• 検索結果がありません。

, 1 1, 2 2 3,4, J. Japan Inst. Met. Mater. Vol. 84, No , pp The Japan Institute of Metals and Ma

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア ", 1 1, 2 2 3,4, J. Japan Inst. Met. Mater. Vol. 84, No , pp The Japan Institute of Metals and Ma"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

マグネシウム単結晶の曲げ変形挙動に対するイットリウム添加 の影響

岡   健 太

1,1

福 森 亮 太

1,2

津志田雅之

2

北 原 弘 基

3,4,3

安 藤 新 二

4

1熊本大学大学院自然科学教育部

2熊本大学技術部

3熊本大学産業ナノマテリアル研究所

4熊本大学先進マグネシウム国際研究センター

J. Japan Inst. Met. Mater. Vol. 84, No. 11 (2020), pp. 344‑351

Ⓒ 2020 The Japan Institute of Metals and Materials

Effects of Yttrium Addition on Bending Deformation Behavior of Magnesium Single Crystals Kenta Oka

1,1

, Ryota Fukumori

1,2

, Masayuki Tsushida

2

, Hiromoto Kitahara

3,4,3

and Shinji Ando

4

1 Graduate School of Science and Technology, Kumamoto University, Kumamoto 860‑8555

2 Technical Division, Kumamoto University, Kumamoto 860‑8555

3 Institute of Industrial Nanomaterials, Kumamoto University, Kumamoto 860‑8555

4 Magnesium Research Center, Kumamoto University, Kumamoto 860‑8555

Pure magnesium and MgY alloy single crystals were subjected to threepoint bending tests to investigate the effect of crystal orienta- tion and yttrium on bending deformation behavior. Specimens whose neutral planes are parallel to (0001) and neutral axes are [11¯20] de- formed due to basal slips and showed a gull‑shape. Their bending yield stresses increased by addition of yttrium and were controlled by the shear stress on the basal plane. Conversely, when neutral planes are parallel to (1¯100) and neutral axes are [11¯20], the specimens deformed due to {10¯12} twins occurred in the compression side, basal slips within the twins and finally showed a V‑shape. In Mg‑Y alloys, first order py- ramidal <c+a> slips (FPCS) and {10¯11}‑{10¯12} double twins were also activated in the tension side. Their bending yield stresses and bending ductility increased by yttrium addition. Strain induced by {10¯11}‑{10¯12} double twins in the tension side was very low. FPCS was found to be activated by addition of yttrium and to increases bending ductility. [doi:10.2320/jinstmet.J2020027]

(Received June 26, 2020; Accepted August 24, 2020; Published September 29, 2020)

Keywords: magnesium alloy, basal slip, {1012} twin, first order pyramidal slip, neutral plane

1. 

緒   言

マグネシウムは軽量かつ高比強度な材料であるため輸送機 器の構造部材として注目されている.ここで,hcp構造であ るマグネシウムの主な変形機構は臨界分解せん断応力(Criti-

cal resolved shear stress,以下 CRSS)が小さい

{0001}<11¯20>

底面すべり 1)および {10¯12}双晶 1)である.しかし,底面に垂 直または平行な応力が作用する場合,底面すべりは活動でき ない.また,底面に垂直な圧縮または平行な引張の場合,

{10¯12}双晶は活動できない.このようにマグネシウムの変形

挙動には強い結晶方位依存性がある.

曲げ加工は,板材から種々の部品を加工する際の重要なプ ロセスの

1

つである.しかし,曲げ変形では

1

つの試験片に 圧縮応力と引張応力が同時に作用するため,マグネシウムの 曲げ変形挙動には強い結晶方位依存性が生じると考えられ

る.北原ら 2)は純マグネシウム単結晶の

3

点曲げ試験を行 い,中立面が

(0001)

と平行である試験片では主に底面すべ りが活動し,中立面が

(0001)

と垂直である試験片では主に

{10¯12}双晶が活動することを報告している.このように純マ

グネシウム単結晶の曲げ変形挙動には強い結晶方位依存性が あることが明らかにされている.

近年,マグネシウム合金の機械的特性を改善するために希 土 類 元 素 の 添 加 が 検 討 さ れ て い る.Sandlöbesら 3)は,

Mg‑3mass%Y

合金多結晶材の引張試験を室温で行い,イッ

トリウムの添加によりマグネシウムの延性が約

5

倍に増加す ることを報告している.また,Miuraら 4)

Mg‑1.0at%Y

合 金単結晶の圧縮試験を行い,イットリウムの添加により,底 面すべりの

CRSS

が上昇することを報告している.さらに,

峯田ら 5)

Mg‑0.8at%Y

合金単結晶の圧縮試験を行い,イッ

トリウムの添加により {10¯12}

双晶の CRSS

が増加することを 報告している.以上のことから,イットリウムの添加によ り,マグネシウムの曲げ変形挙動が変化することが予想され る.そこで本研究では,純マグネシウム単結晶およびイット リウム添加量の異なる

Mg‑Y

合金単結晶の

3

点曲げ試験を

2

つの方位で行い,曲げ変形挙動の結晶方位依存性およびマグ

*1 熊本大学大学院生(Graduate Student, Kumamoto University

*2 熊本大学大学院生,現在:山陽特殊製鋼(株)(Graduate Student, Kumamoto University, Present address: Sanyo Special Steel Co., Ltd.)

*3 Corresponding author, E‑mail: [email protected]‑u.ac.jp

J‑STAGE Advance Publication date : September 29, 2020

(2)

ネシウムの曲げ変形挙動に対するイットリウム添加の影響に ついて調査することを目的とした.

2.  実 験 方 法

Mg‑0.20at%Y

および

Mg‑0.29at%Y

合金インゴットは,高 周波誘導加熱真空炉を用いて鋳造により作製した.純マグネ シウムおよび

Mg‑(0.07‑0.25) at%Y

合金単結晶は,純マグネ シウム(純度

99%以上)および Mg‑Y

合金インゴットから高 純度黒鉛るつぼを用いて,ブリッジマン炉により作製した.

合金単結晶の組成は

ICP

発光分光分析法により決定した.

作製した単結晶は

X

線背面反射ラウエ法による方位解析結 果を基に,硝酸を用いた無歪切断機により角柱状に切り出し た.切断後,化学研磨液(硝酸:過酸化水素水:エタノー ル =  5:7:20)を用いて,約

3 ×  3 ×  25 mm

3の角柱試験片を 作製した.試験片作製後,加工により導入した転位および亜 粒界を取り除くために,Arガス雰囲気中で熱サイクル焼鈍

(673 Kで

3.6 ks

保持後,7.2 ksで

723 K

に昇温,3.6 ks保持,

その後

7.2 ks

673 K

に降温)を

8

回施した.Fig. 1に本研究 で用いた試験片の模式図を示す.北原ら 2)の結果と比較しや すくするため,中立軸が [11¯20],中立面が

(0001)

である試験 片を

B

試験片とした.また,それらとは異なる中立軸が

[11¯20],中立面が (1¯100) である試験片を

E

試験片とした.3

点曲げ試験は

Fig. 2

に示す中央圧子半径R1

 =  2.0 mm,左右

支持部の半径R2

 =  2.5 mm

の治具を用い,スパン長さL

14

mm

または

16 mm

とした.これは,スパン長さと圧子半径

の異なる北原ら 2)の純マグネシウム単結晶の結果(L =  14

mm,R

1

 =  1.0 mm,R

2

 =  2.0 mm)と比較するためである.ま

た,試験片中央の変位dが約

3 mm

を超えた場合,試験片と

治具が接触するため,L =  16 mmでも

3

点曲げ試験を行っ た.3点曲げ試験は,室温大気中,中央圧子の押し込み速度 は

1.67 ×  10

−2

mm/s

の条件で行った.3点曲げ試験における 曲げ応力σの値は,式( 1 )を用いて評価し,曲げひずみε の値は式( 2 )を用いて算出した.

σ=(3PL)/(2bh2) ( 1 )

ε=(6dh)/L2 ( 2 )

ここで,Pは中央圧子の荷重,bおよびhは試験片の幅およ び高さである.Table 1に各試験片名と組成,寸法およびス パン長さを示す.曲げ試験中の変形機構を調査するために,

ノマルスキー型微分干渉顕微鏡および

CCD

カメラを用いて 試験片表面のすべり線および双晶の観察を行った.また

SEM/EBSD

(Electron backscatter diffraction:電子後方散乱回 折)解析を用いて,双晶の種類を同定した.観察には

FE‑

SEM

(日 本 電 子(株)

JSM‑7001F)と EBSD

カ メ ラ(TexSEM

Laboratories

社)を 使 用 し た. 方 位 解 析 に は

OIM Analysis7

(TexSEM Laboratories社)を使用した.

3. 

実験結果および考察

3.1  B試験片の曲げ変形挙動

Fig. 3

B

試験片の代表的な曲げ応力‑曲げひずみ曲線で

ある.図中の横矢印は,曲げひずみ

0.02%オフセット時の曲

げ応力を示し,本研究ではこれを曲げ降伏応力σyとした.

Table 1

に各

B

試験片のσyおよびき裂が発生したときの曲げ

ひずみεBの値を示す.Fig. 4に

B

試験片のイットリウム添 加量とσyの関係を示す.σy

0.07Y

までは純マグネシウム とあまり変わらないが,0.15 at%のイットリウムの添加に よって増加した.また,スパン長さおよび圧子半径 2)が変化 してもσyおよび曲げ応力‑曲げひずみ曲線の形状に違いがな いことがわかった.B試験片は全て降伏後,直線的な加工硬 化を示し,イットリウムの添加によって加工硬化率が増加す る こ と が わ か る. そ の 後, 試 験 片 と 治 具 が 接 触 す る ε =  30‑35%程度まで試験を実施したが,全て破断しなかっ た.以上のことから,イットリウムを

0.15 at%添加すること

によって,マグネシウムの曲げ降伏応力および降伏後の加工 硬化率は増加することがわかった.Fig. 5(a)と

Fig. 5

(c)に,

曲げ試験後の

Mg‑B2

0.15Y‑B2

の試験片を示す.また,

Fig. 5

(b)と

Fig. 5

(d)は,Fig. 5(a)と

Fig. 5

(c)中の引張側の変

Fig. 1 Schematic illustrations of two types of single crystals with

different crystal orientations for bending tests. Fig. 2 Photograph of three‑point bending device used in this study.

(3)

形領域の拡大写真を示している.Fig. 5(a)と

Fig. 5

(c)に示す ように,両試験片は「Gull‑shape」状に変形し,圧子直下では {10¯12}双晶がわずかに観察された.一方で,Fig. 5(b)と

Fig.

5

(d)に示すように,左右支持部間で底面に沿ったすべり線が 一様に観察され,底面すべりによって変形していることがわ かった.0.07Yもまた,同様の変形挙動を示した.ここで,

B

試験片の曲げ応力に対する底面すべりのシュミット因子の 値は

0

であるため,曲げ降伏応力と底面すべりの関係を説明 できない.北原ら 2)は中立面が

(0001)

と平行である純マグネ シウム単結晶の

3

点曲げ試験を行い,試験片の降伏応力は底 面に作用するせん断応力に支配されることを報告している.

そこで式( 3 )を用いて,B試験片の底面におけるせん断降伏 応力τyを計算した.

τy=P/(2bh) ( 3 )

Fig. 6

B

試験片におけるイットリウム添加量とτyの関

係を示している.また,報告されている純マグネシウム 1)お よび

Mg‑1.0at%Y

4)の単結晶の底面すべりの

CRSS

を合わせ て示している.ここで,底面すべりの

CRSS

とイットリウム 添加量は比例すると仮定して,その関係を図中に点線で示し ている.イットリウム添加量が増加するにつれてτyは増加 し,それらはほぼ点線に一致した.したがって,イットリウ ム添加により底面すべりの

CRSS

が上昇したため,σyは増 加したと考えられる.また,純マグネシウムの

B

試験片で は底面転位が左右支持部上で堆積し傾角粒界のようになるた め「Gull‑shape」状に変形することが報告されている 2).その ため同様の理由で,Mg‑Y合金単結晶も

Fig. 5

(c)に示すよう な「Gull‑shape」状に変形したと考えられる.

Table 1Specimen names, composition, dimensions, span and bending properties of B and E specimens of pure Mg and MgY alloy single crystals.

Fig. 3 Bending stress‑bending strain curves of B specimens.

Fig. 4 Relationship between bending yield stress σy and yttrium content of B specimens.

(4)

3.2  E試験片の曲げ変形挙動

Fig. 7

E

試験片の曲げ応力‑曲げひずみ曲線である.こ

こで,図中の縦矢印はき裂発生点を示している.全ての試験 片において,降伏後からε =  4%程度まで曲げ応力‑曲げひず み曲線上にセレーションが現れた.その後,ε =  8%付近で急 激に加工硬化し,き裂が生じた.また,B試験片と同様にス パン長さによる違いはなかった.Table 1に各

E

試験片のσy

およびεBの値を示し,Fig. 8に

E

試験片のイットリウム添 加量とσyおよびεBの関係を示す.Fig. 8(a)に示すように,

σy

0.07Y

までは純マグネシウムとあまり変わらないが,

それ以上ではイットリウム添加量の増加に伴い上昇した.

Fig. 8

(b)に示すように,εBもイットリウムの添加により増加

した.以上の結果から,E試験片ではイットリウムの添加に よりマグネシウムのσyおよびεBは増加することがわかっ た.

Fig. 9

Mg‑E3

0.25Y‑E1

の降伏時の中央圧子直下の光 学顕微鏡写真である.両試験片の降伏時には,中央圧子近傍 の圧縮側から引張側に向かい双晶が発生し,その先端は引張 側まで達していた.双晶の方向から,これらの双晶は {10¯12} 双晶であり,E試験片は {10¯12}

双晶によって降伏することが

わかった.また,0.07Yおよび

0.15Y

も {10¯12}双晶によって 降伏した.同様の結果が純マグネシウム単結晶の曲げ試験に おいて報告されており,圧縮側で発生した {10¯12}双晶先端 が引張側に達したことから,中立面の移動が提案されてい る 2).また,曲げ変形中の中立面の移動は

AZ31

合金多結晶 材でも報告されている 6).そこで,降伏時における中立面の 移動を考慮した

E

試験片の変形機構の模式図を

Fig. 10

に示 す.ここで,試験片の高さhは中立面の移動により h に変 化すると仮定し,圧縮側の曲げ応力σcおよび引張側の曲げ 応力σtをそれぞれ求めた.σcとσtはそれぞれ式( 4 )と式

( 5 )で求めることができる.

σc=MNc/I ( 4 ) σt=MNt/I ( 5 ) Fig. 6 Relationship between shear yield stress on basal planes τy and

yttrium content of B specimens.

Fig. 7 Bending stress‑bending strain curves of E specimens.

Fig. 5 Optical micrographs of (a) Mg‑B2 and (c) 0.15Y‑B2 after yielding; the enlargement of tension areas with basal slips surrounded by white lines are shown in (b) and (d).

(5)

ここで,Mは曲げモーメント,Iは断面

2

次モーメント,Nc

は圧縮側と中立面の距離,Ntは引張側と中立面の距離であ る.NcNtはそれぞれ式( 6 )と式( 7 )で表すことができ る.

Nc=0.5h+xh ( 6 ) Nt=0.5h−xh ( 7 ) ここで,xはhに対する中立面の移動量であり,中立面の移 動を考慮したσcおよびσtはそれぞれ式( 8 )と式( 9 )のよう に表せる.

σc=(PL/4)(12/b{2(0.5h+xh)}3)(0.5h+xh)=σ/(1+2x)2( 8 ) σt=(PL/4)(12/b{2(0.5h+xh)}3)(0.5h−xh)

={σ(1−2x)}/(1+2x)3 ( 9 ) ここで,式( 8 )を用いて圧縮側の曲げ降伏応力σcyを求め,

<11¯20>圧縮に対するシュミット因子を用いて {10¯12}

双晶の

CRSS

を算出し,これをτtwinとした.Fig. 11にイットリウム 添加量とτtwinの関係を示す.また,報告されている純マグ ネシウム 1)および

Mg‑Y

合金 7)における {10¯12}双晶の

CRSS

も示し,CRSSとイットリウム添加量は比例すると仮定し て,その関係を点線で示す.Fig. 11から,イットリウム添 加量の増加に伴い {10¯12}双晶のτtwinは増加し,それらはほ ぼ点線に一致することがわかった.したがって,イットリウ ム添加により {10¯12}双晶の

CRSS

が上昇したため,E試験片 のσyは増加したと考えられる.

Fig. 12

(a),Fig. 13(a)お よ び

Fig. 14

(a)は, 試 験 後 の

Mg‑E3,0.15Y‑E1

および

0.25Y‑E1

の光学顕微鏡写真であ

る.図中の点線は {10¯12}双晶が観察された領域を示してい る.E試験片は,B試験片と異なり「V‑shape」状に変形して おり,左右支持部間で圧縮側から引張側に向かい多数の

{10¯12}双晶が発生していた.しかし,イットリウムの添加に

より {10¯12}双晶の面積率は減少していた.このようなイッ

トリウムの添加による {10¯12}双晶の活動量の減少は,純マ グネシウムおよび

Mg‑Y

合金単結晶のインデンテーション 試験 8)や,Mg‑Y合金多結晶材の引張試験 9)においても報告 されている.Fig. 12(b),Fig. 13(b)および

Fig. 14

(b)に示す ように,{10¯12}双晶内で多数のすべり線が観察された.これ らのすべり線は,{10¯12}双晶内の方位とすべり線の角度から

(0001)[¯2110] 底面すべりによるものと予想される.さらに双

Fig. 8 Changes in (a) bending yield stress σy and (b) bending duc- tility εB, as a fraction of yttrium content of E specimens.

Fig. 9Optical micrographs of the center area of a MgE3 and

(b) 0.25Y‑E1 beneath the loading pin at yielding.

Fig. 10 Schematic illustration of bending deformation mechanism of E specimens at yielding.

(6)

晶内では,σの方向と

(0001)

の垂線方向および [¯2110]の角

度は

31°と 60°であり,曲げ応力に対する底面すべりのシュ

ミット因子は

0.43

となる.したがって,{10¯12}双晶内では 底面すべりが活動したと考えられる.また

Fig. 13

(c)および

Fig. 14

(c)に示すように,0.15Yおよび

0.25Y

の引張側では,

{10¯12}双晶とは形態が異なる双晶およびすべり線も観察され

た.このすべり線は

(0001)

において [11¯20] に対して約

60°の

角度を持つことから,1次錐面すべり(First order pyramidal

<c+a> slip,以下

FPCS)によって生じたものと考えられる.

Fig. 15

0.15Y‑E1

の引張側で観察された双晶の

SEM

像お よび逆極点図を示す.引張側から発生した {10¯12}双晶を横 切る帯状の双晶と母相は,<11¯20> を軸として約

38°回転し

た 方 位 関 係 で あ っ た. こ こ で, マ グ ネ シ ウ ム に お い て {10¯11}‑{10¯12}二重双晶(以下,二重双晶)内の底面は <11¯20>

を軸に約

37.55°回転する

10).このことから,引張側から発

生した双晶は二重双晶であることが明らかとなった.

Fig. 13Optical micrographs of a 0.15YE1 after yielding, b basal slips within {10¯12} twins in compression area and (c) slip lines caused by FPCS and twins in tension area.

Fig. 14Optical micrographs of a 0.25YE1 after yielding, b basal slips within {10¯12} twins in compression area and (c) slip lines caused by FPCS and twins in tension area.

Fig. 15 (a) SEM image and (b) IPF map of twins occurred at ten- sion area of 0.15Y‑E1.

Fig. 12Optical micrographs of a MgE3 after yielding and b enlargement of basal slips within {10¯12} twins in the compression area.

Fig. 11 Relationship between τtwin for {10¯12} twin and yttrium con- tent in E specimens.

(7)

Fig. 16

E

試験片の変形機構の模式図である.純マグネ シウムでは圧縮側で発生する {10¯12}双晶の先端に中立面が 存在し(Fig. 16(a)),Mg‑Y合金では圧縮側で発生する {10¯12} 双晶と引張側で発生する二重双晶の間に中立面が存在すると 考えられる(Fig. 16(b)).そこで試験片側面における双晶の 観察を行うことで,曲げ試験中の中立面の位置を調査した.

Fig. 17

Mg‑E3,0.07Y‑E1,0.15Y‑E1

お よ び

0.25Y‑E1

に おける中央圧子直下の中立面の位置と曲げひずみの関係を示 す.図中の

0.5 h

1.0 h

は試験片の中心と下端を意味してい る.Mg‑Y合金における試験片の中心から引張側への中立面 の移動量は,純マグネシウムに比べて小さいことがわかる.

イットリウムの添加は {10¯12}双晶の活動応力を増加させる

ため,{10¯12}

双晶が発生しにくくなる.その結果,相対的に

二重双晶や

FPCS

が引張側で活動できるようになるため,

{10¯12}双晶の長さが短くなることで中立面の移動量が減少し

たと考えられる.そこで,Mg‑Y合金の引張側の変形機構を 明らかにするために,二重双晶と

FPCS

の変形への寄与を調

査した.まず,二重双晶による試験片長さの延びδを求め た.二重双晶によるひずみ量は,双晶によるせん断変形をす べり変形と同等とみなして式(10)11)を用いて求めた.

δ= 1+2ε cosϕ0cosλ02cos2ϕ0 (10)

ここで,ε は二重双晶のせん断ひずみ,φ0およびλ0は変形 前の荷重軸方向と双晶面の法線方向の間の角度および双晶の せん断方向の間の角度である.観察された二重双晶は {10¯11} 双晶内の {10¯12}双晶により生じているため,母相に対して 底面が <11¯20> を軸に

56.17°回転

10)しており,φ0

109.86°

およびλ0

13.03°となる.また,二重双晶のせん断ひずみ

ε

は 0.04

12)である.これらの数値と式(10)から,試験片の引 張側全体が二重双晶によって変形したと仮定すると,引張側 が [11¯20]方向に

1.32%延びることになる.続いて,Mg‑Y

合 金の引張側における二重双晶の双晶割合を調査した.ここ で,双晶割合は試験片引張側の二重双晶の双晶幅を左右支持 部間の長さで除した値とした.また双晶割合に

1.32%を乗じ

た値を二重双晶によって生じたひずみ量εDTとした.さら に,中立面の移動を考慮した引張側の曲げひずみεtを求め た.Fig. 10に示すように,試験片の高さが h

のときの

εtは,

式( 2 )のhを h に置き換えることで求めることができる.

し か し, 実 際 の 引 張 側 と 中 立 面 の 距 離Ntは,

Nt

 =  0.5h −  xh

であることから,εtは式(11)のように表すこと ができる.

εt={(6dh)/L2} × {(0.5h−xh)/(h/2)}=12d(0.5h−xh)/L2(11)

Fig. 18

0.07Y‑E1,0.15Y‑E1

お よ び

0.25Y‑E1

のεDT

Fig. 17

の測定結果と式(11)から求めたεtの関係を示してい

る.εDTはεt

 =  25.5%のときでさえも 0.35%程度であり,引

張側の曲げひずみに対する二重双晶のひずみ量は非常に小さ い.ここでは,双晶変形によるひずみのみを考えたが,二重 双晶内では方位回転により底面すべりが活動することも考え られる.しかし,安藤ら 12)は二重双晶内でクラックを観察 しており,これは二重双晶内で底面すべりが生じ,転位が双 晶界面付近に堆積し,応力集中が生じたためだと報告してい る.すなわち,二重双晶内でのすべり変形はき裂発生の原因 となる.本研究でも

0.07Y

では約

13%の曲げひずみで二重

双晶が発生し,約

17%でその双晶に沿ってき裂が生じてい

Fig. 16 Schematic illustrations of bending deformation mechanism

in E specimens of (a) Pure Mg and (b) Mg‑Y alloy.

Fig. 17 Relationship between the position of neutral plane and

bending strain beneath the loading pin in E specimens. Fig. 18 Relationship between strain of double twins and bending strain in the tension side of E specimens.

(8)

た.一方,0.15Yや

0.25Y

では約

5%の曲げひずみで二重双

晶が発生したにもかかわらず,約

20%までき裂が生じな

かった.ここで,Fig. 13(c)および

Fig. 14

(c)に示すように母 相には多数の

FPCS

の活動が観察されたことから,0.15Yお

よび

0.25Y

では二重双晶周辺で発生した多数の

FPCS

が二重

双晶の界面での応力集中を緩和したため,二重双晶の発生直 後,き裂が生じなかったと考えられる.以上のことから,

Mg‑Y

合金では主に

FPCS

が引張側の変形に寄与したと考え られる.

Fig. 19

Mg‑E3

および

0.25Y‑E1

の曲げ応力‑曲げひずみ 曲線と

Fig. 17

の測定結果と式( 9 )から求めたσtの関係を示 している.また,図中の点線は,単結晶の引張試験から得ら れ た 純 マ グ ネ シ ウ ム 13)お よ び

Mg‑0.6at%Y

14)

FPCS

CRSS

から算出した [11¯20] 方向における

FPCS

の活動応力を 示している.イットリウムを添加してもその活動応力はほと んど変化しないことがわかる.ここで,0.25Yのσtは純マ グネシウムのそれに比べて大きく,ε =  11‑15%で増加し,

FPCS

の活動応力に近くなることがわかった.また,すべり 線観察において,ε =  10.7%では

FPCS

のすべり線は観察さ れなかったが,ε =  14.6%以上で

FPCS

のすべり線が観察さ

れた.したがって,イットリウムを添加した試験片の引張側 の曲げ応力と

FPCS

の活動応力の差は純マグネシウムに比べ て小さくなる.以上のことから,イットリウムの添加により

{10¯12}双晶が起こりにくくなるため,中立面の移動量が減少

し,それに伴って引張側の曲げ応力が大きくなる.その結 果,FPCSが活動できるようになったため,曲げ延性は向上 したと考えられる.

4.  結   言

純マグネシウムおよび

Mg‑(0.07‑0.25) at%Y

合金単結晶の 曲げ試験を行い,各結晶方位における曲げ変形挙動および イットリウムが曲げ変形挙動に与える影響を調査した.

(1) 中立軸が [11¯20] であり,中立面が

(0001)

B

試験片 では底面すべりによって「Gull‑shape」状に変形し,イットリ

ウムを

0.15 at%添加しても変形機構に変化はなかった.曲げ

降伏応力は

0.15 at%のイットリウムの添加によって上昇し

た.これはイットリウムの添加によって底面すべりの

CRSS

が増加するためである.

(2) 中立軸が [11¯20] であり,中立面が (1¯100) の

E

試験片 では圧縮側から発生した {10¯12}双晶によって降伏し,曲げ 降伏応力はイットリウム添加量の増加に伴い上昇した.これ はイットリウムの添加による {10¯12}

双晶の CRSS

の増加によ るものだと考えられる.また,曲げ延性もイットリウムの添 加によって増加した.純マグネシウムは {10¯12}双晶と双晶 内の底面すべりによって変形するが,Mg‑Y合金ではこれに 加えて引張側で

FPCS

と {10¯11}‑{10¯12}

二重双晶が活動し,主

FPCS

の活動によって曲げ延性が増加した.

本研究は,公益財団法人天田財団一般研究開発助成(AF‑

2018016)により実施されたものである.ここに深く感謝の意

を表する.

文   献

1) R.L. Bell and R.W. Cahn: Proc. Roy. Soc. A 239 (1957) 494‑521.

2 H. Kitahara, M. Tsushida and S. Ando: J. Japan Inst. Met. Mater. 80

(2016) 102‑107.

3) S. Sandlöbes, S. Zaefferer, I. Schestakow, S. Yi and R. Gonzalez‑

Martinez: Acta Mater. 59 (2011) 429‑439.

4) S. Miura, S. Imagawa, T. Toyoda, K. Ohkubo and T. Mohri: Mater.

Trans. 49 (2008) 952‑956.

5) T. Mineta, S. Miura, T. Mukai, M. Ueda and T. Mohri: J. Japan Inst.

Met. Mater. 77 2013 466472.

6) L. Wang, G. Huang, T. Han, E. Mostaed, F. Pan and M. Vedani: Mater.

Des. 68 2015 8087.

7) T. Mineta and S. Miura: MRS Proc. 1741 (2015) aa02‑04.

8) T. Mineta, S. Miura, K. Oka and T. Miyajima: J. Japan Inst. Met. Ma- ter. 81 (2017) 196‑205.

9) K. Takemoto, H. Rikihisa, M. Tsushida, H. Kitahara and S. Ando: J.

Japan Inst. Met. Mater. 84 (2020) 44‑49.

10) D. Ando, J. Koike and Y. Sutou: Acta Mater. 58 (2010) 4316‑4324.

11) S. Kohda: Introduction to Metal Physics, (CORONA PUBLISHING CO., LTD., Tokyo, 1973) p. 163.

12 D. Ando and J. Koike: J. Japan Inst. Metals 71 2007 684687.

13) S. Ando, K. Nakamura, K. Takashima and H. Tonda: J. JILM 42

(1992) 765‑771.

14) H. Rikihisa, T. Mori, M. Tsushida, H. Kitahara and S. Ando: J. Japan Inst. Met. Mater. 81 (2017) 458‑466.

Fig. 19 Bending stress ‑ bending strain curves of (a) Mg‑E3 and

(b) 0.25Y‑E1. Closed circle indicate bending stress in the tension side σt. Broken horizontal lines indicate activation stress of FPCS in pure Mg 13) and Mg‑0.6at%Y 14).

参照

関連したドキュメント

Rapid Motion Change Experiment (figure 3, figure 4). The experiment environment of this experiment is as follows. y It is single-unit as for ten times of bending and stretching. y

maximowiczii Ass., KAWATA :ミヤマハンノキ形灌木叢(高山). 河田, 森林植 物生態学講義(Tex... YOSHIOKA

[r]

Two grid diagrams of the same link can be obtained from each other by a finite sequence of the following elementary moves.. • stabilization

Standard domino tableaux have already been considered by many authors [33], [6], [34], [8], [1], but, to the best of our knowledge, the expression of the

administrative behaviors and the usefulness of knowledge and skills after completing the Japanese Nursing Association’s certified nursing administration course and 2) to clarify

Taking the opportunity of leadership training, we set three project goals: (1) students learn about Japan beyond the realm of textbooks, (2) teachers and students work in

The dynamic nature of our drawing algorithm relies on the fact that at any time, a free port on any vertex may safely be connected to a free port of any other vertex without