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月> 「企 業会計上 の負債概念 の発展 に関 す る一考 察」

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66 研究年報 第1

<19963

月>

「企 業会計上 の負債概念 の発展 に関 す る一考 察」

92300

堀内慎也

筆者 は、かって卒業論文において、 「ディスクロージャー ・システムに関す る基礎的 考察」と題 し、企業会計の測定 ・伝達行動における伝達面、すなわち企業会計の情報開 示に焦点を当て、とりわけ財政情報開示の制度的な側面の考案を試みた。その中で、財 正情報開示の今後の方向性を示す一例 として、アメ リカの会計基準設定機関である財務 会計基準審議会 (FASB)における概念 フレームワークの考察を行 った。また、概念 フレームワークか ら導 き出されるフィナ ンシャル ・リポーティングという考え方の考察 も行 った。そのときは、研究不足 と知識の欠如か ら、FASBの取 り組んでいる概念 フ レームワークプロジェク トの研究成果である財務会計諸概念 に関す るステイ トメ ン ト

(SFAC)第1号〜第6号の一部を考察 したにとどまり、ディスクロー ジャー ・シス テムとの関連性をどこまで指摘できたかは疑問 と反省の余地が残 った。

FASBのSFACや財務会計基準書 (SPAS)等 による新たな財務会計概念や基 準の公表は、ディスクロージャーの問題のみな らず、定義や認識、測定 といった財務会 計全般に多 くの影響を与えている。そのため、新 しい財務会計基準が公表されるたびに、

アメ リカはもとよりわが国において も、企業の経理担当者の混乱を招いた り、財務会計 にかかわる会計学者や学会、職業会計人等による論議が繰 り広げられている

このような状況を生み出す理由はいくつか存在するが、現代における企業会計の特性 が、その社会性の増大に求め られているということもその理由の一つにあげられるであ

(2)

修士論文要 旨 67

ろう。すなわち企業規模の各第二比例 し他社会的影響路その責任の増大 と共に、企業会 計の特性が社会的正義の実現 という目的を有 し、企業会計を企業 と社会関係 という枠組 みで捉 らえた制度 として存在するに至 っているか らではないかと考え られている。 こう

した点か らも会計基準の設定や改正に当たっては、社会的正義の実現 という点が十分に 考慮 されなければな らない。わが国における制度的 ・法的問題 として 「企業会計原則」

と 「商法」などを調整問題 として議論す ること、また上述のごとくFASBのステイ ト メソトに対 して議論を行 う際には、社会的正義の実現 という見地か らアプローチす るこ とが必要不可欠である

しか しなが ら、筆者 は、会計人が今 日の新財務会計基準の公表に対 して、その評価や 議論を行 う際に、個々の財務会計基準を個別に把握す ること、会計規範 と関係法規 との 間に生 じた問題を局所的に議論すること、また社会的 ・経済的変化への対応のみを指摘 することが、企業会計における社会的正義の実現を成 し得 るのかという疑問を抱 いてい る

そこで本論文では、会計実務か ら機能 して概念 を抽出す る方法 (帰納法 )で はな く、

会計の目的の考察か ら出発 し、会計諸概念の形成過程を考察 し、そこか ら会計認識の指 針を展開 させるアプローチ (演緯法)を試みた。具体的に本論文で対象 とす る概念 は、

近年、概念 ・評価問題の両面で大 きな議論を呼んでいる企業会計上の負債概念の問題を 取 り上げている。負債概念を取 り上げた目的は二つある。第‑に、 これまで研究 してき たFASBの概念 フレームワークを、概念の形成過程 という別の視点か ら考察を試みた いと考えたためである。第二に、新金融商品の登場や年金負債の問題など、最近におけ る企業会計上の負債問題の本質を捉えたかったことにある。そ して、本論文の最終的な 目的は、前述のと織 り、社会的正義の実現を果た し得 る会計理論の方向性を、負債 とい う概念の発展過程の考察を通 じて兄い出す ことにある

本論文では、上述の考えにもとづいて考察を進めてい く。考察の枠組 み は、第‑ に、

負債 という概念が歴史的にどのような発展型過程をたどって形成 されたかに関す る大 き な流れを捉える。そ して第二に概念形成に基づいた評価方法の展開について考察を行 う

そこでは、今 日における企業会計上の負債 に関す る諸問題を負債の時価評価 という問題 を通 して明確にすることに主眼を置いている

また、具体的に負債概念の発展 については、伝統的な負債概念が新 しい負債概念へと 変化するプロセスの史的考察 という方法で行 っている。負債の評価 については、現在の 認識 ・評価方法 と今後の動向や行為指針を提示 している。最後に、負債の概念 と評価の 問題 に関す る現状 と諸問題を考察す るために、未履行契約の評価についての会計上の諸 問題を取 り上げている。そこでは、とくに国際会計基準の公開草案E48「金融商品」を 中心に考察を行 っている

参照

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