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若杉 寛 論 文 審 査 の 要 旨

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Academic year: 2021

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別紙1

論 文 審 査 の 要 旨

報告番号

3155

若杉 寛

論文審査担当者

主査 教授 代田 達夫 副査 教授 中村 雅典

副査 教授 荒木 和之

(論文審査の要旨)

学位論文「Comparison of the mandible alveolar bone width in Skeletal Class Ⅲ malocclusion with openbite and non openbite using cone-beam computed

tomography」ついて、上記の主査1名、副査2名が個別に審査を行った。

本研究では骨格性下顎前突症患者において開咬を伴う症例と開咬を伴わない症例の

symphysisと下顎臼歯部の歯槽骨幅径について CBCTの画像データを用いて計測し 、咬合状態

が下顎骨形態に及ぼす影響について解析した。研究対象は前歯部開咬を伴う下顎前突症患者 と開咬を伴わない下顎前突症患者各30名とした。計測部位は下顎中切歯および下顎大臼歯部

においてCEJから各 2、 4、 6、 8、 10mm下方の唇舌側皮質骨および歯槽骨幅径を計測し

た。その結果、開口群ではconvexity、 A-B plane angle、 mandibular plane angle

gonial angleで有意に大きな値を示した。以上の結果から 、骨格性下顎前突症患者に矯正装

置を用いて咬合圧をふ化させることで、symphysisの歯槽骨幅径を変化させる可能性がある と考えられた。

本論文の審査において、副査の中村委員および荒木委員から多くの質問があり、その一部 とそれらに対する回答を以下に示す。

中 村 委 員 の 質 問 と そ れ ら に 対 す る 回 答 :

1.性差はないのか。

本研究では開咬群で 30名(男性 15 名、女性 15名)、非開咬群で 30名(男性 17名、女性 13名)の患者を対象としたが、性差別で分類していないため、今後の検討課題としたい。

2.開咬群の下顎臼歯部歯槽骨幅径が有意に小さくなった要因は何か。

開 口 を 伴 う 骨 格 性 下 顎 前 突 症 患 者 は 咀 嚼 筋 機 能 が 正 常 者 と は 異 な り 側 頭 筋 優 位 で 開 咬 群 の 咬合力は非開咬群より小さく、咬合接触面積も小さいため 、下顎骨のたわみが少なく機械的刺 激が低下することが原因であると考えられる。今後オクルーザー等を用いて咬合接触部位、咬 合力を計測し、開咬群と非開咬群の咬合接触部位、咬合力の測定を検討したい。

(主査が記載)

(2)

荒 木 委 員 の 質 問 と そ れ ら に 対 す る 回 答 :

1. この研究の結果を矯正治療にどう応用するか

本 研 究 よ り 、 成 長 期 の 骨 格 性 下 顎 前 突 傾 向 の あ る 患 者 に 意 図 的 に 矯 正 装 置 に よ る 咬 合 刺 激 を 与え、symphysis等の厚みを変化させることで、術前矯正における下顎前歯移動の制限や歯根 吸収、歯肉退縮を予防出来る可能性があると考えた。

2.下顎前歯部舌側皮質骨が優位に大きくなった要因は何か

<回 答>symphysis 全 体 が 薄 く な っ た こ と を 補 償 す る 為 に 代 償 的 に 下 顎 前 歯 部 根 尖 部 の 舌 側 皮 質骨が厚くなったとも推察できるが、今後、力学解析などで検討する必要性があると考えられ た。

両 副 査 は 、 上 記 を 含 め た 質 問 に 対 す る 回 答 が 、 い ず れ も 満 足 の い く も の で あ る こ と を 確 認 し た。

主査 代田委員の 質問とそれ らに対する 回答:

1. サンプルの妥当性、統計処理は正しいのか

本研究の対象患者は、昭和大学歯科病院矯正歯科を受診し、術前診断資料として CBCTを撮 影した 16歳以上の骨格性下顎前突症患者のうち 、前歯部咬耗がない開咬を伴う下顎前突症患

30 (開咬群)(平均年齢:21歳;年齢範囲:15歳~34歳)と開咬を伴わない下顎前突症患

30(非開咬群) (平均年齢:23歳;年齢範囲:16歳~49歳)の計 60名を選択した。唇顎 口 蓋 裂 な ど の 先 天 疾 患 や 全 身 性 疾 患 を 有 す る 者 , 下 顎 前 歯 部 に 補 綴 物 や 欠 損 歯 が あ る 者 は 除 外した。本研究では、年齢、性別、身長別に分類しておらず、今後、多変量解析を行 い比較検 討する予定である。

2. 大臼歯部の歯槽骨幅径に左右差があるのは何故か

本研究では、下顎第一大臼歯遠心根・第二大臼歯間において 、開咬群の下顎臼歯部歯槽骨幅 径、頬側皮質骨幅径の一部で非開咬群に比べて小さい値を示した 。大臼歯間に左右差がある原 因として、対象患者の咬合接触部位、咬合力に差異があったものと考えられた。今後、オクル ーザー等を用いて咬合接触部位、咬合力を計測し、開咬群と非開咬群の咬合接触部位、咬合力 の測定を検討する必要があると考える。

主査の代田委員は、両副査の質問に対する回答の妥当性を確認するとともに、本論文の主張 をさらに確認するために上記の質問をしたところ、明確かつ適切な回答が得られた。

以上の審査結果から、本論文を博士(歯学)の学位授与に値するものと判断した。

(主査が記載)

参照

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