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画像計測に基づいた歴史的建造物の3DCG復元に関する研究 ―光反射特性の計測と光反射モデルの構築―

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Academic year: 2021

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企業情報学部准教授*

望 月 宏 祐*

…Kosuke…MOCHIZUKI

研究実績の概要  本研究では、これまで歴史建造物の光反射特性や 表面特性を画像から推定する手法の開発を行ってき た。研究の主な対象は長野県小諸市にかつて存在し た小諸城である。現在の小諸城跡は懐古園として観 光等に利用されており、周辺には石垣や空堀、そして 大手門と三の門などが残されている。  これまで我々はこの小諸城の3DCG復元を試みて きたが、詳細な質感の再現には至っていない。そこで 現在の小諸城跡地(現小諸懐古園)やその城下町に 存在する建造物等の部位ごとの反射特性を数学的 にモデル化し、対象の反射特性を定量化することを目 指してきた。対象物体の表面状態を定量化できれば、 記憶した情報に基づいて対象物体がもつ質感を精密 な3DCGとして映像復元できる。このようにして精密 に復元する3DCGは、製作者の主観的な情報ではな く客観的な情報としてのデジタルアーカイブとなる。ま た、鑑賞者がコンピュータ上で鑑賞する視点や照明 方向を自由に変化させながら城の姿を鑑賞できるよう になる。本研究の成果により開発した技術は、小諸城 のみではなく他の大型歴史建造物に対しても応用が 可能である。そして3DCG化する物体に対して詳細な 質感のデジタルアーカイブが計測ベースで可能となり、 これらの映像再現精度を大幅に高められる。また、得 られた光反射特性から、まだ材質等の情報が明らか になっていないものに対しての材質の推定や、地域や 時代特有の文化を明らかにすることに繋がるため、歴 史・文化を対象とした研究への貢献が期待できる。  本研究では、複数の建造物や保存されている小諸 城に関わる資料を画像計測し、多数の重要な情報が 得られた。まず、三の門においては建造物の外装部の ほか、内部の計測を行った。このとき内部の壁面や床、 天井など広い範囲の計測を行った。中仕切り門につ いては現在の城下町に保存されている桁等の計測を 行った。また、同時に小諸城や城下町に関わる資料の 計測を行った。これらの計測により、建造物に使われて いた各部位の色情報を復元3DCGに反映させること ができるようになった。また、小諸城や城下町に関わる 資料が多数計測できた。これらの資料から、主に町割 に関する情報が得られたため、今後3DCGに反映さ せ復元範囲が広がることが期待できる。  次に、現在の二の丸や水櫓跡に残された石段等の 3次元形状の計測を行った。これらにより、計測情報 に基づいた3DCGの復元範囲が広がった。今後は、今 回の計測情報とこれまでに調査した古文書とを比較し ながら復元することで、3DCGの復元精度が向上する と考えられる。  以上のように、本研究では小諸城を対象とした3 DCG復元に関する一定の成果が得られた。本研究の 成果の一部は、日本色彩学会画像色彩研究会にて発 表した。しかしながら次の課題が残った。まず今回の 研究では、対象とする建造物が予想以上に多いことが わかったため、建造物ごとの材質に関わる様々な条件 下の詳細な計測には至らなかった。特に、物体表面に 対して入射角や受光角を変化させた際に生じる光反 射特性の計測には至っていないため、これらを今後行 うことで精密な光反射モデルの構築に繋がると考えら れる。今後は、これまでの計測手法に加えて、一つの建 造物の各部位の詳細な計測手法を確立する必要があ る。また、今年度は対象とできなかった建造物が多数 ある。特に、小諸城は城下町に移築された建造物が複 数あるがそれらを対象とできていない。また、一部の建

画像計測に基づいた歴史的建造物の3DCG復元に関する研究

―光反射特性の計測と光反射モデルの構築-

(準備研究)

−…85…− 長野大学紀要 第41巻第2号  85—86頁(193−194頁)2019

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造物では当時使われていたとされる装飾品などが残さ れていることから、それらも含めて調査や計測を進める 必要がある。こういったものを対象としながら3DCGの 復元を進めることで復元範囲が広がるだけではなく、 さらに地域の歴史や文化的な知見を含めた価値のあ る研究になると考えられる。 研究発表(平成30年度の研究成果)  〔学会発表〕 計( 1 )件 発 表 者 名 発  表  標  題 高寺恵司,望月宏祐, 田中法博 古文書と計測情報に基づいた小諸城の…3DCG…復元 学 会 等 名 発表年月日 発表場所 日本色彩学会画像色彩研究会 …2019年3月16日 国立新美術館 長野大学紀要 第41巻第2号    2019 −…86…− 194

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