テーマ
No.
項 目
内容及び目的
導入 1 あいさつ
2 税理士の職業紹介 簡単に紹介
3 講義のテーマ紹介 Ⅰ.税金の意義・役割
Ⅱ.税金の仕組み
Ⅲ.日本の財政と課題
テーマⅠ
税金の意義・
役割=なぜ税
金は必要なの
だろうか
1 みんなが利用する施設やサービスとは? 税は「自分たちのために、自分たちで支えていくもの」
ということを理解してもらうことを目的とする
2 租税の歴史
3 税金の身近な使途
4 誰が税金を負担するのか?
(納税の義務)
5 理解の確認
テーマⅡ
税金の仕組み
=社会の仕組み
1 ライフイベント たくさんの税金があるのはなぜかを問いかけること
により、「公平」を考えてもらい、民主主義全般に理
解を深めてもらうことを目的とする
2 税金を集めるゲーム
3 50種類もの税金がある効果
4 税金は誰が決めるのか?
5 納税の義務
6 理解の確認
テーマⅢ
日本の財政と
課題
1 日本の財政の現状 「日本の財政の現状」について考え、財政赤字・少子
化等の現在の日本が抱える課題に触れながら、民主
主義・国民主権の見地から租税立法のあり方及び税
金の使途等について関心を抱き、公正な判断力を備
えた国民として成長できるよう、生徒たちが自ら考
えるきっかけをつくることを目的とする
2 今後の課題
3 最後の理解確認
授
授
授
授
授
授
授
授
授
授
授
授
授 授 授
授
授業モデル〈参加・体験型 50分〉
Ⅰ
50
講義用テキストの使用にあたって
講義用テキストの使用にあたって
Ⅱ
はじめに
このシナリオは、教室でクラス単位又は少人数で授業を行うことを前提に、生徒が積極的に参加す
ることのできる体験型の授業を想定して作成しています。
ポイントを絞り授業を組み立てることで、1コマ(50分)・2コマ(100分)・60分などの授業時間に
も対応できます。
目 的
税理士が講師を担当する学校における租税教育は、生徒の公民的資質の基礎を養う教育の一助とな
ります。
租税教育は、生徒に国民として必要な税の仕組みを理解してもらうと同時に、税を題材にして社会
を考えてもらうことから、個人と社会との関係について考察を深めてもらい、自由・権利と責任・義
務の関係を考え、民主主義の本質についての理解を深めてもらいます。
そして、民主的な国家・社会の形成者としての自覚を促し、社会的責任や義務を果たそうとする意
識をもってもらい、社会生活において、多面的に考え、公正に判断する力を育み、国民主権を担う国
民として積極的に社会参画する重要性を理解してもらいましょう。
講師を担当する税理士は、これらのことを意識して講義に臨みましょう。
留 意 点
このシナリオは、講師の皆さんがご自身の言葉で授業を行えるようセリフを極力少なくし、授業の
進め方に重点を置いて編集しました。
租税教育の現場では台本を読み上げるだけの授業は求められていません。求められているのは、講
師自身の言葉で行われる熱意ある授業です。このシナリオを独自のシナリオ作りのご参考にしていた
だければ幸いです。
※このシナリオは、パネルを使用して授業を行うため、パワーポイントは使用しない授業となって
います。そのため、付属DVDにパワーポイントは収録していません。
なお、パネルは中学生向けメニュー画面にPDFファイル形式で収録していますので、印刷してご
活用ください(マグネットシートに印刷して活用することもできます。)。
講師の皆さんへ
税理士が行う租税教育は、単に 「税金を納めましょう」 という納税教育ではなく、「税」を通して社会を考
え民主主義全般に関する理解を深め、租税の意義・役割・課税の公平・租税法律主義・民主主義における納
税の義務などを理解してもらい、租税に興味・関心を抱いてもらいましょう。
申告納税制度の理念のもと租税について深く考え理解する力を育み、租税教育を通じて、国民一人一人が
社会全体のことを考え、租税立法のあり方や税金の使途について公正な判断力を備えた国民に成長してもら
うことを目的としていることを忘れないでください。
講義用テキスト
Ⅲ
講義用テキスト
導入
【授業開始となりました】
1.あいさつ
担任の先生より講師の紹介のあと簡単に自己紹介
こんにちは(大きな声で)税理士の です
黒板に「税理士○○○○」とゆっくり、大きく書く
※社会の授業では黒板の左上から横書きが原則。書き順、とめ・はねに注意。
(補助講師の紹介)
あいさつは生徒との最初の接点です。
あいさつで生徒の心を掴めれば、その後の講義もスムーズに進
められます。そのため、あいさつはとても重要になってきます。
ポイント
学習の目的を明確にする
「今日の授業は何か自分たちのためになりそうな内容だな」「こ
の先の話を聞いてみたいな」と感じれば、生徒は自然に入り込
んできます。
例示
「税金と深く関わり合って暮らしています。」
「税金を負担し、その一方で税金の恩恵を受けています。」
その場を無理に盛り上げたり、笑わせたりする必要は全くありま
せん。
自分の得意な方法で生徒の心を掴みましょう。
《あいさつ例文》
これから租税教室を始めます。今日なぜ「租税教室」なの?って思っていませんか?
皆さんは中学3年生ですね。近い将来社会人として活躍するために、たくさんのことを学習してきました。
今日は、私たち国民がしっかりと理解しておかなければならない「税」について考えていきましょう。実は、「税」
について考えるということは、私たちの「社会」について考えていくことでもあるのです。
これから、「税」を通して「社会」の仕組みについて一緒に考えていきましょう。
あいさつ
1
講義用テキスト
2.税理士の職業紹介
税理士という職業の紹介をします。中学生相手の授業であれ
ば、進路指導のことを意識しましょう。その際、税理士の仕事
に興味を持つような相談例などの話をするのも良いでしょう。
ただし、租税教育の目的は税理士の職業紹介ではありません。
極々簡単に職業紹介をする工夫をしましょう。
「法律」という単語を多用し印象付けると、後半で税法(税金)
は自分たち国民の意思を反映して国会で決まる国民主権を意識
しやすくなります。
(注)「法律」には法令、条例なども含みますが、このシナリオ
ではまとめて「法律」といいます。
例示
「税理士は税理士法という「法律」に定められた仕事をしてい
ます。」
「税金は「法律」に従って計算します。」
例示
「お店をやったり、会社を経営したりすると、法律に従って自
ら税金を計算し、自ら税金を納めます。」
「法律は難しいので、税金の法律を勉強した税理士が代理人と
して、税金の計算や手続を代理します。」
税理士の職業紹介にあわせて、法律に従って自分で納める税
金の額を計算して、自分で税金を納めることに触れておくと、
テーマⅡにおいて申告納税制度の理念や租税法律主義の理念
の理解が早まります。
3.講義のテーマ紹介
学習の内容を最初に伝えることはとても重要です。
いま何について勉強しているのかを常に意識してもらうこと
で、生徒の関心を引き寄せましょう。
講義のテーマ紹介
3
税理士の職業紹介
2
講義用テキスト
税金の意義・役割=なぜ税金は必要なのだろうか
ポイント
税金は誰のためにあるのかを理解してもらう
・みんなが利用する施設やサービスとは? ・租税の歴史
・税金の身近な使途 ・誰が税金を負担するのか?(納税の義務) ・理解の確認
生徒の多くは、税は「自分たちの生活に必要なもの」と思っていません。「自分にはあまり関係が無い」「高い」「で
きるなら払いたくない」というネガティブなイメージをもっています。そこでテーマⅠでは、税は「自分たちの
ために、自分たちで、自分たちを支えていくために必要なもの」ということを理解してもらうことを目的とします。
1.税金の意義・役割=なぜ税金は必要なのだろうか(テーマⅠ)
1.みんなが利用する施設やサービスとは?
生徒に「自分たちの生活に必要なもの」を考えてもらい、そ
れらを「有料のもの」と「無料・割安なもの」にわけます。そ
して「無料・割安なもの」の多くには税金が使われていること
を説明します。
例示
衣食住、ゲーム・映画などの娯楽 ・・ 有料のもの
学校、図書館、医療、消防署など ・・ 無料・割安なもの
ポイント
みんなで社会共通の利益を見出しその利益を実現す
るため、みんなが責務を負うことを理解してもらいましょう
ポイント
「人間は本来社会的存在であることに着目してもら
う」(現行学習指導要領より)
ポイント
個人と社会との関係について考えるきっかけにしま
しょう
考え方や価値観の違う個人同士が結びつく社会でみんなの共通
な利益を実現するための決まり(ルール)として税金が必要なこ
とについて、無人島に一人で生きていくのであればルール(税金)
は必要ないが、みんなと社会で生きていくからルールが必要とな
ることなど対比イメージから理解してもらう解説手法が生徒の理
解を助けます。
例文
「無人島に一人で生きていくときに税金は必要ですか?」
「社会の中でみんなと生きていくから「きまり」が必要になり、
みんなが幸福な社会にしていくために、みんなで支えていく「仕組
み」が必要になるのですね。税金はそのみんなで支えていく仕組
みの最たるものです。」
社会共通の利益 ・・・ 税の意義 みんなが豊かに、健康に、
文化的に、安全・安心に暮らすこと
ポイント
税の意義を理解してもらう
ポイント
みんなのための税金
みんなが利用する施設やサービスとは?
1
講義用テキスト
2.租税の歴史
税(租税)は「支配者のためのもの」から「国民のためのもの」
に変化していったことを説明します。
税は「自分たちのためにあり、自分たちで支えていくもの」
ということを理解してもらいましょう。
例示
「古代エジプトや古代ローマ帝国では兵役や労働という形での
税があった。」
ピラミッドや万里の長城などを例に生徒にイメージしてもら
うと理解が進みます。
ポイント
誰のための税制度か
「日本では弥生時代からあったとされ、労役や年貢米という形
での税があった。」
「現在の税金は、国民のためにある。」
※現在は、お金で税を納めるため「税金」と言う。
ポイント
みんなが豊かに、健康に、文化的に、安全・安心に
租税の歴史
2
税金の身近な使途
3
3.税金の身近な使途
以上のことを踏まえて、身近な税金の使途を挙げます。
自分が負担した税金が誰かのために使われ、誰かが負担した
税金が自分のために使われているということを理解してもらい
ましょう。
例示
小学生の1人あたりの教育費 ・・・ 年間90万円ほど
中学生の1人あたりの教育費 ・・・ 年間100万円ほど
講義用テキスト
4.誰が税金を負担するのか?
ポイント
ここではみんなのためにみんなで負担するルールが
あること、及び、税金は「法律の根拠もなく無理やり徴収され
るものではない」こと(税は民主主義の本質として人権の尊重
の考えに基づいていること)を理解してもらえれば十分です。
憲法26条・27条・30条の対比と繋がりを解説しましょう。
例文
「26条・教育の権利・義務、27条・勤労の権利・義務はすべて
国民(その保護者)に(権利と義務を)。」
「30条・納税の義務は国民に(すべての国民でなく法律により
納税の義務のある者に義務を)。」
「法律の根拠もなく無理やり徴収されるものではありません」
国民の三大義務の繋がりのイメージ
26条・教育の義務に、国は沢山の教育費をかけるのは、将来
を担う子どもたちに期待しているからで、その教育を受けた子
どもたちが将来27条・勤労の義務で、しっかり働いてくれるこ
とが国力につながり、働いて一定の収入を得たら、30条・納税
の義務で、税金を納めてくれるようになり、その税金をまたそ
の次の世代の子どもたちの教育費に使っていくという繋がりを
イメージしてもらうと、生徒たちに社会の形成者としての自覚
や社会的責務を果たそうとする意思が芽生えます。
ポイント
生徒が持っていたネガティブなイメージを正しい理
解へのきっかけに
ポイント
納税の義務についてはテーマⅡで民主主義(自由・
権利)を学習した後で詳しく解説し理解してもらいましょう。
誰が税金を負担するのか?(納税の義務)
4
※補助教材には上記の第26条・第27条・30条が
1枚になったパネル(PDF)の他に第26条、
第27条、第30条それぞれの条文(全文)のパ
ネルを収録していますのでご活用ください。
5.理解の確認
税の意義について
税は「自分たちのためにあり、自分たちで支えていくもの」ということを理解してもらえたかを確認しましょう。
税の役割、機能について
政策としての税の役割については、エコカー減税などの例を用いて紹介するのも良いでしょう。
理解できたか確認をしてテーマⅡへ進みましょう。
理解の確認
5
講義用テキスト
税金の仕組み(テーマ説明)
テーマⅡでは、たくさんの税金の種類があるのはなぜかを問いかけることにより、「公
平」を考えてもらい、民主主義全般について理解を深めてもらうことを目的とします。
「税」を通して社会の仕組みを考え、公平について考え、個人の尊厳と人権の尊重、対
立と合意、決まり(ルール)の意義などを考えてもらい、また、税の制度は、国民の意思を反映して国会で決め
ることを理解してもらいましょう。
具体的には
教室を国とみなし、税金を集めるゲームを行い「公平」について考えてもらい、立場の違いによる意見の対立
が生じること、社会で生きていくためには共通のルール(決まり)が必要なことに気づいてもらいます。
また、「決まりの意義」を認識してもらい、対立から合意に至る過程において他人を思いやる気持ち、すなわち
社会生活においては「個人の尊厳と人権の尊重」が大切なことを体感してもらいます。
さらに、税金は国民の意思を反映して国会で決めることを確認し、積極的に社会参画する重要性についても理
解してもらいましょう。
これらから民主主義全般について考え理解を深めてもらうことを目的とします。
2.税金の仕組み=社会の仕組み(テーマⅡ)
1.ライフイベント
ライフイベントに沿って、私たちが関わっていく主な税金の種類を提示します。
たくさんの税を提示する意図は、税の種類を覚えさせるためでも、「国税や地方税」「直接税や間接税」といった
グループ分けを覚えさせるためでもありません。
たくさんの税の構成によりできるだけ公平な負担になっていることを理解してもらいましょう。
それぞれがどのような性質の税かを簡単に解説しながら、水平的公平・垂直的公平・応能負担・応益負担など、
※このテーマでは左記のパネルは使用せ
ずに、講師を務める方が黒板に板書して
授業を行ないます。
左記のパネルは黒板を使用して授業を
行ったときの板書き(完成例)です。
ライフイベント
1
講義用テキスト
2.税金を集めるゲーム
参加型授業(税金を集めるゲーム)を実践することで、より深い
理解を促しましょう。
主な税金が50種類もあることを知らせ、なぜたくさんの税金
があるのかを、税金を集めるゲームを通して考えてもらいます。
このゲームは教室を一つの国とみなし、みんなの社会共通の
利益を見出して、その実現のためにみんなから税金をどう集め
たらよいかを、みんなで決めるゲームです。
◎ゲームの進め方
(1)総理大臣を決める
なるべく生徒に選んでもらいます。
なかなか決まらない場合に備えて、「担任の先生が級長を推薦
する」などの段取りを組んでおきましょう。
この後は総理大臣を中心とした国会形式で物事を決めていき
ます。
(2)立場の異なるグループをつくる
三つのグループに分けて、それぞれ収益金額(50万円、250万円、
700万円)を選んでもらいます。
(3)国に必要なものを決める
予算を300万円として、社会共通の利益となるものを決めても
らいます。
(4)税金をどう集めるかを決める
① 自由に意見を出してもらいます
② 立場の違いにより公平の感じ方が異なることを体感して
もらいます
③ 立場の違いによる意見の対立を生じさせます
④ 他者を尊重し公平な集め方を考えてもらいます
⑤ 対立する他人を尊重し合意を導き出します
⑥ 次の4パターンの集め方の意見は必ず出してもらえるよ
うに進行します(後の解説に使用します)
⑦ どのように決めるか考えてもらいます
(例)代表者による国会方式
(例)全員参加での多数決や投票
⑧ 国会形式により決める方法はその後の解説に繋がります
☆みんなから同じ金額を集める(平等に集める)
☆特定の人が負担する(全額負担とゼロ負担)
☆みんなから同じ率で集める(同じ税率で集める)
☆負担する能力に応じて集める(累進税率で集める)
できるだけ生徒の主体性を大事にし、パターンが増えない場
合のみ助言するようにしましょう。
税金を集めるゲーム
2
講義用テキスト
ポイント
公平について深く考えてもらいましょう。
その際に平等が必ずしも公平とは限らないことに触れると生
徒の理解が進みます。
(5)決定事項を発表して終了する
総理大臣(リーダー、代表者)を中心とした国会形式で決め
ます。生徒全員での多数決や投票による決め方でもかまいま
せん。生徒が自ら決めることが重要です。
その際、個人の尊厳と人権の尊重を実感してもらうため、少
数意見を切り捨てないよう助言していきましょう。
3.50種類もの税金がある効果
ゲームで出してもらった四つのパターンを利用して、垂直的
公平・水平的公平、応能負担、応益負担など公平にはいろいろ
な公平があることを解説します。
ポイント
ゲームの延長で解説するのでなく、一度ゲームは終
了したことを認識してもらい、次の解説に入ることで生徒の集
中力を切らさないような工夫をしましょう
・みんなから平等に集める方法・・・消費税
・特定の人が全額負担する方法(使う人、もっている人が負担)
・・・酒税、たばこ税、自動車税、固定資産税
・同じ率で集める方法・・・法人税
・負担する能力に応じて集める方法・・・所得税、相続税 など
50種類もの税金を組み合わせることにより、できるだけ公平
に負担してもらう仕組みとなっていることを知ってもらいます。
専門用語を覚えてもらうことが目的ではありません。
50種類もの税金がある効果
3
※(左図)「②税金を集めるゲーム」及び「③50種類もの税金がある効
果」の、黒板を使用して授業を行った際の板書の完成例
税金は誰が決めるのか?
4
4.税金は誰が決めるのか?
「税金は法律。法律は国会で決まる。」ということから、自分
たち国民の意思で決めていくことを確認します。
租税法律主義や国民主権を考えてもらいましょう。そして積
極的に社会参画する重要性を理解してもらいましょう。
講義用テキスト
5.納税の義務
ポイント
租税教育では納税の義務をどのように解説するかが
とても重要です
納税の義務について理解を深めてもらいましょう。「国民すべ
て」に納税の義務を負わせているのではなく、法律の定めると
ころにより納税の義務を負うこと。納税の義務とは、民主主義(自
由・権利)を保持するため社会の一員としての責任や負担であ
ることを理解してもらいましょう。
憲法に定める国民の納税の義務は個人の尊厳と人権の尊重を
考慮したものです。
また租税法律主義や国民主権と密接な関係にあります。憲法
第30条の国民の納税の義務は、第84条の租税法律主義や第31条
の適正手続の保障などと関連していることを理解してもらいま
しょう。
税金は必ず法律に則って課され、その法律は我々国民が、我々
国民のために決めている。ことを理解してもらいましょう。
6.理解の確認
税金の制度は自分たち国民のための制度である。みんなが豊かに、健康に、文化的に、安全・安心に暮らしていけ
るためにある民主主義の自由・権利を守るために責任・負担として納税の義務がある。
税金は「自分たちのためにあり、自分たちで決めて、自分たちで支えていくもの」ということを理解してもらえた
《納税の義務の例文》
「(憲法に定める)国民の納税の義務とは、大昔の時の支配者たちが決めた半ば強制的なものではありません。」
「憲法には人権の尊重、国民主権のほか法の下の平等、表現の自由、生存権、財産権など国民の沢山の自由や
権利が定められています。一方、国民の義務は三つ定められています。」
「民主主義社会での税金は私たち国民が幸福になるためのものです。」
「どのように集めるか、どのように使うか、それも国民の意思により国会で決めていきます。税金は必ず法律(法
律の定める条件)によらなければならないことも憲法(第84条租税法律主義)に定めてあります。」
「個人の自由や権利が認められる社会には、個人の社会的な責任と負担が必要です。」
「負担すべき税金も法律に従って自分で計算し自分で納めます。」
「納税の義務とは、国民の自由・権利を保持するため、社会の形成者としてそれ相応の責任・負担です。」
納税の義務
5
理解の確認
6
講義用テキスト
日本の財政と課題(テーマ説明)
テーマⅢでは、「日本の財政の現状」について考え、財政赤字・少子化等の現在の日
本が抱える課題に触れながら、民主主義・国民主権の見地から租税立法のあり方及び税
金の使途等について関心を抱き、公正な判断力を備えた国民として成長できるよう、生
徒たちが自ら考えるきっかけを作ることを目的とします。
3.日本の財政と課題(テーマⅢ)
1.日本の財政の現状
はじめに「財政」という言葉の定義について、わかりやすく
触れておきましょう。
例示
「財政とは、国や地方公共団体がお金を集めたり使ったりする
活動とその管理のことを言います。」
財政状態を具体的に説明し、どのような状況になっているの
かをわかりやすく説明しましょう。
あらかじめパネルなどを準備するもの良いでしょう。
また、日本が抱える課題である財政赤字や少子化等に触れ、
国の借金がこれ以上増えないように国民一人一人が考えること
が必要だということを伝えましょう。
日本の財政の現状
1
講義用テキスト
2
今後の課題
2.今後の課題
将来予想される財政の課題に触れるとともに、財政赤字を解消するためにはどうしたら良いかを考えてもらい
ます。安易に「増税」や「歳出削減」に誘導するのではなく、慎重に考えることが大事であることを伝えましょう。
景気の良し悪しも財政にも影響していることを理解してもらいましょう。
生徒たちが、社会を支える一員であることを自覚してもらい、様々な問題に関心を持ち、自身のこととして考
えるきっかけを作ります。あわせて国民主権と租税法律主義の理念を理解してもらいましょう。
公平に集め ⇔ 公平(有効)に使う … それを決めるのは自分たち国民
例文
「税金はみんなのためのものです。税金はみんなで決めるルールです。将来、ここにいる皆さんが決めていきます。
集め方や使い道に関心を持って一人一人が考えてほしいと思います。」
最後の理解確認
3
3.最後の理解確認
今日の租税教室の内容をおさらいしましょう。
テーマⅠ.税金の意義や役割を理解しました。
テーマⅡ.「税」を通して「社会」を考えることから民主主義全般の理解を深めました。
テーマⅢ.財政について今後どうしたらいいのかを考えてもらいました。
生徒たちが主体的に考えられるようになることが大切です。
そして、今回の租税教室の目的を話して締めくくります。
税金という社会のルールの一つを取り上げているが、社会における様々な問題について一人一人が考え、判断
をして、そして行動することができるようになって欲しいということを伝えましょう。
これからの日本を担っていくという意識を生徒たちに持ってもらいましょう。
《あいさつ例文》
皆さんは中学3年生、近い将来社会人として活躍するため、生きていくための知識や技能、資質の基礎を小学校、
中学校において学習してきました。義務教育課程の最終年度はその仕上げです。
国民が最低限持ちあわせておきたい知識のひとつが「税」です。「税」を通して社会を考えることにより、国
民としての資質を養っていきましょう、というのが今日の「租税教室」の学習目的でした。
「税」を通して社会を考えることから、自分たちがこれからどのように社会参画していくべきか、どのように