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高根沢町定住人口増加プロジェクト 01 総論 analysis- 総論 Ⅱ 現状分析 分析 situation ~ いま と これから を知る ~ ~ 強み と 弱み を知る ~ 総論 Ⅱ 現状分析 の構成 ~ 3 つの調査を用いて ~ 項目 人口 産業 経済 生活 町民代表者

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(1)高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 総論Ⅱ. 現状分析 現状分析 ~ ~. ◆. 「総論Ⅱ. 総論 –analysis-. ― situation ―. 「いま」と「これから」を知る 「いま」と「これから」を知る 「強み」と「弱み」を知る ~. 現状分析」の構成. ~. ~. 3つの調査を用いて. ~. 1. 2. 3. 4. 5. 人 口. 産業・経済. 生 活. 町民代表者. 転出入者. の. の. の. からみた. からみた. 「いま」と. 「いま」と. 「いま」と. 「強み」と. 「強み」と. 手法. 「これから」. 「これから」. 「これから」. 「弱み」. 「弱み」. 【1st step】. 【目的】. ポテンシャル. ・一般的な統計資料を俯瞰し、客観的に把握. 項目. 調査. しつつ、高根沢町の持つ地域資源を深く掘 り下げて整理・分析するために行うもの。 【アプローチ方法】 ・方法は様々だが、本プロジェクトの策定に あたっては、特に重要と思われる事項を上 記1~3に3分類し、調査したもの。. 【2nd step. 【目的】. _01】. ・ 「ポテンシャル調査」の結果を踏まえつつ、町民の. トレンド. 皆さんの生活目線からより実態に即した高根沢町. 調査. の認識を探ることによって、現状と課題をより深 く掘り下げるために行うもの。 【アプローチ方法:トレンド調査】 ・本プロジェクトの策定にあたって各界各所の皆さ んを対象として、アンケート調査及びインタビュ. 【2nd step ーを行ったもの。 _02】 【補完:町民意識調査との突合調査】 トレンド調査 ・トレンド調査の結果を補完しつつ、精度を上げる と ための手段として、2013 年 10 月に実施した町民 町民意識調査 意識調査(2,000 人を対象としたアンケート調査) の との突合分析を行ったもの。 突合調査. 12.

(2) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 総論 –analysis-. 1 人口の「いま」と「これから」 高根沢町の人口動態について、これまでの動向と今後の傾向について把握するとともに、 年齢構造との関係性等について整理します。「いま」については統計資料から、「これから」 については統計資料から将来を推計します。. ◆. 国. の. 動. き. 我が国は 2008 年から出生数より死亡数が上回る人口減少時代に入っています。我が国は 最長寿国の一つであり、人口減少の主な要因は出生数が減っているためです。2010 年には 約 1 億 2,800 万人だった人口は、2030 年には、約 1 億 1,700 万人に、2050 年には約 9,700 万人まで減少すると予測されています(国立社会保障・人口問題研究所 2012 年1月推計)。 この流れを変えなければ人口が急減し、超高齢化社会に向かうことになります。. 図表 1-2-1 に全国の人口推移を示します。全国の人口は 2008 年をピークに減少に転じて います。図表 1-2-2(P17 参照)に、全国将来推計人口を示します。長期的に人口減少が続 き年間 0.44%減と、少しずつですが、減少し続けると予測されています。. 図表 1-2-1. 全国及び栃木県の人口推移. (百万人) 130. 2.1 (百万人). 125. 2.0. 120. 1.9. 115. 1.8. 110. 1.7 全国(左軸). 栃木(右軸). 100. 1.5 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010. 1.6. 1970. 105. 資料:総務省「人口推計」. 13.

(3) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 総論 –analysis-. 人口急減・超高齢化の流れを変えることは容易でなく、流れが変わっても効果が現れるま で長期間を要します。もしこの流れを変えられない場合には、経済規模が収縮し、縮小スパ イラルに陥る恐れがあり、そこに至っては、回復は困難となることが懸念されています。. このため日本政府は、2020 年を目途に、結婚、出産、子育てに関する意識を大きく変え、 50 年後にも1億人程度の安定的な人口構造を保持することを目標に掲げています(「経済財 政運営と改革の基本方針」2014 年6月)。さらに、2014 年 9 月には「まち・ひと・しごと創 生本部」を立ち上げ、人口減少の影響が大きい地方圏の対策を強化しており、人口急減・超 高齢化という大きな課題に対し、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会 を創生するために、「まち・ひと・しごと創生法案」を 2014 年 9 月 29 日に国会に提出し、 同年 11 月 21 日に可決・成立したところです。. トピックス. 「まち・ひと・しごと創生」の動き. 2014 年 10 月に、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局から、 「「地方人口ビジョン」及び「地 域版総合戦略」の策定に向けた人口動向分析・将来人口推計について」 (以下「国ガイドライン」と いいます。)が示されました。 これは国が、50 年後も人口1億人程度の人口を維持することを目指す「長期ビジョン」と、今後 5か年の政府の目標、施策の基本的方向性や施策を提示する「総合戦略」を今後策定すると同時に、 地方自治体においても、将来展望を示す「地方人口ビジョン」と、施策の基本的方向性や施策を提 示する「地域版総合戦略」を策定するよう、ガイドラインとしての位置付けで示したものです。. 本プロジェクトは、国ガイドラインが示される前から、 「町独自推計」及び「日本の将来人口(国 立社会保障・人口問題研究所)」を用いて、人口の動きを分析していますので、そういった意味にお いて高根沢町の場合は、本プロジェクトこそが、 「地方人口ビジョン」及び「地域版総合戦略」に位 置付けられるものと考えています。. よって本トピックスにおいては、国ガイドラインで示されたデータを用いた3パターンの将来人 口推計を、参考として、以下のとおり示します。 (※1:本プロジェクトにおける独自詳細分析は、P18 以降「町の動き」の中で、「町独自推計」 及び「日本の将来人口(国立社会保障・人口問題研究所)」によって行います。) (※2:国ガイドラインに準拠したその他の分析は、「資料編」に掲載しています。). 14.

(4) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. トピックス. 総論 –analysis-. 「まち・ひと・しごと創生」の動き. 【参考推計:パターン1】 社会移動率が、今後一定程度縮小すると仮定した人口推計 (国立社会保障、人口問題研究所の推計に準拠) 35 30.4. 29.7. 30. 28.9. 28.0. 27.0. 25.9. 24.8. 25. 23.4. 22.1 合計. 20 千 人. 年少人口 15 生産年齢 人口. 10. 老年人口 5. 2050. 2045. 2040. 2035. 2030. 2025. 2020. 2015. 2010. 0. 【参考推計:パターン2】 総移動数が、2010~2015 年の推計値と概ね同水準で それ以降も推移すると仮定した人口推計(日本創成会議の推計に準拠). 30.4. 29.7. 30. 28.6. 27.3. 25.9. 24.4. 22.7. 20.8. 20. 合計 18.9 年少人口. 千 人 10. 生産年齢 人口 老年人口. 15. 2050. 2045. 2040. 2035. 2030. 2025. 2020. 2015. 2010. 0.

(5) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. トピックス. 総論 –analysis-. 「まち・ひと・しごと創生」の動き. 【参考推計:パターン3】 地方公共団体で独自に出生や移動の仮定を設けた場合の人口推計 (※本プロジェクト、『定住人口 4 万人』を前提として条件を 附した人口推計。P18 以降、「町の動き」の中で、詳細後述。) 45 40 35 30.4. 31.3. 29.9. 32.7. 35.4. 34.1. 38.3. 36.8. 40.0. 30 合計 25 年少人口 20. 生産年齢 人口 老年人口. 15 10 5. 2010. 年少 人口. 2050. 2045. 2040. 2035. 2030. 2025. 2020. 2015. 0 2010. 千 人. 2015. 2050. パターン. パターン. パターン. パターン. パターン. パターン. パターン. パターン. パターン. 1. 2. 3. 1. 2. 3. 1. 2. 3. 4,284. 4,284. 4,284. 3,904. 3,904. 4,107. 2,239. 1,611. 5,886. (14.1%). (14.1%). (14.1%). (13.2%). (13.2%). (13.7%). (10.1%). (8.5%). (14.7%). 20,184. 20,184. 20,184. 18,957. 18,957. 19,380. 11,296. 9,015. 22,803. (66.3%). (66.3%). (66.3%). (63.9%). (63.9%). (64.7%). (51.2%). (47.7%). (57.0%). 5,968. 5,968. 5,968. 6,798. 6,798. 6,444. 8,546. 8,292. 11,349. (19.6%). (19.6%). (19.6%). (22.9%). (22.9%). (21.5%). (38.7%). (43.8%). (28.3%). 30,436. 30,436. 30,436. 29,659. 29,659. 29,931. 22,082. 18,917. 40,039. (14 歳 以下) 生産年 齢人口 (15-64 歳) 老年 人口 (65 歳 以上). 合. 計. 16.

(6) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ◆. 県. の. 動. 総論 –analysis-. き. 県等の動きとしては、2014 年7月 15 日に佐賀県で開催された全国知事会議において、人 口減少問題を「国家の基盤を危うくする重大な岐路」とした少子化非常事態宣言が取りまと められました。 また栃木県においても、同年7月 23 日に開催された栃木県市長会において、県市長会、 県町村会及び県の三者による「人口減少対策検討会議」の設置を目指すことが全会一致で決 定されました。 さらに、同年 10 月 14 日に発表された 2015 年度の政策経営基本方針、当初予算編成方針 においても、重点事項に人口減少問題への対応が挙げられるなど、国と同様、県レベルにお いても非常に危機意識が高くなっています。. 図表 1-2-2. 全国及び栃木県の将来推計人口 (百万人). (百万人). 135 全国(左軸). 栃木県(右軸) 2.1. 130 128 125. 2.0. 127. 2. 124. 2.0. 121. 1.9. 120. 1.9. 1.9. 115. 117 1.8. 1.8. 112. 110 1.7. 107. 1.7. 105 1.6. 102 1.6 2050. 2045. 2040. 2035. 2030. 2025. 2020. 2015. 2010. 100. 資料:国立社会保障・人口問題研究所「将来人口推計」. 17.

(7) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ◆. 町. ■. の. 動. 総論 –analysis-. き. 人口推移. 高根沢町では、本プロジェクト「はじめに」で述べたとおり、人口対策が喫緊の課題であ り、人口対策に取組むことが、持続可能な地域社会をつくることに繋がるという認識から、 国に先駆けて、「4万人構想」を打ち出しました。 人口問題の解決には、長い時間が必要です。図表 1-2-3 にこれまでの人口推移を示します。 高根沢町の人口は3万人台を維持してきましたが、2006~2008 年頃をピークに緩やかに減少 に転じ、2014 年には2万人台へと突入しました(図表 1-2-3)。. 図表 1-2-3. 高根沢町の人口推移(2005~2014 年). (人) 35,000 30,770 30,943 30,926 30,941 30,729 30,502 30,348 30,143 30,012 29,780 30,000 5,365. 5,422 5,586 5,682 5,801. 5,909 5,882 5,962 6,198. 6,385. 25,000 65歳以上 20,000 15歳-64歳 15,000. 20,690 20,813 20,753 20,730 20,532 20,325 20,255 20,062 19,795 19,497. 0歳-14歳. 10,000 5,000 4,715. 4,708 4,587. 4,529 4,396. 4,268 4,211 4,119 4,019. 3,898 2014. 2013. 2012. 2011. 2010. 2009. 2008. 2007. 2006. 2005. 0. 資料:高根沢町統計(各年 4 月 1 日) (外国人を除く). 18.

(8) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ■. 総論 –analysis-. 人口減少の影響と要因. 地域人口は、自然増減(出生と死亡の人口の差)に加えて、社会増減(就職や転勤、結婚 などで、地域を移動<転出入>する人口の差)によって決まります。そして地域人口の増減 は、自然増減と社会増減が複雑に絡み合って表出するものです。. 図表 1-2-4. 高根沢町人口の自然増減(出生-死亡)と社会増減(転入-転出)の推移. 800 自然増減 600. 社会増減 増減. 400 200 (人). 増加. 0 -200 減少 2013. 2011. 2009. 2007. 2005. 2003. 2001. 1999. 1997. 1995. 1993. 1991. 1989. 1987. 1985. -400. 資料:栃木県毎月人口調査推計(各年 10 月 1 日). 図表 1-2-5. 高根沢町・年齢階級別・人口増減率(2009→2014)の推移. 30.0% 人口の変化率を5歳階級毎に整理し 20.0%. 増加. たものです。増減は社会増減と自然 10.0%. 増減、双方の要因からなります。. 0.0% -10.0%. 70~74→75~79. 65~69→70~74. 60~64→65~69. 55~59→60~64. 50~54→55~59. 45~49→50~54. 40~44→45~49. 35~39→40~44. 30~34→35~39. 25~29→30~34. 20~24→25~29. 15~19→20~24. 10~14→15~19. 5~9→10~14. 0~4→5~9. -20.0%. 減少. 資料:高根沢町統計. 19.

(9) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ■. 総論 –analysis-. 高根沢町の自然増減と社会増減. 高根沢町の自然増減と社会増減を図表 1-2-4 に示します。2006 年までは、自然増加と社 会増加によって人口が増えてきましたが、2007 年から社会減少が大きくなり、2008 年から は自然増加で支えきれず、人口減少に転じています。その後は、社会減少が続く傍ら、僅か ながら自然減少も始まりました。. ■. 社会移動要因. 年齢別の人口増減率(図表 1-2-5)から、社会移動の要因を探ってみると、30 代から 50 代までの人口減少は、ほとんど社会減少によるものです。20 代に高根沢町に移住し、その 後、30 代になって町外に移住する人が多いことがグラフから読み取れます。年齢的にみて、 就職を機に高根沢町に住まい、結婚や子育てを機に、町外に移転していると推測されます。 このような状況が続けば、人口減少が続くことになります。. しかし、高根沢町の傾向は一般的な地方圏とは異なります。地方圏の多くは、10 代後半 から 20 代前半にかけて社会減少が進むのが一般的です。学校卒業を機に、就業機会が少な い故郷を離れるのです。例えば、北関東県庁所在地の状況をみてみると、10 代後半から 20 代前半にかけて、人口の減少傾向がうかがえます。このような人口流出のパターンは、その 要因が就業機会の少なさにあることが推測されます(図表 1-2-6(P21 参照))。. 20.

(10) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 図表 1-2-6. 総論 –analysis-. 北関東の地元定着度. 2000 年代後半(2005-2010)の年齢階層別人口変動のトレンドが続くと想定し、現在の0-4歳 100 人が、X~X+5歳になった時の人数を地元定着度として推計したもの. 150. 125. 水戸市. 100. 宇都宮市 前橋市. 75 高根沢町. 50. 25. 0 0-4. 5-9. 10-14 15-19 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69. 資料:国勢調査より作成. 一方、高根沢町では、20 代の人口流入がみられ、そのことが高根沢町の特徴である単身 世帯の多さの要因になっていると考えられます。もっとも、流入幅は縮小し、30 代以降の 社会減少は拡大しています(図表 1-2-7,8)。1995-2000 に比べ、10 年後の 2005-2010 では、 30-34 歳から定年近くまで、男女ともに社会減少に転じています。この社会移動は、結婚や 出産を契機としている可能性が高く、子育て支援等、自然増加を図る対策が社会減少を防止 する対策にもなると思われます。また、流入のボリュームが縮小してきていることから、就 業対策がこれまで以上に重要になってきています。. 21.

(11) 22 70~74歳→75~79歳. 65~69歳→70~74歳. 600. 70~74歳→75~79歳. 200. 65~69歳→70~74歳. 60~64歳→65~69歳. 55~59歳→60~64歳. 50~54歳→55~59歳. 45~49歳→50~54歳. 40~44歳→45~49歳. 35~39歳→40~44歳. 01. 60~64歳→65~69歳. 55~59歳→60~64歳. 50~54歳→55~59歳. 45~49歳→50~54歳. 40~44歳→45~49歳. 35~39歳→40~44歳. 30~34歳→35~39歳. 25~29歳→30~34歳. 20~24歳→25~29歳. 15~19歳→20~24歳. 10~4歳→15~19歳. 5~9歳→10~14歳. 400. 30~34歳→35~39歳. 400. 25~29歳→30~34歳. 20~24歳→25~29歳. 15~19歳→20~24歳. 人 五/ケ年. 10~4歳→15~19歳. 図表 1-2-8. 5~9歳→10~14歳. 人 五/ケ年 0~4歳→5~9歳. 図表 1-2-7. 0~4歳→5~9歳. 高根沢町定住人口増加プロジェクト 総論 –analysis-. 高根沢町・男性・年齢階級別・社会移動推計. 年齢階級毎に社会移動を推測しまし 1995-2000. た。25~29 歳男性人口のうち約 400 2005-2010. 人が社会増加によるものです。. 200. 増加. 0. -200. 減少. -400. 資料:国勢調査・国立社会保障・人口問題研究所「生残率」から推計. 高根沢町・女性・年齢階級別・社会移動推計. 年齢階級毎に社会移動を推測しまし 1995-2000. た。25~29 歳女性人口のうち 200 人 2005-2010. 弱が社会増加によるものです。. 増加. 0. -200. 減少. -400. 資料:国勢調査・国立社会保障・人口問題研究所「生残率」から推計.

(12) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ■. 総論 –analysis-. 自然増減. 自然増減には、ライフスタイルが絡むことから、問題は複雑で、対策は多岐にわたらざる を得ませんが、子育て関係にフォーカスすることが鍵とみられます。図表 1-2-9 に全国及び 高根沢町の合計特殊出生率の推移を示します。全国的には 1970 年代の半ば以降、人口維持 水準の 2.07 を割り込み低迷してきました。2005 年の 1.26 をボトムにやや回復してきてい ます。高根沢町の合計特殊出生率は足元で反転し回復傾向にあります。. 図表 1-2-9. 全国・合計特殊出生率と出生数の推移. 2,500. 2.5 出生数(左軸、千人) 合計特殊出生率(右軸) 高根沢町出生率(町推計) 高根沢町出生率(厚労省推計). 2,000. 2. 1,500. 1.5. 1,000. 1. 500. 0.5. 0. 0 1960. 65. 70. 75. 80. 85. 90. 95. 2000. 5. 12. 資料:厚生労働省「人口動態統計」 、高根沢町. また、出生率は県毎にバラつきが見られます(図表 1-2-10)。最も低いのが東京で 1.06、 最も高いのが沖縄で 1.86 です。栃木県は 1.38 と平均並みです。高根沢町は 1.57 とやや高 い水準にあります。 図表 1-2-11 には生涯未婚率を示します。少子化の要因は最大の要因は結婚適齢期の女性 が結婚しなくなったこととされています。また、晩婚化、生涯未婚率の上昇は単身世帯の増 加をもたらしています。. 23.

(13) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 図表 1-2-10. 総論 –analysis-. 都道府県別・合計特殊出生率 都道府県別合計特殊出生率(2011年). 高根沢町 1.57. 北海道 青 森 岩 手 宮 城 秋 田 山 形 福 島 茨 城 栃 木 群 馬 埼 玉 千 葉 東 京 神奈川 新 潟 富 山 石 川 福 井 山 梨 長 野 岐 阜 静 岡 愛 知 三 重 滋 賀 京 都 大 阪 兵 庫 奈 良 和歌山 鳥 取 島 根 岡 山 広 島 山 口 徳 島 香 川 愛 媛 高 知 福 岡 佐 賀 長 崎 熊 本 大 分 宮 崎 鹿児島 沖 縄 全国. 2 1.8 1.6 1.4 1.2 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0. 資料:厚生労働省「人口動態統計」. 図表 1-2-11. 生涯未婚率の推移(50 歳時の未婚率). 25 男性. 女性. 20.14. 20. 15 10.61. (%) 10. 5. 10. 5. 2000. 95. 90. 85. 80. 75. 70. 65. 60. 55. 50. 0. 資料:総務省「国勢調査」. 24.

(14) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 総論 –analysis-. 2005 年の OECD(経済協力開発機構)の調査によれば、我が国で最も効果的な少子化対策 は、①育児費用のため税金の控除や児童手当の増額を行うこと、②育児休暇期間を延長する こと、③正式な保育施設の整備強化という結果が示されました。このような対策に対する国 の支援や財政措置も重要ですが、高根沢町としては、各地域のコミュニティ(個性)と、各 地域が有している地域資源を上手に運用し、上記対策を地域としてできる範囲で、最適配分 することがポイントとみられます。. また、地域における出生率向上策として、最も効果的とみられるのは、子育て世代の人口 を増やすことです。子育て世代をひきつけ、流出を防ぐためには、魅力的な子育て環境づく りが重要とみられ、社会移動対策や後述する土地利用対策の重要性との共通点が見いだせま す。. 25.

(15) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 図表 1-2-12. 栃木県市町. 2040/2010. 総論 –analysis-. 20-39 歳女性人口減少率 2010年20-39歳女性人口(人). 0. 10,000. 20,000. 30,000. 40,000. 50,000. 60,000. 70,000. 0%. さくら -20%. 高根沢 真岡 小山. 2040/2010 20-39歳 女性 減少率. -40%. 宇都宮 栃木 野木 日光. -60%. 那珂川. -80% 資料:国立社会保障・人口問題研究所「将来人口推計」. 2014 年 5 月 8 日に日本創成会議・人口減少問題検討分科会が提言した「成長を続ける2 1世紀のために ストップ少子化・地方元気戦略」では、人口密度が高い地域ほど出生率が 低いという分析に基づき、地方から大都市への若年層の流れに歯止めをかけることが、我が 国の人口減少を食い止めるための効果的な方策であること、中でも「20 代~30 代前半に結 婚・出産・子育てしやすい環境づくり」と「第2子や第3子以上の出産・子育てがしやすい 環境づくり」に全ての政策や取組を集中すべきであると提言しています。合計特殊出生率を 2025 年に 1.8、2035 年に 2.1 とすることで、人口は 2090 年に 9,466 万人で安定し、さらに 高齢化率が 2040 年代に減少し、21 世紀後半には、27%程度で安定する未来が描かれていま す。. また、日本創成会議の増田寛也議長の著書「地方消滅 東京一極集中が招く人口急減」で は、2010~2040 年の若年女性人口増加率が上位の市区町村を、産業誘致型、ベッドタウン 型、学園都市型、コンパクトシティ型、公共財主導型、産業開発型の6つのモデルに分類し ています。高根沢町については、産業誘致型やベッドタウン型を参考に独自のモデルを構築 することが考えられます。. 図表 1-2-12 に栃木県内の市町における 2010 年から 2040 年までの 20~39 歳女性人口の減 少予測を示します。高根沢町は 26 市町中 9 番目に減少率が少ないものと予測されています。. 26.

(16) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ■. 総論 –analysis-. 小学校区別人口. 高根沢町の人口構成を阿久津小、西小、北小、中央小、東小、上高根沢小の6つの小学校 区別に見ていきます(図表 1-2-13)。 人口分布については、2014 年でみると、阿久津小学校区と西小学校区の2つで全体の 58.3%(17,563 人)を占めます。この2つの小学校区では、子育て世代である 21-40 歳比 率が高く、65-歳比率が低くなっています。この傾向は、西小学校区で特に顕著で、21-40 歳比率が 37.5%、65-歳比率が 7.2%となっています。なお、未就学児(0-6 歳)及び小学 生(7-12 歳)の年代比率は西小学校区で高くなっています。. 図表 1-2-13. 小学校区別人口、0-6 歳、7-12 歳、21-40 歳、65-歳比率の推移. (人). 60.0% 30,000 40.0% 20,000. 20.0%. 10,000. 全小学校区. 人口. 阿久津. 0-6歳比率. 西. 北. 7-12歳比率. 中央. 東. 21-40歳比率. 2004 2009 2014. 2004 2009 2014. 2004 2009 2014. 2004 2009 2014. 2004 2009 2014. 2004 2009 2014. 0.0% 2004 2009 2014. 0. 上高根沢. 65-歳比率. 資料:高根沢町. 27.

(17) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ■. 総論 –analysis-. 小学校区別子育て世代の動向. 次に、子育て世代として、21~40 歳人口(全体の 28.0%、2014 年)に着目して動向を探 ります(図表 1-2-14)。 小学校区によって男女比が大きく異なります。町全体で 2014 年の女性比率が 41.6%であ る中、西小学校区では女性比率が 35.8%と男性 2 に対して女性 1 に近い水準まで均衡が崩 れています。また、町全体の女性比率が 2004 年の 44.6%から 2014 年の 41.6%へと低下し ていますが、主因は、西小学校区(41.6%→35.8%)と阿久津小学校区(44.8%→42.4%)に あります。後で見るように、男女ともに 30 代以降の流出が多い中で、男性について 20 代の 流入が著しく多いために生じている現象です。. 図表 1-2-14. 小学校区別 21-40 歳区分の男女別人口の推移 (人). 46.5%. 46.3%. 47.1%. 49.5%. 49.3%. 47.7%. 45.7%. 47.8%. 46.8%. 46.3%. 45.3% 35.8%. 41.6%. 30.0%. 38.5%. 42.4%. 44.6%. 44.8%. 41.6%. 43.5%. 40.0%. 10,000 44.6%. 50.0%. 8,000 6,000. 20.0%. 4,000. 10.0%. 2,000. 全小学校区. 阿久津. 西. 北. 女性. 男性. 中央. 東. 2009 2014. 2004. 2014. 2009. 2004. 2009 2014. 2004. 2014. 2004 2009. 2004 2009 2014. 2004 2009 2014. 2009 2014. 0 2004. 0.0%. 上高根沢. 女性比率 資料:高根沢町. 28.

(18) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ■. 総論 –analysis-. 小学校区別コーホート増減(男性). 次に、人口動態として、小学校区別に 5 歳区分の人口コーホート増減を見てみます(図表 1-2-15)。 男性についてみると、町全体では、21-25 歳区分と 26-30 歳区分において大幅な増加が見 られ、反対に、31-35 歳区分と 36-40 歳区分において大幅な減少がみられます。この主因は、 西小学校区と阿久津小学校区の動きであり、21-25 歳区分の増加及び 31-35 歳区分及び 36-40 歳区分の減少については、特に西小学校区に、26-30 歳区分の増加については、特に阿久津 小学校区に大きな動きが見られます。その他の小学校区については、概ね各年齢区分ともに 減少傾向となる中、上高根沢小学校区では 2009 年から 2014 年にかけて増加傾向が見られま す。. 図表 1-2-15. 小学校区別コーホート増減の推移(男性). (人). 350 250 150. -250. 【全小学校区】. 阿久津. 21-25歳. 西. 北. 26-30歳. 31-35歳. 中央. 東. 2009→2014. 2004→2009. 2009→2014. 2004→2009. 2009→2014. 2004→2009. 2009→2014. 2004→2009. 2009→2014. 2004→2009. 2009→2014. 2004→2009. -150. 2009→2014. -50. 2004→2009. 50. 上高根沢. 36-40歳. 資料:高根沢町. 29.

(19) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ■. 総論 –analysis-. 小学校区別コーホート増減(女性). 女性については、町全体では、26-30 歳区分において大幅な増加が見られ、反対に、21-25 歳区分、31-35 歳区分、36-40 歳区分において減少がみられます(図表 1-2-16)。 26-30 歳区分の増加の主因は、西小学校区、阿久津小学校区の増加にあります。31-35 歳 区分及び 36-40 歳区分の減少の主因は、西小学校区にあります。. 図表 1-2-16. 小学校区別コーホート増減の推移(女性). (人). 250 200 150 100 50. -150. 【全小学校区】. 阿久津. 21-25歳. 西. 北. 26-30歳. 31-35歳. 中央. 東. 2009→2014. 2004→2009. 2009→2014. 2004→2009. 2009→2014. 2004→2009. 2009→2014. 2004→2009. 2009→2014. 2004→2009. 2009→2014. 2004→2009. -100. 2009→2014. -50. 2004→2009. 0. 上高根沢. 36-40歳 資料:高根沢町. 以上の分析より、高根沢町における人口動態を特徴づける 30 代以降の社会減少の主因は、 西小学校区や阿久津小学校区にあることがわかります。その結果、男女比が均衡を崩してい ます。他方、それ以外の小学校区については、女性の人口流出が見られるものの、男女比は 概ね均衡を維持していることがわかります。. 30.

(20) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ■. 総論 –analysis-. 将来人口推計. 2050 年に定住人口 4 万人を実現するには、これから毎年平均で 300 人弱の人口増がなけ ればなりません。そのためには、どのような条件を満たすことが必要なのでしょうか。自然 増減と社会増減に分けて考えると、仮に、合計特殊出生率が 10 年後(2025)2.1 まで上昇 (現状 1.57)、社会移動率が 1995-2000 の水準に回復し、域外への再流出を 10 年かけて防 止できれば(社会増 300 人/年)、2050 年には人口は 4 万人に増加すると試算されます(図 表 1-2-17、コーホート要因法にて推計)。. 図表 1-2-17. 高根沢町の将来推計人口(単位:千人) 高根沢町推計. 30. 29. 28. 26. 25. 23. 40. 38. 37. 35. 34. 33. 31. 30. 社会移動・出生率改善ケース. 21. 20. 出生率が 2.1 まで上昇(現状 1.57)し、社会移動率が 1995-2000 の水準に回復、域外へ. 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030 2031 2032 2033 2034 2035 2036 2037 2038 2039 2040 2041 2042 2043 2044 2045 2046 2047 2048 2049 2050. の再流出がなければ、2050 年に人口は 4 万人に増加します。. 資料:「高根沢町資料」 「国勢調査」 、国立社会保障・人口問題研究所「将来人口推計」より推計. 31.

(21) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 32. 総論 –analysis-.

(22) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 総論 –analysis-. 2 産業・経済の「いま」と「これから」. ◆. 背. 景. 我が国の経済は、低い経済成長と長引くデフレによる停滞の 20 年を経験してきましたが、 いわゆるアベノミクスによって経済の好循環が動き始めているとされています。しかし、消 費増税による景気の落ち込みや、東日本大震災による原発停止に伴うエネルギーコストの上 昇、人口減少に伴う人手不足など課題も抱えています。政府は課題を解決しつつ、経済の好 循環の動きを加速させる切り札として、農業や商業を含めた、地方圏の産業・経済の生産性 向上を重視するに至っています。. ◆. 分. 析. 手. 法. まず、就業機会の確保等、定住確保に重要な産業・経済の「いま」と「これから」を、第 一次産業、第二次産業、第三次産業に分けて俯瞰します。 その上で、下記の3つの定量的な分析手法をとることによって、より深く、高根沢町の産 業・経済の特性を明らかにします。. ■ 地域経済循環分析 地域内における人、財・サービス、情報、金の流れを定量的に把握するための分析です。 高根沢町の所得がどの程度あって、それがどこで使われ、何が高根沢町の需要に対して不 足しているか、また高根沢町の基盤産業は何で、その状況はどのようなものかなどを検証し ます。. ■ ストック分析 地域内における人的資本、社会資本、自然資本などの賦存量の分析です。 この調査により、他都市と高根沢町の比較優位性などを検証します。. ■ ポートフォリオ分析 地域経済が安定的であるかどうかの分析です。 産業構造に多様性があるか、景気変動を受けやすいリスクの高い産業構造になってはいな いかなどを検証します。. 33.

(23) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 図表 1-2-18. 総論 –analysis-. 高根沢町の就業人口構造の推移. 資料:国勢調査. ◆. 高根沢町の産業・経済構造. はじめに高根沢町の産業経済の構造を整理します。就業者数では、第一次産業が約 1 割 (2010 年 9.6%)、第二次産業が 3 割弱(同 27.4%)、第三次産業が 6 割強(同 63.0%)となって います(図表 1-2-18)。中長期的な推移をみると、約 30 年前には(1980 年)、第一次、第二 次、第三次それぞれが 3~4 割でしたが、その後、第一次産業の就業者が減少し、その分、 第三次産業のウエイトが増加しています。. 次に域内の総生産をみてみます。就業人口(他市町を含むもの)と域内総生産(高根沢町 内のみのもの)は属地が異なるため、地域経済循環を分析する基本的な視点が明らかになり ます。総生産では、サービス業のウエイトが高く、次いで不動産、製造業、卸小売と続きま す(図表 1-2-19(P35 参照))。サービス業は「情報の森とちぎ」や「本田技術研究所」な どの学術研究・専門・技術サービス業が主体です。サービス業や不動産業は安定的に成長し ていますが、製造業は、キリンビールの撤退によって近年大きく減額しています。. 図表 1-2-20(P35 参照)で総生産の特化係数を整理します。特化係数とは、生産の構成 比を栃木県の構成比と比べたもので、1を超えると、構成比が県平均より高く、特徴的と判 断されます。特化係数は、高い順に、農林水産業(2.62)、情報通信業(1.8)、不動産業(1.6) です。. 34.

(24) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 図表 1-2-19. 総論 –analysis-. 高根沢町の主要産業別域内総生産額. (百万円). 100,000 74,250 66,829. 農林水産業. 58,228 43,411 36,551. 43,056. 46,516 45,046 46,077. 製造業 7,800. 卸売・小売業. 4,208. 50,000. 運輸・通信業 20,091 16,685 17,281 17,681 18,087 15,806 15,082 16,800 17,825 18,405 19,299. サービス業 不動産業. 11,954 11,910 12,045 12,267 12,592 13,035 13,284 13,536 14,007 14,276 14,496. その他. 2011. 2010. 2009. 2008. 2007. 2006. 2005. 2004. 2003. 2002. 2001. 0. 資料:栃木県市町村民経済計算. 図表 1-2-20. 高根沢町・域内総生産特化係数(対県、2011 年). 3. 県平均より構成比が大きい 2.62 2 1.80. 農林水産業. 情報通信業. 政府サービス. 不動産業. 0.90. 1.60. 電気ガス水道業. 0.88. 1.56. 建設業. 0.81. 卸売・小売業. 金融・保険業. 製造業. 0. 0.51. 運輸業. 0.35. 1.50. サービス業. 1. 1.47. 資料:栃木県市町村民経済計算. 35.

(25) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ◆. 第. 一. 次. 産. 総論 –analysis-. 業. 第一次産業は、かつての主力産業です。今日でも就業者の1割が属し、総生産の特化係数 をみても突出するなど、高根沢町を代表する産業の一つと言えます。農業産出額のうち、約 半分を米が占め、次いで畜産、野菜と続きます(図表 1-2-21)。耕地面積別にみると、1ha-2ha の小規模農家が最も多く、次いで 3ha-10ha の中規模農家が続きます(図表 1-2-23(P38 参 照))。中規模の稲作農家になると機械の稼働率が上がり、コストが下がります(図表 1-2-24 (P38 参照))。高根沢町には 10ha 以上の農家も 54 戸あるなど(2010 農業センサス)大規 模化もみられます。. 高根沢町の農業については、農業経営の法人化や経営の合理化等により、生産性の向上と 経営規模の拡大が図られ、町の基幹産業の一翼を担うことが期待される中、農家世帯の高齢 化や後継者不足により耕作放棄地が増加し、産業として衰退する懸念を克服する取組みも重 要です。. なお、農業については、TPP 交渉の行方を含め、政府の対応が大きな鍵を握ります。成長 戦略を受けて、政府は生産現場の強化(担い手の育成)と、多面的機能の維持・発揮(日本 型直接支払交付金制度、図表 1-2-22(P37 参照))といった、「強い農林水産業」と「美し く活力ある農山漁村」に向けた政策を強化しており、こうした政策の動向を見据えた対応が 求められます。. 図表 1-2-21. 高根沢町の農業産出額構成比(2006 年) その他 2% 鶏 11% 乳用牛 8%. 米 47%. 肉用牛 7% 果実 4% 野菜 15% 豆類 3%. 麦類 3%. 資料:農林水産省「生産農業所得統計」. 36.

(26) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 図表 1-2-22. 総論 –analysis-. 農業補助金. 土地利用型農業に関する補助金の現状とこれから 土地利用型農業に関する補助金の現状とこれからを整理すると下図の通り. 土地利用型農業に関する補助金の現状とこれから. 現行(2014年度予算). 廃止. 米価変動補てん交付金(200億円). 2014年度~ 米価変動補てん交付金. 米の直接支払交付金(806億円) ※2014~2017年度 7,500円 / 10a. 2018年度~ 米の直接支払交付金. 継続・創設. 水田活用の直接支払交付金 (2,770億円). 水田活用の 直接支払交付金. 畑作物の直接支払交付金 (2,093億円). 畑作物の 直接支払交付金. 米・畑作物の収入減少影響緩和対策 (751億円). 米・畑作物の 収入減少影響緩和対策. 中山間地直接払い. 2014年度~ 日本型直接支払制度. 出所:農林水産省資料(平成25年12月 新たな農業・農村政策が始まります‼ p8~p26)より日本経済研究所作成 インフラ整備等のハード補助金を除く. 37.

(27) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 図表 1-2-23. 総論 –analysis-. 高根沢町の耕地面積別・農家戸数(戸). 400. 300. 200. 100. 10.0ha以上. 3.0~10.0ha. 2.0~3.0ha. 1.0~2.0ha. 0.5~1.0ha. 0.5ha未満. 0. 資料:農林水産省「農業センサス 2010」. 図表 1-2-24. 耕地面積別・米の生産コスト(2012 全国、円/60kg). 30,000. 20,000. 10,000. 15.0ha以 上. 10.0~15.0. 7.0~10.0. 5.0~7.0. 3.0~5.0. 2.0~3.0. 1.0~2.0. 0.5~1.0. 0.5ha未満. 0. 資料:農林水産省「米生産費統計 2012」. 38.

(28) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ■. 総論 –analysis-. 首都圏との近接性を活かした農業への期待 首都圏との近接性を活かした農業への期待. 鮮度が付加価値の要素となる野菜においては、消費地への近接性が優位性を持ちます。 高根沢町については、交通アクセスが改善される中、首都圏マーケットへの供給地として 大きなポテンシャルがあります。. 野菜は機械化が難しく、労働集約的な面を残しており、就労環境の拡充といった側面があ る一方、技術革新が進んでいる植物工場の立地可能性もあります。. また交流人口の拡大という点で、農業は若い世代も注目する戦略産業であることから、農 商工連携や首都圏人口を活かした市民農園的なサービス業など、付加価値を持った産業とし ての展開も可能性があります。. 図表 1-2-25. 全国稲作経営(規模別収入内訳、金額:千円). 40,000. 40% 補助金収入 その他作物収入 稲作収入 収入に占める補助金割合. 30,000. 30%. 20,000. 20%. 10,000. 10%. 20.0ha以上. 15.0~20.0. 10.0~15.0. 7.0~10.0. 5.0~7.0. 3.0~5.0. 2.0~3.0. 1.0~2.0. 0.5~1.0. 0% ~0.5ha. 0. 資料:農林水産省「営農類型別所得経営 2012」. 39.

(29) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ◆. 第. 二. 次. 産. 総論 –analysis-. 業. 高根沢町に事業所を構える製造業としては、当地操業のマニー高根沢工場(医療機器)や、 宇津救命丸高根沢工場(小児薬)、テイ・エステック(自動車用部品)などがあります。か つてはキリンビール栃木工場も操業していましたが、2010 年 10 月に閉鎖されました。 最近は「情報の森とちぎ」に、ケーヒン(自動車用部品)、ホンダロック(自動車用部品) 、 ジーテクト(自動車用部品)などの企業立地が進んでいます。さらに、高根沢町周辺には、 工業団地が集積しており(清原工業団地、芳賀工業団地)、経済圏でみると、大規模な工業 地域の一角として位置づけることもできます。. 図表 1-2-26 では、高根沢町に立地する製造業の従業者推移を示します。1999 年をピーク に、2000 年代は漸減傾向にあります。その傾向のなかではキリンビールが撤退した 2010 年 の落ち込みが大きくなっています。. 高根沢町民の就業分野については、製造業が最も多く、製造業の他市町村勤務比率は約8 割です。高根沢町民の就労環境としては、高根沢町ばかりでなく、近隣市町を含めた産業集 積を捉えることが重要です。. 図表 1-2-26. 高根沢町に立地する製造業の従業者数推移. 3,000. 2,000 (人) 1,000. 0. 資料:経済産業省「工業統計」. 40.

(30) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ◆. 第. 三. 次. 産. 総論 –analysis-. 業. 第三次産業の分野で高根沢町を特徴づけるのは、 「情報の森とちぎ」や「本田技術研究所」 などの学術研究・専門・技術サービスです。さらに不動産業や、卸小売業が、域内総生産で 大きなウエイトを占めています。 高根沢町の商業は、JR 宝積寺駅と仁井田駅を中心とする商店街が主体でしたが、店舗の 閉鎖と専用住宅への建替えが進んでいます。主要地方道宇都宮・那須烏山線沿いには、郊外 型の中規模店が進出してきています。道路や交通利便性の変化によって、商業は大きく変わ ってきています。. 図表 1-2-27 では、高根沢町に立地する卸小売業の従業者推移を示します。大規模店舗の 立地が全国的に進んだ 2000 年代前半にかけては、高根沢町においても、主要地方道宇都宮・ 那須烏山線沿い店舗の立地等により伸びていましたが、2004 年にピークアウトしています。. 高根沢町では、2000 年に策定した「高根沢町中心市街地活性化基本計画」等を踏まえ、 宝積寺駅周辺をはじめ、住民ニーズに応じた商業集積の整備が求められていますが、計画策 定から 10 数年を経過した現在にあっても、店舗数の減少等、中心市街地全域の衰退(空洞 化)に歯止めがかからないという状況を踏まえて、計画の見直しを視野に取組みを進めてい くことが必要です。. 図表 1-2-27. 高根沢町に立地する卸小売業の従業者数推移. 2,000. 1,500. (人) 1,000. 500. 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012. 0. 資料:商業統計、経済センサス. 41.

(31) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ◆. 地. 域. 経. 済. の. 定. 量. 的. 分. 総論 –analysis-. 析. ここまでは、第一次産業から第三次産業までの現状を俯瞰的に把握してきましたので、以 降は、より深く、高根沢町の産業・経済の特性を明らかにするために、前記した3つの定量 的な分析を行います。. ■. 地. 域. 経. 済. 循. 環. 分. 析. 地域経済循環分析では、地域のどの分野・産業・経済が、他地域から外貨に相当する収入 を獲得しているかを分析することによって、経済戦略上の焦点を探ることができます。市町 村を分析する際には自地域と、通勤圏等の地域就業圏(地域経済圏)の 2 層で分析する必要 があります(図表 1-2-28)。結論を先に述べれば、高根沢町は人的資本によって、他地域か ら収入(外貨に相当)を獲得しています。住宅政策等、人的資本の優遇策が経済戦略のポイ ントとなります。. 図表 1-2-28. 地域循環イメージ 地域就業圏 人的資本. 自地域 周辺地域 (高根沢町)域内 (宇都宮市、芳賀 総生産 723 億円 町、さくら市等) (2011 年) 外貨(所得) 町民所得 893 億円 (2011 年)人的資本. 42.

(32) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 総論 –analysis-. 分析に際しては、高根沢町における地域経済を構成する産業・経済について、今後の社会 経済環境の動向等を踏まえ、主要産業・経済の内容や競争力の程度、安定性等の視点を踏ま えその実態を把握します。具体的には、高根沢町の地域経済を構成する産業・経済は、属地 的に高根沢町に存在する産業・経済群と、町民が従事する隣接市町村を含んだ産業・経済群 (地域就業圏)とに大別されます。地域経済循環を検討するには、両者を峻別した上で、両 者の関係を整理する必要があります。. 高根沢町に存在する産業・経済に対応するマクロ経済は、域内総生産です(723 億円:2011 年)。一方、町民が従事する産業・経済に対応するのは町民所得(893 億円:2011 年)にな ります。属地的な付加価値(=総生産)より、町民の稼ぐ付加価値(=町民所得)が多く、 近隣市町村との関係が町民ベースで深いことが、高根沢町地域経済循環の特色です。 所得水準を人口1人当たりの課税所得(2013 年)でみると、全国を3%程度上回ってい ます。 ・全国 ・栃木県 ・高根沢町. □. 177,519,536 百万円÷126,393,679 人=1.404 百万円(1.00) 2,606,934 百万円÷1,980,414 人=1.316 百万円(0.94) 43,396 百万円÷30,012 人=1.446 百万円(1.03). 高 根 沢. 町 に 立. 地 す. る 産. 業 ・ 経. 済. 属地的に高根沢町に立地する産業・経済の GDP を図表 1-2-29 に、就業者の構成比を図表 1-2-30 に示します。 GDP ベースでは、サービス業が最も多く、次いで不動産業となります。もっとも、総生産 推計上は、個人家屋も帰属家賃として計算されるので留意が必要です。就業者ベースでみる と、不動産業の割合は僅かとなります。サービス業で最大の分野は、学術研究・専門・技術 サービス業であり「情報の森とちぎ」や「本田技術研究所」などが大きなウエイトを占めま す。. 43.

(33) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 図表 1-2-29. 総論 –analysis-. 高根沢町に立地する産業の域内総生産(2011 年). (億円) 300 200 100 サービス業. 不動産業. 製造業. 卸売・小売業. 政府サービス. 建設業. 農林水産業. 情報通信業. 運輸業. 電気・ガス・水道業. 金融・保険業. 0. 資料:栃木県市町村民経済計算. 図表 1-2-30. 高根沢町に立地する産業の就業者割合(2010 年) Q 複合サー S R その他 ビス事業 サービス 公務 3% 1% 2% 業 P 医療,福 3% 祉 O 教育, 9% A 農業 学習支援業 13% 3%. D 建設業 6%. N 生活関連 サービス業,娯 楽業 3% M 宿泊業, 飲食サービス業 4%. E 製造業 20%. L 学術研 究,専門・技術 サービス業 16%. K 不動産 業,物品賃貸業 1% J 金融業, 保険業 1%. I 卸売業, 小売業 10%. G 情報通信 業 1% H 運輸業, 郵便業 3%. 資料:国勢調査. 44.

(34) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. □. 高 根 沢. 町 の 経. 総論 –analysis-. 済 圏. 就業者の通勤状況から、高根沢町の地域就業圏(地域経済圏)を図表 1-2-31 に示します。 高根沢町からは、宇都宮市に 5,016 人が通勤通学していますが、宇都宮市から高根沢町へは その半分の 2,695 人に過ぎません。同じく、芳賀町には 2,188 人が通っていますが、同町か らは 202 人に過ぎません。高根沢町に住む人の就業は、高根沢町を超えて周辺各地域に広が っています。. 図表 1-2-31. 高根沢町地域就業圏(2010 年). さくら市 宇都宮市. 2,695 人. 1,070 人. 920 人. ああああああああああああああああ 5,016 人. 601 人. 那須烏山市. 高根沢町 (町内 3,983 人) 561 人. あ 1,003 人 2,188 人. 1,563 人. 202 人 その他. 芳賀町. 資料:国勢調査. 45.

(35) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 総論 –analysis-. 図表 1-2-32 に、高根沢町民が就業している産業・経済分野を示します。 製造業が最も多く、続いて研究、卸小売りと続きます。製造業の他市町村勤務比率は約8 割です。また、人数の多寡や業種を問わず(農業を除きます)、他市町村に勤める人が多い のも特徴です。高根沢町の経済(所得)は、周辺の製造業から獲得する外貨の割合が大きい とみることも考えられます。. 図表 1-2-32. 高根沢町民が就業している産業(2010 年). 4,000. 100% 高根沢町民の就業先(左軸:人). 他市町村比率. 3,000. 75%. 2,000. 50%. 1,000. 25%. 0. 0% E 製造業. L 学術研究・技術サービス. I 卸売業,小売業. A 農業,林業. P 医療,福祉. D 建設業. H 運輸業,郵便業. R 他のサービス業. M 宿泊業,飲食サービス. O 教育,学習支援業. N 生活サービス,娯楽. S 公務. G 情報通信業. J 金融業,保険業. K 不動産業,物品賃貸業. Q 複合サービス事業. F 電気・ガス・水道. 資料:国勢調査. 46.

(36) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. □. 就 業 者. が 多 い. 製 造. 業 の. 総論 –analysis-. 分 野. 次に、最も就業者が多い製造業の状況をより細かな分野別に確認してみると、経済産業省 では、高根沢町を含んだ宇都宮・芳賀地区を一つの工業地区としてみなし、統計を整理して います。図表 1-2-33 に産業別付加価値を示しました。 付加価値はほとんどが人件費ですので、付加価値が大きいほど就業機会が大きいと考える ことができます。. 図表 1-2-33. 宇都宮・芳賀工業地区*・付加価値額(2012 年). 2,000. 1,500 (億円). 1,000. 500. 化学工業. 輸送用機械器具製造業. 生産用機械器具製造業. 飲料・たばこ・飼料製造業. プラスチック製品製造業. 業務用機械器具製造業. 金属製品製造業. パルプ・紙・紙加工品製造業. 食料品製造業. 非鉄金属製造業. 鉄鋼業. 情報通信機械器具製造業. 電子部品・デバイス等. 窯業・土石製品製造業. はん用機械器具製造業. 印刷・同関連業. その他の製造業. 電気機械器具製造業. ゴム製品製造業. 木材・木製品製造業. 家具・装備品製造業. 繊維工業. 石油・石炭製品製造業. なめし革・同製品等. 0. 資料:経済産業省「工業統計」(*宇都宮市、鹿沼市、真岡市、上三川町、益子町、茂木町、市貝町、芳賀町、壬生町、高根沢町). 47.

(37) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. □. 付 加 価 値 水 準 ( ≒ 給 与 の 他 地 域 と の 比 較. 総論 –analysis-. 水 準 ). 図表 1-2-34 に、一人当たり付加価値水準の産業別全国比を北関東地方と比較したものを 示しました。 一人当たり付加価値水準は、給与水準の代替指標です。宇都宮・芳賀工業地区の一人当た り付加価値は全国水準を上回っています。. 図表 1-2-34. 宇都宮・芳賀/全国. その他の製造業. 輸送用機械器具製 造業. 情報通信機械器具 製造業. 電気機械器具製造 業. 電子部品・デバイ ス・電子回路 製造業. 業務用機械器具製 造業. 生産用機械器具製 造業. はん用機械器具製 造業. 金属製品製造業. 非鉄金属製造業. 鉄鋼業. 窯業・土石製品製 造業. なめし革・同製品 ・毛皮製造業. ゴム製品製造業. プラスチック製品 製造業. 石油製品・石炭製 品製造業. 化学工業. 印刷・同関連業. パルプ・紙・紙加 工品製造業. 家具・装備品製造 業. 木材・木製品製造 業. 繊維工業. 飲料・たばこ・飼 料製造業. 食料品製造業. (%). 北関東/全国. 製造業計. 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0. 宇都宮・芳賀 vs 北関東 3 県の一人当たり付加価値の全国比(2012 年). 資料:工業統計. 48.

(38) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. □. 付 加 価. 値 が 大. き い. 産 業. ・ 経 済. 総論 –analysis-. の こ れ. か ら. 図表 1-2-33(P47 参照)で宇都宮・芳賀工業地域を分野別にみると付加価値総額が大き い順に、化学工業、輸送用機械、生産用機械です。これらの産業・経済群が将来にわたって 安定かどうか、さらに発展するかどうかが、高根沢町の就業機会に影響します。. 産業・経済の安定度や競争力は、例えば日本人が「ものづくり」に強く、米国人が「ソフ トウエア」に強いことが定説となっているように、一般的に国民性と関連づけて指摘されま す。このような観察から、国際競争力を産業分野別に整理した研究をベースにすることが今 日では一般的な方法であることから、高根沢町においても同様の方法によって、産業・経済 の安定度や競争力を分析します。. □. 組 み 合. わ せ 型. 産 業. と す. り 合 わ. せ 型 産. 業. 具体的には、産業を大きく2つに分けて分析します。部品間の独立性が強く、調整が不要 でアイデアやスケールメリットが競争力に直結する産業群を組み合わせ型産業(モジュラー アーキテクチャ)と、逆に部品間の相互調整が重要な産業群をすり合わせ型産業(イングラ ルアーキテクチャ)と呼びます(図表 1-2-35)。. 米国や中国、韓国が得意とするのが「組み合わせ型産業」です。薄型テレビなど、この分 野に属する産業では、我が国の競争力は大きく失われました。一方、日本が得意とするのが、 相互調整やチームワークがものをいう「すり合わせ型産業」です。自動車の他、生産用機械 が代表的です。. 高根沢町が属している、宇都宮・芳賀工業地区は、輸送用機械、生産性機械など「すり合 わせ型」の産業が多くなっています(P47、図表 1-2-33 参照)。一方で、急速に競争力を失 い回復の見込みも少ない電気機械、電子部品・デバイス等の「組み合わせ型」は少なく、工 業地帯としては、国際競争力を維持できる可能性が高いと思われます。. 49.

(39) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 図表 1-2-35. 組み合わせ型産業とすり合わせ型産業. 50. 総論 –analysis-.

(40) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ■. 地. 域. 経. 済. ス. ト. ッ. ク. 分. 総論 –analysis-. 析. 地域経済ストック分析とは、人的資本、自然資本、社会資本等、地域経済を構成するスト ック要素を分析するものです。前項P42 の地域経済循環分析でもみたように、高根沢町は 人的資本に優れており、多くの外貨に相当する財を獲得しています。また、自然資本にも恵 まれています。定量的な評価は難しいものの、以下にみるように、土地の 9 割近くが、田園 や里山です。また、後述のアンケートでも多くの住民が高根沢町の強みとしています。社会 資本については、整備が進む高速道路網に近接していることが挙げられます。. □. 人 的 資. 本 ~ 技. 術 ノ. ウ ハ. ウ ~. 高根沢町の産業・経済の最大の資源・ストックは人的資源です。 高根沢町には、本田技術研究所や「情報の森とちぎ」等の立地企業をはじめ、最先端の技 術を開発する優良企業に人材が集まっています。 図表 1-2-36 に示すように、高根沢町の男性就業者に占める専門的・技術的職業従事者の 比率は、全国平均の 1.5 倍に達しています。. 図表 1-2-36. 専門的・技術的職業従事者比率(2005 年) 全国計. 高根沢町. 就業者数:男 うち専門的・技術的職業従事者 専門技術比率. 35,735,300. 10,323. 4,433,026. 1,965. 12%. 19% 資料:国勢調査. 51.

(41) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. □. 自 然 資. 本 ~ 土. 総論 –analysis-. 地 ~. 次に高根沢町における自然資本の基盤として、土地利用の状況を分析します。. 高根沢町は、総面積の7割が水田として利用されており、県内有数の穀倉地帯といえます。 一方、国道4号線、JR 東北本線、烏山線の沿線という地の利を得て、西部の台地を中心に して住宅団地や工業団地などが展開されています。. 高根沢町は、1970 年8月に全町 7,090ha が宇都宮都市計画の区域として指定を受け、同 年 10 月に市街化区域と市街化調整区域の線引きを行っています。. 現在、市街化区域は、宝積寺地区、仁井田地区、芳賀・高根沢工業団地地区、砂部工業団 地地区で、合計面積は 579.3ha となっています。また、その他の地域は市街化調整区域で、 6,510.7ha となっています。市街化区域には用途地域を設定し、開発・建築などを規制・誘 導しています。現在、2つの地区(宝積寺駅西第一 23.3ha、宝積寺中坂上 18.5ha)におい て土地区画整理事業を実施しており、居住環境の整備が進められています。. 全体的な土地利用について、図表 1-2-37(P53 参照)に高根沢町の土地利用推移を示し ます。7 割を田が、2 割を畑・山林が占めているなど、自然・田園環境に恵まれています。 宇都宮都市圏に属し、宅地化が進行していますが、多くの田園地帯が残されており、屋敷 林が点在して地域固有の景観を生み出しています。さらに、東部台地、サギノヤ地区の森林 や御料牧場などがあり、個性ある豊かな自然資本に恵まれていると言えます。. 宅地面積はやや増加傾向にあり、住民一人当たりの宅地面積も増加しています(図表 1-2-38(P53 参照))。少しずつ高度化が進んでいる状況にあり、仮に現在の土地利用を前 提に人口が 1 万人増加した場合には、現状の 3 割増に相当する約 150ha 程度の宅地が必要と なる計算です。. 52.

(42) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 図表 1-2-37. 総論 –analysis-. 土地利用の推移. 100% 90% 80% 70%. 13%. 13%. 13%. 13%. 14%. 14%. 14%. 14%. 14%. 14%. 14%. 10%. 10%. 10%. 10%. 10%. 10%. 10%. 10%. 7%. 7%. 7%. 7%. 7%. 7%. 7%. 7%. 10% 7%. 10% 7%. 9% 7%. 60%. 宅地. 山林・原野. 50% 40%. 70%. 30%. 69%. 69%. 69%. 69%. 69%. 69%. 69%. 70%. 69%. 70%. 畑. 20% 10%. 田. 0% 2004. 2005. 2006. 2007. 2008. 2009. 2010. 2011. 2012. 2013. 2014. 資料:高根沢町統計. 図表 1-2-38. 住民1人当たりの宅地面積の推移. (㎡) 250.0. 240.0 239.6. 241.5. 237.4 230.0 227.9. 229.1. 228.8. 229.6. 230.2. 2005. 2006. 2007. 2008. 232.6. 233.4. 2009. 2010. 234.9. 220.0 2004. 2011. 2012. 2013. 2014 資料:高根沢町統計. 53.

(43) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. □. 社 会 資. 本 ~ 道. 総論 –analysis-. 路 ~. 代表的な社会資本ストックである道路の状況は、高根沢町の住民一人当たり道路実延長で、 全国平均を 63%上回っています。これは市町村道が多いためで(同+70%)、国・県道の延 長は、突出していません(同+23%)。平地が多く、道路に恵まれている環境にあります(図 表 1-2-39)。. 現在、高速道路のインターチェンジは町内にはなく、多くの方が南部の宇都宮上三川イン ター(北関東自動車道)を利用するか、北部の矢板インター(東北道)を利用しています。 現在、真岡インターチェンジと直結する高規格道路である「宇都宮高根沢バイパス」が 2020 年度の完成をめざして工事が行われており、完成すれば、アクセスが飛躍的に改善します。. 同バイパスが開通すれば真岡インターだけではなく、近隣の工業団地へのアクセスも大き く改善されることから、人口増加のみならず、経済的側面からも大きな期待がかかります。. 図表 1-2-39. 道路延長(2013 年). 区分. 延長キロ. 道路実延長 高根沢町. 道路実延長(その他) 道路実延長(市町村道) 道路実延長. 国. 道路実延長(その他) 道路実延長(市町村道). 住民一人当たりm. 対国比. 472. 15.5. 163%. 57. 1.9. 127%. 415. 13.6. 170%. 1,214,917. 9.5. 100%. 192,669. 1.5. 100%. 1,022,248. 8.0. 100%. 資料:国土交通省「道路統計年報」. 54.

(44) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. □. 社 会 資. 本 ~ 家. 総論 –analysis-. 屋 ~. 図表 1-2-40 には、持ち家率と借家率を示しました。高根沢町は借家率が 42.2%と、栃木 県平均よりも 13 ポイント上回っています。借家率の高さは、持ち家を重視する立場からは、 持ち家が欲しい顧客のニーズに応えていないのでは、と考えることが出来ます。一方、借家 の方が、オーナーの経営努力が反映しやすいことから、時代の変化に対応しやすいとの考え もありえます。一般には、所有と利用の分離は、環境変化に柔軟とされています。. いずれにしても環境変化への柔軟な対応が鍵を握ります。現実的な条件を勘案し、柔軟性 を持たせる工夫(優良・安価な宅地の供給等)が必要です。. 図表 1-2-40. 持ち家率と借家率(2008 年) 高根沢町. 栃木県. 全国. 住宅総数. 100%. 100%. 100%. 専用住宅. 97.5%. 96.2%. 97.3%. 持ち家. 55.2%. 68.6%. 61.1%. 借家. 42.2%. 29.6%. 35.8%. 2.5%. 3.8%. 2.7%. 店舗その他の併用住宅. 資料:高根沢町統計. 55.

(45) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ■. 地. 域. 経. 済. ポ. ー. ト. フ. ォ. リ. オ. 分. 総論 –analysis-. 析. 地域経済のポートフォリオ分析とは、地域経済が依存する産業・経済の集中度や分散を検 討することによって、どれだけ景気変動や個別企業戦略の影響を受けやすいか、そのリスク を分析するものです。高根沢町の産業・経済の特性や市場規模等を踏まえ、現状及び今後、 どのようなポジションや方向性を取りうるか等の検討を行います。まず高根沢町に立地する 産業・経済を検討し、次に地域循環及び町民の就業を踏まえた産業・経済の検討を行います。. □. 産業・経済の特性と市場規模. 図表 1-2-41(P57 参照)に高根沢町の産業経済の特性と市場規模を示します。横軸は就 業先で、他地域への就業を含み高根沢町の経済圏を、縦軸は域内総生産額で、市場規模に相 当し高根沢町の産業・経済を示します。両者のバランスが悪ければ、極端に域外に依存して いる等の課題があると判断されます。. ポートフォリオ分析をみると、全体的にはバランスがとれていますが、相対的にやや町内 寄りのポジション(縦軸より)なのが、不動産と公務です。不動産は域内総生産の計算上の もの(各自の家屋も不動産業を営むとみなす:帰属家賃)、公務が域内よりであるのは産業 の特性を示しているものといえます。製造業はやや域外よりで、町外の工業団地への就業を 示唆していますが、域内総生産も一定の規模を有しており、バランスを保っている状況にあ ります。. 56.

(46) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 図表 1-2-41. 総論 –analysis-. ポートフォリオ分析. 250 高根沢町域内総生産(2011年). (億円). 200. サービス. 150 不動産. 100 製造 公務 50. 卸小売 建設 農林水産. 電気 0. 情報通信 運輸 金融 0 1,000. 2,000. 3,000. 4,000. 5,000. 高根沢町民の就業先(2010年). 6,000. 7,000. (人). 資料:国勢調査、栃木県市町村民経済計算. 57.

(47) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. □. 総論 –analysis-. 過去の経緯にみるポートフォリオリスク. 図表 1-2-42 に高根沢町・域内総生産推移を再掲します。2010 年度の落ち込みは、キリン の撤退によるもので、大型事業拠点に依存するリスクが顕在化したものといえます。また、 現在でも本田技術研究所等、大型事業拠点が重要な地位を占めています。 ビール産業に比べると、安定性は高いとみられますが、大型集中リスクには変わりなく、 ポートフォリオとしては課題もあります。地域安定性の高い、農業や地域商業等、地域の資 源を活用し、地域に根付いた産業群を育成していくことが必要です。. 図表 1-2-42. 高根沢町の主要産業別域内総生産額(再掲). (百万円). 100,000 66,829. 74,250. 農林水産業. 58,228 43,411 36,551. 43,056. 46,516 45,046 46,077. 製造業 7,800. 卸売・小売業. 4,208. 50,000. 運輸・通信業 サービス業 不動産業 11,954 11,910 12,045 12,267 12,592 13,035 13,284 13,536 14,007 14,276 14,496. その他. 2011. 2010. 2009. 2008. 2007. 2006. 2005. 2004. 2003. 2002. 2001. 0. 資料:栃木県市町村民経済計算. 58.

(48) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. □. 総論 –analysis-. 町外のポートフォリオ. 図表 1-2-43 に高根沢町が属する工業地域(地域就業圏)の付加価値を再掲します。日本 企業が得意とする、すり合わせ型の産業が多く、地域循環を重視した通勤圏ベースでは安定 したポートフォリオと評価できます。もっとも、地理的には近接していますが、厳密には高 根沢町の地域特性とは必ずしも関連の深い産業群ではなく、キリンビールのように、企業独 自の理由で、進出、撤退を繰り返すことが、ないとはいえません。その種のリスクを回避す るには、農業や地域商業等、地域資源を活用した産業群のウエイトを少しずつ増やしていく ことが必要です。. 図表 1-2-43. 宇都宮・芳賀工業地区・付加価値額(再掲、2012 年). (億円) 2,000. 1,500. 1,000. 500. 化学工業. 輸送用機械器具製造業. 生産用機械器具製造業. 飲料・たばこ・飼料製造業. プラスチック製品製造業. 業務用機械器具製造業. 金属製品製造業. パルプ・紙・紙加工品製造業. 食料品製造業. 非鉄金属製造業. 鉄鋼業. 情報通信機械器具製造業. 電子部品・デバイス等. 窯業・土石製品製造業. はん用機械器具製造業. 印刷・同関連業. その他の製造業. 電気機械器具製造業. ゴム製品製造業. 木材・木製品製造業. 家具・装備品製造業. 繊維工業. 石油・石炭製品製造業. なめし革・同製品等. 0. 資料:工業統計. 59.

(49) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 総論 –analysis-. 3 生活の「いま」と「これから」 これまでは、町の「人口」と「産業・経済」を見てきました。 本項ではそれ以外にも、“たかねざわ”を知る上で、触れておかなければならない特徴的 なこと、正確に把握しなければならないこと、そして深く分析しなければならないことを整 理します。. ◆. 気. 候. ・. 災. 害. 高根沢町は栃木県のほぼ中央東部、県都宇都宮市の北東約 12km に位置しています。町の 西縁を南に流れる鬼怒川と東縁の北から南に連なる喜連川丘陵とに挟まれ、中央部は北から 南に向かってゆるやかに傾斜している台地や低地で構成されています。6つの大小河川は豊 かな水を供給し、町の 7 割が水田として利用されて県内有数の穀倉地帯となっています。一 方、国道4号線、JR 東北本線・烏山線の沿線という地の利を得て、町西部の台地を中心に 住宅団地や工業団地などが展開されています。. 気候的には典型的な内陸的気候を示し、夏の高温、冬の低温と晴天・少ない降雨量・乾燥 が目立っています。年間の平均気温は約 13 度強と、日本の平均気温とほぼ同じです。冬場 の晴天は、積雪の多い北日本や日本海側に比べると、工場等の建設・維持コストの軽減に直 結しています。. さらに災害が少なく、特に地震を考えると比較的安全度が高い地域です。今後 30 年間 (2013 年~)に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は、高根沢町は 0.1%~3%程度とさ れています(図表 1-2-44(P61 参照))。関東圏が東京湾岸から鹿島灘にかけて広い範囲で 26%超と推測されているのとは対照的であり、気候や BCP(災害対策)は、企業が進出等を する際の検討要素となりますが、高根沢町は相対的にみて、有利な条件を有しているといえ ます。. 60.

(50) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. 図表 1-2-44. 総論 –analysis-. 今後 30 年で震度 6 弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図. 高根沢町. 資料:防災科学技術研究所「確率論的地震動予測地図」 (2010 年). 61.

(51) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ◆. 土. 地. ・. 人. 口. 密. 総論 –analysis-. 度. 高根沢町は、土地総面積の7割は水田として利用されており、国道4号線、JR 東北本線、 烏山線の沿線という地の利を得て、町西部の台地を中心にして住宅団地や工業団地などが展 開されています。. 高根沢町は、1970 年に全町 7,090ha が宇都宮都市計画の区域として指定を受け、市街化 区域は、台地を中心に、宝積寺地区、仁井田地区、芳賀・高根沢工業団地地区、砂部工業団 地地区からなり、合計面積は 579.3ha です。一方、市街化調整区域は 6,510.7ha となってい ます。. 市街化区域の人口密度を、宇都宮都市計画区域8市町と比較してみると、高根沢町は 33.9 人/ha(2010 年)と、4位にランクされています。マンション等の中高層住宅がほとんど存 在しないにもかかわらず人口密度が高く、土地の価格や制約に課題が多いという住民アンケ ート(後述)を裏付けています。. 一方、高根沢町全体では、7 割を田が、2 割を畑・山林が占めているなど、自然・田園環 境に恵まれて、土地利用の余力を有しています。. 図表 1-2-45. 宇都宮都市計画区域8市町・市街化区域人口密度(2010 年) 50 40 30. (人/ha) 20 10. 芳賀町. 上三川町. 真岡市. 鹿沼市. 高根沢町. 下野市. 壬生町. 宇都宮市. 0. 資料:国土交通省都市・地域整備局:都市計画年報. 62.

(52) 高根沢町定住人口増加プロジェクト 01. ◆. ロ. ケ. ー. シ. ョ. 総論 –analysis-. ン. 栃木県は、首都圏から 100km 圏内に立地し、隣接する茨城県や群馬県を結ぶ高速道路の整 備が進み、アクセスが改善されたうえに、東日本大震災を契機とし防災意識が高まるなか、 安全性が評価され、工場立地が増えつつあります(図表 1-2-46)。地理的・気候的な好条件 は、高根沢町にも当てはまるものです。. 現在、高速道路のインターチェンジは町内にはなく、傾向としては、比較的近い南部の宇 都宮上三川インター(北関東自動車道)、あるいは北部の矢板インター(東北自動車道)が 利用されています。将来的には、真岡インターチェンジと直結する高規格道路である「宇都 宮高根沢バイパス」が 2020 年度の完成をめざして工事が行われており、完成すれば、アク セスが飛躍的に改善することが見込まれます(図表 1-2-47)。. 町外にアクセスする主要な公共交通は JR 東北線の宝積寺駅が存在し、県庁所在都市であ る宇都宮駅まで約 10 分、また、町内は JR 烏山線の下野花岡駅、仁井田駅の2駅が存在しま す。工業団地と宇都宮市をつなぐ道路の渋滞を考えると、JR の存在は重要かつ貴重な資源 です。. 図表 1-2-46. 工場立地件数. (件) 200. 150. 茨城 100 栃木 群馬 50. 2013. 2012. 2011. 2010. 2009. 2008. 2007. 2006. 2005. 2004. 2003. 2002. 2001. 2000. 1999. 1998. 1997. 1996. 1995. -. 資料:「工場立地動向調査」経済産業省. 63.

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