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高温超伝導電力機器用ネオン冷媒冷凍機の開発研究

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

高温超伝導電力機器用ネオン冷媒冷凍機の開発研究

平井, 寛一

https://doi.org/10.15017/1807016

出版情報:Kyushu University, 2016, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

(2)

(様式 2) 氏 名

: 平井寛一

論 文 名

高温超伝導電力機器用ネオン冷媒冷凍機の開発研究

区 分 : 甲

論 文 内 容 の 要 旨

高温超伝導を利用した送電ケープ、ルや変圧器などの高温超伝導電力機器には、送電設備のコンパ クト化や送電ロスの削減、送電系統の安定化などの実現が期待されている。高温超伝導電力機器で は、超伝導状態を維持するために 70

K

の温度で数kWの冷凍能力を有する冷却システムが不可欠 である。これまでの高温超伝導電カ機器の研究・開発では、小型蓄冷式冷凍機や窒素の蒸発潜熱を 利用した冷却システムが利用されてきた。小型蓄冷式冷凍機は、作動ガスの圧縮や膨張を行う機構 部に摺動部があるため構成部品の保守点検間隔が半年から 1年と短く、また、大容量の寒冷を冷媒 へ伝える熱交換の方法にも課題があった。液体窒素蒸発方式の冷却システムでは、常に察発した液 体窒素を補充しなければならず、実用化における運用面で現実的ではない。したがって高温超伝導 電力機器の実用化を推し進めるには、構成部品の保守点検間隔を 4〜5年程度に長期化すること、

消費電力の削減および小型化などの課題を克服する必要がある。解決策としてヘリウム冷媒のター ビン式冷凍機が候補になり得たが要求される冷凍能力では、ヘリウムの分子量が小さいため、ター ボ回転機が遠心強度以上の回転数となり実現困難である。そこで、ネオンを冷媒としたターボプレ イトン冷凍機(以下、ネオン冷凍機)による高温超伝導電力機器冷却システムが提案された。

本研究では、ネオンを作動ガスとする小型ターボ圧縮機と小型膨張タービンを開発し、最適化し た熱交換器と組み合わせて試作した実証用ネオン冷凍機が高温超伝導電力機器に適用可能であるこ とを実証するとともに、実証用ネオン冷凍機で構築した冷却システムによる 2MVA級高温超伝導変圧 器の冷却試験を実施し、ネオン冷凍機の有効性を明らかにすることを目的としている。

第 l章は序論であり、超伝導電力機器の実用化に向けた冷却システムの現状について説明し、本 研究の目的について述べた。

第2章では、まず、ネオン冷凍機の基本サイクノレであるプレイトンサイクノレに関する理論を説明 しスターリングサイクルとの比較を行うと共に、ネオン冷凍機の開発、試作における目標および課 題を整理した。次に、ネオン冷凍機の目標性能として冷凍能力を 2kW (冷却温度 65K)、冷凍効率を 0. 06 (冷却温度 SOK)とし、本目標値の達成に必要な冷媒流量や冷媒圧力比など冷凍機サイクノレを 検討し、膨張タービン、ターボ圧縮機、熱交換器などの各要素機器の設計に必要となる機器出入口 の圧力および温度条件を決定した。

第3章では、前章で決定した設計条件に基づいて、膨張タービンの基本構造やインベラ等の構成 部品、軸受方式及び制動方式について検討し、評価用膨張タービンの設計・製作について述べた。

製作した評価用膨張タービンを試作タービン式冷凍機へ組み込んでの性能評価試験を行い、断熱効 率などの性能データを取得し、冷凍機の目標性能達成に必要なタービン効率70%を確保できること

を確認した。

第4章では、膨張タービンと同様にターボ圧縮機の基本構造や主要構成部品の検討を行うと共に、

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評価用ターボ圧縮機の製作について記した。ネオンを作動ガスとした評価用ターボ圧縮機の性能評 価試験を行い、ターボ圧縮機の効率や運転特性に関するデータを取得した。この結果に基づき、タ ーボ圧縮機の流量や圧力比が冷凍機サイクノレの要求を満足する結果を得た。加えて、冷凍機の容量 制御に必要な回転数可変運転が可能であることを確認した。また、ターボプレイトンサイクノレの特 長の一つである低温圧縮プロセスに着目し、低温空気による低温圧縮試験を実施し、低温圧縮プロ セスの実現可能性を示した。

第5章では、第2章で検討した基本プロセスを元に主熱交換器のブロック数などの詳細な仕様に ついて検討を行った。さらに、冷凍機で発生した寒冷を超伝導電力機器の冷却のために循環される 液体窒素へと熱交換させるサブクーノレ熱交換器の詳細な検討結果を示した。

第 6章では、これまでに検討、製作された膨張タ}ピン、ターボ圧縮機、主熱交換器、サプクー ル熱交換器を組み合わせた実証用ネオン冷凍機の製作とともに各種性能試験の結果を述べた。性能 試験では、趨伝導電力機器の冷却を想定したネオン冷凍機の運転 ・制御方法を検討した。冷凍能力 測定試験を実施し、冷凍能力2.17kW (冷却温度65K)および冷凍効率(COP)0. 060 (冷却温度80K) の性能が得られ、目標性能を達成した。さらに実証用ネオン冷凍機と液体窒素循環装置とを接続し た冷却システムを構築し、 2MVA級超伝導変圧器の冷却試験を実施した。これらの試験結果から、ネ オン冷媒によるターボプレイトン冷凍機において、実用の高温超伝導電力機器に必要な冷凍能力や 運転特性が得られ、高温超伝導電力機器用冷却システムに適用可能であることを示した。

第 7章では、本論文の結論と今後の展望について述べた。

参照

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