民 事 上 告 理 由 と し て の 「 審 理 不 尽 」
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(2) 論. 説︵桜井︶. 理不尽﹂の語を無反省に使用する実務に対する批判が生まれてきた︒. 七〇︵二四〇︶. これについては︑刑事訴訟法の分野では︑はやくから学説上の論議が展開されるとともに︑判例に対する批判も顕. 著になされてきた︒しかし民事訴訟法の分野では︑これについて論ぜられるところも少なく︑刑事訴訟法のようにそ. の見解は展開されていないし︑かつ﹁審理不尽﹂の語を使用する民事判例の分析も十分になされていない︒このこと. は︑刑事訴訟の対象と民事訴訟の対象たる事件の差異に遡ることはもちろん︑直接にはそれに由来する︑それぞれの. 訴訟審理の基本原則の差異が理由となるものと考えることができる︒すなわち︑刑事訴訟も民事訴訟も同じく二当事 ︵一︶. 者主義訴訟を基調としながら︑それに作用する訴訟審理の原則の差異︑換言すれば︑職権主義の発動の度合によるも ︵二︶. のと考えられる︒この基調の差異によって上訴理由としての﹁審理不尽﹂が刑事訴訟法の分野でより多く問題とさ. れ︑学説上の論議が展開されたといえる︒しかしその基調が異なるといいながら︑民事訴訟法の分野において全く ︵三︶. ︵四︶. ﹁審理不尽﹂が問題となりえないものでない︒それは︑刑事訴訟法のごとく︑広範囲において問題にはなりえないに. しろ︑やはりとりあげられなければならない間題なのである︒そこで本稿では︑主として最高裁判所の民事判例を中. 心として︑この﹁審理不尽﹂が他の上告理由といかなる関係にあるかを分析し︑その意義・内容を明らかにして︑そ. 刑事訴訟では国家訴追主義がとられる︒このことは二当事者主義構造に内存する当事者処分権主義︑弁論主義を骨抜きに. の上告理由としての位置づけを試みようとするものである︒ ︵一︶. するとともに︑その訴訟構造のもとに糺問主義を導入することとなる︒したがって刑事訴訟では民事訴訟に比し︑審理につ. き裁判所の職権の発動の度合が︑はるかに大きい︒中村宗雄・民事訴訟法学の基礎理論一一二頁参照︒.
(3) ︵二︶. 刑事訴訟法における学説としては︑第一にあげられるものに︑ω﹁審理不尽﹂のごとき漢然とした超法規的な上訴理由を. 認めるべきでないという説である︒というのは︑上訴理由は法に明定されているものに限られるべきものであって︑それ以. 外に﹁審理不尽﹂のごときものを超法規的な上訴理由として認める根拠もなければ︑実益もない︒かえワてそのような漠然. としたものを上訴理由として認めることは︑徒らに手続を混乱させ︑法的安定性を害するおそれがある︒それはどこまでも. 個々の具体的な訴訟法規定違反として把えるべきであって︑審理不尽の名のもとに原判決が漠然と破棄されることは厳に警. 戒されなければならないからである︵高田・刑事訴訟法五二六頁︶︒つぎに︑⑭﹁審理不尽﹂を上訴理由として認めようとす. る見解であるが︑それもその把握の仕方によって二つに分れる︒すなわち︑⑥﹁審理不尽﹂は刑事訴訟法第三七八条四号の. 理由不備又は理由齪齪に該当し︑絶対的上訴理由となる説︒これは︑審理不尽は判決をするのに十分審理しないで判決した. 場合であるから︑その結果は判決理由の不十分となって現われることが多いという点に着眼したもので︑判決の理由が不十. 分であって︑理由における論理過程穫せるに不十分な場合が︑審理不尽として絶対的上訴理由となるとするので. ある︵滝川外・刑訴法コンメソタール五三八頁︑吉田・全訂刑訴法概説三二頁︑団藤・新刑訴法綱要六訂版四二七頁︑た. だし団藤教授は︑審理不尽の全部が理由不備にあたるとは断定されていない︶︒これに対し︑㈲﹁審理不尽﹂は訴訟手続上. の審理義務違反であって︑刑事訴訟法第三七九条の訴訟手続の法令違反であるとする説︒けだし﹁審理不尽﹂とはまだ判決. をするのに熟するまで審理をしないのに︑不十分な審理のままで判決をしたということである︒したがってその内容は︑裁. 判所の釈明義務違反︵刑訴規二〇八条︶︑証拠調義務違反︵刑訴法二九八条︶︑訴因変更義務違反︵刑訴法三一二条︶などの. 訴訟手続の法令違反の意味と解しうるからであるとする︵小野他・ポケット刑訴法八五二頁︑平野・刑訴法=二〇頁︑青柳. 七一︵二四一︶. ・新訂刑訴法通論三一頁︑安平・刑事上訴手続論一三四頁︑横井・刑事法講座六巻一二九三頁︑真野・法律実務講座刑事編 一〇巻二二七〇頁︶︒. 民事上告理由としての﹁審理不尽﹂.
(4) 論. 説︵桜井︶. 七二︵二四二︶. 刑訴法上の学説の大要は以上のごとくであるが︑それぞれにおいて一長一短がある︒すなわち︑第一の説をとることは︑. 上訴理由︑すなわち︑原判決の破棄事由が法秩序の安定という上訴制度の目的から法に明定されている以上︑﹁審理不尽﹂な. るがごとき法に規定のない漠然とした上訴理由を認めることは是認できないとする点において︑理論上正当であるが︑しか. ﹁審理不尽﹂とされている例をみれば. し︑実務上﹁審理不尽﹂が上訴理由として認められている以上︑これをにわかに否定することはできないし︑実務の上で︑ これを使用していることにも十分な理由があるといえる︒けだし︑後述するが如く︑. その事由が明定された上訴理由のうち︑いづれにも素直に容れがたい場合が生ずるからである︵横川・﹁審理不尽﹂法学セミ. ナー三三号四〇頁参照︶︒このような点を合理的に説明せんとして㈲⑥および㈲の説が生ずるものであるが︑しかし︑㈲説. は﹁審理不尽﹂が理由不備として含まれない場合をいかに解するかに問題があるし︑㈲の説も︑各個別規定に違反する場合. はよいとして︵しかしそのような場合︑漠然と﹁審理不尽﹂の語を使用することには疑問がある︒その場合には︑各個別法. 規違反として明確に打出されるべきものである︶︑﹁審理不尽﹂を包括的に一般規範違反に求めることは困難であり︑さらに. 刑訴法第一条をよりどころとするところにも疑間がある︵刑訴法ではこのような規定があるから︑そのよりどころを第一条. いずれにしても︑各学説とも十分でないものがある︒刑訴法における﹁審. に求めることは︑なお根拠があるともいえようが︑民訴法ではもとよりこのような規定はなく︑したがって実体的真実発見 主義や︑職権主義にもとめることはできない︶︒. 理不尽﹂の問題はさておき︑民事訴訟法の下では︑後述の如く判例を分析して︑本来的な﹁審理不尽﹂の例をとりだしてみ. れば︑それはそのまま素直に訴訟手続の法令違反にも該当させえないし︑また理由不備にも含ませえない事例である︒そし. てそれからの問題としてそのような事例を︑いかなる事由に位置づければ最も妥当であるかである︒超法規的な上告理由と. してみとめるべきか︑絶対的上告理由として考えるべきか︑又は相対的上告理由に入れるべきかである︒そのいずれに位置. づけるべきか一がいに決定することはできない︒もし中間的立場としての審理不尽が︑何らかの明定の上告理由のうちに素.
(5) 青柳文雄・新訂刑事訴訟法通論三〇頁以下︑真野英一・法律実務講座刑事編一〇巻一=一七三頁註八︑横川敏雄・前掲法学. 直に解消できるとするならば︑審理不尽の使用は限定されるであろうし︑またはそれを使用しなくてもすむであろう︒ ︵三︶. ﹁審理不尽﹂の範囲が狭くなっていることを示唆されている︒このことは民事訴訟法と現行刑. セミナi三三号四一頁参照︒そこでは︑それぞれの立場から︑現行刑事訴訟法では︑高度の当事者主義を採用している結 果︑旧刑 事 訴 訟 法 に 比 し て ︑. 以前から問題としては意識されていたようであるが︵村松・民事裁判の研究三〇頁︑とくに註︵三︶参照︶︑それが幾分か. 事訴訟法との比較においてもあてはまることである︒ ︵四︶. 詳細に問題としてとりあげられてきたのは最近である︒それも他のテーマの一部としてなされているにすぎないのであっ. て︑ ﹁審理不尽﹂を真正面からとりあげたものでない︒小室直人・上訴制度の研究二〇八頁以下︑安井光雄・﹁釈明権につ いて﹂法学二四巻二号八四頁以下参照︒. 二民事判例の分析 ︵一︶. ﹁審理不尽﹂の意義・内. ﹁審理不尽﹂は上告理由として単独に使用されていることはもちろん︑法令の解釈適用の誤︑または理由不備と原 ︵二︶. 因的︑重畳的︑選択的に結びつけて︑原判決破棄事由としている判例が多い︒このことは︑. ﹁審理不尽﹂が単独で用いられている場合です. 容が不明確であって︑法令解釈適用の誤︑または理由不備と区別する基準が不明確であることを示している︒したが って﹁審理不尽﹂が他の上告理由と併用されている場合はもちろん︑. ら︑法令解釈適用の誤︑または理由不備に解消される場合が多い︒その故に︑実務上の慣用たる﹁審理不尽﹂の意. 七三︵二四三︶. 義・内容を明確にするためには︑判例がどのような場合にそれぞれの他の上告理由と結びつけ︑なぜその場合﹁審理 民事上告理由としての﹁審理不尽﹂.
(6) 論. 説︵桜井︶. 七四︵二四四︶. 不尽﹂と他の上告理由を併用したか︑およびその場合における﹁審理不尽﹂自体の意義をさぐってみるのが適当かと. 考える︒そこで以下に︑法令解釈適用の誤︑および理由不備と﹁審理不尽﹂の差異を中心としながら︑判例の立場を. ﹁理由不備﹂と﹁審理不尽﹂. みてみよう︒. e. 民事訴訟法は﹁判決二理由ヲ附セス又ハ理由二齪飴アルトキ﹂︵一薪瓶験︶は︑﹁常二上告ノ理由アルモノ﹂としている︒. これが原判決破棄事由としての理由不備・理由齪齪であって︑講学上の絶対的上告理由の一つに該当するものである︒. 理由不備・理由齪齪とは︑判決主文に到達するに至った理由の全部又は一部が欠けている場合か︑もしくはその理由 ︵三︶ づけの過程が論理法則︑経験法則に反し︑前後矛盾して主文を維持するに足りない場合である︒したがってその故に. 原判決は破棄されるのである︒このような場合︑原判決のごとき結論をだすためには︑理由不備の点︑理由齪齪の点. を補充すべき何ものかがつけ加わらなければならない︒そのためにはさらに補充すべき点につき審理が必要となる︒. その点で﹁審理不尽﹂がこれに結びつくことになる︒しかしそれを逆の面からみれば︑原判決の理由づけからでは原. 判決を維持することはできない︑かえってその理由からでは反対の結論となる︒したがって原判決は破棄される︑と. ﹁審理不尽﹂が上告理由として. いうことになる︒この思考過程からみれば︑ ﹁審理不尽﹂との結びつきはでてこない︒したがって︑この場合﹁審理 ︵四︶. ﹁審理不尽﹂と理由不備が併用される場合には︑理由不備を単 ︵五︶. 不尽﹂は原判決破棄事由たる理由不備︵理由齪齪︶のつけたしにしかすぎなくなり︑. それ独自の存在理由をもたないこととなる︒それ故︑. 独の原判決破棄事由とする事例に解消されてしまう場合がほとんどである︒原因的︑重畳的︑選択的に使用されてい.
(7) ﹁審理不尽による理由不備﹂とするものがある︒この場合原. ﹁審理不尽﹂はそれ自体︑破棄事由としての存在価値をもたず︑そ. この事例としては︑. る各事例について︑個別的に検討してみよう︒. ω 原因的に用いている事例 判決破棄事由としては理由不備一本にしぼられ︑ の附随的な意味をもつにすぎない︒例えば︑. ︑. ︑. ヤ. ︑. ヤ. ︑. ヤ. ︑. ヤ. ︑. ヤ. ︑. ヤ. ぬ. ヤ. ヤ. ヤ. ︵. う. ︑. ヤ. ヤ. ︑. ヤ. ︑. ヤ. ︑. ヤ. ヤ. ︑. ゐ. ヤ. ︑. ヤ. ︑. ヤ. ︑. ヤ. ヤ. ︑鴨. う. ヤ. ︑. ヤ. ヤ. ︑. ペ. ヤ. ︑. ヤ. ︑. ヤ. ヤ. ︑. ヤ. ヤ. ︑. ヤ. ︑. ヤ. ︑. ヤ. ヤ. ︑. ヤ. ヤ. ︑. ヤ. ヤ. ︑. ヤ. つ. ︑. ヤ. ヤ. ︑. ヤ. ︑. ヤ. ヤ. ︑. ゐ. ︑. ヤ. コ. ︑. ヤ. ヤ. ︑. ヤ. ゐ. ︑. ヤ. ︑. う. ヤ. ︑. ヤ. う. ヤ. ︑ ︑. ヤ. う. う. ヤ. ︑ ︑. ヤ. う. ヤ. ︑ ︑. ヤ. ︑. ヤ. た. ︑. い︒しかるに︑原判決は︑⁝⁝特段の事由を示さないで︑たやすく前記のごとく認定したのは︑結局審理不尽による理由不備. ︑. するには︑右の慣例︑動機等に照し︑かく認定すべき特段の合理的な理由を示さなければならないものといわなければならな. ヤ. あったことも明白である︒されば︑原判決が佐賀県モーターボート競走会の会長のみを辞任し同会の理事を辞任しなかったと. ヤ. となく︑単に会長に選任する慣例であったことは明らかであり︑また︑会長辞任の動機が市長との兼職禁止規定を回避するに. に︑本件弁論の全趣旨によれば︑従来佐賀県モーターボート競走会の会長選任に際しては理事に選任した上その互選とするこ. 験則の教えるところに従い表意者の真意を探求して︑できるだけその意思に副うように解釈すべきこと論を倹たない︒しかる. ω ﹁上告人の辞任の意思表示の趣旨は︑従来の同会役員選任手続に関する慣習や︑辞任の動機等をも考慮して論理の法則と経. ゐ. ︑. 伽轡決あるに帰するものといわなければならない﹂︵糊遡一晒鱗一罰樫コ駒畷靖赫恥︶︒. 以上の例は︑要するに︑原判決のごとく﹁理事を辞任しなかった﹂と結論するには理由が不十分である︒かえって. 原審の認定事実からは︑原判決と反対の結論となる︒したがって原判決の結論を維持するためには︑ ﹁特段の合理的. ︵六︶. 理由﹂が必要であり︑本来ならばその点につき審理を尽すべきであった︑ということである︒この場合の﹁審理不. 七五︵二四五︶. 尽﹂は単なる理由不備のつけたしにすぎない︒本事例の型はすべて理由不備にしぼられるようである︒ 民事上告理 由 と し て の ﹁ 審 理 不 尽 ﹂.
(8) 論. 説︵桜井︶. ⑭ 重畳的に用いている事例. この事例としては︑. 七六︵二四六︶. ﹁審理不尽・理由不備﹂がある︒これも﹁審理不尽﹂として. は︑原判決破棄事由としてなんら独立の意味をもたないものであって︑その事例は︑ほとんど﹁理由不備﹂の中に解 消さるべき性質のものである︒例えば︑. ㈲ ﹁原判決は︑その判文によって明らかのように︑本件解約申入の正当性を否定する一つの事由として︑被上告人は妻の外住. 込店員二名とともに︑本件家屋に居住してわら工品の販売業を営んでいるが︑上告人が︑仮処分の執行をして本件家屋の階上. 十二畳の間に居住することになって以来︑店舗を除いて使用可能の部分は階下六畳の間一室となったため︑やむなく階段上り. 口の板の間を住込店員二名の寝室にあてている有様であり︑もし階上全部を明渡し且つ階下の台所︑便所︑裏出入口を上告人. に使用させるときは︑被上告人は本件家屋に居住して右営業を継続することの極めて困難となるであろうとの事実を認定して. いるのである︒しかし︑原判決は右事実を判示解約の申入の日である昭和二三年一〇月二〇日当時のことであるとは明認して. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヨ. う. ヤ. いないばかりでなく︑むしろ右認定に供せられた証拠に照せば右事実は 右解約申入の日以後約一年あるいは二年に近い日時. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. つ. ヤ. ヤ. ヤ. ゐ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. を経過してから後のことでないかとも疑われるのである︒もしそうだとすれば︑原判決は右解約申入当時に存在しない事実を. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 斜酌して前示正当性を否定したものというの外なく︵昭和二五年︵オ︶第二〇号︑同二八年四月九日最高裁一小判決参照︶︑ま. ヤ. ヤ. エ. ヤ. た︑上叙の事実を除いた原判示の事由だけでは︑前示正当性を否定するに足りないものと認めざるを得ないから原判決は審理. 不尽︑理由不備の欠点を蔵するものといわざるを得ない﹂︵糊麹一距鱗鴫網潅伍駒畷縞動炬頁︶︒. この判決は︑審理不尽・理由不備を原判決破棄事由としているが︑原判決は借家法第一条の二の﹁正当ノ事由﹂の. 解釈を誤り︑その結果本事例においては︑その正当性を否定するには原判決の示した理由だけでは不十分であるとい. うことである︒結局理由不備にのみ帰着するものであって︑この場合の﹁審理不尽﹂の意味は︑その正当性を否定す.
(9) るためには︑何らかの他の理由が必要であり︑そのためにはさらに審理が必要であるということである︒したがって ︵七︶. この事例に該るものとしては︑. ﹁審理不尽又は理由不備﹂である︒この場合︑審理. それは︑原判決破棄事由としてはなんら独立の価値をもたない︑単なるつけたしにしかすぎないこととなる︒本事例. 選択的に用いている事例. の型のものは︑大部分理由不備に解消されるごとくである︒. ⑥. 不尽は︑それが単独に使用されている場合と同じく︑あたかも独立の上告理由であるかのごとき取扱いをうけている. ものである︒したがって︑前二者とくらべて︑審理不尽の内容を明確にするため︑より問題とせらるべきものである. が︑その事例を検討するとき︑多くは前掲⑭の事例︑すなわち﹁審理不尽・理由不備﹂とそれらを重畳的に使用する. 場合と実質的には異なるところはないようである︒まさに︑事件の類型は同じであって︑その多くは﹁理由不備﹂の. 中に解消されるべきものである︒前者との差は審理不尽と理由不備を重畳的に用いるか︑選択的に用いるかの点に存. ﹁原判決は︑その後同年八月コ一百被上告人が前記帝国銀行玉造支店における同人口座に右小切手の払込をした事実を認定. するにすぎない︒その例として︑次のごときものをあげてみよう︒ 鋤. し︑これによって右代金債務に対する弁済の効力は発生したものと判示したのであるが︑当事者間に特段の契約があるか叉は. う. ヤ. ぬ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. お. ヤ. ヤ. う. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. コ. ヤ. 特段の慣習が存在しない限り︑買主が自己の取引銀行の口座に小切手資金の払込をしただけで売主への代金支払の効果を発生. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. つ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. つ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. う. つ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. する理由はないのであるから︑原判決が如上の判断を示すについては当事者間に前記の如き特別の事情が存在したか否かにつ. 七七︵二四七︶. いて審理判断しなければならないのである︒しかるにかかる点について何等の審理することなく︑漫然前叙の如き判断を示し. ヤ. だ罧窓︑︑露憲必露果磐鐸寛紮い﹂︵遡既籔加難趣︶. 民事上告理由としての﹁審理不尽﹂.
(10) 論. 説︵桜井︶. 七八︵二四八︶. 本判決は︑判文上﹁特別の事情の存在﹂につき審理判断しなければならないとし︑その点についての審理不尽に力. 点を置いているかのごときであるが︑その実質を検討すると︑原判決認定の事実だけでは︑原判決のごとく判断でき. ず︑それだけでは理由が不十分であるということである︒そこで原審で原判決を維持するためには特別事情の存在が. 必要であり︑そのためには︑さらに特別事情の存在につき審理が必要である︒したがって本例において︑前⑭の事例. と同じく直接の破棄事由として出てくるのは理由不備であって︑審理不尽はそのつけたしであり︑原審に対する理由. ︵八︶. 不備の原因の示唆にしかすぎないものである︒その故︑審理不尽は独立の上告理由としての意味をもたないこととな る︒. ︵九︶. 以上考察したごとく︑審理不尽と理由不備が併用されている場合は︑実質的には大部分理由不備に解消されるべき. 性質のものである︒したがってこの場合においては︑審理不尽は原判決破棄事由として何ら単独の意味をもたず︑そ. れは原審に対する︑原判決を維持する場合の︑一つの指示にしかすぎないこととなる︒この限りにおいては︑審理不 尽は特に上告理由としての位置づけでは問題とならない︒ 口 ﹁法令解釈適用の誤り﹂と﹁審理不尽﹂. 上告は︑ ﹁判決二影響ヲ及ボスコト明ナル法令ノ違背アルコトヲ理由トスルトキニ限リ﹂なすことができる︵民訴 ︵一〇︶ 法三九四条︶︒これが原判決破棄事由たる一般的な﹁法令違背﹂であって︑講学上相対的上告理由と称せられるもので. ある︒この判決における一般的な﹁法令違背﹂は法解釈の誤又は法適用の誤が原因となって生ずるものであって︑原. 判決破棄事由として﹁法令の解釈適用の誤﹂と表示される場合が多い︒したがって原判決には法令の解釈適用の点に.
(11) 誤りがあって︑原審はそれを正した後︑さらに弁論︑証拠調をなし︑または判断を要する事項があるという点で︑そ. れは﹁審理不尽﹂と結びつくことになる︒したがって﹁法令解釈適用の誤による審理不尽﹂とそれらが原因的に使用. ︵暇噸鯉碗臓紺鵬鵬のの靴叫. されている事例が多い.以下︑原因的︑重畳的︑選択的に使用されている事例について﹁法令解釈適用の誤﹂と﹁審. この例としては大別して﹁法令解釈適用の誤による審理不尽﹂. 理不尽﹂がどのような関係において使われているか個別的に検討してみよう︒ ω 原因的に用いている事例. 鉢騒藷躍麻關必腿勲断稀趾憶駄欝旗酷齢解駅樋明ゆ嶽都︶と︑﹁審理不尽による法令解釈適用の誤﹂がある︒前者は︑法令解釈適用の誤. によって審理不尽となった︑すなわち審理不尽が直接の原判決破棄事由かのごとく用いられているのに対し︑後者は. ﹁審理不尽﹂はそれ自体. 直接の原判決破棄事由として用いられているものは法令解釈適用の誤である︒したがって後者の場合は︑前述﹁審理. 不尽による理由不備﹂の例と同じく︑破棄事由としては﹁法令解釈適用の誤﹂に帰せられ︑ ︵二︶. 独立の破棄事由としての意味をもたず︑附随的な役割しかもたない︒問題となるのは前者の場合である︒これを以下. ヤ. ヤ. コ. ヤ. ヤ. ゐ. ヤ. ヤ. ヤ. ﹁結局自創法一五条による宅地の附帯買収処分は︑その宅地の上に生立する樹木が買収対価の算定上宅地自体の買収対価と. に検討してみよう︒例えば︑ ㈲. う. ぺ. ゐ. ヤ. ヤ. ヤ. つ. つ. ヤ. ヤ. は別に格別の考慮を払うことを必要とする程度の価格を有するようなものである場合には︑その効果を右樹木に及ぼし得ない. ヤ. ペ. ヤ. つ. ヤ. ものと解するを相当とするのである︒⁝⁝されば原審としては︑本件宅地の買収売渡に伴ってその上に生立する本件立木二本. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. マ. ヤ. つ. ヨ. ヨ. マ. ヤ. う. ぺ. コ. が被上告人の所有に帰するに至ったか否かの争点については︑右買収売渡に際しての宅地の対価並びに右立木の価格が何程で. 七九︵二四九︶. あったかを認定し︑その両者を比較考量し︑宅地の附帯買収に関し自創法一五条の解釈につきさきに説示した趣旨によって︑. 民事上告理由としての﹁審理不尽﹂.
(12) 論 ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. つ. ゐ. ヤ. ヤ. 説︵桜井︶ ヤ. ヤ. う. エ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 八○︵二五〇︶. その判断をなすべきてあったのである︒しかるに原審は﹃⁝⁝同法に特別に買収売渡の対象とされる立木とは取引通念上その. 地床とは別途に立木として独立に取引の対象とせられる場合︵略︶をいうものであり︑通常土地の一部として該土地が取引され. るとき土地と共に︵略︶取引せられ︑床地と離して別途にその立木のみが取引の対象とされない様な立木迄も包含しないものと. 解すべきである︒⁝⁝勿論同法所定の立木でないことにしても買収売渡の対象たる土地に立木等が存する場合には︑同法所定. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. う. う. ヤ. ヤ. つ. う. の特別事情としてその買収売渡価格の算定を考慮せらるべきか否かの問題である︒﹄と判示し︑﹃従って本件立木三本の中⁝. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. つ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ゐ. 二本は昭和二十三年七月二日自創法によりチニ番宅地の買収売渡を受けると同時に︑特別の除外のなされない以上︑その構成. 部分として当然被控訴人の所有に帰したものであって云々﹄と判示している点は︑自創法一五条の解釈適用を誤り︑審理不尽 であ﹂る︵纒二舞︑一一塑︑聾諒恥︶.. 本事例では自創法一五条の解釈につき︑原審と最高裁との間に差異がある︒したがって最高裁からみれば︑原審の. 解釈は誤りである︒だから原審は最高裁の解釈にしたがって本事件を処理しなければならない︒そうすると原審はさ. らに宅地の価格及び立木の価格がいくらであったかを認定し︑その両者を比較考量した上で︑本事件の争点を判断し. なければならない︒その点で審理不尽である︒要するに本事例において直接破棄事由となるものは︑自創法一五条の ︵一二︶. 解釈適用の誤であって︑その結果生ずる審理不尽ではない︒審理不尽の点は︑最高裁の︑原審に対する示唆であっ. 本事例としては﹁法令解釈適用の誤・審理不尽・理由不備﹂があるのみである︒. て︑破棄事由そのものでない︒前述eωの事例と同様のことがいえる︒. ω 重畳的に用いている事例 その例として︑.
(13) ㈲ ﹁上告人の第一審における金ニニ○︑OOO円につき消費貸借の成立したことを認める旨の陳述も︑第二審における金二. 〇︑五〇〇円につき消費貸借が成立した趣旨の陳述も︑ともに本件消費貸借が成立するに至った事実上の経過に基いて上告人. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ペ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. つ. ヤ. ヤ. が法律上の意見を陳述したものと認めるのが相当であって︑これを直ちに自白と目するのは当らない︒⁝⁝従って法律上の意. 見の陳述が変更された場合︑直ちに自白の取消に関する法理を適用することは許されないといわなければならない︒なお本件. 消費貸借において天引利息があったとすれば︑天引利息中旧利息制限法の制限の範囲内の金額と現実の交付額との合算額につ. ゐ. ヤ. ヤ. ヤ. ゐ. ゐ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. マ. ヨ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. き消費貸借が成立すると解するのは︑当裁判所の判例とするところであるから︵昭和二七年︵オ︶第九六〇号︑同二九年四月. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ゐ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ゐ. ヤ. ヤ. エ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ニ一百第三小法廷判決︑集八巻四号八四〇頁︶︑本件においてもこの趣旨に従い︑まず上告人が現実に交付を受けた金額を確. 藩索馨ど碁趣果馨粟雰逆蒙ある﹂︵纒二則舞糊鱈矯鍵︶.. 定し︑その上で本件消費貸借は金何円につき成立したかを判示すべきものであって︑原審は︑自白に関する法律の適用を誤っ. 本件は︑原審が︑第一審における﹁金一三万円について消費貸借の成立したことを認める旨の陳述﹂を自白とみな. し︑第二審におけるその陳述の変更を自白の取消と解し︑それが許されないものとしたのに対し︑最高裁では︑それ. は権利自白であって︑本来の自白でない︑したがって自白の取消に関する法理を適用することはできない︑この点で. 法令の適用を誤ったものであるとし︑さらにそのような適用の誤りを是正すれば︑金二二万円につき消費貸借が成立. したとは認めがたく︵㌍鋤硝窃舳研備が︶︑現実に交付された金額を確定し︑本件消費貸借は金何円について成立したかを. 判示すべきである ︵ κ な の麓旛耀杯狐︶とする︒以上のようにみてくると︑本件における直接の原判決破棄事由は法令適用の. ︵一三︶. 誤りであって︑理由不備︑審理不尽はそれに解消さるべきものである︒またこの場合少なくとも理由不備は︑破棄理. 八一︵二五一︶. 由としてとどまる余地は存しようが︑ ﹁審理不尽﹂については︑前にしばしば示したごとく︑つけたしの意味しか持 民事上告理由としての﹁審理不尽﹂.
(14) 論 ︵一四︶. 説︵桜井︶. 八二︵二五二︶. 選択的に用いられている事例本事例に含まれるものとしては︑大別して﹁法令の解釈適用の誤又は審理不. たないといえよう︒. ⑥. ﹁審理不尽﹂が﹁法令の解釈適用の誤﹂と同一地位にお. 尽﹂︵街怯玲癬淑購翻勤礁諏粥旛鯉躰侭い哩舳郷備計︶および﹁審理不尽︑理由不備又は法令解釈適用の誤﹂とをあげることができ. この場合は︑. ﹁審理不尽又は理由不備﹂の場合と同じく︑あたかも独立の原判決破棄事由であるかの如く用いられている点. ﹁法令の解釈適用の誤又は審理不尽﹂. る︒以下にそれらを検討してみよう︒. ① かれ︑. で注目に価する︒しかしその実質を検討するときは﹁法令解釈適用の誤又は理由不備﹂の事例のように解されるもの. ﹃前顕乙第十号証の公示交書には昭和二三年一二月九日農地売渡計画の樹立. として成立しない﹄ものであると判示した.よって︑原判決について︑右計画の公告がなされなかったとする事実認定の資料. ﹁原判決は所論売渡計画については適式な公告がなされなかった事実を確定し︑同計画は﹃効用を生ぜず︑有効な行政処分. が多い︵絃蹴齢秘鮨噛曜鄭獺誉埜︶︒例えば︑. ㈲. を検討してみると︑原判決は︑他の証拠と共に︑. が決定せられたとあるに︵中略︶同文書には売渡すべき土地の正確な表示もない点﹄を上げている︒しかしながら︑自創法六. とは既に当裁判所の判例︵昭和二五年団第二三号︑同二六年八月一日大法廷判決︶とするところであり︑この理は売渡計画. 条五項の公告には︑単に買収計画を定めた旨の記載があれば足り︑買収すべき農地︑買収時期︑対価の記載を必要としないこ. の場合についても同様であって︑実際の事例としても︑この趣旨に添うて公告が行なわるべきは想像せられるところであるか. つ. エ. ペ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ペ. ヤ. つ. ら︑判示公示文書に﹃売渡すべき土地の正確な表示﹄を欠いた点を以って公告の効力を左右するものとすることのできないは. もとより︑これを以て直ちに異例の事に属するものと即断することもできない︒若しこの事実を証拠として公告のなかった点.
(15) ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. モ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. マ. ヤ. ヤ. を認定せんとするには他に何らか特別の事惰あることを説示しなければならない︒この点において原判決は右公告の要件に関. 雰法令霧慧愚蓼︑巷類壕幾尺豪逢欝るあとい髪け設奮ない﹂︵翻翫雛棚舞罷謹誰︶.. 本事例の実質は︑原審は自創法六条五項の公告の要件につき解釈を誤った︑したがって原判決を維持することはで. きない︒また︑最高裁の解釈にしたがって︑原判決を維持するためには︑原審認定の事実のみでは︑理由が不十分で. ある︵羅融︶︒したがってそのためには︑他の理由︑すなわち他の何らかの特別事情が存在しなければならない︒とすれ. ﹁審理不尽﹂は﹁理由不備﹂と同. ば︑原審はこの点を審理しなければならなかった︵旛腿︶︒要するに原判決破棄の直接の事由は﹁法令解釈の誤﹂であ. り︑他の面からみるならば﹁理由不備﹂となるものである︒したがってこの場合︑ ︵一五︶. 義語の如く解するか︑又は単なる﹁法令解釈の誤﹂のつけたしの役割しか持たないこととなる︒この型の多くはこの. ﹁審理不尽︑理由不備又は法令解釈の誤﹂. 事例と同一である︒. ②. ﹁原判決の認定した事実によれば﹃控訴人︵被上告人︶及び被控訴人︵上告人︶の母Aは平素病身であった上夫Bと不仲で. この事例としては次の一件があるのみである︒すなわち︑. ¢り. あったところ昭和二一年八月五日被控訴人が父B及び兄控訴人が引留めるのをきかないで母Aを被控訴人の肩書居宅へ連れ帰. り扶養看護を続け今日に至り其後控訴人や母Aの娘婿に当るCがAを迎えに行ったけれども感情の行違いから被控訴人はこれ. をことわりA自身もこれに応じなかった﹄というのであって原審は右事実に基づき上告人がA扶養の全費用を負担しなければ. ならないとしたのである︒しかし扶養権利者が扶養義務者中の一人と同居することを好まず他の一人と同居しているというに. 八三︵二五三︶. は何かそれ相当の理由があるかも知れない⁝⁝︒こういう場合にもなお前者は全面的に義務を免れ費用を出す義務もなく後 民事上告理由としての﹁審理不尽﹂.
(16) 論. 説︵桜井︶. 八四︵二五四︶. 者のみ全費用を負担しなければならないとするのは不当であろう⁝⁝︒それ故原審が認定判示した事実だけでは直ちに被上. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ゐ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ペ. う. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 告人に費用の負担の義務なしとすることは出来ない︒そういう結論に到達する為めにはなお進んで⁝⁝何等かそういった様な. ぬ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ペ. ヤ. ペ. ゐ. ヤ. ヤ. ヤ. つ. 被上告人をして全面的に義務を免れしむ相当の理由がなければならない︒この点に付き原審が十分の判断を示すことなく単に. 上告人が被上告人の意思に反してAを連れ去ったという事実だけで被上告人に費用負担の義務なしとしたのは審理不尽に非れ. 憲粟響乞暴養霧露雰決雰難霧奮憲あるあというの外ぴ﹂︵謂噸影塾臨遜.. 本件において︑原審が認定した事実のみでは被上告人に費用の負担義務なしとすることはできない︒そのために. は︑その他の全面的に義務を免れしむる相当の理由が必要である︵縫軸︶︒したがって原審の結論を維持するためには︑. 原審はその点につき︑さらに審理判断しなければならない︵穐腿︶︒また他面からみれば︑以上のことは扶養義務に関す. る法律の解釈を誤ったものともいえる︒要するに以上の実質からみれば︑本件は第一の原判決破棄事由として理由不. 備が登場するものといえるのでなかろうか︒なお︑この場合︑審理不尽はそのつけたしの役割を演ずるに過ぎないと. ﹁審理不尽﹂が単独に用いられている場合でも︑それ独. ﹁審理不尽﹂が他の上告理由と併用されている場合︑その実質においては他の上告理由に解. ﹁審理不尽﹂単独で使用されている事例. いえよう︒. 日. 以上︑考察した如く︑. 消されてしまう場合が多い︒ところで︑その場合と同じく︑. 理由不備に 該 当 す る 事 例. 前述の例で考察したごとく︑. ﹁審理不尽﹂は理由不備と同義語で用いられている. 自の意味をもつことなく︑他の上告理由に該当する事例が多いといえる︒以下に分析してみる︒ ω.
(17) 場合が多い︵棚劒黙︶︒このことは︑ ﹁審理不尽﹂が単独に使用されている場合でも︑その例にもれない︑したがって実. 質的には︑理由不備に帰結する場合がかなりある︒例えば︑. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. つ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. つ. ペ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. つ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. カ. ヤ. ヤ. う. つ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ペ. ヤ. ヤ. ヤ. ろ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ペ. ヤ. ヤ. 一審判決はこのような特段の事情のあったことないし暗黙の意思表示についてなんら審理することなく︑契約証書の土地表示. のみによってたやすく上告人が︑右登記簿上の一筆の土地全部を売却したものと認定したのは︑審理をつくさなかった違法が. つ. 除外する暗黙の意思表示があったと見るのが取引の通念からいって相当であるといわなければならない︒原判決の引用する第. 特段の事情のないかぎり︑土蔵敷地が登記簿上売買の目的たる一筆の土地に属するかどうかにかかわらず︑通常その敷地をも. 当事者間に協議があったような事実は︑なんら原審の確定しないところである︒以上のような事実関係の下においては︑他に. 土蔵そのものを売買の目的物としなかったこと明らかである︒しかも右土蔵をそのまま存置するか又は収去するか等について. いうのである︒そして被上告人は︑本件売買契約を締結するに当り︑現場を検分に行ったというのであって︑少くとも係争の. 右土蔵敷地が本件売買契約の土地であるA地に属することを知らず︑売買成立後相当の日時を経過して初めてこれを知ったと. 蔵は︑登記簿上は隣地たるB地に存在し︑土地の状況としても契約当時においては︑当事者双方はもとより関係人においても. を目的とするものであって︑係争となっている土蔵を含まず︑かつ土蔵敷地が本来A地の一部であるにもかかわらず︑右の土. ⑥ ﹁原審の認定した事実によれば︑本件当事者間に⁝−成立した売買契約は︑A地並びに同地上に現存の店舗及び附属工場等. ヤ. あ﹂る︵螺庭響鞠謡課諌輩.. 本件において︑原審の認定した事実関係からは︑原審のような結論︵鐙霧趾聖灘豊地︶に到達することはできない︒. それには特段の事惜の存在が必要である︵稠舳︶︒したがって原審がその結論を維持するには︑その点について審理をす. 八五︵二五五︶. る必要がある︵確聾︒以上その実質は理由不備に解消さるべき事例と全く同一である︒要するに本件において原判決破 民事上告理由としての﹁審理不尽﹂.
(18) 論. 説︵桜井︶. 八六︵二五六︶. ﹁審理不尽﹂ではない︒この点で理由不備と審理不尽の混清がある︒し. ︵一六︶. 棄事由となるべきは﹁理由不備﹂であって︑. ﹁審理不尽﹂を単独に使用しなが. 法令の解釈適用と事実の認定とは密接に関連する︒したがって法令解. たがって﹁審理不尽﹂独自の意味は見出せない︒. ⑭ 法令解釈適用の誤に解消される事例. 釈適用の誤による審理不尽の事例が多いことについては︑前述したごとくである︒. ヤ. ヤ. ヤ. つ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. つ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ぬ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. つ. う. ヤ. ヤ. ヨ. う. ヤ. 原審は被上告人が前記指定承認をしなかったことにつき前述の違法が存するか否かにつき審理を尽さなかった違法がある﹂. ヤ. ができるものと解するを相当とする︒買収について提起された訴訟において︑農地委員会が自己の職責の不履行である前記 ヤ ヤ 指定ないし指定の承認がないことを自己に有利な事実として主張することは︑所論のとおり甚だしく不合理である︒それ故︑. 又は買収処分が行われた場合において︑それに対する訴において前記承認ないし指定がなされなかった違法を主張すること. る行政処分ではないから︑これに対して独立の訴を提起することは現行法上は許されていない︒それ故︑買収計画が立てられ. 指定の承認を申請せず︑都道府県農地委員会が指定の承認をなさないとしても︑これは行政庁内部の関係であって外部に対す. 所有者にはこの指定の申請又はこれに関する不服の道は︑同法においても開かれていないのであり︑また市町村農地委員会が. は準区域として指定承認すべき法律上の義務があり︑この義務に反して買収をすることは違法であると解すべきである︒農地. 精神に反するものと言わなければならぬ︒されば︑同法から見て客観的に準区域と認めらるべきものについては︑農地委員会. 地と認めるべき農地を︑不在地主の農地として買収してしまうことは︑同法三条一項一号でいわゆる準区域を規定した法律の. ﹁かかる場合に市町村農地委員会又は都道府県農地委員会が同法施行令二条に定める手続をなさず︑ために在村地主の所有. ら︑この事例に解消される事例もかなり多い︒その一例をとり出してみよう︒ ㈲. ヤ. ︵趨威簿塑嘉羅恥﹀..
(19) 本件において原審は︑指定承認のない限り︑上告入を不在地主として取扱うことは当然であるとした︒この点で原. 審は自作農創設特別描置法第三条一項一号の解釈適用を誤った︒それを正当に解釈適用するならば︑原審は︑準区域. として指定承認をしなかったことにつき違法が存するか否かについて審理判断し︑その後において︑はじめて当該事. ︵一七︶. ﹁法令の解釈適用の誤﹂であって﹁審理不尽﹂は︑その後の示唆の意. 件について結論が下せる︒以上の筋道からみれば︑前記﹁法令解釈適用の誤による審理不尽﹂の一例といえる︒すな わち直接の原判決破棄事由となるべきものは︑. ﹁審理不尽﹂が単独に破棄事由とされている場合であって. 昧をもつのみである︒したがって︑この場合も前者に解消さるべき性質のものである︒. ㈹右のいずれにも該当しないと考えられる事例. も︑その実質を考察するとき︑それは﹁理由不備﹂または﹁法令解釈適用の誤﹂に解消されるものが多いことは前述. のごとくである︒しかしその実質を検討してみて︑そのいずれにも︑明確に解消されえない事例が若干見出される︒. この場合こそ︑明定された上告理由では処理されないものとして︑判例上使用されてきた本来の用語としての﹁審理. 不尽﹂が登場するのではあるまいかと考えられる︒これらの例を通じて︑本来的な﹁審理不尽﹂の意義を幾分か明確 にすることができよう︒以下その事例をあげて検討してみる︒. ㈲ ﹁原判決の確定した事実によると︑被上告人Yは︑訴外Aの懇請により︑訴外Bが当時所有していた本件家屋を自ら買受け. たAの妾である上告人Xに使用させることにし︑右買受代金にあてるため金一万三千五百円をAに渡したところ︑Aはこの金. を上告人Xに渡し︑同上告人はこれを前記Bに支払って被上告人のため本件家屋を買受けたが︑Aと協議して便宜同上告人名. 八七︵二五七︶. 義に所有権移転登記を受けたもので︑本件家屋の買受人は被上告人にほかならず︑上告人Xは単に被上告人Yから無償でこれ 民事上告理由としての﹁審理不尽﹂.
(20) ヤ. ヤ. 論. 説︵桜井︶. を借受け使用していたものにすぎないというのである︒. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ペ. つ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 入入︵二五八︶. ヤ. ヤ. ヨ. ところで︑右の場合︑本件家屋を買受人でない上告人X名義に所有権移転登記したことが︑被上告人Yの意思にもとづくも つ. ヤ. ゐ. ヤ. コ. ヤ. のならば︑実質においては︑被上告人Yが訴外Bから一旦所有権移転登記を受けた後︑所有権移転の意思がないに拘らず︑上. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. カ. ヤ. コ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. つ. ヤ. ヤ. ペ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 告人Xと通謀して虚偽仮装の所有権移転登記をした場合と何等えらぶところがないわけであるから︑民法九四条二項を類推し︑. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヨ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. コ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. されば︑原審が︑上告人X名義に所有権移転登記を受けるにつき︑同上告人と訴外A間に協議のあった事家を確定したに止. ヤ. 被上告人は上告人Xが実体上所有権を取得しなかったことを以って善意の第三者に対抗しえないものと解するを相当とする︒. ヤ. た急郊雰黍黎露餐雰審理奪婁獣逆蒙ある﹂︵鴛焦鞭醍切黒謙翫墾眠︶.. まり︑被上告人Yがこれに承認を与えたかどうか及び上告人zの善意悪意につき何等事実を確定することなく︑たやすく上告. ︵一八︶. 本件において︑原審は﹁上告人X名義への所有権移転登記につき上告人Xと訴外A間に協議のあった事実﹂を確定. したのみであって︑そのことから直ちに本訴請求を認容しうるか否かを判定することはできない︒さらに﹁被上告人. Yがこれに承認を与えたかどうか﹂の事実を確定してはじめて︑請求に対する判断が可能となる︒したがって原審は. この事実を確定しなかった点について審理不尽がある︵賑畔勘紐酷縄灘鵬幽鰭臆お礁鶴蛙祁や齢K筋熔彊螂︶︒本件においては︑それが. 理由不備︵鯨痢徹願鯉紬卿纈謝麹発葵謹耀噛礁豹解醗か硬腿掴罷駆脚糟罎禦脚健兆ど騰デ制甦にも解消しえないし︵砿鮒匙協瀞敦黙ガ源醐獣. ︵一九︶. ヤ. う. 蹴酷備ゆ︶︑また法令解釈適用の誤にも解消できない︵林鰭π離都激玲癬鰍樋胴渤葡羅馳澄騨膜⑳罐朧衡傭融顧副回唖燕が赫杯︶︒判例が使用せ. ヤ. ゐ. ゐ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ろ. ヤ. ヤ. ヤ. ﹁原審は上告人の﹃上告人自らパチンコ営業を営む必要があるから﹄本件賃貸借を解除した旨の主張に対し︑上告人側の必. んとする﹁審理不尽﹂本来の事例でなかろうか︒ ⑪. 要性については何等審理することなく﹃前認定のような事実の下では⁝⁝正当の理由ということは出来ない﹄と判示して簡単.
(21) ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. つ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. に排斥して居る︒しかし︑もし上告人自ら本件家屋でパチンコ営業をしなければ他に生計がない︵上告人は﹁必要がある﹂と. いって居る︶という様な場合であるならば原審の様に軽く扱うことは出来ない筈である︒此点においても原判決は審理不尽の 連決は免れない﹂︵期繭紅紘聾萄胡仁猷飾識縞勘班酬嶽一畷︶︒. 本件において︑原審は︑借家法一条の二にいわゆる正当事由の有無を判断するにつき︑上告人側の必要性について. は︑何ら審理することなく︑正当の事由がないものとした︒しかも上告人は︑その必要性を主張している︒したがっ. て原審はこの点を審理すべきであった︑すなわち審理不尽である︒本事例において︑それは理由不備に解消すること ︵二〇︶. はできない︵麟耕歴礪判厭齢酷嚇卿到腱哲鵬批鋤虹鯉融都錨糀綿け幡繍璽熔吼蔀ガ墾癖鍵満劇碇紛腿羅︶︒また法令解釈適用の誤︵紐継曝紬⑩︶に帰. ﹁理由不備﹂または﹁法令解釈適用. しうるともいえない点がある︵体碓終臆ゼ耕備圃隆耀脂抽筋バ旺蛸柳頻紬臆魁肚關磯幡徹怪卿額麟協輌硬長ゆ臆賛縮稼汰願編鯖縦額粧御鱒晴髄雄廠鰍糧銚砿肋. ぼ霧謝鰍糞証鈴螺諜墾. 以上︑とくに﹁審理不尽﹂が単独に使用され︑それを実質的に検討してみて︑. の誤﹂に簡単に帰せしめることのできない事例をとり出してみた︒これらが判例上使用されている﹁審理不尽﹂の本. ﹁審. 来のもっとも限定的な例であると考えられる︒以下にこれを中心として民事上告理由として︑いかに位置づけられる かを考察してみよう︒. ︵︸︶ 昭和二二年から昭和三十七年二︸月︵最高民集一巻〜一六巻︷二号︶までの最高裁判所の破棄判例﹄九三件のうち︑. 二一件. 八九︵二五九︶. 理不尽﹂の語の使用されている例を見れば︑次のようである︵小室・上訴制度の研究二一二頁註︵66︶参照︶︒. ω審理不尽を単独に用いているもの 民事上告理由としての﹁審理不尽﹂.
(22) 説︵桜井︶. 他の上告理由と選択的に用いているもの. 他の上告理由と重畳的に用いているもの. 又は理由不備一件︒④法令解釈適用の誤又は審理不尽・理由不備六件. 九〇︵二六〇︶. ①審理不尽又は理由不備コニ件︒②法令解釈適用の誤叉は審理不尽七件︒③審理不尽又は法令解釈適用の誤り. 論. ω. ㈹. ①審理不尽・理由不備一八件︒②法令解釈適用の誤・審理不尽・理由不備二件 ㈲他の上告 理 由 と 原 因 的 に 用 い て い る も の. ①審理不尽による理由不備二件︒②法令解釈適用の誤による審理不尽一二件︒③法令解釈適用の誤による審理. 一件. 不尽・理由不備二件︒④法令解釈適用の誤による審理不尽叉は理由不備二件︒⑤審理不尽による法令解釈適用 の誤. 以上のごとく︑判例は︑審理不尽︑理由不備︑法令解釈適用の誤を区別せず︑混澹して用い︑この三者の使用関係は不明 確である︒本文において分析するところである︒. ﹁審理不尽﹂とは︑一般的意味としては﹁本来︑その事件において︑必要かつ十分な審理をしないままで判決をしたこと﹂. 中村宗雄・民事訴訟法下四一六頁︑兼子一・民事訴訟法体系四六三頁︑小室・前掲書二一六頁︒. ︵二︶. ︵三︶. 上告理由は原判決を破棄するための理由であって︑原判決を維持するための指示でない︒この点からも︑理由不備と結び. である︒しかし︑具体的にどのような基準でもって﹁審理不尽﹂となるかの点において問題がある︒. ︵四︶. ︵五︶. 本事例と同一類型のものとして︑昭和三五年一〇月一八日最高小三判決︑民集一四巻一二号二七六四頁がある︒本文引用. この点に着眼して︑刑訴法上の学説では﹁審理不尽﹂が理由不備に該当するとする学説が多いのであろう︵圏註︵二︶参照︶︒. ついた﹁審理不尽﹂は︑上告理由として独自の存在意義をもつことなく︑そのつけたしにしかすぎないことが多い︒. ︵六︶.
(23) ︵七︶. の判例と同様に解される︒. 同一類型のもので︑同樺に解されるものとして︑昭和三〇年一〇月一八日最高小三判決︑民集九巻一一号一六四二頁︑昭. 和三二年二一月二七目最高小二判決︑民集二巻一四号二四八五頁︑昭和三四年一一月二六目最高小一判決︑民集一三巻一. 二号一五二六頁︑昭和三五年六月二目最高小一判決︑民集一四巻七号一一九二頁︑昭和三六年六月二九日最高小一判決︑民 集一五巻六号一七六四頁などがある︒. これに対して︑同じく審理不尽・理由不備を破棄事由としながら︑必ずしも理由不備に解消されることはできず︑まさに. 審理不尽にその重点がおかれ︑理由不備はそのつけたしにすぎないような場合もある︒例えば︑昭和二九年一〇月二六目最. この類型で︑実質的にこれと同様にみなされるものが殆んどである︒例えば︑昭和二九年一月二八日最高小一判決︑民集. 七三頁︑昭和三五年六月九日最高小一判決︑民集一四巻七号二二〇四頁参照︒. 高小三判決︑民集八巻一〇号一九七三頁︹判決理由第じ︑昭和三四年︸一月二六日最高小一判決︑民集一三巻一二号一五. ︵八︶. 八巻一号二三四頁︑昭和三三年九月一八目最高小一判決︑民集一二巻二二号二〇三七頁︑昭和三四年七月二四目最高小二判. 決︑民集一三巻八号一一五六頁︒なお︑ ﹁審理不尽又は理由不備﹂を使用するものは比較的初期の判例が多く︑最近におい. ては︑ ﹁審理不尽・理由不備﹂を使用する判例が多い︒これは﹁審理不尽﹂という不明確な使用と共に︑その時代々々の便. ﹁審理不尽又は理由不備﹂の例においても︑必ずしも理由不備にすなおに解消され. 宜的な使用法のあらわれであろうか︒﹁審理不尽又は理由不備﹂と﹁審理不尽・理由不備﹂とは実質的に同一の事例が多い︒ これに対し︑前註︵七︶指摘と同じく︑. 不尽﹂の限定的な例であろうか︵︵三︶㈹参照︶︒. わが民訴法および刑訴法では︑絶対的上告理由として﹁理由不備﹂のみならず︑. 九一︵二六一︶. ﹁理由齪飴﹂をもその規定の中に入れら. ないものがある︒例えば︑昭和二三年四月コニ日最高小三判決︑民集二巻四号七一頁参照︒まさにこのような場合が﹁審理. ︵九︶. 民事上告理由としての﹁審理不尽﹂.
(24) 論. 説︵桜井︶. 九二︵二六二︶. れている︒絶対的上告理由は︑もともと︑純粋に形式的な訴訟手続違背を対象とするものであって︑その規定の対象も︑本. 来的には判決理由の全部又は一部の脱落たる︑いわゆる﹁理由不備﹂のみであって︑実体面に関係する﹁理由齪齪﹂はその. 範囲外であった︵民訴法では大正一五年の改正でそれがつけ加えられた︶︒ところでドイツ民訴法︑ドイツ刑訴法の規定は. ﹁理由不備﹂のみであって︑﹁理由齪飴﹂はその規定のうちに入っていない︵独民訴三五︸条七号︑独刑訴三三八条七号︶︒. そこでドイツ民訴では︑かつてはこれを全く形式的に解し︑﹁理由齪齪﹂に該当するようなものをもっぱら除外していたが︑. のちにこれを含めて解するようになった︒その実質的裏付けとして重要な争点につき﹁審理をつくさず﹂ということがもち. 出されてきたといえる︵<αqピω窪臨霞ぐ≦巴ω疹き戸Nbρ団P目︸這︾弱ゆこ⑰○︒ごω言ぎ﹂9霧−ω99ぎも○巨9N勺ρ. 切阜自・一〇︒︾民こ㈱雛一・目・q︶︒したがってわが民訴・刑訴のもと独立に使用される﹁審理不尽﹂も︑絶対的上告理由たる. ここで. ﹁理由不備・理由齪麟﹂も︑法令違背のうちの訴訟手続違背の一つであることもちろんである︒このような重要な訴訟. 理由不備︑とくに﹁理由齪齢﹂のなかに包含される場合が多いといえるのである︒. ︵一〇︶. 手続違背をば︑判決それ自体の法令違背と認め︑絶対的上告理由としたものである︵中村・前掲書四一四頁参照︶︒. 筆者のみたところでは︑次の一例しかない︒すなわち﹁右認定の事情からは右の解約が結局両当事者の任意に出でた合. は︑このような特別な法令違背に対し︑三九四条の﹁法令違背﹂を︷般的な法令違背と称しておくことにする︒. ゐ. ヤ. ゐ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ペ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ゐ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ペ. ヤ. ヤ. 判断すべきものであるから︑原判決の如上のごとき判断は未だ以てこの点に関する審理を尽さず︑結局前記自創法六条ノニ. ヤ. れはないか︑その他目作農創設特別措置法第一条に掲げるごとき同法制定の趣旨に照し正当とすべき事情ありや否やを調査. ヤ. る﹁正当﹂なりや否やを判断するには右解約は信義に反することはないか︑解約の結果耕作者の地位の安定を脅かすのおそ. 創設特別措置法六条の二︑第二項一号︵筆者附記︶1にいわゆる﹃正当﹄とするには不十分である︒右解約が同号にいわゆ. 意によるものとして同号にいわゆる﹃適法﹄なものとは認め得るとしても右の事情だけでは右合意解約を以て同号−自作農. ︵一一︶. コ.
(25) ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. つ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヤ. ヤ. ゐ. ヤ. 第二項一号の解釈を誤ったことに帰着する﹂︵昭和二入年七月三日最高小二判決︑民集七巻七号七九九頁︶︒. ︵二一︶同一類型で同様に解されるものとして︑昭和三三年二月︻四日最高小二判決︑民集=﹃巻二号二六八頁︑昭和三四年二. ﹁理由不備﹂に帰するのではないかと思われる事例がある︒例えば︑. 月二〇日最高小二判決︑民集ご二巻二号二〇九頁︑昭和三六年四月二五日最高小三判決︑民集一五巻四号入九一頁などがあ. う. ヤ. つ. う. ヤ. ヤ. ペ. ヤ. ヤ. め. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. う. ヵ. う. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ ヤ. ヤ ヤ. つ. ゐ. ヤ ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ ヤ ヤ. ヤ ヤ ヤ ヤ. う. ヤ. ヤ. 理不尽の違法に陥ったものというべきであ﹂る︵昭和三三年九月九日最高小三判決︑民集一二巻二二号一九四九頁︶︒. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 必要とする特段の事情につき何等説示することなく漫然本件取消処分を適法としたことは︑法律の解釈を誤り︑その結果審. ヤ. り︑本件取消処分は︑違法の蝦疵を帯びるものと解すべきである︒⁝⁝してみると︑原審が︑本件取消処分の全部の取消を. ヤ. 部︵農地に関する部分を含む︶を取り消さなければならない公益上の必要があるとは解さないから︑右特段の事情がない限. 事実関係の下では︑特段の事情のない限り買収農地の売渡を受くべき上告人の利益を犠牲に供してもなおかつ買収令書の全. あるというにあり︑なお︑上告人は︑買収地のうち農地部分につき売渡を受くべき地位にあった︑というのである︒以上の. 二百坪︵全買収地の一〇分の一にも足りない面積︶が含まれているのに︑これを一括して農地として買収したことは違法で. 後約三年四箇月を経過した昭和二六年五月二一目右買収令書を全部取り消した︑取消の理由は︑買収目的地のうちに宅地約. ﹁原審の確定するところにょれば︑被上告人Yは昭和二三年一月訴外A所有の本件土地につき買収令書を発したが︑その. なお︑これと同一類型に属しながら︑. る︒. ヤ. 本事例は︑まさに理由不備に該当すべきものであって︑審理不尽と理由不備が混同され︑同義語として使用されている嫌. いがある︒これと同様の事例として︑例えば︑昭和三三年一〇月一四日最高小三判決︑民集一二巻一四号三〇七八頁がある︒. なお﹁法令解釈適用の誤による審理不尽・理由不備﹂を使用する事例では︑ほとんどが﹁法令解釈適用の誤による審理不. 九三︵二六三︶. 尽﹂と同一内容のものである︒例えば︑昭和三五年四月七日最高小一判決︑民集一四巻五号七五一頁︑昭和三五年一〇月二 民事上告理由としての﹁審理不尽し.
(26) 論. 説︵桜井︶. 九四︵二六四︶. 一日最高小二判決︑民集一四巻一二号二六六二貝参照︒﹁法令解釈適用の誤による審理不尽又は理由不備﹂の例についても︑. ﹁審理不尽﹂が﹁釈明権不行使による審理不尽﹂を意味するものがある︒. 同様である︒例えば︑昭和二八年七月七日最高小三判決︑民集七巻七号八二五頁参照︒ これに対して︑これと同類型に属するもので︑. 昭和二九年八月二〇目最高小二判決︑民集八巻八号一五〇八頁︹判決理由第二︺後註︵㎝八︶参照︒. ︵一三︶同一類型で︑昭和三三年七月一七日最高小㎝判決︑民集二一巻一二号一七五一頁は﹁経験則違背・審理不尽・理由不. この例でもわかるように︑理由不備・審理不尽は何の意味を指し示されることなく︑理由不備と同一意味において用い. 備﹂の形をとっており︑したがって﹁理由不備﹂に解消される度合が大きい︒ ︵一四︶. 同様に解されるものとして︑昭和二九年二月五日最高小二判決︑民集八巻二号三六六頁︑昭和三三年七月二五目最高小. られる︒この場合審理不尽は︑理由不備の付属物ないし付加語のごときものである︒ ︵一五︶. 二判決︑民集一二巻一二号一八六三頁︑昭和三三年一〇月一七日最高小二判決︑民集一二巻一四号三一四九頁などがある︒. なお﹁法令解釈適用の誤又は審理不尽・理由不備﹂の型をとる事例は︑すべてこれと同一に解することができる︒例えば︑. 昭和三三年九月二六日最高小二判決︑民集一二巻一三号三〇二二頁︑昭和三四年七月一.四日最高小三判決︑民集一三巻七号. 九六〇頁︑昭和三五年二月一九日最高小二判決︑民集一四巻二号二五〇頁︑昭和三五年三月一七日最高小一判決︑民集一四 巻三号四五一頁︑昭和三六年六月九目最高小二判決︑民集一五巻六号一五四六頁参照︒. これに対し︑昭和二四年五月七日最高小二判決︑最高裁破棄判例集1四四〇頁︑および昭和二九年一〇月八目最高小二判. 決︑最高裁破棄判例集3一〇一頁は︑以上のものと事件の実質が異なり︑したがつて審理不尽の内容も異なる︒このような 事例が︑審理不尺の本来の意味内容をもつものと解しうる︵︵三︶鋤参照︶︒. ︵一六︶同一事例に属するものとして︑例えば︑昭和三四年六月一一日最高小一判決︑民集一三巻六号六入⁝貝参照︒.
(27) ︵一七︶同一事例に属するものとして︑例えば︑昭和三〇年四月二六日最高小三判決︑民集九巻五号五六九頁︑昭和三五年九月二. 七日最高小三判決︑民集︻四巻二号⁝二〇〇頁︑昭和三六年七月﹃四日最高小二判決︑民集︻五巻七号﹇八︸四頁参照︒. 点におい て ︑ 同 判 決 は ︑. ﹁審理不尽﹂を単独に使用する場合と他の上告理由を結びつけて使用する場合を明確に区別してい. ︵一八︶ 同判決の︹判決理由第二︺は︑ ﹁釈明権不行使﹂を﹁法令解釈の誤による審理不尽﹂と表現している︒したがってこの. るといえる︒すなわち︑. ﹁被上告人は︑上告人Xに対しては︑同上告人が実体上所有者ではないことを主張し得ること勿論であるが︑本件家屋. が︑その後同上告人から更に上告人Zに所有権移転登記がなされていることは原審の確定するところである以上︑現に登記. 名義人でない上告人Xに対し︑本件家屋が自己の所有であるというだけの理由で所有権移転の登記手続を求めることは許さ. れない︒但し︑被上告人が現に登記名義人でない上告人Xに対し︑前記訴外Bとの間になされた所有権取得登記の抹消登記. 手続を求め得ることは︑不動産登記法第一四六条の解釈上明かであるから︑被上告人の真意は右抹消登記手続を求めるにあ. ヤ. う. ヤ. ヤ. るかも知れないし︑また上告人Zの所有権取得登記が抹消される場合を予想し︑右抹消にょり登記名義を回復した暁におい. ヤ. う. ヤ. ヤ. マ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ゐ. て︑被上告人に対し所有権移転登記をなすべきこと即ち将来の給付を求める趣旨であるかも知れない︒されば︑原審は被上. ヤ. ゐ. ヤ. 告人の訴旨を釈明して︑その許容を決すべきであるのに︑漫然上告人Xに対する本件移転登記の請求を認容したのは︑法令. 同一事例に属するものとして︑例えぱ︑昭和三二年一二月六日最高小二判決︑民集二巻二二号二〇七入頁参照︒なお. ヤ. の解釈を誤った結果︑審理を尽さなかった違法があるといわなければならない︒﹂. ヤ. う. ︵一九︶. ﹁審理不尽・理由不備﹂および﹁審理不尽又は理由不備﹂の例で︑本事例に該当するものとして︑前註︵七︶の昭和二九年一. 九五︵二六五︶. 〇月二六日最高小三判決︹判決理由第二︑昭和三五年六月九日最高ト一判決︑および前註︵入︶の昭和二三年四月=二日最 高小三判決などがある︒. 民事上告理由としての﹁審理不尽﹂.
(28) 目. 小. 同. 七. 和. 昭. 四 九 年 六. 月. (. 六. 一 ノ、. ノ、 ). ﹁当該訴訟において︑その結果を確定するについて必要かつ十分な審理をなさなか. ﹁審理不尽﹂の一般的な位置づけ. を試みてみよう︒. e. ﹁審理不尽﹂の 本 来 の 意 味 は ︑. にこの場合いかなる段階に達したとき︑どのような基準で︑. ﹁審理不尽﹂となるのか︑という問題がのこらざるをえ. してとりあげることができよう︒しかしこれも﹁審理不尽﹂の具体的な一般的根拠となりうるものといえるが︑さら. ︵三︶. していなかったのに︑判決したという点で︑第一八二条違反にその根拠を求め︑訴訟手続における法令違背の一つと. 料を全面的に使用して当該裁判をなさなかったこと︑すなわち民訴法第一八二条の﹁裁判ヲ為スニ熟スル﹂段階に達. らに民訴法の規定に求めるとするならば︑裁判所が裁判をなすにつき十分な訴訟資料にもとづき︑かつ必要な訴訟資. ︵二︶. 考えることもできる︒しかし﹁審理不尽﹂をこのような一般規範違反に求めることには疑問がある︒そこでこれをさ. ︵一︶. 法の根本原則である︒したがってその審理が不十分であると認められれば︑この原則違反としての法令違背があると. った﹂ことである︒もともと裁判所がその事件を審理するにさいし必要かつ十分な審理をつくすべきことは︑訴訟. 判. 説︵桜井︶. 最. 論. 民事訴訟における﹁審理不尽﹂の地位. ︵二〇︶ ﹁審理不尽・理由不備﹂ の例で︑同一事例に属するものとして︑例えば︑. 決参照︒. 三. ) の. 判例における﹁審理不尽﹂を位置づけるまえに︑一般的意味における﹁審理不尽﹂の︑民事訴訟における位置.つけ. 証.
(29) ない︒. したがって︑さらに判例の分析の結果についてその位置づけを考えてみなければならない︒. 口判例上の﹁審理不尽﹂の位置づけ. 判例上限定的なものとしてとり出される﹁審理不尽﹂の事例は大別して︑ω当該判決をなすためには︑原審の確定. した事実のみでは不十分であって︑さらにその審理範囲を拡張して︑判決のため必要とされる他の事実についても審. 理し︑それを確定しなければならない︵前掲⑩の事例︶︑⑭原審は法律要件事実の確定のさいして当事者の主張してい. る事実についてなんら審理しなかったから︑それについて十分審理をつくさなければならない︵前掲㈲の事例︶︑ とい. う二つに分けることができよう︒このことは︑ω必要な訴訟資料を十分に蒐集せず︑したがってそれについて十分審. 理しなかったという︑訴訟資料蒐集の段階における﹁審理不尽﹂と︑ω当事者の主張提出した訴訟資料につき十分な. ︵四︶. 審理をしなかったという︑訴訟資料整理︵事実の認定︶の段階における﹁審理不尽﹂の二つに分けて考えることがで. 民事訴訟においては︑訴訟資料の蒐集につき原則と. きる︒前者は弁論主義に関係し︑後者は自由心証主義に関係する︒これらの﹁審理不尽﹂が︑それぞれの段階で︑い. ︵五︶. 訴訟資料の蒐集と﹁審理不尽﹂ー弁論主義との関係. かなる意味をもつものなのかを以下に検討してみよう︒. ω. して弁論主義がとられる︒裁判のために必要な訴訟資料︵諄盤と︶の提出は当事者の責任と権能に任せられ︑裁判所は当. 事者の提出した訴訟資料にもとづいてのみ裁判することを原則とする︒したがって当事者のみがその訴訟において訴. 九七︵二六七︶. 訟資料を提出することができ︑その主張する事実の確定につとめることができるのである︒これに対して裁判所は︑ 民事上告理 由 と し て の ﹁ 審 理 不 尽 ﹂.
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