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地上型3次元レーザースキャナにおける被測定物と反射強度の関係

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Academic year: 2022

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地上型3次元レーザースキャナにおける被測定物と反射強度の関係

   

株式会社テクノシステム    正会員    丹治史哉  株式会社仙台測器社  正会員  三浦太佳也  東北大学大学院工学研究科  正会員  後藤光亀  1.はじめに 

  地上型3次元レーザースキャナは、高密度なレーザ ー光を計測対象物に照射し、被計測物の3次元点座 標群と色(RGB)画像およびレーザー反射強度をデジ タル計測でき、現地で非接触かつ短時間でノートパ ソコンにデータ収集することが可能である。この計測 システムにより、立ち入りの難しい歴史的な建造物等 の詳細な現状情報の取得が期待される。本報告では、

明治 10 年代に建設された近代土木遺産である宮城 県東松島市の野蒜築港市街地に残るレンガ橋台に 着目し、建造物の素材であるレンガ、セメント硬化物、

自然石などのレーザー反射強度に関する基礎デー タを収集するとともに、その利活用方法の可能性につ いて考察を加えた。 

2.調査方法 

現地調査は平成 22 年 11 月 9 日に行い、図-1に 示す新鳴瀬川跡の野蒜築港跡のレンガ橋台「下の 橋」の計測と、レンガを中心とした30種類の素材(レ ンガ22種、コンクリートブロック4種、木材1種、金属2 種、自然石1種)の反射強度を収集した。本報告では その中から一般的なレンガ、耐火レンガ、合板、橋台 レンガ、稲井石などについて述べる。 

    計測には、図-2に示すTOPCON社製地上型3次 元レーザースキャナGLS-1000を使用した。この機械 は、1535nm の波長のレーザーを、被計測物に 3000 点/秒で照射することができ、20m 先で1㎜間隔での データ取得ができる。また、測定精度は4㎜(σ)/1〜

150m である。位置座標値は小数点以下 3 位までの

㎜まで、反射強度は 0〜2200 までの数値(数値はメ ーカー規定値)、色情報はR(赤)G(緑)B(青)が各々 256 階調での数値にて表現される。これらの情報は、

専用のソフトウェアより様々な表現方法でデータを表 示することも可能である。  素材の計測では、センサ ーから約9m 付近に被計測物を並べ、レーザーの測 定間隔(ピッチ)等の条件を9m先で1㎜間隔と設定

した。

また、レーザーは、被計測物へのレーザー光の入 射 角 や 材 質 ・ 色 な ど に よ り 変 化 す る こ と に 加 え 、

1535nm の波長のレーザー光の場合、水にレーザー

光が吸収されやすい特性があり、素材によって反射 強度が変化する。(図-3)そこで、素材の反射強度計 測は、計測Ⅰ:被計測物がレーザー入射角 90°(正 面に直角入射)とし、素材の代表的な反射強度の評 価に対する解析面積の影響、計測Ⅱ:水で濡れた被 計測物(レーザー入射角90°)の反射強度への影響 評価に対して行った。

3.結果および考察 

 図-4に、計測Ⅰの各素材の解析面積(一辺 1、3、5、

キーワード:地上型3次元レーザースキャナ、反射強度、土木遺産、

連絡先:株式会社テクノシステム  Add.仙台市宮城野区東仙台3-1-45  Tel.022-297-2151 下の橋

観測位置

図-2 地上型3次元レーザースキャナ

新鳴瀬川跡

北上運河

鳴瀬川

石巻湾

図-3  被計測物の違いによる反射強度の事例

(下段左より、コンクリートブロック、稲井石、橋台レンガ)

浜市漁港側

図-1  野蒜築港跡レンガ橋台(下の橋)付近の 地上型3次元レーザースキャナ計測表示

IV-43

土木学会東北支部技術研究発表会(平成22年度)

(2)

10cmの正方形)の反射強度を示す。レンガ橋台のレ  ンガと稲井石以外は、市販の新品である。同図より、

各素材とも一辺 3cm の正方形の解析面積があれば、

ほぼ一定の反射強度を示す。反射強度は表面の粗 密度、汚れなどがレーザー反射強度に影響し、表面 が緻密であれば反射強度が高く、表面が凸凹であれ ばレーザーは散乱し反射強度は小さくなる。また、色 は黒など色が濃い場合、反射強度が小さい傾向にあ るが、その理由は明確ではない。表-1は計測Ⅱの結 果で、同一の素材の乾燥状態と水に濡らした場合の

反射強度の変化を示した。対象とした3種類のレンガ では、水に濡れるとセンサーに計測される反射レー ザーパルス数が減少し、かつ反射強度も低下する。

1535nmのレーザー光の水中での吸光は、101〜10

(1/cm)と大きく、反射強度を小さくする。

  図-5〜図-7は、レンガ橋台の「下の橋」側面(石巻 側で海側)の3次元レーザースキャナの解析結果を

示す。図-5は、搭載カメラの色情報と3次元座標点デ ータ群、図-6 は、反射強度と3 次元座標点データ群 である。図-7 の反射強度の小さい青色のレンガは、

色が黒褐色から茶褐色の濃いレンガ色で、風化が進 行せずレンガの原寸法を保持している。また、橋台の 下端は潮汐の影響を受け、レンガが湿潤状態にあり、

反射強度が小さい。潮汐の影響を受けない青色の反 射強度を示す風化の少ないレンガの面を6点選択し、

これらを基準点としてレンガ橋台側面(海側)の基準 平面を決定し、その基準平面からの凹凸を図-6 に示 す。橋台の上端のレンガ飾りの欠損が明確となり、ま たレンガの欠損や目地欠落の状況を表示することが 可能となった。

4.おわりに 

歴史的な遺跡・建造物への地上型3次元レーザー スキャナの反射強度データを用いた利活用について 考察を加えた。  レンガ状況を反射強度で表現する にはさらなる検討が必要であるが、今回の解析例は その可能性を示す一事例として期待される。

赤レンガ 上一等

フランス耐火レン 耐火レンガSK-32

野蒜築港橋台レンガ

500.0 600.0 700.0 800.0 900.0 1,000.0 1,100.0 1,200.0 1,300.0

1㎝ 3㎝ 5㎝ 10㎝

データ切り出し間隔

図-4-1  代表的な反射強度の評価(レンガ類)

図-4-2  代表的な反射強度の評価(コンクリート他)

材質名(注1)

反射計測 データ数

水濡れ減

少率(%) 平均値

水濡れ減 少率(%)

レンガA 846 1,187.1

レンガA(水濡れ) 506 59.8 813.8 68.6

レンガB 1,647 1,141.9

レンガB(水濡れ) 504 30.6 866.8 75.9

レンガC 865 1,131.2

レンガC(水濡れ) 399 46.1 689.8 61.0

(注2)計測面:3㎝ ×3㎝

データ数(注2) 反射率

(注1)レンガA=耐火レンガSK-32、レンガB=赤色レンガ、

     レンガC=コーラルタンブルレンガ(ミックス 白)

図-5  色情報表示(レーザースキャナデータ)

図-6  反射強度表示(レーザースキャナデータ)

図-7  凹凸表示(青〜赤:0〜25.4㎝)

踏み石(黄色)

踏み石(茶色)

コンクリートブロック(白)

稲井石

300.0 400.0 500.0 600.0 700.0 800.0 900.0 1,000.0 1,100.0 1,200.0

1㎝ 3㎝ 5㎝ 10㎝

データ切り出し間隔

表-1  水分による反射強度への影響評価

土木学会東北支部技術研究発表会(平成22年度)

参照

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