褥瘡
の
局所治療
褥瘡
褥瘡予防・管理ガイドラインに基づく
の
局所治療
滋賀医科大学 医学部附属病院 皮膚科 准教授立花 隆夫
先生「科学的根拠に基づく褥瘡局所治療ガイドライン」
(2005年)の改訂版として、日本褥瘡学会は
2009年2月に「褥瘡予防・管理ガイドライン」を公表した。これは従来のガイドラインの内容を更新す
ると共に、発生前の予防と発生後のケアを追加することで、褥瘡の予防から治療にいたる一貫した
褥瘡対策の指針を目指したものである。また、この新しいガイドラインの中では、2002年版DESIGN
褥瘡経過評価用に予測妥当性を持たせたDESIGN-Rが紹介されている。
ここでは、DESIGN-R(2008年改訂版DESIGN褥瘡経過評価用)を紹介すると共に、
「褥瘡予
防・管理ガイドライン」の内容を中心に褥瘡の局所治療に焦点を当てて解説する。
DESIGN-Rについて
褥瘡の状態を、その深さ(D)、滲出液(E)、大きさ(S)、炎症/感染(I)、肉芽組織(G)、壊死組織(N)、ポケット(P)の7項目で評価 する判定スケールであり、その重度、軽度を大文字、小文字で表した褥瘡重症度分類用と、治癒過程をモニタリングできるように数量 化した褥瘡経過評価用の2種類がある。また、DESIGNはアセスメントツールとして我が国の臨床現場に定着しているが、2002年版 DESIGN褥瘡経過評価用は予測妥当性をもっていない。すなわち、点数自体に重み付けがされていないため20点の褥瘡と15点の褥瘡 を比べて15点の褥瘡の方が軽症、あるいは、治癒期間が短いということではない。 2002年版DESIGN褥瘡経過評価用の改訂版として、予測妥当性を併せ持ったDESIGN-R(Rはrating:評価・評点の頭文字)が 2008年11月に公表された【表1】。また、深さ以外の6項目から個々の重み得点を導き出すことで、個々の褥瘡がよくなったか悪くな ったかの評価ができるだけでなく、患者間の重症度を比較することも可能になった。 DESIGN-R(2008年改訂版DESIGN褥瘡経過評価用)では深さの数値は重み値には関係しないが、2002年版DESIGN褥瘡経過評 価用と同様に、たとえば真皮までの損傷をd2、皮下組織までの損傷をD3と表記する。それ以外の項目の記載法は、滲出液が0点から6 点、大きさが0点から15点、炎症/感染が0点から9点、肉芽組織と壊死組織が0点から6点、ポケットが0点から24点までの重み得点 で表記する。 これら6項目の合計点の0点から66点までの総点がその創の重症度を表しており、DESIGN-Rでは 「 d(もしくはD )◯ - e(もしく はE)◯ s(もしくはS)◯ i(もしくはI)◯ g(もしくはG)◯ n(もしくはN)◯ p(もしくはP)◯:◯◯(点)」と表記する。なお、「点」は入 れても入れなくてもよい。「D」と「ESIGNP」の間に「-(ハイフン)」を入れることで、2002年版DESIGN褥瘡経過評価用の表記との区 別化を図っている。また、Dの数値とESIGNPの点数の下付き表記が煩雑であれば通常表記にしてもよい。 2002年版DESIGN褥瘡経過評価用のD5から「判定不能例」を分離し、新たに判定不能(unstageable )の頭文字をつけたDUの カテゴリーを追加することで、深さの項目を6項目から7項目としている。これにより、従来より指摘されていたD5の中に軽症例が 紛れ込むことはなくなると共に、いつからDTI (Deep Tissue Injury)の表面皮膚の障害が生じたかなども分かるようになった。また、 2002年版DESIGN褥瘡経過評価用ではポケットがない場合は何も記載しなかったが、DESIGN-Rではポケットなしの場合を「p0」と している。なお、名称は「DESIGN-P」ではなくこれまで通り「DESIGN」のままである。 褥瘡経過評価用がDESIGN-Rに移行しても2002年版DESIGN褥瘡重症度分類用はそのまま継続するので、DESIGN-R右段のアル ファベットはこれまで通り大文字表示、左段は小文字表記としている。また、大文字あるいは小文字表記により、深い褥瘡(D)の治療方 針、すなわち、「深さ以外の項目の中で特に大文字のものに注目し、それを小文字に変えていく」ことがより明確となる。DESIGNとは
DESIGN-Rとは
DESIGN-Rのつけ方
DESIGN-Rの特徴
【表1】 DESIGN-R 褥瘡経過評価用 月日 / Depth 深さ 創内の一番深い部分で評価し、改善に伴い創底が浅くなった場合、これと相応の深さとして評価する d 0 皮膚損傷・発赤なし D 3 皮下組織までの損傷 4 皮下組織を越える損傷 1 持続する発赤 5 関節腔、体腔に至る損傷 2 真皮までの損傷 U 深さ判定が不能の場合 Exudate 滲出液 e 0 なし E 6 多量:1日2回以上のドレッシング交換を要する 1 少量:毎日のドレッシング交換を要しない 3 中等量:1日1回のドレッシング交換を要する Size 大きさ 皮膚損傷範囲を測定:[長径(cm)×長径と直交する最大径(cm)] s 0 皮膚損傷なし S 15 100以上 3 4未満 6 4以上16未満 8 16以上36未満 9 36以上64未満 12 64以上100未満 Inflammation / Infection 炎症/感染 i 0 局所の炎症徴候なし I 3 (炎症徴候、膿・悪臭など)局所の明らかな感染徴候あり 1 (創周囲の発赤、腫脹、熱感、 痛 )局所の炎症徴候あり 9 全身的影響あり(発熱など) Granulation tissue 肉芽組織 g 0 治癒あるいは創が浅いため肉芽形成の評価ができない G 4 良性肉芽が創面の10%以上50%未満を占める 1 良性肉芽が創面の90%以上を占める 5 良性肉芽が創面の10%未満を占める 3 良性肉芽が創面の50%以上90%未満を占める 6 良性肉芽が全く形成されていない Necrotic tissue 壊死組織 混在している場合は全体的に多い病態をもって評価する n 0 壊死組織なし N 36 柔らかい壊死組織あり硬く厚い密着した壊死組織あり Pocket ポケット 毎回同じ体位で、ポケット全周(潰瘍面も含め)[長径(cm)×長径と直交する最大径(cm)]から潰瘍の大きさを差し引いたもの p 0 ポケットなし P 6 4未満 9 4以上16未満 12 16以上36未満 24 36以上 部位[仙骨部、坐骨部、大転子部、踵骨部、その他〈 〉] ※深さ(Depth:d,D)の得点は合計点には加えない。 合計 72歳、女性の仙骨部褥瘡【図1】:深さは「皮下組織までの損傷」でありD3、また、滲 出液は「中等量」の3点、大きさは「5.5cm x 2.5cm = 13.8cm2」の6点、炎症/感染 は「炎症徴候なし」の0点、肉芽組織は「貧血気味の不良肉芽が半分以上を占める」ため 4点、壊死組織は「ない」ので0点、ポケットは「7.9cm x 4.3cm - 5.5cm x 2.5cm = 20.2cm2」の12点であり、D3-e3s6i0G4n0P12:25(点)となる。なお、2002年版 DESIGNではD3e2s2i0G3n0-P3:13(点)である。 DESIGN-Rの総点が20点から10点に要した期間から10点から治癒までの期間は推測できない。10点同士の褥瘡は治癒期間が同 じではない。また、総点20点の褥瘡は総点10点の褥瘡に比べ2倍重症あるいは2倍の治療期間を有することにはならない。すなわち、 DESIGN-Rの分析データは全身状態や治療法などを統一していないすべての褥瘡を対象としたものであり、さらには、解析方法が経過 中にDESIGNの最高点を記録した日と治癒した日(あるいは最終観察日)の2点のみから予測妥当性を検討したものであるため、比尺 度ではあっても相対的な重症度しか表していないことに注意する。
DESIGN-Rの限界
DESIGN-Rを用いた創評価の実際
【図1】72歳、女性の仙骨部褥瘡褥瘡治療について
その基本方針は、適度の湿潤環境を保ちながら創部を保護することである。 慢性期褥瘡の局所治療を始める際、まずその褥 瘡の深さが真皮までとどまる「浅い褥瘡」(d )で あるのか、それとも真皮を越えて深部組織にまで 及ぶ「深い褥瘡」(D)であるのかを判断する。なお、 「浅い褥瘡」の治療方針は急性期褥瘡と同じであ るが、「深い褥瘡」では、壊死組織を除去した上で (N→n)、肉芽形成を促進し(G→g)、さらに創の 縮小、閉鎖を目指す(S→s)。また、各々の段階で、 感染、滲出液過多やポケット形成があれば、それ を抑制、解消あるいはなくすような局所治療を選 択する(I→i、 E→e、 P→-)【図2および表2】。急性期褥瘡の局所治療
慢性期褥瘡の局所治療
N
→
n
(壊死組織の除去)
G
→
g
(肉芽形成の促進)
S
→
s
(創の縮小) これらの要素については、大文字 のものがあれば、適宜それを小文 字に、あるいは、それをなくすた めの治療を最優先に考える。
I
E
P
→
→
→
i
e
-【図2】慢性期の深い褥瘡における局所治療の基本スキーム (日本褥瘡学会編:褥瘡予防・管理ガイドライン、照林社、東京、2009より引用) 項 目 推 奨 推奨度 発赤にはどのような外用薬 を用いたらよいか 創面保護が大切であり、創面が観察できるドレッシング材での被覆を第一選択とするが、外用薬ではアズレン、酸化亜鉛を使用してもよい。 C1 発 赤にはどのようなドレッ シング材を用いたらよいか 創面保護を目的として、ポリウレタンフィルムを用いてもよい。 C1 仮に真皮に至る創傷へ移行する恐れのある発赤や周囲皮膚の損傷が危惧される場合には、機能別分類 A の透明で薄いハイドロコロイドも選択肢として考慮してもよい。 C1 水疱の場合にはどのような 外用薬を用いたらよいか 水疱は破らずそのまま、破れたときにはドレッシング材による被覆を第一選択とするが、外用薬では創の保護目的にアズレン、酸化亜鉛を使用してもよい。 C1 水疱の場合にはどのような ドレッシング材を用いたら よいか 水疱は破らずそのままにし、創面保護を目的として、ポリウレタンフィルムを用いてもよい。 C1 機能別分類 Aの透明で薄いハイドロコロイドを用いてもよい。 C1 びらん・浅い潰瘍にはどの ような外用薬を用いたらよ いか 創面が観察できるドレッシング材での被覆を第一選択とするが、外用薬では創面保護を目的にアズレン、 酸化亜鉛を用いてもよい。 C1 上皮形成促進を期待して塩化リゾチーム、ブクラデシンナトリウム、プロスタグランジンE1を用いてもよい。 C1 びらん・浅い潰瘍にはどの ようなドレッシング材を用 いたらよいか 保険適用のある機能別分類 Aのハイドロコロイド、キチン、ハイドロジェルのシートタイプで潰瘍周囲の 健康な皮膚面を含めて被覆してもよい。 C1 機能別分類 B1のハイドロコロイド、ハイドロポリマー、ポリウレタンフォーム、キチン、ハイドロジェルを 使用してもよいが保険適用外である。 C1 浅い褥瘡(d)の場合(発赤、水疱、びらん・浅い潰瘍の治療 )治療の基本は創を保護しつつ病期と創の深さを考慮したwound bed preparationとmoist wound healingを心掛けることであり、 急性期と慢性期に分けて対処する。また、褥瘡が生じた場合には、局所治療を考える前に褥瘡の発生原因を追及することが重要である。 除圧不足だったのか、ずれが加わっていたのか、あるいは全身状態や栄養状態の悪化が引き金になったのかなどを考え、まずこれらの 褥瘡発生原因を徹底して除去することが重要である。特に全身状態の安定化は、急性期の褥瘡治療には不可欠である。
推奨度 C2 C1 B A:行うよう強く勧められる。B:行うよう勧められる。 C1:行うことを考慮してもよいが、十分な根拠*がない。C2:根拠*がないので、勧められない。 *根拠とは臨床試験や疫学研究による知見を指す。D:行わないよう勧められる。 ド レ ッ シ ン グ 材 外用薬 外科的 治療 物理療法 消毒 ・ 洗浄 Necrotic tissue (壊死組織) N → n Inflammation /Infection (炎症/感染) I → i Granulation tissue (肉芽形成) G → g Exudate (滲出液) E → e Size (大きさ) S → s Pocket (ポケット) P → -【表2】 慢性期の深い褥瘡(D)に対するDESIGNに準拠した局所治療及び消毒、洗浄の選択 アズレン アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート 塩化リゾチーム 酸化亜鉛 スルファジアジン銀 カデキソマー・ヨウ素 デキストラノマー デキストラノマー トラフェルミン(フィブラスト®スプレー) トレチノイントコフェリル フィブリノリジン・ デオキシリボヌクレアーゼ 配合剤 トレチノイントコフェリル ポビドンヨード・シュガー ブクラデシンナトリウム プロスタグランジンE₁ ポビドンヨード ブロメライン ヨードホルム ポビドンヨード・シュガー 幼牛血液抽出物 硫酸フラジオマイシン・トリプシン アルギン酸塩 キチン ハイドロコロイド ハイドロジェル ハイドロジェル ハイドロファイバー® 「銀含有製材」 ハイドロポリマー ポリウレタンフォーム 観血的創閉鎖 外科的デブリードマン ポケット切開 陰圧閉鎖療法 高圧酸素療法 光線療法 水治療法 電気刺激療法 水治療法 電気刺激療法 消毒 生理食塩水、蒸留水などによる洗浄 圧洗浄、十分な量を用いた洗浄 温めた洗浄液 ポケット内の洗浄
項 目 推 奨 推奨度 壊 死 組 織 の 除 去 N を n に す る 外科的デブリードマンは どのように行えばよいか 壊死組織と周囲の健常組織との境界が明瞭となった時期に外科的デブリードマンを行ってもよいが、事前の全身状態をよく評価してから行うようにする。 C1 どのような外用薬を用い たらよいか 壊死組織除去作用を有するカデキソマー・ヨウ素、デキストラノマー、フィブリノリジン・デオキシリボヌクレアーゼ配合剤、ブロメライン、スルファジアジン銀、硫酸フラジオマイシン・トリプシンを用いてもよい。 C1 どのようなドレッシング材 を用いたらよいか 適切な時期を選んだ外科的切除、壊死組織除去作用を有する外用薬の使用を第一選択とするが、これらの選択 が難しい場合には、自己融解作用により壊死組織除去環境を創に形成する機能別分類B2のハイドロジェルを 使用してもよい。 C1 どのように洗浄を行えば よいか 創傷の処置を行う際には洗浄を行う。洗浄液は、消毒薬などの細胞毒性のある製品の使用は避け、生理食塩水ま たは蒸留水、水道水を使用してもよい。 C1 創傷表面の壊死組織や残留物等を除去するために圧をかけて行ってもよい。 C1 創傷表面から壊死組織や残留物等を除去するために十分な量を用いて行ってもよい。 C1 [ポケットのある場合]ポケット内部の壊死組織や残留物等を除去するために十分な圧をかけて行ってもよい。 C1 どのような物理療法があ るか 外科的切除、壊死組織除去作用を有する外用薬の使用を第一選択とするが、付加価値のある物理療法として水 治療法を行ってもよい。 C1 電気刺激療法を行ってもよい。 C1 肉 芽 形 成 の 促 進 G を g に す る どのような外用薬を用い たらよいか 肉芽形成促進作用を有するアルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート、トレチノイントコフェリルを推奨する。 B 塩化リゾチーム、トラフェルミン(フィブラストⓇスプレー)、ブクラデシンナトリウム、プロスタグランジンE1、 幼牛血液抽出物を用いてもよい。 C1 どのようなドレッシング材 を用いたらよいか 湿潤環境形成により肉芽形成を阻害する要因を排除し、自然な肉芽形成を助長するハイドロコロイド、ポリウ レタンフォーム、キチン、ハイドロポリマーを使用してもよい。 C1 過剰な滲出液を吸収し肉芽組織形成環境を創面に保持するアルギン酸塩、ハイドロファイバーⓇ(銀含有製材を 含む)を使用してもよい。 C1 創 の 縮 小 S を s に す る どのような外用薬を用い たらよいか 創の縮小作用を有するアルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート、トラフェルミン(フィブラストⓇスプ レー)、ブクラデシンナトリウム、プロスタグランジンE1を推奨する。 B 塩化リゾチーム、アズレン、酸化亜鉛、幼牛血液抽出物を用いてもよい。 C1 どのようなドレッシング材 を用いたらよいか 創からの滲出液を吸収し、創に適切な湿潤環境を形成するアルギン酸塩の使用を推奨する。 B ハイドロコロイド、ハイドロジェル、ハイドロポリマー、ポリウレタンフォーム、キチン、ハイドロファイバーⓇ (銀含有製材を含む)を創からの滲出液の程度により選択し使用してもよい。 C1 どのような場合に外科的 治療を行えばよいか [手術適応について]深さが、皮下組織以上に及ぶときには外科的治療(手術療法)を考慮してもよい。[手術時期について]感染が鎮静化しているときに外科的治療(手術療法)を行うことを考慮してもよい。 C1C1 どのような物理療法があ るか 電気刺激療法を推奨する。 B 陰圧閉鎖療法を行ってもよい。 C1 光線療法(近赤外線あるいは紫外線)を行ってもよい。 C1 水治療法を行ってもよい。 C1 高圧酸素療法を行ってもよい。 C1 感 染 ・ 炎 症 の 制 御 I を i に す る どのような外用薬を用い たらよいか 感染抑制作用を有するカデキソマー・ヨウ素、スルファジアジン銀、ポビドンヨード・シュガーを推奨する。ポビドンヨード、ヨードホルム、硫酸フラジオマイシン・トリプシンを用いてもよい。 C1B どのようなドレッシング材 を用いたらよいか 感染抑制作用を有する外用薬の使用を推奨する。もしくは、銀含有のハイドロファイバー Ⓡを使用してもよい。 C1 滲出液が多い場合に吸収性の高いアルギン酸塩が用いられることもあるが、感染制御の機能はない。 C2 消毒は必要か 洗浄のみで十分であり、通常は必要ないが、明らかな創部の感染を認め、滲出液や膿苔が多いときには洗浄前に消毒を行ってもよい。 C1 どのように洗浄を行えば よいか 洗浄液は、消毒薬などの細胞毒性のある製品の使用は避け、生理食塩水または蒸留水、水道水の使用を推奨する。 B 創傷表面の壊死組織や残留物等を除去するために圧をかけて行ってもよい。 C1 創傷表面から壊死組織や残留物等を除去するために十分な量を用い、創傷の深さや面積に応じて調整して行ってもよい。 C1 洗浄液の温度は、体温程度に温めて使用してもよい。 C1 どのような場合に外科的 治療を行えばよいか 膿汁や悪臭、あるいは骨髄炎を伴う感染創には、外科的デブリードマンを行うことを考慮してもよい。 C1 どのような物理療法があ るか 電気刺激療法を行ってもよい。 C1 滲 出 液 の 制 御 E を e に す る どのような外用薬を用い たらよいか 滲出液吸収作用を有するカデキソマー・ヨウ素、ポビドンヨード・シュガーを推奨する。デキストラノマーを用いてもよい。 C1B どのようなドレッシング材 を用いたらよいか ドレッシング材は滲出液を減少させる効果はない。そのため、過剰な滲出液を吸収保持し、創面の湿潤を保ち周 囲皮膚の浸軟予防が可能なドレッシング材であるポリウレタンフォームを推奨する。 B 機能別分類B1、Cのキチン、ハイドロファイバーⓇ(銀含有製材を含む)、アルギン酸塩を使用してもよい。 C1 ポ ケ ッ ト の 解 消 P を な く す どのような外用薬を用い たらよいか ポケット内に壊死組織が残存する場合は、まず創面の清浄化を図る。また、滲出液が多ければポビドンヨード・ シュガーを用いてもよい。 C1 少なければトラフェルミン(フィブラストⓇスプレー)、トレチノイントコフェリルを用いてもよい。しかし、 改善しなければ、外科的治療あるいは物理療法を検討する。 C1 どのようなドレッシング材 を用いたらよいか 残存する壊死組織の融解排除を促進させ、肉芽形成を助長させるドレッシング材を使用する。滲出液が多けれ ばアルギン酸塩、ハイドロファイバーⓇ(銀含有製材を含む)を使用してもよい。なお、ポケット内にドレッシン グ材を深く挿入したり、圧迫するような用い方にならないように注意する。また、壊死組織が残存する場合はデ ブリードマンを優先する。 C1 どのような場合に外科的 治療を行えばよいか 保存的治療を行って改善しないポケットは、外科的に切開することを考慮してもよい。 C1 どのような物理療法があ るか ポケット内に壊死組織がない場合には、前後壁を接着させる目的で陰圧閉鎖療法を行ってもよい。 C1 深い褥瘡(D)の場合 (日本褥瘡学会編:褥瘡予防・管理ガイドライン、照林社、東京、2009より引用 )