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舞台芸術における制作者側と聴衆のコミュニケー ションに関する研究

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

舞台芸術における制作者側と聴衆のコミュニケー ションに関する研究

志村, 聖子

https://doi.org/10.15017/1441245

出版情報:Kyushu University, 2013, 博士(芸術工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

(2)

別記様式第7

平成 6 1 30

博士学位論文の調査及び最終試験の結果報告書

論文調査委員会幹事 教授 岩宮虞一郎

学位の種類 博 士 ( 芸 術 工 学 ) ( 甲 )

2 名 志 村 聖 子

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学位論文の題目 舞台芸術における制作者側と聴衆のコミュニケーションに関する研究

学位論文の審査の結果の要旨

本論文においては,「制作者側」と「聴衆」を結ぶ「ディストリビューション(伝達・供給)」の役割 に着目し,ディストリビューションのあり方に関する理論的基盤を構築するとともに,実際の舞台芸 術のマネジメントにおいて「舞台芸術でなければ実現できない価値jを聴衆にディストリビュートし ていくためのしくみの構築について実践的検証を行い,より抜本的かっ政策的に舞台芸術のディスト リビュートに関わる人材育成を行っていくための教育機関と公立文化施設の連携による体制構築につ いて実証的分析を行っている。本研究を遂行するにあたっては,適切な研究指導を行った。

最初に,舞台芸術におけるディストリビューションを行うにあたって拠り所となる理論的基盤を,

欧米における 1970年代以降のアートマーケティング理論の展開と「聴衆Jとの関係構築に関わる論点 を辿りながら探求し,舞台芸術を支えるシステムのあり方を総括した。その結果,「芸術的価値」とは,

究極的には聴衆の「アーティスティック・エクスベリエンスJによって実現されるものであり,舞台 芸術におけるディストリピ、ューションの目的も,聴衆の「アーティスティック・エクスベリエンス」

の実現に向けられる必要があることを明らかにした。

次に,聴衆の「アーティスティック・エクスペリエンス」の実現に向けて,いかなる体制を構築し うるかを論考した。ディストリビューションの主体が「市民Jである場合には,「質の確保」と「聴衆 の満足」に加えて,「ボランティアの積極的な参加の確保」という要請をも満足させて初めて持続可能 なものとなる。このような三者の要請をいかなる体制構築によって実現させうるのかという課題につ いて,福岡古楽音楽祭を実例として論考した。福岡古楽音楽祭では,「古楽を愛する心において,ブロ もアマもないj というスタンスのもと,音楽祭のミッションである「一流の演奏家によるコンサート」

「アマチュアの発表の場」「フ。ロとアマの交流の場」の三本柱に基づいて,古楽セミナーや講演会,交 歓パーティ等のプログラムを堅持しており,これらの準備業務に携わることで得られる「人々との交

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流」や「質の高い音楽祭に関わっている満足感」がボランティアのモチベーションになっていること が分かつた。意識調査により,ボランティアの積極的な参加は「アーテイストの居心地の良さ」や「会 場の雰囲気の良さ」を醸成し,ひいては聴衆の「作品や演奏家に対する結びつき感jや「会場全体の 一体感Jとし、う「アーティスティック・エクスベリエンス」を実現させていることが判明した。

さらに,舞台芸術における制作者側と聴衆のコミュニケーションを担う人材を抜本的かつ政策的に 育成していく必要性の観点から,アートマネジメント人材育成に関する国の施策を概観し,大学等教 育機関と公立文化施設の連携による人材育成のための体制構築のあり方を論考した。九州大学とアク

ロス福岡の連携による「MusicFactory」を例に取り,アクロス福岡での企画会議,研究室における活 動,大学における総括等の複数の活動主体から成る体制を組織することによって,学生がより実践的 かっ継続的に活動できる体制をっくりあげ,それによって教育の深化とコミュニケーション能力等を 培う機会を実現できるシステムを構築しうることを示した。

本研究においては,舞台芸術におけるディストリビューションの役割に関する理論的基盤構築及び 具体的な人的体制構築に関する実践的検証を行うことにより,舞台芸術の価値が社会において発揮さ れ,強固な基盤が形成されることに寄与することが期待される。学位審査を厳正に実施した結果,本 論文が博士(芸術工学)の学位授与に値するものと認める。

最終試験の結果の要旨

最終試験を兼ねた公開発表会が,ホーノレマネジメント,音楽学,音楽理論,建築音響学,音響学な どの関連分野に関わる専門家の出席のもとに開催された。申請者の発表に対して,本来営利を目的と しなかったバロック音楽を対象としたときのマーケティングの意味,舞台芸術としての価値とアーテ イスティック・エクスベリエンスの関係,マネジメント人材育成とボランティアの存在の関係,ボラ ンティアにとっては無報酬ではあるが精神的報酬はあるのではないか,ボランティアを確保する方策,

市民活動だからこそなしえたこと,地方におけるあるいは弱者に対する舞台芸術展開の可能性,今後 の調査研究計画などについて活発な質疑があった。いずれの質問に対しても,申請者から納得いく説 明が得られた。

よって最終試験について厳格に審査した結果,審査委員合議で,合格と判断した。

参照

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