論文内容要旨
論文題名
Effectiveness of a clinical pathway for complete denture adjustment (総義歯調整時におけるクリニカルパスの有効性の検討)
掲載雑誌名
Gerodontology (投稿中)
高齢者歯科学 石川 万里子
内容要旨
Ⅰ. 目的
現在日本の高齢者人口の割合が
26.7%を超えた.そのため,患者の QOL
向上のためには質の高い補綴診療,中でも義歯診療が重要である.また高 齢者においては患者の負担を減らすために,効率的な診療が必要と考えら れる.質の高い効率的な義歯診療の実現には,クリニカルパス(以下
CP
とす る)の導入が必要であると考えられる.しかし,歯科では外来診療で用い られているCP
はほとんどない.本研究は当講座における上下顎総義歯調整時の
CP
を試作し,その有効性 を検討することを目的とした.Ⅱ. 方法
被験者は,上下顎総義歯患者
62
名(CP導入前31
名,後31
名)とした.診療には担当医以外に歯科医師が
1
名アシスタントとして参加した.調査 時期は義歯調整時とした.最初に
CP
導入前の診療内容をビデオで記録した.診療後,患者に症状改 善についての調査を行った.導入前の診療を参考に,CP を試作した.CP では担当医とアシスタント の診療行為の分担や,患者へ調査シートを実施した.試作した
CP
を導入 し,導入前と同様に症状改善について調査を行った.CP
導入前後と診療時間の関係についてLevene
の検定,症状改善につい てカイ2乗検定で評価した.Ⅲ. 結果
診療時間は
CP
導入前28.0
分,導入後は27.5
分で有意差はなかった.しかし,担当医・アシスタント・患者すべてで「空白時間」は有意に減少 し,「診察・検査」や「患者教育・説明」の時間は有意に増加した.
症状改善については,「診療を受け症状が著しく改善した」と答える患者 が
CP
導入後では有意に増加した.Ⅳ.結論