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− その10 偏心加力によるパンチングシアー耐力の検討 −

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Academic year: 2022

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An Experimental Study on CFT Column-Flat Plate

−Part10 Evaluation of Punching Shear Strength under eccentric load −

SATOU Hiroki, YAMAGUCHI Takumi, and SHIMAZAKI Kazushi CFT

柱―フラットプレート接合部の耐荷性能に関する実験的研究

− その10 偏心加力によるパンチングシアー耐力の検討 −

正会員 ○佐藤 宏貴*1 正会同   山口 卓巳*2 正会同   島崎 和司*3 正会同   五十嵐 泉*4 接合部  CFT柱  フラットプレート 

押し抜き耐力  偏心加力   

1. はじめに

本報では、接合部の一部を取り出した要素試験体につ いて偏心を作用させた押し抜き加力実験を行い、柱−ス ラブ接合部にねじり力と鉛直荷重が同時に作用した時の パンチングシアー耐力の確認をする。 

2. 実験概要 2.1 試験体

図 1 に試験体の概要図を示す。また、表 1 に使用材料 の機械的性質、表 2に試験体一覧を示す。試験体はM/Qd を 1.3 とし、試験体寸法は 660×660×100mmとした。主 なパラメータは、偏心距離、スラブ補強筋の種類、接合 プレートの形状、スタッドの有無、CFT 柱のコンクリー トの充填の有無とした。

2.2 加力方法

加力方法の概略を図 2 に示す。加力は、試験体の 4 隅 の 4 点をピン支持し、柱部分に取り付けたL型冶具を介 して偏心荷重を与える計画とした。

2.3 計測計画

計測は各支持点における荷重、試験体上面の鉛直変位、

スラブ補強筋の歪、接合プレートの 3 軸歪、スタッドの 歪について行った。各ひずみの測定は負担せん断力を考 察できるように計画した。

3. 実験結果 3.1 ひび割れ状況

図 3 に各試験体のひび割れ状況を示す。全試験体で柱 から放射状に曲げひび割れが入る性状を示した。また、

偏心荷重を加えた Es2〜Es6 は、偏心荷重側のスラブ部分 にひび割れが集中し、最終的には偏心荷重側の柱近傍の せん断ひび割れにより最大耐力に至った(写真:Es3 切断 面A 参照)。偏心荷重と反対側のスラブにはせん断ひび割 れは生じていなかった。

3.2 荷重−変形関係

図 4 に各試験体の荷重−変位関係を示す。Es2、Es4 試 験体で最大耐力後に耐力の低下が見られたが、その他の 試験体は急激な耐力の低下は示さなかった。

3.3 スタッド歪分布

図 5に最大荷重時のスタッド歪分布を示す。また図 8に歪   

図 3 各試験体のひび割れ状況  切断面 A 切断面 B

Es3 切断面 A

Es3 切断面 B

せん断ひび割れ  偏心荷重側 偏心荷重側

偏心荷重側

偏心荷重側

偏心荷重側 ピン支持  荷重

表 1 使用材料の機械的性質 図 1 試験体概要

ピン支持 ピン支持 

荷重

後面スラブ  前面スラブ

b. 加力方法の概略 ピン 試験体 

a. 加力装置

図 2 加力方法

表 2 試験体一覧

偏心距離 接合プレート

mm h×b

Es1 0 51×4.5 D6全面 USD785 有り Es2 100 51×4.5 D6全面 USD785 有り Es3 200 51×4.5 D6全面 USD785 有り Es4 200 10×4.5 なし USD785 有り Es5 200 51×4.5 D6全面 USD785 無し Es6 200 51×4.5 D6全面 SD295A 有り CFT柱

充填 スラブ スタッド 補強筋 試験体名

接合プレート形状 Es4 Es1〜3,5,6 鋼材 降伏強度 N/mm2引張強度 N/mm2

SD295A D6 385 552

USD785 D6 782 949

接合プレートPL4.5 286 357

スタッドSR295 363 505

圧縮強度 引張強度 ヤング係数 N/mm2 N/mm2 N/mm2 Fc36 39.5 3.37 2.86×10 コンクリート

スタッド

―1199―

22600

日本建築学会大会学術講演梗概集

(九州) 2007年 8 月

(2)

*1  株式会社 ジャスト

*2  安藤建設 株式会社

*3  神奈川大学 工学部 建築学科 教授 博士(工学)

*4  神奈川大学 工学部 建築学科 主任技術員

Just Corporation Ando Corporation Professor, Kanagawa University, Dr Eng.

Chief Technician, Kanagawa University ゲージ位置を示す。Es3、Es5 試験体では S1〜S4 の範囲でス

タッドが有効に作用しており、Es2 試験体では S1〜S5 の 範囲のスタッドが有効に作用している。Es6 では S1,S2 の 範囲でスタッドが有効に作用している事が確認された。 

3.4 負担せん断力の実験値 

表 3、図 6 に最大荷重時のコンクリート、接合プレート及 びスタッドの負担せん断力の比較を示す。また、図中にはコ ンクリートの負担せん断力を最大荷重で除したコンクリート 負担せん断力係数 cα1 )も示した。なお、接合プレートとスタ ッドの負担せん断力はそれぞれのひずみ履歴から推定し 2 )、 コンクリート負担せん断力は最大耐力からスタッドの負担せ ん断力と接合プレートの負担せん断力を差し引いて求めた。

データが得られた Es1、Es3、Es5、Es6 試験体で cαは スタッドを有効とした時の値0.165を上回る結果となった。

3.5 負担せん断力の算定値 

図 7に(1)式1 )によるコンクリート、接合プレート及び スタッドの負担せん断力の算定値を示す。また、コンク リートの危険断面と有効とする接合プレート、スタッド の数は図 8、表 4に示す。 

コンクリートの有効断面と有効とする接合プレート・

スタッドの数は図 3 のひび割れ状況と図 6 のスタッド歪 分布から推定した。偏心が作用していない Es1 はコンク リートの全断面と全断面中の接合プレートとスタッドを 有効とし、偏心が作用している Es2〜Es6 はそれぞれ図 8 に示すコンクリート断面とコンクリート断面中の接合プ レートとスタッドを有効とした。 

V V V

V0=c +st +s  ---(1)  t

st t st st

stV= naf  

3

pl/

t pl pl

sV= nfA  

c c c c

cV= aA f  

cV:コンクリート許容せん断耐力  stV:スタッド許容せん断耐力  sV:接合プレート許容せん断耐力 

t

pl f :接合プレート許容引張応力度 

Apl:接合プレート断面積 

c

c f :コンクリート許容圧縮応力度 

Ac:危険断面の断面積  pln:算定断面でのプレート枚数 

t

stf :スタッド許容引張応力度 

t

sta :スタッドの軸断面積 stn:算定断面でのスタッド本数  ca:コンクリート負担せん断応力度係数※1 

(スタッドを有効とする場合 0.l65)

図 6 の実験値と比較すると、スタッドが過大評価されてい る傾向が見られた。また、Es2、Es6 で実験値より算定値が大 きくなっているが、Es2 では接合プレートの有効枚数の設定 が過大になっている。Es6 では、スラブ補強筋が先行して曲 げ降伏しており、曲げ耐力で最大耐力に至ったと考えられる。

【参考文献】

1) 山口卓巳、島崎和司、佐藤宏貴:CFT柱−フラットプレート接合部の鉛直耐 力に関する実験的研究、日本建築学会構造系論文集、20074

2) 佐藤宏貴、島﨑和司、黒瀬行信、熊谷仁志、戸沢正美:低降伏点鋼を用いた 境界梁ダンパーの実験的研究、構造工学論文集、Vol.49B、20033

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

Es1 Es2 Es3 Es4 Es5 Es6

担せん断力の推定値(kN

0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30 0.35 0.40 0.45 0.50 コンクリート負担

せん断力(kN)

接合プレート負担 せん断力(kN)

スタッド負担 せん断力(kN)

0 1000 2000 3000 4000

S1 S2 S3 S4 S5 S6

スタッドゲージ位置

歪(μ)

Es1 Es2 Es3 Es5 Es6

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

0 5 10 15 20

変位(mm)

荷重(kN

Es3 Es4 Es5 Es6 Es1

Es2

図 4 荷重−変位関係 図 5 スタッド歪度分布 表 3 負担せん断力の推定値 

スタッド負担 せん断力(kN)

接合プレート負担 せん断力(kN)

推定応力度より 推定応力度より 負担せん断力 cα

Es1 411 46 128 237 0.317

Es2 219 23 - - -

Es3 193 23 94 76 0.101

Es4 157 - - - -

Es5 195 22 52 121 0.162

Es6 119 22 27 69 0.092

試験体 最大荷重

(kN)

コンクリート負担 せん断力(kN)

−はデータの取得が出来なかった項目

図 6 負担せん断力の比較(実験値)  図 7 負担せん断力の算定値

図 8 スタッドの歪ゲージ位置と せん断耐力の算定断面 

偏心荷重側

スタッドとコンクリートの 負担せん断力 

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

Es1 Es2 Es3 Es4 Es5 Es6

算定値(kN

スタッド負担 せん断力(kN)

接合プレート負担 せん断力(kN)

コンクリート負担 せん断力(kN)

実験値

表 4 算定に用いたコンクリートの  有効断面と接合プレート・スタッドの数

試験体コンクリートの 有効断面

接合プレート

(枚数)

スタッド

(本数)

Es1 全周 4 12

Es2 X1 3 10

Es3 X2 1 6

Es4 X2 1 6

Es5 X2 1 6

Es6 X2 1 6

4. まとめ

本実験では最大耐力後にも脆性的な破壊は起こらなかっ た。また、(1)式によるパンチングシアー耐力式を用い て、コンクリートの有効断面と有効となる接合プレートお よびスタッドの数を適切に評価することでパンチングシア ー耐力を評価できる。

―1200―

参照

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