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超効率化ターボ冷凍機の開発

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Academic year: 2021

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超効率化ターボ冷凍機の開発

1. はじめに

 経済産業省などが作成している「省 エネルギー技術戦略」では,民生部門 の冷凍機などの熱利用機器の高効率化 が重要な課題として取り上げられてい る.一方で,大型冷凍機の需要は,夏 季のピーク電力低減を目的としたガス 焚き吸収冷温水機から,高効率の電動 式冷凍機へと移行してきている.

 このような背景の中,大型電動冷凍 機の主流であるターボ冷凍機に対して も,省エネルギーへの大きな要望があ るが,ターボ冷凍機の効率は従来技術 の延長では理論的な限界に近く,飛躍 的な高効率化には全く新たな技術開発 が必要になっていた.

 そこで,従来のターボ冷凍機の成績

係数(COP)約 6 前後から COP = 7 へ,

大幅な効率向上を目標として新規技術 開発に取り組み,RTVF 型超高効率 ターボ冷凍機(図 1および表 1)を開 発した.

2. 特徴

2.1 二重冷凍サイクル

 本機で採用した二重冷凍サイクル は,一台の冷凍機に独立した二つの冷 凍サイクルを構成し,それぞれの冷凍 サイクルに冷水および冷却水が直列に 流れるようにした冷凍サイクルである

(図 2).これにより圧縮機ヘッドを,

単一サイクル(温度ヘッド : 30℃=

37 - 7℃)の場合と比較して,二重冷 凍サイクル(温度ヘッド : 25℃= 37

- 12℃,および 27.5℃= 34.5 - 7℃)

では小さくすることが可能で,圧縮機 動力を低減することができる.

 また,二重冷凍サイクルは冷水の出 入口温度差が大きいほど,圧縮機ヘッ ドの削減量が大きく,動力削減の効果 が高いという特徴があるため,冷水流 量を少なくして搬送動力を低減する冷 水の大温度差利用システムに最適な冷 凍サイクルであり,従来機に比較して いっそうの省エネを図ることが可能で ある.

2.2 インバータ駆動高速モータの ギアレス圧縮機

 RTVF 型ターボ冷凍機に搭載する 圧縮機(図 3)は,モータ軸に直結し た小径の羽根車をインバータで最大 140Hz まで増速する方式を採用してい る.すなわち,大径の羽根車や歯車増 速機を不要として,構造の簡素化や部 品点数の削減を実現するとともに,イ ンバータの回転数制御による部分負荷 特性の向上も図っている.

 また,二重冷凍サイクルのための羽 根車をモータ軸の両端に対向して配置 することで,二重冷凍サイクルを簡便 に実現するとともに,羽根車に掛かる 流体力によるスラスト力を相殺させ,

軸受のスラスト荷重を低減させて,信 頼性の向上を図っている.

 また,羽根車を設計するにあたり,

望ましい流れ場を示す翼面負荷を実現 するための翼形状を,数値解析により 形成する三次元の逆解法という手法を 用いて空力設計を行い,各サイクルの 各段の羽根車について,高効率かつ最 適設計を行っている.

3. おわりに

 RTVF 型ターボ冷凍機は,超高効 率を評価されて導入が進んでいる状況 であるが,今後はさらなる高効率化や シリーズの拡大を図っていく予定であ る.

 本機の開発は(独)新エネルギー・

産業技術総合開発機構(NEDO)の「エ ネルギー使用合理化技術戦略的開発」

として採択され共同研究として実施し た.また,本機は高い省エネ性が評価 され,平成 21 年度優秀省エネルギー 機器表彰式において,資源エネルギー 庁長官賞を受賞した.

(原稿受付 2010 年 9 月 22 日)

〔佐藤 忠 荏原冷熱システム(株)〕

型式 RTVF050V

冷凍能力 kW

 (USRt) 1 758

(500)

成績係数(COP) 7.0 6.5 冷水温度 ℃ 17 → 7 12 →7 冷却水温度 ℃ 32 → 37

冷媒 R245fa

主電動機 AC400V3φインバータ駆動

主電動機出力 kW 235 255 表 1 仕様表

図1 RTVF 型ターボ冷凍機

L サイクル

凝縮器(L) 凝縮器(H)

エコノマイザ(L)

圧縮機(L) エコノマイザ(H)

圧縮機(H)

蒸発器(L) 蒸発器(H)

モータ

H サイクル

冷却水 32℃

冷水 17℃

34.5℃ 37℃

7℃

12℃

図 2 フロー図

羽根車(2 段)

モータ

羽根車(2 段)

図 3 圧縮機断面

978 日本機械学会誌 2010. 12 Vol. 113 No.1105

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