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Academic year: 2021

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高齢者における死亡,要支援・要介護状態に関連 する要因の定量的評価-ながおかヘルシープラ ン 21 推進事業 健脚度測定調査に基づく解析-

新潟医療福祉大学 医療情報管理学科・森脇健介 新潟リハビリテーション病院 理学療法科・高野義隆

新潟医療福祉大学 理学療法学科・小林量作 長岡市 福祉保健部 長寿はつらつ課・伊野善貴 新潟リハビリテーション病院 整形外科・山本智章

【背景】

長岡市は平成 14 年度から平成 23 年度にかけて“ながおか ヘルシープラン 21 推進事業健脚度測定調査”を実施し,高齢 者の健脚度に関連したデータを集積するとともに,健脚度の 現状や時系列変化に関する分析を行っている.本研究では,

高齢者における死亡や要介護・要支援状態に関連する要因を 明らかにすることを目的に,長岡市の健脚度測定調査データ に基づく定量的評価を行った.

【方法】

平成 14 年度の測定事業参加者の健脚度および問診票のデ ータと平成 23 年度に確認された死亡や要介護・要支援状態な どの転帰に関するデータ,合計 892 名分(平均年齢±SD:73.0

±6.0)に基づき死亡に関連する因子や要介護・要支援状態に 関連する因子を定量的に検討した.測定事業では日常生活に 関する問診や身体組成,健脚度に関するデータが収集された.

なお,データの収集,解析に際しては,書面による同意取得 や連結可能型の匿名化を行い,疫学研究に関する倫理指針に 準拠した対応を行った.

平成 14 年に測定した健脚度および問診票のデータを説明 変数とし,死亡の有無,要介護・要支援状態の有無を目的変 数とした多重ロジスティック回帰分析を行った.変数選択に はステップワイズ法を用い,変数除外の有意水準を 0.2 とし,

組み入れの有意水準を 0.1 とした.一連の統計解析には,

Stata/SE 9.0 Windows 版(StataCorp LP)を用いた.

【結果】

高齢者の要介護・要支援状態の有無に関する因子を検討し たところ,①年齢,②BMI,③骨密度,④同居家族の人数,⑤ 家族・友人の相談に乗るか,が要介護・要支援状態の有無に 対して有意に関連していた(表 1) .なお,性別や畳からの起 き上がりの可否,地域行事への参加の有無についても,高齢 者の要介護・要支援状態の有無に関連する傾向がみられた (表 1) .

また,高齢者の死亡に関連する因子を検討したところ,① 性別,②年齢,③椅子から立ち上がれるか,④10m 歩行時間,

⑤転倒経験の有無,が死亡に対して有意に関連していた(表 2) .

表 1. 要介護・要支援状態の有無に関する多重ロジスティッ ク回帰分析の結果

要介護・要支援状態 オッズ比 標準誤差 95%信頼区間 p値

性別 0.572 0.163 0.327 1.001 0.051

年齢 1.136 0.026 1.086 1.188 0.000*

BMI 1.103 0.050 1.009 1.207 0.032*

平均血圧 0.983 0.009 0.965 1.002 0.073

骨密度 0.980 0.006 0.968 0.992 0.001*

家族の人数 0.857 0.060 0.748 0.983 0.028*

家族・友人の相談に乗るか 0.523 0.158 0.288 0.947 0.032*

畳から起き上がれるか 0.353 0.192 0.122 1.023 0.055 地域行事に参加するか 0.544 0.171 0.294 1.009 0.053

N= 534, Log likelihood=-198.2, Pseudo R

2

=0.192, * p<0.05

表 2. 死亡に関する多重ロジスティック回帰分析の結果

死亡の有無 オッズ比 標準誤差 95%信頼区間 p値

性別 3.808 1.100 2.161 6.709 0.000*

年齢 1.064 0.023 1.020 1.111 0.004*

家族・友人の相談に乗るか 0.750 0.215 0.428 1.315 0.316 椅子から立ち上がれるか 0.235 0.137 0.075 0.736 0.013*

10m歩行時間 1.225 0.084 1.071 1.401 0.003*

転倒経験の有無 2.016 0.550 1.181 3.442 0.010*

VASスコア 0.775 0.168 0.507 1.184 0.239 食事は薄味か 1.560 0.448 0.888 2.738 0.122 筋トルク(Nm) 0.992 0.008 0.976 1.007 0.291 一人で外出できるか 0.508 0.215 0.222 1.163 0.109

N = 442, Log likelihood=-154.8, Pseudo R

2

=0.231, * p<0.05

【考察】

本研究の結果,①年齢が低い,②BMI が低い,③骨密度が 高い,④同居家族の人数が多い,⑤家族・友人の相談に乗る ことが出来る人は介護,支援を必要としない傾向が示唆され た.したがって,BMI や骨密度の改善を図るとともに,なる べく独居せず,家族・友人とコミュニケーションをとる機会 を維持することが重要と考えられた.

なお,①女性,②年齢が低い,③椅子から立ち上がること ができる,④10m 歩行時間が短い,⑤転倒経験がない人は,

相対的に死亡のリスクが低い傾向にあることから,歩行能力,

椅子からの立ち上がりが可能な筋力やバランス能力の維持を 図り,転倒を予防することが重要であると考えられた.

【結論】

介護や支援を必要としない長寿に向けて,次のような取り 組みが必要である.

1) コミュニケーションをとる機会を保つために,独居を回 避し,他者と交流する機会を持てるよう環境整備などの 対策を講じる,

2) 歩行能力や椅子からの立ち上がりに必要となる筋力・バ ランス能力を維持するための運動習慣定着化を目指す 活動の重要性を啓発する,

3) 食生活等の改善を含め,肥満の予防,骨密度の維持・向 上を図る取り組みを行う.

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プロセスシアン

プロセスシアンプロセスマゼンタプロセスマゼンタプロセスイエロープロセスイエロープロセスブラックプロセスブラックDIC 643pDIC 643p

表 2. 死亡に関する多重ロジスティック回帰分析の結果 死亡の有無 オッズ比 標準誤差 95%信頼区間 p値 性別 3.808  1.100  2.161  6.709  0.000*  年齢 1.064  0.023  1.020  1.111  0.004*  家族・友人の相談に乗るか 0.750  0.215  0.428  1.315  0.316  椅子から立ち上がれるか 0.235  0.137  0.075  0.736  0.013*  10m歩行時間 1.225  0.084  1.071

参照

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