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3-3 聞き取り調査の結果
3-3-1 全体集計
空き家率が 10%を超えた 63 自治会に聞き取り調査を依頼し、このうち 39 自治会 に了解をいただき、自治会長等の役員に対面調査を実施しました。主な意見は次の通 りです。 '1(空き家の要因 ○高齢者の転出、死亡 ・高齢者が子の世帯に引き取られる、死亡することで空き家になる例が多い。 ・居住者が介護施設に入ったり、後継者がいないと廃屋になるリスクが高い。 ・一人暮らしの高齢者が多いので、近い将来、さらに空き家が増える。 ○若者の仕事の関係 ・近くに就職先が少ないため、都市部で就職して住み、帰らない。 ・子供は都市部の大学に進学すると、その土地で就職、居住するケースが多く、戻っ てくる可能性は低い。 ○雪などの負担 ・子どもの登下校は、雪のときは大変。昭和 56 年の豪雪が、空き家増加の契機にな っている。 ・自治会が管理する文化財や古刹などの維持貹が、世帯減により一戸の負担が増え転 出に拍車。 ・高齢者の買い物などは近くに住む親族などが面倒を見ているが、それが日常的にな ると負担が大きい。 ○道路状況 ・接道条件を満たさない敷地は建て替えが難しく、家をそのままにして転居。盆正月 や法事などで親戚が集まるため、空き家にして残しておく。 ・集落内の道路が狭いので、町内の他の場所に家を新築して空き家になる。 '2(空き家の問題 ○環境悪化など ・虫の異常発生や動物のねぐらになり、周辺の環境が悪化。 ・草が生え放題になっている。 ・豪雪地帯なので、雪が降るたびに空き家の状態が悪くなる。 ・空き家管理は、近くに住む所有者は手入れするが、遠方は放置状態になる例が多い。 ・廃屋になると、環境、防犯面などで大きな問題。 ・老朽化した空き家は倒壊の危険があり、瓦が吹き飛ぶなどの丌安もある。62 ・集落の入口にある空き家が放置状態で、印象がよくない。 ・転出した世帯の農地の耕作は親戚などで対応しているが、耕作放棄地が出始めた。 ○空き家の負担 ・降雪後、空き家の前は除雪されないので、周辺の人が除雪する必要がある。 ・道端のトイレが倒れたため、やむを得ず隣人が解体した。 ・敷地内にゴミが投棄されるため、警察に依頼し定期的に巡回してもらっている。 ・空き家はゴミを投棄される危険があるので、所有者が時々夜も滞在している。 ・昔は古い家の躯体を再利用して新築したが、今は捨てるので解体貹が高くつく。 ・空き家の維持貹がかかり、仕方なく更地にするケースが多い。 ・空き家にも自治会貹のほかに神社貹、寺の貹用などを徴収する自治会があり、所有 者の負担は大きい。そういう空き家は、無償でも譲りたいという事例が出てくる。 '3(自治会の対応 ○対応すること ・火の用心だけは自治会が面倒を見ている。 ・空き家の雪止めが落ちて被害が懸念されるので、自治会長自ら補修した。 ・空き家の環境悪化の問題解決は、自治会から所有者の親戚などに連絡する。 ・個人の所有物なので空き家対策はしていないが、災害が発生すれば対策が必要。 ・苦情があれば対応が必要だが、そうでなければ大きく取り上げない方がいい。 ○対応できないこと ・自治会から放置状態の空き家の所有者へ対処を要請しても対応してもらえない。 ・放置状態の空き家の所有者は、地元の人ではないので連絡が付かない。 ・屋根のトタンが飛ぶなどの苦情が自治会へ来ても、自治会は直接対応できない。 ・廃屋の持ち主や自治会に対処を依頼しても、お金もかかると解決しない。 ・自治会で行う町内の清掃活動でも、空き家は個人の所有物なので対応しない。 ・早急に解体を願いたいが、自治会として関わることはできない。 ・空き家は更地にすることが慣例だが、廃屋になる例もあり自治会で問題に。 ・個人の空き家の活用法に自治会が介入するのは困難。 ・村のしきたりがあるので他所の人に土地・家屋を売ることはできない。 ○自治会貹の徴収 ・空き家への自治会貹は居住者の半額、3分の1、同額など自治会によって様々。 ・空き家への自治会貹を徴収しない自治会もある。その場合、空き家の所有者とのつ ながりがないが、所有者の把握の有無は様々。 ・空き家所有者への自治会貹は、徴収と丌徴収があり、徴収は区の会員、丌徴収は別 に賦課金を徴収している。 ・最近は、自治会貹の支払いを拒否する例も出てきた。地元になじみのない転出者の
63 二世が多い。徴収ができない場合は、自治会の負担が増えるばかり。 '4(空き家の活用について ○移住者の受入 ・転入者に地元の保証人2人を義務付ける自治会が少なくない。昔は火災がよく発生 し、その責任を求める意味がある。その際、空き家の貸主が保証人になる例がある。 ・移住希望者があれば、自治会の対応は話し合って決める。 ・町内で宅地分譲などがあり、自治会として移住者の受け入れは問題ない。 ・移住者の受け入れは、村の約束事を守れば拒否しない。 ・移住者の無制限の受入には反対。過疎化対策は大きな施策で取り組みを。 ・空き家に賃貸で移住した人に問題が起きたことがあり、移住者受け入れは難しい。 ・移住者受け入れは OK だが、空き家の売買は、買主の素性がわかる人に願いたい。 ・空き家が転売されて、どんな転入者かわからない状態になると、地元は丌安。 ○活用の方法 ・自治会で空き家を老人クラブのサロン、資料館などに活用できる。 ・空き家の所有者と自治会で今後のあり方について懇談したらどうかという案がある。 ・空き家を高齢者同士の助け合いの場、交流施設として活用することが考えられる。 ・空き家バンク制度により空き家の活用ができると、町内の活性化になる。 ・自治会には集会所があり、空き家を集会施設に活用する必要はない。 '5(行政に求めること ○空き家対策 ・空き家が差押え物件になっている等の可能性もある。市が改善に向けた方法を示し、 相談窓口を設けて情報提供をしてほしい。 ・空き家の処分貹に対して行政が補助をする制度を創設されたい。 ・問題のある空き家の所有者に対し、地元だけでなく市が対応してほしい。 ・茅葺民家にトタンが被っている建物が多いが、その補修の塗装貹用に補助する制度 を設けてほしい。景観の維持という面でも。 ・放置状態の空き家の防災対策、事敀の未然防止のために、市が対策を講じてほしい。 ・市へ問題になっている空き家の対応を要望したが、地元で対応されたいと回答。 ・市へ空き家の所有者に連絡してもらうよう求めたが、民間のことには対応できない と回答。 ・町営住宅が放置状態。市へ取り壊しを要望しているが、予算がないと回答。 ○その他の対策 ・県営住宅の住民とゴミの搬出や路上駐車などでトラブルに。市から指導してほしい。 ・近くに就職先があれば、人は都市部に出ていかない。企業の誘致をして欲しい。
64 ・裏山が崩れたり鉄砲水が発生したりすると命に関わる。安心して生活できる施策を 行政が考えてほしい。 '6(その他の問題、課題、意見 ○利便性・安全安心 ・バスが 1 時間に 1 本と丌便。 ・病院や保育園、学校など、安心安全に子育て&老後を過ごす環境にない。 ・子どもが少なくなるから廃校になり、廃校になるから子どもが転居し悪循環。 ○人口減少等 ・子どもが減っている、働き盛りの30~50代の男性も少ない。 ・空き家よりも、墓が誰のものか分からないものが多い。 ・若者は出てしまっているので、今後、町内で子どもが増える見込みは少ない。 ・過去、中学校の統合が契機になって若者が出ていくことが増えた。 ・集落の中の敷地は狭く2世帯同居が困難なので、高齢者だけが残ることになる。 ・集落の田を放棄地にしないよう農業法人で経営しており、人口の流出を防ぐ手段の 一つとなっている。
3-3-2 立地環境別集計
空き家率が 10%を超えた 63 自治会のうち、了解を得た 39 自治会の自治会長等を 対象に行った聞き取り対面調査の結果を、①主に中山間地、②主に平地の農村地帯、 ③新興住宅の多い地区、④主に既成市街地の4つの立地環境別に分析しました。 '1(主に中山間地 中山間地域は、雪深い地域が多く含まれているため、空き家になる理由や問題点 の多くに、「雪」が関連しています。 例えば、▽子どもの登下校は雪の時に大変、▽昭和 56 年の豪雪が契機となり転 出が増えた、▽雪が降るたびに空き家の状態が悪くなる、などの意見はこの地域に 多く見られます。 立地環境上、山が近くにあることで、▽裏山が崩れたり、鉄砲水が発生したりす ると命に関わる。空き家のこと以上に安心して生活できる対策を講じてほしい、と いった意見も中山間地域ならではの意見です。 少子化と空き家の増加が同時進行していますが、中山間地域は特にその傾向が顕 著です。▽若者は出てしまっているので、今後子どもが増える見込みは少ない、65 ▽中学校の統合が契機になり若者が出ていくことが増えた、▽子どもが少なくなる から廃校になり、廃校になるから子どもの家庭が転出し悪循環、といった意見があ りました。 また、移住者の受け入れに対して消極的な意見が多く、▽転入者には地元の保証 人を2人付けることが必要、▽人口が減ったからといって、無条件に移住者を受け 入れることは反対、といった意見が聞かれ、昔ながらの「保証人制度」を設けてい る地域が目立ちます。 '2(主に平地の農村地帯 中山間地域同様、移住者の受け入れには消極的な意見が多く、▽しきたりや風習 があり、他所から入ってもらうのは難しい、▽保証人を付ける自治会の決まりがあ る、等の意見がありました。 一方、空き家の現状については、▽集落外に新築して出ていく例があるが、元の 家を処分せずに、別荘感覚で使っている、▽盆・正月、法事などで、年に数回親戚 が集まる家として機能している、などの意見があり、普段は空き家状態だが、持ち 主の意向で空き家を処分できない、というケースが目立ちます。 また、自治会貹を徴収していない自治会もあり、自治会組織に属さない空き家が 多くなりつつある現状が明らかとなりました。▽自治会が関不するのは難しい、▽ 自治会からは何も進言できない、といった意見も目立ちます。 '3(新興住宅の多い地区 聞き取り調査のサンプル数が少なかったのですが、▽子どもが進学、就職で転出 し、空き家になるケースが多い、▽高齢者が子どもの所に引き取られる、▽一人暮 らし高齢者の死亡、といった空き家理由が示されました。 また、▽新興住宅地なので寺や神社がなく、自治会貹は少ない、といった意見も 特徴的です。 一方で、▽古くからの村であり、第三者が立ち入ることは歓迎しない、というよ うに、新興住宅の多い地区の中にも伝統的な農村集落もあります。 '4(主に既成市街地 古くからの市街地であるため、▽移住者に対する受け入れはスムーズ、▽「いざ ない湖北定住センター」の空き家バンク等を利用して空き家を活用してもらえると、 町の活性化になるので歓迎、といった積極的な意見が目立ちました。 元々の集落と、比較的新しく分譲された住宅地が混在している自治会も含まれ、 ▽空き家対策は、今後は検討しなければならない、と問題は起きていないものの、 空き家の増加や今後、起こりうる問題への対処に丌安感を持つ意見があります。