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艦これ そして彼は提督となった ID:85473

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Academic year: 2021

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艦これ そして彼は提

督となった

(2)

︻注意事項︼

  この PDFファイル は ﹁ハーメルン﹂ で 掲載 中の作 品を自動的 に PDF化 した も ので す 。  小説 の作 者、 ﹁ハーメルン﹂ の 運営者 に無 断 で PDFファイル及 び作 品を引 用の 範囲を 超 え る 形で 転載・ 改 変・再配布・販売 す る こと を禁 じます 。    

すじ

 艦隊 こ れ くし ょん。  ミリタリーを擬人化 させた戦略 ゲーム。  一 時はかな り の ユーザー 数 を誇 っていた も のの 、 栄枯盛衰 ⋮⋮ 遂 にその サービスを 終 了 す る こととなった 。  運 命の 日、 彼は 最後 の時 を愛 す る艦娘達 と 迎 え よ うとしていた 。  サービス が終 了 す る瞬間、 彼は 目を瞑り││   そして彼は 生 ま れ変わ っていた 。  自分 の 指揮 していた 鎮守府、 その 提 督として ーー

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    ※典 型的 な 転生 作 品 物です 。オーバーロード な 導 入 。オリジナル設定、 オリ 主 人 公あ り ます

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  目   

  

第 壱 話 │ │ 全 て の 始 ま り。 そ し て 終 わ り │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ││  1 第 弐 話 │ │ 提 督 が 鎮 守 府 に 着 任 し ま し た │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ││  7

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壱話││

全ての

り。

そして終

わり││

   サービス はきっち り 午前 0 時に終 了 す る。  も う絶 対 に 間 に 合わ ないと 思 った 。走 った 為 に 上 がった呼吸 も 整えず 、 彼は 胸 元の ネ ク タ イ を 無 造 作 に ベ ッ ド に 投 げ 捨 て た 。ス ー ツ 姿 の ま ま 部 屋 の 中 心 に 鎮 座 す る デ ス ク に 腰を降ろ し 、 無 造 作に 置 か れ ていた グレー の ヘッドフォンを首 に 掛 け る。  パソコン の 電源を 入 れる と 、 黒 の画 面 が 明る く 点 灯した 。 じ れ ったそうに 腕 時 計を見 る。  二 十 三 時 三 十 分。ギリギリ だった 。  青 か ら、 色を生ん だ画 面 は 一枚 の 壁紙を 映した 。巨 大な砲 を纏 った 少 女が 、 艶や かに 笑ん で ポーズを 決 め ていた 。 彼女は 長 い 黒髪を靡 かせ 、 鼓舞 す るよ うに大きく手 を広 げ てい る。   う ん、 っと彼はうなずき 、 再 び時 間を確認 す る。二 十 三 時 三 十 三分。も う 三分も 経っ てしまった 。 すぐさま彼は 軽快 に キーボード に 文 字 列を 打ち 込み、 ウィンドウを 展 開 す る。ブックマーク か らページ に 飛 び 、 彼は 一 つの サイトを開 いた 。  暗転。 そしてすぐさま中 心、 海 原を裂 いて 進む小船 の 姿。Now Loading と 1 第壱話──全ての始まり。そして終わり──

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書 か れ た空の ゲージ は 、 すぐに 一 杯となった 。   ﹁艦隊 こ れ くし ょん、艦 こ れ﹂  少 し 妖艶 な女性の 声 が 耳 朶 を 打つ 。 そして GAME START の 文 字 。   ﹁今日 で 最後 か⋮⋮ ゲーム だけど 、向 き 合 え る だ ろ うか 、僕 は ﹂  ││ 唸 るよ うに彼は 自 問した 。   無機 質 な ウインドウ は何 も 答えてく れ ない 、 しかし 暗転 した 。   時 を待 たずして 、 簡素な机 、 椅 子 。 そして 窓辺 には 波 が 漂 う海 辺。傍ら には 、 あの 壁 紙 の 少 女が 微笑ん でい る。   ﹁ 大 和型 戦 艦、一 番 艦、 大 和。推 して 参り ます !﹂  最後 の 日も変わら ず 微笑ん でく れる のか 、君 は 。  我 なが ら気持 ち 悪 い 、 と彼は 思 う 。 画 面 に映 る少 女は 、 その細 や かな 肢 体とは 裏腹 に 、 巨 大な 装備を纏 っていた 。艦装 と 言われる、 鋼 の 装備。 そ れ は 巨 大な砲 門 の形 状を して お り、 そ れ は強 力 な 推進力を生み、 普 通 な ら ば彼女の よ うな 少 女には扱いき れ ない ーー 筈だった 。   ﹁ 大本 営 か ら の 通信 ですか ?﹂   彼女は 首を傾 げて 聞 いてく る。 彼はその 言葉 に 、 記憶 さ れ た 意 味 を思 い 出 し ーー初め て画 面上 に 点 灯していた メール の アイコン に 気付 いた 。クリック す る と 、 一通 の メール 2

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が 開 か れる。   そ れ はとあ る 機 能 に よ って 、 一 時は戦 線を 共にしていた戦 友 か ら であった 。 とっくの 昔 に 引退 していたと 思 っていた彼は 、驚 き を隠 せずにいなが らも、文章を目 で 追 う 。   そ れ は 感謝 の 言葉 であった 。長ら く戦 線を 共にしてく れ たこと 、 一緒 に死 闘を 潜 り抜 けたこと 、 きっと彼な ら ばこの 最後 の時 間 に 立 ち 会 うであ ろ うこと 。自分 は 立 ち 会 えな いか ら、変わり に 最後を看取 ってく れ ということ 。   ﹁律儀 だなあ 、 も っち ー さ ん は 。友軍 機 能 で 最後 に 連合艦隊を 組 ん だのは 、 も う半年 も 前なのに ││﹂  反芻 す るよ うに彼は カーソルを動 かし 、 ︻友軍艦隊︼ と 書 か れ た 箇 所 を  ク リ ッ ク し た 。瞬 時 に 四 列 に 渡 っ て 名 前 の 羅 列 が 浮 か び 上 が る。 ど れ も 灰 色 に 消 灯 してお り、 唯 一自身 の 名 前だけ白く 輝 いていた 。   ﹁も っち ー さ ん、 春 日音 椿さ ん、 死 苦 八 郎 さ ん、 駿河スルガ さ ん、 労働 紳 士 さ ん ⋮⋮ ﹂  名 前 を読み上 げなが ら 彼は 、目を瞑る。 そして 、   ﹁も う みん な⋮⋮いない ん だな ﹂  会 っ た こ と は 一 度 も な い 。 機 能 を 使 っ た 共 同 プ レ イ を し た だ け だ 。 し か し 時 折 強 力 な敵と戦い 、一緒 にこの場所 を 作った 仲間 だった 。  最後 の 日 は彼 ら と 向 かいあった 。 だってこの 世 界は ーー 3 第壱話──全ての始まり。そして終わり──

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  ﹁ゲーム ⋮⋮な ん だ よ なあ ﹂  一 時 は 圧 倒 的 な ユ ー ザ ー 数 を 誇 っ た 艦 隊 こ れ く し ょ ん ー ー そ れ が こ の ゲ ー ム の 名 前 だ っ た 。昔 の 日 本 軍 の 船 を 擬 人 化 さ せ る と い う コ ン セ プ ト は 、多 く の フ ァ ン を 獲 得 し た 。 しかし 、 他 の ゲーム が発 達 す る につ れ、 そして 難易度 の 過度 な 上昇 に より その 多 く の ユーザー がこの ゲーム か ら去 った 。   彼が 指揮を取る この 執務室も、 昔 は 多 くの 電文 がひっき り なしに届いていた 。 共 有 の 作戦 指令 所 ││システム の 一 つ 、 友軍艦隊 に よ って 、 その所属す るプレイヤー たちの中 で 最高 の 錬度 の 擬人化 さ れ た 船││通称、 艦娘 が 集 ま る この場所 も、 皆 で作 り上 げた 思 い 出 の地であった 。   ﹁最後 だか ら、 いい よ な ﹂   彼は 移動 の ボタンをクリック す る。   時 間 は 二 十 三 時 五 十 五分。も う 最後 の時 間 まで 五分を切 っていた 。      │││     4

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  彼が 姿を現 したのは 石 で 築 か れ た 広間 だった 。 天 井 には 巨 大な 旗 が 掲 げ られ て 、 数 々 の戦績が 書 か れ た ボード があち ら こち ら に張ってあ る。 その中 、 最も目立 つ 箇 所には ガ ラス 張 り で 二重 に 防護 さ れ た も のが 。   甲とただ 一 つだけ 書 か れ た 勲章。黄金 と 宝石を纏 ったその 宝 は 、 全 部 で十 。エフェク ト ではあ るも のの 、 全てが 燦燦 と 輝 いていた 。   彼 は そ の 一 つ を 手 に 取 り 身 を 裏 返 す 。金 色 の 身 に は 宝 石 で 刻 ま れ た 文 字 。2 0 1 5 年 夏イベント 甲 勲章。 ただそう 書 か れ ていた 。   ふと画 面を見る と 、 秘書艦 の大 和 が 微笑ん でいた 。 彼は 同盟を 組 ん だ 面 子の中では 最 も新人 で時 間も 無かった 為、 この共 有 作戦 指令 所で彼の元か ら 登 録 さ れ てい る艦娘 はこ の大 和一人 だけだった 。 しかし 、 その 分 彼はほぼその プレイ 時 間を 彼女 一隻 の 徹底的 な 育成 に割いていた 。   だか ら最後も 彼女と 一緒 に 過 ごしたかった 。  ││ 女 々 しいな 、 っと 思 う 。   たかが ゲーム。 だけど 、 本 気 だったのだ 。   ﹁ ま あ 、満 足 じ ゃ な い と 言 わ れ れ ば 満 足 じ ゃ な い ん だ け ど な 。も っ と 自 分 の 鎮 守 府 の 艦 娘 の レ ベ ル を 上 げ て 、他 の 人 の 艦 娘 よ り 強 く し て こ の 指 令 所 に 登 録 さ せ た か っ た し 、 も っと 色ん な海 域をクリア したかった 。 だけど 、仕方 ない ﹂ 5 第壱話──全ての始まり。そして終わり──

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  彼は 肩を落 として 、 そして時 計を見る。二 十 三 時 五 十九 分。   ﹁ あ り がとうな 、 大 和。 ⋮⋮また 、 明日 か ら は 現実 で 頑 張 るよ。 ち ょ っと 寂 しいけど │ │ 奇 跡 で も起 きて 、 また サービス再開 してく れ た ら、 その時はまた 、 戦おう ││﹂   彼は 目を瞑る。二 十 三 時 五 十九 分五 十 秒。  五 十 一、五 十 二、五 十 三、五 十 四、五 十 五、  五 十六 、五 十 七、五 十八 、五 十九 ││  0 時 0秒。  カチャリ と 音 がした 。 大 広間 の時 計 が 一瞬 歪 み、表記 が 変わる。  零 時 一秒。   こうして 世 界は 反転 す る。  黒 か ら 白へ 。 白か らー青 へ 。     そして 、 彼は 提 督となった 6

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弐話││提

督が

鎮守府

に着

しました

││

   初め に 感 じたのは 熱 だった 。  肌 が 逆立 ち 、 ぐ るり と 視 界が 回転 す る。 ま る で 高気 圧の 壁を 破った よ うな 耳鳴り が 襲 う 。 がっ 、 と 喉 が 悲鳴を上 げ 、 ひっ 、 と 目 尻が 熱 くな る。  押 しつぶさ れるよ うな 感覚。気付 くと 、 座 っていた デスク か ら倒れ て 込ん でいた 。蛙 の よ うに無 様 な 声を上 げ る。 その 瞬間、 体 を ふ わり と 包む感触 があった 。柔ら かい何か に 押 し 上 げ られ て 、 初め て 自身 の 左 半 身を倒れ ない よ うに 誰 かが 掴ん でい る ことに 気付 いた 。   ﹁ て 、提 督 !大 丈 夫ですか !﹂   ふ わり と 鼻 先 を甘 い 香り が 過 ぎ る。 す らり とした 背 の 高 い女性が 、 そこにいた 。背 中 に 掛 か る黒髪を一 本にまと め、 女性 ら しい優しさと 、 整った 顔立 ち 。肩 だけ 露出 した白 の制 服 には 赤茶色 の 基調色、 そして 同色 の スカート姿。首 元には 菊 の 文様 が 施 さ れ た 黒 い 首飾り がき らり と 輝 いていた 。   ﹁や、や ま 、 と ?﹂  漏れ出 た 声 に答えたのは 聞 き慣 れ た 、 7 第弐話──提督が鎮守府に着任しました──

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  ﹁ はい !大 和 です !﹂   そう 言 って 、微笑ん だのだ 。     ※※※    視 界 を 空 け る と そ こ に は 自 身 が 先 ほ ど ま で 移 し て い た 大 広 間 の 光 景 が あ る。首 を 左 右 に振 れ ば 、 そ れ に 連動 す るよ うに 視線 が 動 いた 。   先ほど画 面越 しに 見 ていた共 同指令 所 、 その 広間 だ 。石造り で 頑 強な 、 部 屋 。 全ての 艦娘 が 集合出 来 るよ う作 られ たその空 間 に 、 彼は 首を 振った 。 そして 、 同様 に 視 界が 揺 れ動 く 。  有り得 ない 、 と彼は 思 う 。   ﹁提 督⋮⋮ ?本当に 、 本当に 、 大 丈 夫ですか ?﹂   ﹁ あ 、 ああ 。 う ん、 大 丈 夫⋮⋮ ﹂   物 憂 げに答えなが ら、 しかし彼は 思 い をめ ぐ ら していた 。   夢 、 だ ろ うか 。も う 寝落 ちしたのか ?しかし 2D でしか 表現 さ れ ていなかった 広間を 視 界ごと 連動 させ る 夢 ?ど ん だけ 僕 は 妄想 が 凄 い ん だ ?   う ん、 っと 一 つ 頷 き 、 8

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  ﹁ 大 和││ 大 和、 だ よ な ?﹂   ﹁ はい 、提 督 。貴方 の大 和型一 番 艦、 大 和 です ﹂   そう 言 って彼女は 短 く 、 答え る。  ゲーム では 一枚 絵があ る だけだった筈の 艦娘、 山 和 が屈 むよ うに 動 いて み せ る。目 尻 が 下 が り、 瞳 には 若 干の 不安 が 混 じってい る。艦隊 こ れ くし ょん は 基 本 、 一枚 絵の ゲー ム であって 、 まして や3Dモデリング は 後期 に 開 発さ れ た別の アーケードゲーム にしか ない筈だ 。   まして や3D対応型 で も ないし 、 最近 流 行り の ダイブ系 の ゲーム で も ない 。 ただ時 代 遅れ の フラッシュゲーム だった筈 。   どういうことだ 、 っと改 め て 思 う 。   ﹁ 大 和││ こ れ は 一 体 ││﹂   そう彼が 聞 こうとした時だ 。  警 報が 、鳴り響 いたのは 。   ﹁ な 、 な ん だ 一 体 ﹂   ﹁ 敵 襲 です !提 督 !﹂   大 和 は 広間 の 窓、 その 続 く 青 の海 原 に 視線をやる。   ﹁ 来ました 。提 督と 私 たち⋮⋮いえ 、人類 の敵が !﹂ 9 第弐話──提督が鎮守府に着任しました──

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  彼 も視線を そち ら に 向 けた 。窓 か ら続 く海 原。 その 視線 の 遥 か先 を、 何かが 近 づいて く る。  巨 大な影 。口を見開 き 、 並 ん だ歯は白い 刃 の よ う 、 そして 巨 大な砲 門 が 舌 の 変わり に 見 え 隠れ した 。   ま る で 鯨 の よ うな 、 しかし 、 そうではない 。  見 たこと も 無い何かが ││波を裂 いて 接近 してく る。     ※※※     その何かの 接近 に 最初 に 気付 いたのは周 囲を警戒 す る 偵 察 機であった 。  葉 の よ うな 色 の 複葉 機に乗ってい る 乗 員 は海 上 の ソレを確認 す る と 、 すぐさま 操 縦席 に 備 え 付 け られ てい る通信 器具に打ち 込む。 その時 間 は 零 時 二 十 三分 で 、 同 時に 複葉 機 の 翼 が 反転 し 、 空 を切 った 。  瞬間。 砲 撃音を 伴った 一 筋の 閃 光が 、 垂直 に 重 なった 翼 の 一翼を貫 いた 。 機体は 既 に コントロールを 失い 、回転。   全 文を 打ち 込ん だ刹 那、 二撃目を 機体が 襲 った 。 半 回転状 態だった機は 炎上 し 、 爆 散 。 部品 が散 ら ば る 中で 、 乗 員 は ギリギリ のとこ ろ で 脱出 していた よ うで 、 白い パラシュー 10

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トを開 き 、ゆ っく り と 降下 してお り、   その 真下、 海 面より巨 大な 口 が 生 ま れる。  薄 暗 い 眼 光 と 、古 書 に 出 て く る 悪 魔 の よ う な 禍 々 し い 相 貌。鯨 の よ う な 体 躯 を 持 ち 、 巨 大な 消化口 が乗 員を そのまま 飲み込ん だ 。  ゴリッ と 咀嚼 す る音。  口 元か ら赤黒 い 液 体 を 流しなが ら、ソレ は 進撃 す る。   だが ││   ﹁ 戦 艦 大 和││推 して 参り ます ﹂  現れ たのは 小 さな 少 女 。  同 じ よ うに海 面 に 堂々 と 立 って浮かぶ 、 存在 。  ソレを倒 すには⋮⋮ 小 さすぎ る少 女 。   しかし 、ソレ は 震 えた 。 本 能 で 、 数 多 の 記憶 で 、ソレ は 分 かった 。   こいつは敵だ 。  倒 すべき敵だ 。  口 元の砲 門を 彼女に 向 けて 、ソレ は砲 撃を開始 した 。  同 時刻 、 彼 も その光景 を見 ていた 。  ソレ が砲 撃 す る の も、 大 和 が 自身を守る た め に 広間 か ら飛 び 出 して海 面 に 立 ち 、 その 11 第弐話──提督が鎮守府に着任しました──

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攻 撃を受 けきってい る の も。ソレ は大 和を上回る││下 手な 船を飲み込む であ ろ う 、 巨 大な体 躯 で 、口 だけ大きく 見開 いた怪物 。   彼のしていた 艦隊 こ れ くし ょん という ゲーム では 、 見 た 事 があ る 敵だった 。 そ れ はい わゆるザコ。最初 の海 域 で 現れる 敵 。 ただ特 殊 な攻 撃も してこない 、 敵だった 。   しかし 目 の前にして みる と 違 う 。  巨 大 な 眼 光 は 禍 々 し く 輝 き 、口 元 は 紅 い 皮 膚 が 揺 ら 揺 ら 蠢 く 醜 悪 な │ │ 化 け 物 だ っ た 。  ソ レ は 口 内 よ り 生 成 し た 砲 弾 で 幾 度 も 大 和 を 砲 撃 し た 。 し か し 大 和 は 動 か な い 。 ま る で 動 じず 、 両 腕を自身 の 胸 の前で組 み、   ﹁ な ん で 、 だ よ。 な ん で 反撃 しない⋮⋮ !﹂   彼は 悲痛 な 声を上 げた 。 こ れ が も し ゲーム とお り な ら、 彼女 達 は武器があ る。艦装 と 呼ば れる、 兵器 を 所 有 してい る のだ 。   しかし彼女は 動 かない 。 大 和 は 、撃 たない 。   ま る で ││動 けない よ うで 、   彼 は 叫 ん だ 。 い つ も、 画 面 の 前 で し て い た こ と 。自 身 で も 日 頃 か ら 気 持 ち 悪 い と は 思 っていたが 、不思議 とそうしてい る と 良 い結 果 が ゲーム で 出 たのだ 。   そ れ は 自 然と 言 った 。 12

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  ﹁やれ !や っちまえ !大 和 !﹂  合図 だった 。   大 和 は 笑 った 。   ﹁交 戦 許可、確認。 さぁ 、やるわ。 砲 雷撃 戦 、 用 意 !﹂   彼女は 腕を 振 る う 。 海 面 が光 り、突如鎖 が 現れ た 。  現れ た 鎖 は海中 より 大 和を包む。 そして 、 ま る で浮 上 す るよ うに 鋼 の 装備を 海の 底 か ら 浮かび 上 げた 。  鎖 に 巻 か れ た 装備 は大 和 の全 身を包み、 黒 の 蒸気を上 げ る。 砲 門 の 付 いた 装備を装 着 した大 和 は 、腕を相 手に 向 けた 。   ﹁ なぎ払え ││ !﹂  轟音 が 後 か ら付 いてきた 。  巨 大な破 壊 の 力 は 、 ソレを一瞬 で 飲み込み、 断 末 魔を上 げ る間も なく 、 膨れ上 が り│ │ 破 砕 した 。赤 と 黒 の 炎 が 舞 い 、ソレを構成 した物体が 風 に 揺れ て空 を漂 う 。   ま る で桜吹 雪 の よ うだ 。   場 違 いなが ら 彼はそう 思 う 。   こ れ が 最初 の戦いだった 。   彼の 提 督としての 、 戦 果 だった 13 第弐話──提督が鎮守府に着任しました──

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