け た 武 将 は 白。

曹 操 な ど典 型。 薄 い 白 は必 ず し も大 悪 とい う訳 で は な い。

眉 や 目が 細 く描 か れ て い れ ば い るほ ど、好 計 に長 け た大 悪 人 だ。

黒 に近 い が 、 よ り粗 暴 な一 面 を持 つ 。黒 の 上 に藍 を重 ね た 場 合 、単 に粗 暴、 剛毅 だけで は な く知謀 に も優 れ てい る。

緑 に近 い性 格。邪神 、妖怪 、物 の怪 、妖気 、化 け物 な どの色。

藍 色 と似 通 った性 格。 同 じ く凶 暴 で も緑 は爆 発 気 味 、常 に 平 静 で はい られ ない性格 。

粗 暴 で 陰謀 をめ ぐ らす が 、 そ れ を表 面 に出 さ ない 人物。 勇 戦 す る武将 を示 す。

壮 年 の血 気 も薄 れ た様 子 を表 す た め光 に反 射 しな い よ うに 顔 料 の油 分 を抜 く。 若 い時 に黒 色 だ っ た者 が 老 境 に あ る状 態 を示 す。

仏 教 の教 典 に あ る 「身 に金 光 を現 す 」 に ち な み荘 厳 、 厳 粛 を表 わす。神 、 仏 に使 われ る色。

金 に次 ぐ高貴 な色 。比 較 的 に地位 の低 い神 や仏 に使 われ る。

中 国劇 は 人物 の性 格 を表す た め、 人物 本 来 の面 目を乗 り越 え るため に 瞼 譜 を描 くに は美 学 の観 点 か ら最 も代 表 的 な特 徴 を誇張 し、適 当に顔 に 集 中 した。 遠 くか ら見 る と性 格 が一 目瞭然 で 、色彩 はは っ き りしてい て、

近 くで 見 る と図案 が 精細 で あ る。 「逓 看顔 色 近 看花」 の技 術 効 果 が あ る。

これ は大 胆 な しか も巧 妙 な表現 手 法 で あ る。 人物 の容 貌(年 齢 、美 醜) だ けで は な く、社 会 的地 位、普 段 使 ってい る武 器 まで図案 で 反映 す る こ

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とが で きる。

紅 が 最上 の色 と言 わ れ る理 由 はお そ ら く紅 を人 間 の生命 力 の象徴 と し よ う とす る中 国 人 の古 くか らの呪術 宗教 的 な一面 に起 因 してい る のだ ろ う。 いず れ にせ よ、京 劇 の重 要 な要 素 で あ る瞼 譜 とは、 中 国人 が色 に託 した イメー ジで性格 を表象 させ よう とい う試 みな ので あ る。

5.む す び

色 は遠 い時代 か ら具体 的 事物 の連 想(例 えば赤 か ら太 陽 や炎 を連 想 す る)ま た は抽 象 的観念 の連 想(例 え ば赤 か ら情 熱 や革 命 を連想 す る)に 用 い られ て きて 、 あ る時 に はそ れが シ ンボル化 され て、職 業、 地位 、 身 分 、 四季 な ど も表 し、我 々の民族 文化 のあ る イメー ジ を表 す。

中 国入 は古 来 よ り、色 彩 語 で 自 らの思 い を表 し、感 情 を述 べ るの を好 む 傾 向 が あ る。 これ は 中 国 の 伝 統 的 な 文 化 と密 接 に結 び つ い て い る。

人々 の色 彩 に対 す る感覚 は、 そ の 人の生 活環 境 と大 きな関連 が あ り、 文 化 や生活 環 境 の影響 を受 けや す い。従 っ て、 同 じ民 族 の色 彩 に対 す る感 覚 や イメー ジ及 び これ に よって生 まれ る象徴 な意 味合 い に は共通性 が あ る。 中国 で は伝 統 的 に五 行 と色 が対 応 してい るか ら、 人 々 の色 彩 に対 す る感覚 、 感情 は この五行 説 か らなか なか抜 け出す こ とが難 しい。 封建 社 会 で色 を尊 ぶ考 え方が確 立 し、 地位 、 階級 を区別 して きた。 この五色 は 伝 統観 念 に よって 、 人 々の 間で 習慣 化 され、語 彙 の なか に定 着 してい く

ので あ る。従 って 、 中国 人 の深 層意 識 の 中 に色彩 語 の持つ 象徴 性 が深 く 根 づ いて い る。 中国語 の 色彩 語彙 も古 くか ら伝 わ って きた伝統 性 を守 り なが ら、新 しい文 化 を取 り入 れ よう と して い る。 最 近 で は、 西洋 文 化 の 影響 で色彩 語 には新 た な象 徴義 が生 まれ た。

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中 国 語色 彩 語 の 象 徴 化169

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参照

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