1 計画の趣旨
長崎市は、全国よりも早いスピードで人口減少と高齢化が進んでおり、今後のがん、心 疾患、脳血管疾患、糖尿病などの生活習慣病患者の増加、また生活習慣病に起因した寝た きりや認知症などの介護を必要とする人々の増加が、大きな課題となっています。 こうした背景を踏まえて、本市では21世紀の長崎市を「すべての市民が健やかで心豊か に生活できる活気あるまち」にしたいという夢の実現のために、市民、地域、企業、地域 の組織・団体が中心となって、平成14年3月に市民の健康づくり10カ年計画「健康長崎市 民21」を策定しました。
「健康長崎市民21」では、人の一生を胎生期、乳幼児期、児童期、思春期、青年期、壮年期、 高齢期の7つのライフステージに分け、それぞれの世代に望まれる生活の質(QOL)を設 定し、QOLを保つために必要で具体的な健康目標を掲げて、市民の健康づくりを推進して きました。
しかし、平成17年度に実施した中間評価では、壮年期の栄養・運動・ストレス分野の改 善が進んでいないことが明らかとなったために、分科会を再編して、生活習慣病予防を中 心とした健康づくりに重点を置いて、健康的な生活習慣の確立(小児期からの生活習慣の 基礎づくり・成人期の生活習慣病予防・高齢期の健康生活の基礎づくり)をキーワードに、 健康づくりを推進してきました。
平成23年度に実施した最終評価の結果では、「小児期」の目標項目において、半数以上 が達成または改善しましたが、「青年期」「壮年期」「高齢期」の目標項目は、改善がみられな かった項目も少なくなく、ターゲットをより明確にし、戦略的で効果的な取り組みが必要 であると考えられました。
そこで「第2次健康長崎市民21」では、①栄養・食生活 ②身体活動・運動 ③健康チェッ ク ④こころの健康 ⑤禁煙 ⑥歯・口腔の健康 ⑦環境づくりの各分野において、「健康寿 命の延伸」を大目標に、そして「生活習慣病の発症及び重症化予防」を重点目標に掲げ、「市 民が健やかで心豊かに生活できる活気あるまち」を目指します。
また、今後5年間は、重点1「毎日プラス1皿野菜を増やそう」重点2「毎日プラス10 分からだを動かそう」重点3「年1回健診、がん検診を受けよう」をスローガンとして特 に重点的に取組みます。
そして、その推進には、市民を主体とし、家庭、地域、企業、学校、保健医療関連団体機関、 地域職域団体、保険者、行政のそれぞれが協働し、各々の活動を積極的に展開することに より、健康づくりの輪が市民一人一人に効果的に広がる計画となることを目指します。