支援・応援・援助 : 保育所保育士による親子支援 の現場から
著者 岩崎 美智子
雑誌名 東京家政大学研究紀要 1 人文社会科学
巻 48
ページ 49‑58
発行年 2008
出版者 東京家政大学
URL http://id.nii.ac.jp/1653/00009237/
〔東京家政大学研究紀要 第48集(1),2008,pp,49〜58〕
支援・応援・援助
一保育所保育十による親子支援の現場から一
岩崎美智子
(平成19年10月4日受理)
Aid, Assistance, Support
一〇n−Site Considerations regarding SupPort for Parents and Children by Day−Care Center Nursery Teachers
IwAsAKI, Michiko
(Received on October 4,2007)
キーワード 保育所,親子支援,保育士
Key words:Day−Care Center,Support for Parents and Children,Nursery Teachers
はじめに
1990年代後半に,日本の社会福祉状況は大きく変化 した.各種立法において「自立支援」が政策目標となり,
基本理念となった.児童福祉分野でも,1997年の児童 福祉法改正によって「保護から自立支援へ」大きく理念 が転換した.児童福祉施設の名称や目的に,「自立」や
「支援」の言葉が加わったのは象徴的である.また,
1999年改訂の「保育所保育指針」のみならず,2003年 に制定された「次世代育成支援対策推進法」と「少子化 対策基本法」においても「子育て支援」にっいて規定さ れており,いまや「子育て支援」は政府がおこなう一連 の少子化対策の重要な施策のひとつであると位置づけら れている.
「子育て支援」という言葉は,よく耳にする言葉ではあ るが,受け手にさまざまな解釈を許す言葉でもある。
が,どのようにする活動や行いなのかは,これを聞く者,
読む者の立場や現在置かれている状況によってとらえ方 が異なる.現代日本の子どもと家族をめぐる問題を考え
るとき,その必要性を否定する者は少ないし,保育現場 においては保育所や保育士たちの主要な職務であると規 定されている.いわば自明のものとされ普及していなが らも必ずしもその実態を正確にとらえられてはいない
「子育て支援」にっいて検討する.1では,まず「支援」
にっいて考える.現在社会福祉において強調されている
「支援」を,社会状況や「自立」との関係で考察し,ll においては,「子育て支援」の政策上の位置づけから始 まって,先行研究を参考に「子育て支援」の定義を整理・
検討する.皿では,保育所において保育士によっておこ なわれる親子支援にっいて,保育士の果たす役割を考え る.そのうえでIVでは,現在保育現場におきている出来 事や保育士たちの日々の活動を描写しながら,事例をと おして支援の方法と課題を考察する.このような作業を 通じて「支援」や「援助」にっいて考察することが本稿 の目的である。
1 「自立」と「支援」
児童学科 福祉社会学研究室
現代風俗研究会(以下,「現風研」と略す)は,2004年 暮れからの年間研究テーマを「応援・サポート・人助け の風俗」とした.現風研は現代の世相を切り取ってあら ゆる角度から切り込む研究団体であるが,このテーマは 過去3年間のそれ(「興行」,「娯楽の殿堂」,「移動の風 俗」)と比べるとかなり異質な感じがする.しかし,現 風研で取り上げられるほど,この現象が日本中を席捲し ていたということになる.年報のオーバービューを担当 した永井良和は,「人助け」を時代の流行現象としてと らえた.バブル経済崩壊後の日本社会の特徴として,
「ボランティア」活動の流行や,「支援」という言葉の普
及があり,さらに,この10年を特徴づけるもののひと っに社会の「心理学化」の流れがあるというD。経済 が停滞し,近い将来や未来に不安を抱える不確実性の時 代には,人は心と向き合おうとするのかもしれない.確 かに,近年は,さまざまなものごとの因果関係の説明に
「心理学的な」分析方法をもちいることが多くなり,「心 のケア」という言葉は多用され,学生たちは気分の落ち 込みさえも「軽いうっ」と表現するようになった.心や 精神的なもの,スピリチュアルなものごとに若者たちは ひかれ,社会現象となった2).さらに,災害や事件,
日常的に報道される紛争や戦争は,自身も不安をかかえ なんとか生き延びようとする人びとを「人助け」の行動 へと駆り立てた.
このような人びとの行動や意識と機を一にして,近年 施行された法令には「支援」という言葉が多用されてい ることを,永井は指摘する3).「『たすける』や『応援』
が,当事者のあいだの距離の近さを感じさせ,寄り添っ ているイメージを喚起するのに対し,『支援』という言 葉からは,対象となる人たちとのあいだに一定の距離が あることや,少なくとも,助ける側と助けられる側との 分離や区別が前提とされている」「私のばあい,『援助』
のほうが親身になっているニュアンスを感じ取る.『支 援』は,少し突き放した感じなのだ.」「法律が支援の対 象としている人びとに向けられる眼差しの奥にある意識 は,どのようなものか.そこには,「本来ならばできて あたりまえのことが,できない人びと』(だから助けが 必要だ)という認識が働いている.また,一定期間に一 人前にならないなら,あとのめんどうはみないというニュ アンスが潜んではいないか」とも言い,「支援」という 用語に対して批判的で,自他の区別なく対象と一体となっ て助ける「応援」と対比してもいる4).
今度は,違った視点から考えてみよう.武川正吾は,
『福祉社会』という著書のなかで,現代日本には狭義の 福祉と広義の福祉の二っの福祉概念が並存していると述 べている.個人主義的原理が支配的な近代社会では,個 人の幸福や福祉追求に対して,第三者が介入することは 許されない(「自助」の原則).っまり,個人は絶対的な
自己決定の権利を持っている.しかし,自己決定には自 己責任がともなうため,傷っきやすい少数派の人びとに 対しては,自助が可能になるような地点までの援助が必 要になる(狭義の「福祉」).「自助」は,他人の助けを 借りずに自分の力で物事をおこなうことと一般的には理
解されているが,イギリスでは他者との相互協力や相互 扶助を除外しないものととらえられており,その点は日 本と異なっているという.自助は,相互扶助をおこなう 場合であっても,その主体として自立(独立)した個人 を前提としている.っまり,他者や共同体に対して依存
(従属)はしないことを意味しているのである.しかし,
それでも,「自立」と「依存」の区分は相対的なもので あり,相互に互換的である.なぜなら,人間は誰でも一 生のうちに自立と依存のあいだを往復しうるし,自立と 依存の境界は環境の変化によって大きく変わりうるもの だからである5).
別の論者の見解をみてみる.社会福祉の研究者である 岩崎晋也は,「援助」にっいて社会的機能の側面に注目 し,労働力の交換でも私的扶養でもなく,ニーズを基盤 に財を社会的に再分配するシステムであるととらえてい る6).個々人への援助は,その人のニーズを満たすだ けでなく,社会構成員の集合的利益を増大・拡大するも のである.しかし,現代社会においては,援助が集合的 利益を拡大しない局面も増えているので,必ずしも歓迎 ばかりされているのではなく,「自立」との関係におい て常にその正当性を吟味されているというのである7).
っぎに,「自立」にっいて岩崎の議論を要約しながら 詳しくみていこう.日本語の「自立」という概念は多義 的であるが,岩崎によれば,「他の援助を受けない」と いう意味の「自助」と,「他の支配を受けない」という 意味の「自律」をさす.近代市民社会は,市民の要件と して,経済的・身体的に自助し,自律することを要求し た.人間の本質は理性を有していることであり,理性以 外の何ものからも支配されないという意味で人間は「自 立」=「自律」していることが求められた.また,いっ ぽうで人間は富裕欲をも有しており,それを満たすため には効率性を追求しなければならず,分業や交換が増大 する.これは,他者への依存が増大することであり,分 業によって社会的秩序が自動的に形成される.他者から の支配や規制を受けずに利己的な欲求を追求できるとい う意味の自由が大事になり,「自立」の意味も自らの富 裕欲を自らの労働によって満たすという経済的「自立」
=「自助」が重視されるようになる8).
人間に「自律」が求められるならば,援助が援助を受 ける者の「自律」をおびやかさないかが問われ,人間に
「自助」が求められるのであれば,援助は否定される行 為となる.すると,援助は望ましい行為どころか社会に
支援・応援・援助
とってマイナスに作用する行為ととらえられる.そして,
資本主義社会の成熟とともに,近代市民社会は経済的
「自立」=「自助」を市民に求めるようになった.援助 は,経済的「自立」との関係で再点検され,正当化を保 持しえるものに再構成されることになる9).
人間に自立を求める社会が成り立っためには,まず自助 との関係で,すべてのものが労働により必要な財の分配 を得られないという分配のディレンマを解決しなければ ならないが,子どもや障害者・病人は労働によって自ら が必要な財を獲得できない.これに対処するために,人 間を自助できる主体(市民)とそれに従属する主体に二 分化し,従属する主体がニーズに基づく分配(扶養)を 受けることを可能にするシステムを作り,その中核に家 族による私的扶養が位置づけられた,家族による私的扶 養制度のメリットは,子どもなどの自助できない主体へ の分配を可能にするだけでなく,自助できる主体にとっ ても交換原理によって獲得できない財の獲得を可能にす る.たとえば,非生産的労働を女性に担わせ,自助でき る主体に従属させるなどである10).
「自立」を可能にするための援助の形態としては,以 下のように5っがある.(ユ)予防を目的とする援助…代 表的なものとしてさまざまなリスクに対応する保険制度,
(2)補償を目的とした援助…集合的利益の拡大に貢献 したものとして傷庚軍人への援助など,(3)「自立」す る主体を創出する援助…児童に対する基礎教育・職業教 育など,(4)私的扶養を補完する援助…児童手当や家族 を対象とするソーシャルワークなど,(5)「自立」社会 の失敗コストとしての援助…集合的利益の観点からいえ ば,公的扶助や障害者の施設入所などが該当する.この 分類にしたがえば,「子育て支援」と呼ばれる活動は,
自立の途上にある児童を対象とした場合には(3)自立 主体の創出となるし,子育て中の保護者を対象と想定す れば(4)私的扶養の補完ということになるだろう11).
以上のような議論を参考に考えてみると,「社会福祉」
が,社会成員の幸福に寄与するために,幸福の実現を阻 害する社会生活.ヒの困難や負担の軽減・緩和をめざすも のであるとするならば12),子どもと親の幸福一市民 社会において自助・自立している状態一を妨げている 状況を社会的な援助によって補完・改善するものが,子 育て支援であるといえよう.
H 「子育て支援」の出現ととらえ方
日本における子育て支援の出現は,「1.57ショック」
に端を発する.1989年は「丙午(ひのえうま)」でもな いのに出生率が前年を下回ったことにより,それまでは 深く認識されていなかった出生率の低下=少子化が社会 問題となった.政府は,少子化に対応すべく少子化対策 に乗り出すことになる.子育て支援は,家族政策であり,
育児支援策である,つまり,日本においては,少子化対 策としての育児支援策の具現化として,子育て支援が計 画・実施されるようになった.
1994年のエンゼルプランが代表的な施策であるが,
保育所選択制の導入や多様な保育サービスの提供によっ て利用者が拡大し,措置制度のころと比べて受益者負担 の方向は,保育所を利用する親の権利意識を高めていっ た.言い換えれば,保育所を利用する親の側にサービス の受け手,消費者といった意識が浸透していったという
ことである13).
子育て支援の目的,主体,対象に注意を払いながら,
いくっかの「子育て支援」の定義を検討してみよう.
柏女霊峰は,「子育て支援」を「児童が生まれ,育ち,
生活する基盤である親及び家庭における児童養育の機能 に対し,家庭以外の私的,公的,社会的機能が支援的に 関わること」であると定義した.そののち,「子育ち・
子育て支援」とし,「子どもの成長発達及び子どもが生 まれ,育ち,生活する基盤である親や家庭における子ど もの養育機能に対し,家庭以外の私的,公的,社会的機 能が支援的にかかわることにより子どもの健やかな育ち と子育てを保障・支援する営みの総称」であると再定義
14)
この柏女の定義を多くの研究者が引用していした るところから,普及のどあいが高いものと考えられる.
これに対して,柏木恵子は,発達心理学の視点から,
誰が,誰を,どのように支えるのかを検討した.子育て 支援を必然とさせた根拠は,①性別分業の破綻,②子ど もにとっての複数の人による保育の必要性,③育児をと おしての親自身の成長,である,そこから,主体として 父親と親以外の人びとが,対象として母親と子どもが,
そして,目的として母親が個人として生きる場と時間,
機会を保障すること,育児から解放し自分の時間をもち 自分の成長/発達の機会をもてるようにすることが導き 出された.子どもに対しては,母親だけの監視・過保護 的な子育てから解放して,生き生きと学び成長する機会
と,親以外の多様な人びとに見守られ育っ時間/空間を 保障する.つまり,家庭と保育園双方が子どもの育ちを 支え守る共同の責任をもって,「育てる」から「育っ」
への発想の転換が重要であると述べているユ5).
太田光洋は,①親を子育ての主体として位置づけ,② 社会のすべての人が協力することによって,③親が安心
して子育てをしながら親として成長することを支え,同 時に④子どもの健やかな成長を促す,ものであるとし
た16).
前述した柏女の定義と太田の定義をふまえ,子育て支 援の主体・対象・目的という三つの観点から整理して,
大豆生田啓友は,「子育てという営みあるいは養育機能 に対して,私的・社会的・公的機能が支援的にかかわる ことにより,安心して子どもを産み育てる環境をっくる とともに,子どもの健やかな育ちを促すことを目的とす る営み」であると定義し,①子どもに対する支援,②親・
家族に対する支援,③ネットワーク構築への支援,④地 域の子育て環境への支援,⑤社会システムとしての子育 て支援の5つに分類した17)。
医師である原田正文は,子育て支援の課題は,「F育 てを通して,親自身が育つように支援をすること」であ ると言う.その課題と特徴として,①「子育て」という 日常的な営みへの支援,②すべての親子を対象とする,
③育児不安・子ども虐待など,心理・社会的な課題への 支援,④子どもの心を育て,思春期の諸問題を解決する,
⑤親が親として育っようにする,⑥親の人生そのものを 支援,⑦親どうしのネットワークづくりへの支援,⑧地 域の教育力・問題解決能力を高める,⑨子育てしやすい まちや社会をっくる,の9っをあげている18).原田は 自身の臨床の場や調査から,現代の母親のイライラの原 因は,乳幼児を知らないことや育児経験不足に加えて,
親たちの所属・愛情欲求,承認欲求,自己実現欲求が満 たされていないことであるという.若い母親たちは,
「自己実現」と「親役割」の狭間で悩んでいるというの
である19).
山縣文治によれば,保育サービスの一環として展開さ れている子育て支援は4っのターゲットを持つという.
①子育ちの支援,②親育ちの支援,③子育て・親育て,
④育む環境の支援,である.③のi−.J育て・親育てという のは,育て,育て合う親子関係の支援をいう.親子の信 頼や愛着形成が不安定,親の成熟度が低下している現状 にあって,子育てをする親を育てるという視点が必要に
なる.④「育む」環境の支援は,家庭と地域社会との関 係をいい,地域社会を単なる地理的意味にとどめず,子 どもの育ちを支援する機能空間にするということであ
る20).
汐見稔幸も言うように,子育て支援とは,親に代わっ てあれこれと子どもの面倒を見ることではなく,親の育 児能力を高めたり,親が育児の喜びをもっと感じられる ようになるために条件を整えたり働きかけることを意味 する「親の自立支援」に近いものであるということがで
きよう2D.
皿 保育士による親子支援
以上の定義は,力点の多少のずれはあるものの,おお むね,っぎのように規定していると整理される.子育て 支援が対象としているのは,子ども,親と家族,親子
(家族)の周囲との関係,地域,社会全体である.これ らがいずれも現代社会において不可欠なものとなってい る状況に異論はないが,以下の議論で筆者が念頭におい ているのは,保育所において保育士によって担われる子 育て支援,なかでも入所児童と呼ばれる子どもとその親 への直接的な支援である.柏女の整理によれば,「特別 な配慮を必要とする子どもと保護者に対する支援」に該 当し22),大豆生田の分類による「保育施設における地 域機能」のなかでいえば,相談・助言機能が主であり,
学習機能も含むことになろう23).
土谷みち子らは,親子支援の研究のなかで,保育者の 役割をっぎのように規定している.保育者は保育の中で 子どもとの関係形成,親との関係形成を基底として①
「子ども」の存在に対する感受性の言語化,②子どもの 表情・つぶやき・行動の言語化,③子どもへの対応の行 動モデルを機能させ,親と子の関係調整を行っていく,
このような保育者のサポートによってひとは親としての 自分と子どもを「発見」し,親子関係の「再生」をする プロセスが生まれる,そのことが,育児や家庭生活への
「自信」を生み,親子の時間を楽しみながらよりよく生 きることにっながるという24).この土谷らの議論をふ まえ,筆者は以前保育現場ができる親子の育ちの援助と して,①ペァレンティング,②エンパワメント,③ネッ トワークの3っを提示した.①の「ペアレンティング」
とは,親になるための手助けをすることである.ひとが 親としての機能・役割を果たすためには,臼尊感情を持っ て自分を大切にしてこそわが子である他者を尊重するこ
支援・応援・援助
とができる.幼い子どもを育てている親を肯定すること から親育ちの援助がはじまる.親に子どもと関わる具体 的なスキルを伝えることもそのなかに含まれる.②の
「エンパワメント」とは,人間が本来的に持っている困 難や問題に対処する能力を発揮して自分たち自身で回復 できるよう,働きかける社会福祉実践の方法である.③ の「ネットワーク」は,人と人との関係・つながりのな かで子育てをしていく態勢を整えることである25).内 藤和美がいうように保育所の助けを借りて育児をするこ とによって親がわが子を相対化でき,保育者という専門 家から子どもとの関わりを学び,他の親子や地域の人び ととのっながりができる。育児を二者関係に閉じこめな いことが虐待を防ぐことにもっながるのである26).
次節では,以上の議論をふまえながら,保育所という 現場でおこなわれている親子支援の実践例をとおして,
支援にっいて考えてみたい.
IV 親子支援の現場から
以下の事例は,ある保育所の保育士(管理職の立場に ある50代のベテラン)から筆者が聞き取りをしたケー スである.一っの事例であることから親子支援を代表す るものではないが,支援の内容を紹介しっっ要約・整理 することによって,方法や特徴,問題や課題が明らかに なるだろう.
〔ケースの概要〕
母子世帯で,母の養育能力が充分ではなく,ネグレク トという状態に近い.本児は情緒不安定なところがあり,
乱暴である.他者との関わりがうまくできない,
〔家族構成〕
本児A(4歳男児),母(20歳代後半.父とは2年前 に離婚),兄(小1)の3人家族.
祖父母が近隣に住み,夕食などの世話をしている.
〔本児の状況〕
本児Aは,他者との関わりがうまくできない.さみ しさからか自分のことを聞いてくれる相手(おとな)を 一所懸命に探し,自分の話を聞いてくれそうな人を捕ま えると,「せんせ一,せんせ一」としっこく離れない.
気の済むまで話を聞いてもらい,満足するとやっと遊び にはいることができる.友だちとは会話にはならず,腹 が立っと大きな石や近くにあるおもちゃを投げるなど危 険なことをしてしまい,トラブルをおこす.自分の思い を通すことしか知らないようにみえる.
〔養育状況と親子関係〕
本児Aが2歳のとき両親が離婚.以前子どもたちは 週末に父に会っていたが,最近は父に好きな女性ができ て疎遠になっている.母は,夜の10時から朝の7時ま でコンビニでレジ係として働いている.
祖父母が毎朝7時,母の仕事場に本児を連れていくが,
朝食を食べず,そのまま保育園へ来る.(保育園は,朝 7時から開園している)祖父母も,やや理解力が足りな いようにみえる.夕方5時半ごろ仕事前の母が迎えにく るが,夕食は祖母が食べさせて,母は別の部屋で寝てい る.その後母は子どもたちにテレビを観させた後,部屋 を真っ暗にして寝かせっけてから仕事に行く.家庭で子 どもだけで過ごすときはゲームとビデオ漬けである.一 度子どもたちだけの部屋から出火してボヤ騒ぎがあった.
Aは,0歳のときから保育園に通ってきているが,母 親はオムツや着替え,連絡帳も持ってこない.朝食も食 べさせていないようだし,入浴もさせていないようであ る.パジャマや保育園で貸した服を何日も着てくること もある.発熱しても,耳鼻科受診を勧めても,母はA を病院に連れていかない.発熱の翌日も「熱はありませ んでした」とAを連れてきた.けっして保育園を休ま
せない,
子どもが乱暴な行いをするとき,母親は「ダメ!」の 一辺倒なので,子ども自身はなぜそれが悪いのか理解で きない.母親が「遊びに連れて行きました」と言ったこ とがあったが,子どもと一緒に遊ぶことはなく,子ども を眺めて座っているだけだった.
〔母親について〕
母は,夜間コンビニに勤務しているが,仕事は熱心で 真面目に働いている.そのいっぽうで,保育園の送迎の ときは園の職員や親とも挨拶もしないし,自分にとって 都合の悪い話を聞こうとしない.離婚の話がでたとき,
園長が夜の仕事ではなく昼間働いて子どもの面倒をみる よう助言したが,聞かなかったという.母自身が,親と の緊密な関わりを経験していない.いわゆる「ヤンキー」
であり,高校生のときから本児の父と同棲し,そのアパー トから高校に通ったという.
〔援助の方法と特徴〕
1)子どもに対しての援助一本児Aを理解し,誠実に 向き合う
「朝の受け入れのとき,子どもと挨拶を交わして視診 をしますね.その子がきょうどういう状況で登園してき
たかを見守ります.『あ,いま関わっておかないといけ ない』と思ったときは,何はさておいてでもその子とま ず関わります.ある程度その子が落ち着いて自分の遊び をみっけてその中にいける状態になってから,自分の仕 事に戻りますね.朝の受け入れが一番ですね.そこがき ちっとしてると,一日うまくその子が満足して遊べるし,
安定するんですよ.その子の受け入れがおろそかで不完 全燃焼のときは,もう一日中ずっと不満のサインを送り 出すっていうか,不完全燃焼のまま一日を過ごすという
か….」
「Aだけではないけれど,こういう重症の場合は特に ですね.傷を深くして登園してくる場合は,やっぱりき ち一っととらえて,がっちり受けとめてやっていかない と,安心して保育園の一日が送れませんので.必要なら ば抱きしあます.さらりとしていいときもあるし,ああ きょうはしっかりと….その日その日の様子で.Aはと ても正直ですよ.」
「子どもはもともとそんなに悪い子で生まれてきたわ けじゃないんですよね.ただ,育て方と親の関わりのま ずさから,子どもたちはいろんな不満を正直に出して,
サインとして一所懸命訴えます.そのサインを全部,親 やわたしたちまわりのおとながみっけて,きち一んと誠 実に子どもに応えて返して….キャッチボールですよね.
それができないと,子どもはやっぱり『言ったってつま らない」とか『おとなは信用ならない」ってなってしま うと,後ではどうしようもない.」
「(0歳から保育園でみてきて)Aの凶暴性は落ち着い てきました.危険なとことか凶暴性はちょっと薄れてき ました.一時期は,やっぱ保健師さんか回っていらっしゃ る発達心理学の先生に診てもらわなきゃいけないかなあ,
って思ったくらいに凶暴だったです.何するかわからな い,っていう….」
朝の受け入れのとき,保育士たちは,その子どもの状 況を瞬時に,しかしていねいに観察し,助けが必要な子 どもには優先的に関わるようにする.情緒不安定な場合 には,抱きしめたり,「がっちりと」受けとめる.子ど もの訴えや問いかけに誠実に関わるようにし,状況によっ て臨 機応変な対応を心がけている.
2)母への援助
①親の気持ちや養育力(ワーカビリティ)を理解する あるとき偶然保育士が勤務の様子を目撃したとき,A
の母は普段とは別人のようにてきぱきと働いていたとい う.仕事のように自分の好きなことや興味のあることに はいきいきと取り組むが,興味のない子育ては面倒くさ がったり,逃げているなと保育士は感じている,「「わ たしは,(子育てが)いや』と正直に言うところは,まだ 子どもと一緒なので,かわいいといえばかわいい.『い やでも,するんだよ』ということを伝えてはいるんだけ
ども….」
「お母さん自身そんな感じで育ったらしいですよ.あん まり親御さんのほうから心のほうをね(育てられなかっ た),おばあちゃんも子どもをほったらかしてお仕事に 行ってらしたそうなので,ほとんど子どもをみてらっしゃ
らなかったようです.」
「お母さんは子どもをかわいいと思ってらっしゃるん ですよ.子どもたちのいい作品ができたとか,『すばら しい機関車の絵ですね,お母さん』というと,とてもニ コニコされます.Aのおにいちゃんはとても世話好きで,
お当番も率先して積極的に動いて優しかったんです.そ の日に『お役に立って,とても感謝されていたんですよ』
って伝えるとね,うれしそうにしておられてねえ.その とき初めて教えられました.『あ,このお母さんもお母 さんなりにできることは一所懸命にしてるんだな』って.
ただ,一般的にいう一所懸命と,このお母さんの一所懸 命と違うんですね.たぶん他の人がこれくらいやると,
お母さんはこれくらいなんですよね。そのお母さんにし ては,精一杯なんです.」
おそらくは,母自身の養育体験から,Aの母は育児の 方法に関して無知である.ひとは,自分が経験していな いことを他者に対しておこなうことは難しい.そして,
そのことを想像するのも困難である.母親は,販売員と しては優秀で仕事にいきいきと取り組んでいるいっぽう で,育児や家事は得意ではない.当初保育士たちは,着 替えや入浴,食事など子どもの養育に無頓着なAの母 に対して,「親としての責任を果たしていない母親」と やや批判的な目を向けていた.しかし,子どもの作品や 行為をほめたときに母親が見せた笑顔によって評価が変 わることになる.このようなひとり親家庭,特に母子家 庭の場合,母親に向けられる非難のまなざしと権力作用 にっいて援助者は自覚的である必要がある27).保育士 たちは,母親の苦手な部分を理解したうえで,わが子に たいしてかわいいという気持ちを持っていることや,母 なりに精一杯やっているところを評価しようとしている.
支援・応援・援助
さらに,インタビューに答えたベテランの保育士は,母 親の子どもっぽいが率直な物言いに対して,年長者らし
い受容的な反応をみせている.
②関係形成とコミュニケーションの方法を具体的に提 示し,子どもの成長や変化を言語で伝える
「人との関わりという部分が希薄かなあと思います.
お母さん自身が悩んでくれたのなら手立てが打てるんだ けど,いま困るのは 悩まない親をどうするかということ なんですね.子どもと遊べない親が多いので,保育士た ちが遊んでいるのを見てもらい,それをインプットして もらおうと行事を多めに設定しています.そんなときの Aの母親は無表情で反応がないんですが,眺めてはいる ので片隅には残るかなあ,と.自分ではできないけれど あんなにして関わるんだなあというのがちょっとでも残っ てくれれば,と願ってはいます.」
「子どもたちが変わらないことには親も変わってくれ ないと思い,保育園で子どもたちの居場所があって,友 だちとの関係もでき楽しく過ごすことができるようにし ています.子どもたちがいきいきとして「こういうこと ができた」などの変化や成長を一所懸命に伝えると,母 親もにこっとしたりうれしそうに話を聞いています.そ こで明るく「きょうの子どもさんはこんなでした」と言 いながら,「着替えが入ってなかったんで,お願いしま す」と付け加えます.そのときの母親の反応は,「は〜
ん」という感じですが….」
「連絡帳はまったく書いてこないですね.いっか書い てきたことがあったんですが,文章になっていなかった そうです.子どものことを見ていないので書くこともな いのではないか,というのが担任の意見でした.」
保育士たちは,子どもとの関係形成の重要性を親たち に伝えるための努力をしている.保育者が実際に声かけ をしたり行為そのものを見せ,それをモデルとして受け とめてもらうなど,相手の感受性や理解のどあいに合っ た援助方法を工夫している.
また,連絡帳を書いてこないAの母親に対する担任 のコメントにっいては上記のような解釈も可能だが,彼 女は文字や文章が苦手であることも予想される.書いた り読んだりが不得手で,しかも自分の書いたものに自信 がなく,読まれることも負担に思っているかもしれない のである.ひととの関わりや言語によるコミュニケーシ9 ンが苦手なため,子どもに注意を与えるときもうまく理 由を説明できず,関係構築が充分ではない可能性がある.
③「母親のつらさ」への共感と「孤独」への配慮ネッ トワーク構築の手助けをする
「園では,行事などを通して母親同士の輪を大切にし ていますが,そんなときにはどうしても孤独になる人が います.地元の人たちは一見やさしそうであたたかみが あるようだけど,部外者を入れないんです.Aの母親も みんなの輪に入ろうとしないので,担任が母親の隣に座っ て,輪のなかにはいれるような配慮をしています.秋に 動物園の遠足があるんですが,食事時にポロッとあぶれ る母親には,手が空いている職員(わたしたち)が,か ならずっきます.あそことあそこははぐれる,一人にな るだろうからと,全員職員がっくようにしています.あ のお母さんにはあなた,あのお母さんにはあなた,とい うように.荷物を持っのを手伝ったり,子どもがぐずっ たときにはあやすなど,ずっと一緒にサポートします.
わたし自身が地元と違うところの出身で知らない人ばか りの園にはいっていて,苦労したんですね.ひとりをお んぶして,3歳の子は手をひいて,おしめにお弁当にっ て.本当にさみしかったし,大変で,死ぬほどきっかっ たという経験があるものだから,そういう大変なお母さ んの思いをわたしたちはわかってあげなければ,と思い ます.こういうお母さんにはどういう支援が必要なのか なあというのはまだ手探りの状態ですが.」
保育士自身の経験から,母親の孤独のっらさを慮り,
特に行事をとおして親同士をっなぐ方策を考えている.
自身の体験を他者の身に置き換えて想像し,精神的・身 体的負担を軽減しようとする成熟した人間の姿をここに みることができる.
④親の自尊心や誇りを尊重し,育児や仕事に対しての 承認や評価をする
「わかりやすく,お母さんのプライドを傷っけないよ うに,その2点だけはおさえるようにしています.ほめ られると,お母さんは「ああ,わたしがやってることは 無駄じゃなかった』と.『一所懸命してることが実を結 んだ』と,なんか自己評価に思われるんですよね.そう いうときは,ちょっと自信が持てたっていう顔で,とて も満足されて.親っていう自覚を見せられるときですよ ね.やっぱり子どもが変わらないことには親もそこのと ころにヒットしないというか….」
子育て中の親は,評価されることが少ない存在である.
特にいま子育て世代である親たちは自己実現を目標に努 力することを求あられ,学校や職場でもっねに評価を受
けて育ってきた.子育てのようにそのプロセスをなかな か評価されず,「成果」というものさしが当てはまらず,
しかも多くの女親にとって当然視される労働は,その担 い手に不満や不安をもたらす.このような子育て中の親 をエンパワメントできるのは,子育ての専門家であり,
また多くの場合母親としての先輩ともいえる保育者であ
28) 職場でいきいきと働くことができるAの母親がる 育児では同様に頑張れないのは,もしかするとこの「評 価」が関係しているのかもしれない.また,評価と関わ りのあることだが,親としての誇りを育てることも重要 な課題であるし29),子どもが変わることで親も変わっ ていくという変化の循環も支援の戦略を考えるうえで欠 かせない視点であろう.
3)援助の過程において大変なこと,あるいは困難 上記のように,子どもと母親に対する援助をみてきた が,親子支援や容易なことではない.援助過程における 困難は何か,保育士たちはどのように困難を乗り越えて いるのだろうか.
「子どもといい関係を築いてもらえないのが一番きっ いですね.願うのはそこなんです,やっぱり子どもの一 番の願いは,お父さん・お母さんに愛されて,お父さん・
お母さんと楽しく遊びたいってことですけども,そこが IJ十えられない不満っていうのを保育園にしょってきます よね。わたしたちは一所懸命それに応えようとしますけ ど,本当の願いはわたしたちじゃないから,やっぱり 100%満足はさせられないです.」
「今がこの子たちの一生を決めることになるので,親 御さんはこの子たちとゆっくりといろんな関わりをして ほしい.この子たちの強さにもなるし,いろんな苦しみ や悲しみを耐え抜く術になるので今は大事だよ,ってこ とを折りにふれて伝えるようにはしてるんですが….講 演会だったり,話せる機会をみっけては,担任も職員全 員も『いま,話せる』ってときに伝えるようにしていま す.やっぱりチャンスではないときに言ったって,聞き ませんからね.言ったところで聞いてくれるかどうかわ かりませんけれども….でも言い続けなきゃだめかなあ と思ってます.」
「落ち込む暇はありません.さ,次の手を考えようっ て.わたしは担任が落ち込まないようにサポートします.
落ち込んだときには相談にきますよね.だから,そのと きしっかり話を聞きます.保育士が落ち込むのは,やっ
ばり親御さんにわかってもらえないところですね.言っ ても言っても,ね。お母さんが聞いてくれないところは,
子どもを変えるしかないですよね.」
「子どもの成長を見て喜ぶっていうのは,どのお母さ んも一緒ですので.子どもが何かものすごい作品を作り 一ヒげたりとか,遊びこんですばらしい絵を描いたりとか,
そういうのがあるとお母さんたちもハッと我に返られる というか,やっと子育ての大切さに振り返っていただけ るっていうか….そこまで持って行くのに,日々の努力 が必要なんですね.だからわたしたちは手抜きを絶対で きないし,その日々もその子との闘いというんですかね.
そういう葛藤で苦しんでいる人たちにどんなサポートが 一番その子に適しているかっていうのを探り探り,苦し いですけど,それでもやっぱり子どもたちにはそういう ふうに誠実に応えてやんなきゃいけないですね,一所懸 命積み重ねると秋ぐらいには変わってきますねえ.だん だん7・8・9月あたりで落ち着いてきて,秋くらいか らひと皮むけるじゃないけど,成長を感じられますね.」
「あくまで,子どもがこんなに成長したのはお母さん のおかげですよと.だから,舞台で脚光浴びるのは,お 母さん。わたしたちは縁の下の力持ちです.お母さんた ちが元気づいて自信もって,すこしずっ子育ての喜びを 感じられてですね,積極的に子どもとの関わりや絆の大 切さに気づいてもらえたら,一番そこがわたしたちの願 いですからねえ….ときには,面倒くさくなったり,い やになったりします.しますけど,それがお仕事.そう やって卒園させないと意味がない,って思います.」
ここで語られるのは,ひとつは,自らの位置づけ,つ まり,子どもにとっての,親と保育者についての関係の 認識である.子どもにとっての「親」という第一義的な 存在に対して,目分たちは「(親が)自信を持って,喜 びを感じられる」ように気づかせ,伝える役割であると 位置づけている.自らを「黒衣」(縁の下の力持ち)と称 する専門家の自覚がみてとれる.っぎに,あげられてい るのは根気強さである.わかってもらえなくても言い続 けること,「日々の努力が必要」であること,いやになっ てもそれが「お仕事だから」落ち込む暇はない,次の手 を考える,というのである.保育者による親子支援とは,
子どもと日常をともに過ごし,生活者として傍らにあっ て親を支えることである.「白衣」を着た専門家による 非日常的な場面における援助とは違って,それとは気づ かないような小さな積み重ねである.ある意味では,相
支援・応援・援助
手に専門性を感じさせない(そして負担を感じさせない)
ほどの手助けなのかもしれない.このように,H々の業 務をおこなっている保育者の言葉を再掲しよう.「そう やって(親子の絆が強く結ばれ,子どもが成長して)卒 園させなければ意味がないと思います⊥ここにあるの は,長年親子を支え続けてきた他ならぬプロフェソショ ナルとしてのっよい自負である.
注
】)永井良和:「オーバービュー 応援・サポート・人 助けの風俗」,現代風俗研究会編「現代風俗研究会 年報第29号応援・サポート・人助けの風俗」,新宿 書房,2007,pp.5−10
2)いわゆるスピリチュアルブーム.香1」」リカ,『スピ リチュアルにハマる人,ハマらない人』,幻冬舎,
2006などを参照,
3)永井,前掲書,pp.10−13 4)永井,前掲書,p.12
5)武川正吾:『福祉社会一社会政策とその考え方』,
有斐閣,2001,pp.1−13
6)岩崎晋也:「なぜ「自立」社会は援助を必要とする のか一援助機能の正当性」,古川孝順他,『援助する ということ』,有斐閣,2002,p.72
7)岩崎晋也,前掲書,pp,73−74 8)岩崎晋也,前掲書,pp.74−78 9)岩崎晋也,前掲書,p.79 10)岩崎晋也,前掲書,pp.78−80 11)岩崎晋也,前掲書,pp.88−96
12)副田義也:「社会福祉」,『新社会学辞典』,有斐閣,
1993, p。654
13)この点について,筆者は以下の論文で整理した.岩 崎美智子:「厚生白書にみる「少子化問題」−1989 年から1998年まで一」,『年報筑波社会学』第14号,
筑波社会学会,2002,pp.58−59
14)柏女霊峰:「子育て支援」,山縣文治他編集,『社会 福祉用語辞典』ミネルヴァ書房,2000,pp.99−
100および柏女霊峰:『子育て支援と保育者の役割』
フレーベル館,2003,pp. 28−29
15)柏木恵子:「子育て支援を考える一変わる家族の時 代に一』,岩波書店,2001,pp.36−50
16)太田光洋:「「子育て支援」とは何か〜子育て支援
センター活動へのかかわりをとおして〜」,『保育の 実践と研究」第6巻第4号,スペース新社保育研究 室,2002,pp.11−13
17)大豆生田啓友:『支え合い,育ち合いの子育て支援一 保育所・幼稚園・ひろば型支援施設における子育て 支援実践論一』,関東学院大学出版会,2006,
pp.43−44 , pp.48−59
18)原田正文:「子育ての変貌と次世代育成支援一兵庫 レポートにみる子育て現場と子ども虐待予防』,名 古屋大学出版会,2006,pp.292−296
19)原田,前掲書,pp.210−226
20)山縣文治:「子育てを見る目は変わったか一子育て 支援サービスの課題と方向」,『発達』第84号,ミ ネルヴァ書房,2000,pp.70−71
21)汐見稔幸:「無免許運転?の親を励ます一育児を支 援するとはどういうことか?」,『発達』第84号,
ミネルヴァ書房,2000,pp.72−75 22)柏女(2003),前掲書,pp.97−103 23)大豆生田,前掲:書,pp.127−130
24)中野由美子・土谷みち子編著:『21世紀の親子支 援一保育者へのメッセージ』,ブレーン出版,1999,
pp. 133−157
25)岩崎美智子:「保育現場における親子支援一子ども への虐待の考察をきっかけとして一」,『鳴門教育大 学研究紀要』第17巻,2002,pp.5−6
26)内藤和美:「幼稚園・保育所における対応」,柏女 霊峰監修『子ども虐待 教師のための手引き』,時 事通信社,2001,pp,190−209
27)村田泰子:「ネグレクトとジェンダー一女親のシティ ズンシソプという観点からの批判的考察」,上野加 代子編著『児童虐待のポリティクスー「こころ」の 問題から「社会」の問題へ』,明石書店,2006,pp.
190−195
28)原田,前掲書,pp.219−226.また,筆者は保育所 長を対象とした講演でこの点を強調した.岩崎美智 子:徳島市保育事業協議会保育研修会「子どもは一 番,親も一番一保育所における親子支援を考える」,
2005
29)「誇りが自立の中身である」という以下の指摘はエ ンパワメントにおいて重要である.佐野章二:「ホー ムレスの仕事を作る一「ビッグイシュー』日本での 取り組み一」,現代風俗研究会編,「現代風俗研究会
年報第29号 応援・サポート・人助けの風俗』,新 宿書房,2007,p.39.
参考文献
1)大場幸夫他:『育っ・ひろがるく子育て支援〉』,
トロル出版部,2003
2)大日向雅美・佐藤達哉編集:『現代のエスプリ No.342子育て不安・子育て支援』,至文堂,1996
3)京極高宣:「今,求められている自立支援」,『月刊 福祉 2006年7月号』全国社会福祉協議会,2006
4)全国母子生活支援施設協議会・特別委員会:『母と 子の権利擁護と生活の拠点をめざして』,全国社会 福祉協議会全国母子生活支援施設協議会,2005 5)畠中宗一編集:『現代のエスプリ No.479育児・
子育てのなかの家族支援』,至文堂,2007
6)保育と虐待対応事例研究会編:子ども虐待と保育園 一事例研究と対応のポイントー』,ひとなる書房,
2004
7)望月彰:『自立支援の児童養護論一施設でくらす子 どもの生活と権利一」,ミネルヴァ書房,2004
Abstract
℃hild care support fbr families is even today one important family policy of Japan. In this paper, after covering discussions of independence and support, we investigate several defini−
tions of child care support fbr families, and consider examples of support fbr parents and chil−
dren who require special consideration by day−care center nursery teachers. As a result of this investigation, it became understood that it is important fbr children to conscientiously respond to their questions and appeals, through carefUI observation of the children jn daily day−care. We also fbund that supPort fbr parents requires that nursery teachers understand the situation of parents and make sure of the workability of upbringing, suggest methods fbr forming relationships and communicating with children, and recognize and value parents. Nursery teachers are expected to bear a role of empowerment, become people that parents can speak with any time, consider vari−
ous problems in life, and become a support group which works persistently.