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福島県南湖における流動特性に関する試計算

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Academic year: 2022

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福島県南湖における流動特性に関する試計算

日本大学工学部土木工学科 学生会員 ○仙波 隆義 日本大学工学部土木工学科 正会員 金山 進

1.研究背景と目的

福島県白河市に位置する南湖は、公園型の湖沼と して市民の憩いの場となっているが、近年、水草の過 剰繁茂や底送貧酸素化が問題となっている。環境改 善方策を検討するためには、栄養塩や溶存酸素の移 流拡散に寄与する湖内の流動特性を把握することの 意義は小さくない。南湖には河川流入がなく,灌漑期 を中心に流入出する農業用水が平時の湖内流速場を 形成する停滞性の水域であるが、強風時には吹走流 による比較的大きな流れを生じることがある。本研究で は、湖内の物質移動の評価に役立てるべく流況評価 手法の確立へ向けた検討の一環として,若倉

(2016)による流速定点観測データに基づい て吹走流シミュレーションの照査を行ったもので ある。

2.研究概要

秋山(2016)の計算では風向きを南南西,風

速を3.5m,風が吹く時間を同方向に12時間前

後と定めていたが,本研究では白河のアメダス の実測データを用いての吹送流の計算を行い,

実際の平成27年7月から10月までの流速デ ータから風速が大きくなった時刻から前7時間,

後 6 時間のデータを 9 ケースを選び表層,第 2 層の流速値と流向を実測値と比較を行い,考 察を行う。

さらに平成 28 年のアメダスデータと 高橋 (2016)による流入出調査結果を用いて,それに より濃度変化がどのようになるのかを検証した。

3.結果と考察 3.1 風と流れの関係

図‐2に地点3の,図‐3に地点7の流速,流向,

の計算結果と実測値およびアメダスの風速,風 向の値を示す。

キーワード: 吹走流、多層モデル、南湖

連絡先: 〒963-8642福島県郡山市田村町徳定字中河原1、[email protected] 図‐1 測定地点

図‐2 地点3の1時間ごとの風と流れの変化(9月11日) (1)風速および流速ベクトル

(2)流速値

(3)流向

II-22

土木学会東北支部技術研究発表会(平成28年度)

(2)

各図の(1)は風と水流のベクトルの推移を1時間 ごとに示したものである。図の上部はアメダスデ ータの風速と風向を表しており,5m/s を基準とし て表し,下部は流速と流向を水深0.1mから0.2m ごとの 9 層分の計算結界を真上から垂直に見た ものを分解して表したものであり,白矢印は若倉

(2016)の流速,流向の実測データを5cm/s基準と

して表したものである。実測値と比較を行うと流速,

流向共に風向が東から南にかけて吹くときに結 果が不一致となることが多いという事が見て取れ た。

これは湖内の地形や繁茂している水草等によ り流速が弱くなったり,流向が変化しているので はないか,また南湖の北にある山により風向が多 少変化したり,風速が小さくなるのではないかと 考えられる。

3.2 栄養塩類の移流拡散

図‐4は平成28年8月1日の流入出流量の測 定結果(流入:0.125m3/s、流出:0.163m3/s)を用 いて流速及び仮想濃度の拡散状況を計算したも のである。この日は特に強い風は吹いておらず、

吹走流の影響は無視できると考えられる。流入し

た仮想濃度の変化は12時間経過しても大きく拡散することはな かった。これは流速の最大値が流入出部で0.2cm/s程度しか無 く大きく拡散することがなかったものと考えられる。

4.まとめ

今研究では試計算により出た結果と現地の実際の測定デー タとの比較と濃度の拡散変化についての検証を行って得られ た結果を示す。

(1)アメダスデータをそのまま用いる吹走流の試計算では実測 データとの十分な整合性は得られなかった。

(2)南湖は流速値が小さいため栄養塩類の拡散及び流出には 長時間かかってしまうことがわかった。

参考文献

1)若倉翔平・手塚公裕(2015):福島県白河市南湖における水 生植物が吹送流と光の減衰に及ぼす影響,平成 27 年度土木 学会東北支部技術研究発表会,Ⅱ-97Ⅶ-3

2)秋山祐介・金山 進(2016):白河市南湖の底層DOに及ぼす

吹送流の影響に関する試計算,平成 27年度土木学会東北支 部技術研究発表会,Ⅱ-97

(1)風速および流速ベクトル

(2)流速値

(3)流向

図‐3 地点7の1時間ごとの風と流れの変化((9月11日)

図‐4 平常時(8月1日)の流況計算例 れ

(1)流速値

(2)仮想濃度の拡散状況

(12時間後)

土木学会東北支部技術研究発表会(平成28年度)

参照

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