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教室構成からみた小中連携校の利用実態に関する研究 -F市都市部の施設一体型小中連携校を対象として- [ PDF

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(1)

      

26-1

1. 研究の背景と目的

 近年中一ギャップや児童生徒の心身発達の早まりと

いった教育的背景、少子化や自治体の財政難といった

社会的背景から、多くの自治体で小中連携・一貫教育

の導入が進められている。特に、‟ 小・中学校が 9 年

間を通じた教育課程を編成し、それに基づき行う系統

的な教育

注 1)

” を基本とする小中一貫教育は様々な学

年区分や施設形態による試みが行われている。その一

方で、‟ 小・中学校が互いに情報交換、交流すること

を通じ、小学校教育から中学校教育への円滑な接続を

目指す教育

注 1)

”を基本とする小中連携教育について

は前者に比べ事例数も少なく、新設の施設一体型小中

連携校における利用実態の蓄積は十分ではない。

 そこで本研究では、従来の教育システムである 6-3

制を維持しつつ新設された F 市都市部の施設一体型小

中連携校を対象とする。その教室構成の違いに着目し

主要空間の利用実態を明らかにすることで、児童生徒

の発達状態に応じた空間構成を捉え、義務教育期間に

おける小中学校の教育空間の在り方について考察を行

うことを目的とする。

2. 研究の方法

 F 市都市部の施設一体型小中連携校である Md 小中

学校(以下 Md 校)、Sy 小中学校 ( 以下 Sy 校 ) の 2 校

を調査対象として研究を行った。調査概要を表 1 に示

す(表 1)。本研究では施設一体型小中連携校を「施

設一体型の校舎において小・中学校がそれぞれ独自の

教育課程を編成している学校」として位置づける。な

お一般に小中連携校は小・中学校それぞれに校長が在

籍する管理体制をとるものが大半であるが、本調査対

象校 2 校は小・中学校を 1 人の校長が管理する特殊な

体制をとっている。

3. 施設計画の背景と空間的特徴

 F 市都市部における深刻な学校規模の減少、施設の

老朽化を背景として、Md 校では 3 小 1 中、Sy 校では

2 小 1 中の統廃合が行われ、両校ともに既存学校敷地

に新校舎が建設された。

 両校ともに敷地が狭小なことから、人工地盤上に運

動場と昇降口が整備され、運動場・昇降口・アプロー

教室構成からみた小中連携校の利用実態に関する研究

ー F 市都市部の施設一体型小中連携校を対象としてー

浦川 瑛人

図 1 調査対象 2 校の概要

13,030.56 24,196.58 RC 造・S 造 ( 校舎棟) 地下 1 階 地上 6 階 小:533 中:220 全校 753 児童生徒数 ( 人 ) 学級数 敷地面積 ( ㎡ ) 延床面積 ( ㎡ ) 構造 6-3 制 小学校:45 分中学校:50 分 学年区分 1 校長・2教頭 管理体制 授業時間 小学校:0 中学校:3 小学校:3 中学校:3 空き教室数 階数 階数 学級数 敷地面積 ( ㎡ ) 延床面積 ( ㎡ ) 小:19 中:8 全校 27 Md 校 平面図(1 階~6階) 11,038.28 23,730.00 RC 造 ( 校舎棟) 地下 1 階 地上 6 階 小:559 中:289 全校 848 児童生徒数 ( 人 ) 6-3 制 小学校:45 分中学校:50 分 1 校長・1 副校長・1 教頭 小:18 中:10 全校 28 Sy 校 構造 管理体制 学年区分 授業時間 空き教室数 平面図(1 階~6階) ※数値は全て平成 27 年度のもの 1階 2階 3階 凡例 4階 5階 6階 1階 2階 3階 4階 5階 6階 武道場 プール 体育館 (中) 体育館(小) グラウンド 職員室 (小中) 図書室 (小中) 空2年 1年空 4年 1年 1年 6年 空3年 3年 N 5m 50m 15m 3年 2年 2年 5年 プール 武道場 エントランス ホール 体育館 (小) 体育館 (中) 6年 6年 1年 3年 空 空 2年 空 空 図書室 ( 小中 ) 空 2年 3年 5年 5年 4年 1年 空 職員室(小・中) グラウンド 学級教室(小学校) 学級教室(中学校) 通級学級 特別教室 管理諸室 図書室・PC室等 凡例 N 5m 50m 15m 学級教室(小学校) 学級教室(中学校) 通級学級 特別教室 管理諸室 図書室・PC室等

(2)

26-2

チ空間の共用化や校舎の高層化が行われている。また、

習熟度別学習や少人数学習などの多様な学習形態に対

応可能な多目的教室と特別教室、高層化に対応するた

め各階に教師コーナーが計画されていることなどが共

通の空間的特徴として挙げられる。

 一方で、2校は教室構成の面で大きく異なる計画が

なされている。Md 校では小学校と中学校が学級教室

を中心に積層的に配置されているのに対し、Sy 校で

は並列的に配置されている ( 図 2)。

4. 主要空間の利用実態

4-1. 学級教室の利用実態

 両校ともに学級教室の面積はほぼ同じであるが、Sy

校は一般的な 8.0m × 8.0m の正方形形状であるのに対

し、Md 校は敷地に対する教室配置上の制約から、特

殊な 7.5m × 9.0m の横長形状のものが採用されてい

る。そのために Md 校では横長の教室形状に対する様々

な座席配置の試みが行われている ( 図 3、4)。

 これら学級教室(以下 CR)の利用実態について、

特に座席配置が単独・直列型となる中学校側では、学

習・生活活動時の CR の広さ・形状に関して「あまり

適当でない」、「適当でない」が Md 校で 18/24 回答、

Sy 校で 30/36 回答得られた。広さについて Sy 校の一

部で「適当」と回答している学級があるものの、こ

の傾向は学級の人数規模が大きくなるにつれて顕著に

なっている。この理由として、CR の両端の生徒から

黒板が見えにくいことや、教師の視界に生徒全員が収

まりにくいことが回答に挙げられていたことから、中

学校側の CR には依然従来の縦長型のものが求められ

ていることが明らかになった。

4-2. 学級教室まわりの作業スペースの利用実態

 学級教室まわりの作業スペース ( 以下 WS) につい

て、Md 校の小学校側の学習活動で「週1回以上の利

用」が 4/18 回答、「月に 1、2 回」、「不定期」といっ

た回答が 10/18 回答得られた。これは Md 校において

小・中学校ともに各 CR に独立的な WS が付属している

ことから、他学級の利用状況を気にすることなく気軽

に WS を利用できるためであると考えられる。

 一方生活活動では、Md 校の小・中学校 23/24 回答

が給食配膳で WS を「毎日」利用しているのに対し、

Sy 校では「毎日」利用しているのは小学校に比べ中

学校側が多い。Md 校とは異なり Sy 校では小・中学校

で異なる構成の WS が設置されており、中学校側は各

階で学年共用の廊下拡張型の WS が設置されている。

このことから、WS と CR の一体的・連続的な構成が生

活活動の展開に有効であることが考えられる。

図 2 調査対象校の教室構成のイメージ

図 3 Md 校学級教室の座席配置

( ※数値は全て H27 年 10 月時点のもの )

表 1 調査概要

図 4 Sy 校学級教室の座席配置

( ※数値は全て H27 年 10 月時点のもの )

調査方法 資料調査 調査概要 ・各々から学校要覧、図面等を回収、施設一体型小中連携校のデータ及び 平面プランの特徴の把握 実測調査 ・学級教室、教師コーナーなどの実測を行い、家具配置を把握 ヒアリング調査 ・校長、学級担任を対象に施設整備の経緯、施設利用の詳細な実態の把握 観察調査 ・アプローチ空間、昇降口などにおける児童生徒の活動を観察し、児童生徒 間の交流の実態について把握 ・学級担任や教科担当教師を対象にアンケートにより小中連携教育の具体的な 取り組みや施設利用に関する意識の把握 アンケート調査 Md 校 Sy 校 積層配置型 並列配置型 小学 CR 中学 CR 小学 CR 中学 CR 小・中学校の CR が 積み重なる形で配置されたもの 小・中学校の CR が同一平面上で配置されたもの

4-3. 多目的教室の利用実態

 多目的教室(以下 MR)については両校ともに使用

頻度に差はあるものの、全学年で定期的な利用がある

という回答が得られた ( 図 5)。この理由として、広

机 9000 7500 小1 小3 中1 中3 小4 小6 配置単位 ( 席数 ) 児童生徒 座席数 児童生徒 1 人当り 教室面積 ( ㎡ / 人 ) 26 2.60 2.60 2.60 2.50 2.50 2.33 2.33 2.33 2.33 1.99 1.99 1.99 1.99 1.99 1.92 1.92 1.82 1.78 1.78 2.25 2.25 2.41 2.41 2.41 26 26 27 27 29 29 29 29 34 34 34 34 35 35 37 38 38 34 30 30 28 28 28 複数 (2~3) 複数 (2~3) 複数 (2~3) 複数 (2~3) 複数 (2~3) 複数 (2~3) 複数 (2~3) 単独 単独 単独 単独 単独 単独 複数 (1~2) 複数 (1~2) 複数 (1~2) 複数 (5,9) 複数 (2) 複数 (2) 複数 (2) 複数 (2) 複数 (3,4) 複数 (5,6) 複数 (3~4) くの字型 (4 行 3 列 ) くの字型 (4 行 4 列 ) くの字型 (4 行 4 列 ) くの字型 (4 行 4 列 ) くの字型 (4 行 4 列 ) くの字型 (4 行 4 列 ) 島型 (9 グループ ) 直列型 (4 行 3 列 ) 直列型 (5 行 7 列 ) 直列型 (5 行 7 列 ) 直列型 (6 行 7 列 ) 直列型 (6 行 7 列 ) 直列型 (5 行 8 列 ) 直列型 (5 行 8 列 ) 直列型 (4 行 4 列 ) 直列型 (4 行 3 列 ) 直列型 (5 行 3 列 ) 直列型 (5 行 3 列 ) 直列型 (5 行 3 列 ) 直列型 (4 行 2 列 ) 直列型 (4 行 4 列 ) 直列型 (4 行 4 列 ) コの字型 (4 グループ ) コの字型 (6 グループ ) 配置形式 ・単独 ・複数 凡例 端の机を 中央向きに 配置 全ての机を 正面向きに 配置 単独で机を配置 複数の机をつなぎ、 1ユニットとして 配置 中央に スペースを つくる形で 配置 複数の机を つなげて 1ユニット として配置 配置単位 配置形式 直列型 くの字型 コの字型 島型 広さ・形状への意識 適当 でない 適当 教室の広さ・形状への意識 N 学習活動時 生活活動時 広さ 形状 広さ 形状 8000 8000 教室の広さ・形状への意識 中 小 N N 机 ・単独 ・複数 ( 席数 ) 凡例 端の机を 中央向きに 配置 全ての机を 正面向きに 配置 単独で机を配置 複数の机をつなぎ、 1ユニットとして 配置 配置単位 適当 でない 適当 配置形式 直列型 くの字型 広さ・形状への意識 小1 小3 中1 中3 小4 小6 32 2.00 2.00 2.00 1.88 1.88 1.88 2.37 2.37 2.37 2.29 2.29 2.29 1.60 1.60 1.68 2.21 2.13 2.13 2.37 2.46 2.37 2.06 2.06 2.06 2.06 2.13 2.13 31 32 31 30 30 34 34 28 27 27 28 40 40 38 29 30 30 27 26 27 28 32 34 31 31 27 単独 単独 単独 単独 単独 単独 単独 単独 単独 くの字型 (4 行 4 列 ) くの字型 (4 行 4 列 ) くの字型 (4 行 4 列 ) くの字型 (4 行 4 列 ) くの字型 (4 行 4 列 ) くの字型 (5 行 3 列 ) くの字型 (5 行 3 列 ) くの字型 (5 行 3 列 ) くの字型 (4 行 7 列 ) 直列型 (5 行 8 列 ) 直列型 (5 行 8 列 ) 直列型 (5 行 8 列 ) 直列型 (4 行 7 列 ) 直列型 (4 行 7 列 ) 直列型 (4 行 7 列 ) 直列型 (5 行 6 列 ) 直列型 (5 行 6 列 ) 直列型 (5 行 6 列 ) 直列型 (4 行 4 列 ) 直列型 (4 行 4 列 ) 直列型 (4 行 4 列 ) 直列型 (4 行 4 列 ) 直列型 (5 行 4 列 ) 直列型 (4 行 4 列 ) 直列型 (5 行 3 列 ) 直列型 (4 行 3 列 ) 複数 (1~3) 複数 (2~3) 複数 (2~3) 複数 (2~3) 複数 (2~3) 複数 (2) 複数 (2) 複数 (2) 複数 (2) 複数 (2) 複数 (2~3) 複数 (2) 複数 (1~2) 複数 (1~2) 複数 (1~2) 複数 (1~2) 複数 (1~2) 単独 直列型 (5 行 3 列 ) 配置形式 児童生徒 座席数 配置単位 ( 席数 ) 児童生徒 1 人当り 教室面積 ( ㎡ / 人 ) 学習活動時 生活活動時 広さ 形状 広さ 形状

(3)

26-3

いスペースの確保や作業姿勢の変更が容易であるこ

と、また MR が CR や他教室に近接配置されていること

から様々な作業姿勢での気軽な利用が可能であること

などが挙げられる。また Sy 校の中学 1 年生で「週に

2、3 回」以上の利用が 3/3 回答あるが、これは CR 横

の空き教室が外国語活動でほぼ毎日利用されているた

めである。

4-4. 特別教室の利用実態

 特別教室 ( 以下 SCR) の利用について本来の用途と

は異なる利用に着目すると、特に Sy 校では中学校全

学年で、学年合同での学習活動や集会といった広いス

ペースを必要とする活動で SCR を利用するというもの

が 4/9 回答得られた(図 5)。これは 3 階の学習室ま

での動線が長い高層階の学級が椅子や机を必要とする

活動を行う際に最寄りの SCR を学習室の代わりに利用

しているためである。

4-5. 教師コーナーの利用実態

 教師コーナー ( 以下 TS) の利用実態について、Md

校では高層階の中学校全学年で 5/6 回答が教師コー

ナーを「必要」であると回答している(図 6)。これには、

低層階に比べて職員室までの動線が長くなる高層階

の CR の教師が TS を活用して授業の間にかかる準備作

業の効率化を行っていることに加え、教科担任制であ

ることから授業毎に CR 間を移動する機会が増えると

いった中学校側特有の問題が関わっていると考えられ

る。同様に Sy 校でも全学年の 9/9 回答で TS が「必要」

との答えが得られたが、小学校側では「どちらでもな

い」、

「あまり必要でない」、

「必要でない」が 14/18 回

答得られた。これには、「打ち合わせや作業を行う際

は学級教室や空き教室で十分である」といった回答が

小学校側で多く得られたことに加え、Sy 校では TS が

中学校側に配置されているために中学校側よりも CR

からの動線が長くなってしまうことが影響していると

考えられる。

5. 小・中学校共用スペースにおける児童生徒の交流

5-1. 計画的な児童生徒の交流

 小・中学校における児童生徒の交流については両校

ともに教育上の効果を期待して、様々な交流活動が計

画されている ( 図 7)。両校では正門や遊具広場、グ

ラウンド、図書室といった小・中学校共用の空間で挨

拶運動や委員会活動といった活動がほぼ毎日行われて

いる。また、中学校部活動壮行会や部活動体験など不

定期に行われる活動も計画されるなど、小・中学校児

童生徒が互いに日常生活の中で関わり合うような交流

活動が積極的に計画されていることが伺える。

図 5 作業スペース、多目的教室、特別教室の利用頻度

5-2. 自然発生的な児童生徒の交流

 施設一体型の連携校では「話す」「一緒に遊ぶ」と

いった児童生徒の直接的な関わりのみならず、「挨拶

をする」「視線を送る」といった様々なレベルでの交

流の発生が考えられる。そこで、これら自然発生的な

交流について既往研究

注 2)

をふまえ児童生徒の交流の

レベルを単方向、双方向(非接触、接触)の 3 段階で

定義し、両校ともに計画された交流プログラムの介在

が無い登下校、昼休み時間帯の児童生徒の交流を対象

として観察調査を行った(図 8)。

 Md 校では登下校、昼休み時間帯において、アプロー

1年 2年 3年 4年 1年2年3年 小学校 中学校 Md 校 Sy 校 利用 頻度 学習活動 利用詳細 学習活動 利用詳細 学習活動 利用詳細 5年 6年 1年 2年 3年 4年 1年2年3年 小学校 中学校 生活 活動 5年 6年 1年 2年 3年 4年 1年2年3年 小学校 5年 6年 中学校 指導体制 指導方法 作業姿勢 水道の利用 学級教室との 同時利用 100.0 0 20 40 60 80 100(%) 33.3 46.7 71.4 28.6 7.1 31.3 12.5 20.0 56.3 92.9 N=14 N=15 N=16 N=14 N=14 1年 2年 3年 4年 1年2年3年 小学校 5年 6年 中学校

作業スペース

※Sy 校の小学校側は交流ホール、廊下における作業の頻度・詳細について集計 指導体制 指導方法 作業姿勢 水道の利用 学級教室との 同時利用 71.4 28.6 0 20 40 60 80 100(%) 35.7 45.5 23.8 76.2 28.6 9.5 4.5 61.9 9.5 90.5 N=21 N=22 N=21 N=21 N=21 1年 2年 3年 4年 1年2年3年 小学校 中学校 Md 校 Sy 校 学習活動 利用頻度 学習活動 利用詳細 学習活動 利用頻度 学習活動 利用詳細 学習活動 利用頻度 学習活動 利用詳細 学習活動 利用頻度 5年 6年 1年 2年 3年 4年 1年2年3年 小学校 5年 6年 中学校 指導体制 指導方法 作業姿勢 他教室との 同時利用

多目的教室

37.5 62.5 0 20 40 60 80 100(%) 73.9 21.7 12.5 50.0 4.3 37.5 84.0 16.0 N=24 N=23 N=24 N=25 8.7 91.3 0 20 40 60 80 100(%) 51.9 40.7 13.8 37.9 7.4 48.3 87.0 13.0 N=23 N=27 N=29 N=23 指導体制 指導方法 作業姿勢 他教室との 同時利用 1年 2年 3年 4年 1年2年3年 小学校 中学校 Md 校 Sy 校 5年 6年 1年 2年 3年 4年 1年2年3年 小学校 5年 6年 中学校 指導体制 指導方法 作業姿勢 他教室との 同時利用 担任のみ 一斉 立位 イス座 床座 個別 グループ TT

特別教室

月に1,2回 利用なし 不定期 毎日 週に2,3回 週に1回 ( の数は回答数) 凡例 利用頻度 利用詳細 指導体制 指導方法 作業姿勢 利用あり 利用なし 利用あり 利用なし 水道の利用 他教室 との 同時利用 指導体制 指導方法 作業姿勢 他教室との 同時利用 20.0 80.0 0 20 75.040 60 80 100(%) 25.0 75.0 25.0 75.0 25.0 N=5 N=4 N=4 N=4 75.0 25.0 0 20 40 60 80 100(%) 75.0 12.5 100.0 12.5 75.0 25.0 N=8 N=8 N=8 N=8 学習 活動 利用 頻度 生活 活動 学習 活動

(4)

      

26-4

チ空間で 75 回、昇降口付近で 139 回、Sy 校ではアプ

ローチ空間で 112 回の児童生徒の自然発生的な交流が

発生している。これには登下校時間帯では児童生徒の

視線が一方向に集中することや、両校ともにアプロー

チ空間には視界を遮る障害物が少ないことなどが理由

して挙げられる。

 CR 前の廊下について、Md 校で 5 回、Sy 校で 10 回と

Sy 校の方が Md 校よりも単方向交流、非接触交流の発

生が頻繁である。これは Sy 校は小・中学校の CR が同

階にあり、日常からお互いを意識しやすいためである

と考えられる。一方 Md 校では発生した交流の全てが

中央階段付近であり、垂直動線部分の空間が自然発生

的交流において重要な場所であることを示している。

6. まとめ

 以上より、1) 生徒の視角や教師の視界の問題から

中学校側の CR の形状には依然として従来の縦長型の

ものが求められていること、2) 各 CR に独立的に付属

する WS の形態は、他学級に気兼ねない学習活動の展

開を可能にすること、3)WS は CR と一体的・連続的な

構成をもつことで生活活動の展開に有効であること、

4)MR は固定的な家具が配置される教室では行うこと

のできない活動を行う場として定期的な利用があるこ

と、5) 机や椅子を要し、一定の広さが必要となる活

動が可能な空間が身近にない CR 付近では、SCR がそ

図 6 教師コーナーの家具配置

図 9 児童生徒の交流活動の発生時間と発生場所

図 8 交流の定義

謝辞

調査にあたり各小中学校の先生方には多大なご協力を頂きました。記して心より感謝

いたします。

注釈

1)中央教育審議会 初等中等教育分科会 学校段階間の連携・接続等に関する作業

部会「小中連携、一貫教育に関する主な意見等の整理(平成 24 年 7 月)」文部科学省

2)「児童・生徒の居合わせからみた施設一体型小中一貫教育校の学校環境に関する考察」

三上裕子 佐藤将之 西出和彦 新保幸一 長澤悟

図 7 設定されている交流活動の場所と頻度

正門 挨拶運動 挨拶運動 避難訓練 委員会活動 (体育) 避難訓練 委員会活動(給食、配膳室) 避難訓練 避難訓練 部活動壮行会 卒業式見送り 始・終業式 いじめ防止月間活動 交流けいどろ大会 始・終業式 合唱コンクール 合唱コンクール見学 立志式 部活動体験 部活動体験 委員会活動(図書) 委員会活動(図書) 交流給食 音楽鑑賞会 ハロウィン パーティ 体育館(小) 図書室 遊具広場 グラウンド(共用) 体育館(中) Md 校 Sy 校 学級教室 その他特別教室 その他 ランチルーム 毎日内の文字:活動名3,4 回 / 週 1,2 回 / 週 1,2 回 / 月 3,4 回 / 年※アンケートより集計1,2 回 / 年 凡例 または 児童生徒のどちらかが一方的に相手に向けて行動を起こす関わり方。例 ) 視線を送る、行動を真似る、こっそり後ろをついていく等 児童生徒の双方がお互いに向けて行動を起こすような関わり方のうち、 特に身体的接触を伴わない形の関わり方。 例 ) 手を振る、会話する、呼び掛けに応える等 児童生徒の双方がお互いに向け行動を起こすような関わり方のうち、 特に身体的接触を伴う形の関わり方。 例 ) ハイタッチ、頭をなでる、抱きつく等 単方向交流 双方向交流 非接触交流 接触交流 3 階教師コーナー (小学 1 ・ 6 年生) 4 階教師コーナー (小学2・ 3 ・ 4 ・ 5 年生) 5 階教師コーナー (中学 1 年生・2年生) 6 階教師コーナー (中学 3 年生) 1 0 5 10m N 3 階

Md

Sy

4階 5階 6階 中学校 中学校 小学校 小学校 c c c c c c c cc c c c a a b b b b b b b f a abbb b b b b b b c c c d cd d e f a b b b b a b b e b b d d d c c c f a a a b b b b c c c c c c c c c f 凡例 a bbb b bbb f f bb b b b b b f f d d a a a 4 階教師コーナー (小学 1 ・ 6 年生、中学 3 年生) 5 階教師コーナー (小学2・ 3 年生、中学2年生) 6 階教師コーナー (小学 4 ・ 5 年生、中学 1 年生) bbb bbbb b e a f f N 机 a b椅子 c棚 dプリンター パーテーション e f 備付け棚 家具配置 教師の意識 あまり必要でない 必要でない 必要 やや必要 Md 校 Sy 校 どちらでもない (  の数は回答数) 4 階 5 階 6 階 中学校 小学校 中学校 小学校 中学校 小学校 小計 計 空間 時間 Sy 校 アプローチ空間 昇降口付近 CR 階廊下 図書室 遊具広場 凡例 調査日時 単方向交流 非接触交流 接触交流

153

発生回数 Md 校 Sy 校 交流種類 登校時間 昼休み 下校時間 小計

72

40

41

112

24

10

7

0

10/9( 金 ) 晴れ  11/5( 木 ) 晴れ  11/17( 火 ) 雨  11/25( 水 ) 曇り 12/7 ( 月 ) 晴れ 20 35 7 3 7 7 4 1 5 5 1 5 4 1 4 2 1 23 11 4 2 1 1 回 30 回 60 回 小計 計 空間 時間 Md 校 アプローチ空間 昇降口付近 CR 階廊下 図書室 遊具広場

117

61

75

253

75

139

5

27

7

10/7( 水 ) 晴れ  11/2( 月 ) 晴れ  11/11( 水 ) 曇り  11/24( 火 ) 曇り 12/3( 木 ) 曇り 1 2 2 27 23 4 27 29 7 6 15 8 3 2 22 11 64 13 25 9 1 6 登校時間 昼休み 下校時間 小計

のような本来の用途とは異なる活動での利用がなされ

る傾向にあること、6)高層階にある中学校部分では

授業準備作業の効率化や教科担任制といった中学校特

有の問題から特に TS の需要が高いこと、7)視界を遮

る障害物が少なく互いを認知しやすい小・中学校共用

の空間では児童生徒の自然発生的な交流が起こりやす

いこと、8)特に CR 階廊下においては小・中学校の教

室構成の違いが児童生徒の自然発生的な交流活動の頻

度や場所に影響を与えていることが明らかになった。

参照

関連したドキュメント

・学校教育法においては、上記の規定を踏まえ、義務教育の目標(第 21 条) 、小学 校の目的(第 29 条)及び目標(第 30 条)

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