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穂積晃 論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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穂積晃 論文内容の要旨

主 論 文

Bone marrow adipocytes support dexamethasone-induced osteoclast differentiation

(骨髄脂肪細胞のデキサメサゾン投与による破骨細胞分化制御に関する検討)

穂積晃 尾崎誠、後藤久貴、坂本和隆、井口茂、進藤裕幸

Biochemical and Biophysical Research Communications

(Biochem Biophys Res Commun. 2009 Mar 24. [Epub ahead of print]

PMID: 19324007 [PubMed - as supplied by publisher]

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医療科学専攻

(主任指導教員:進藤裕幸教授)

目 的 近年脂肪組織は内分泌臓器として捉えられ、その重要性が注目されて いる。しかし骨髄内に多量に存在する脂肪細胞についてはこれまでそ の生理機能に関する検討はあまり行われていない。今回我々はヒト骨 髄脂肪細胞初代培養系において成熟骨髄脂肪細胞の破骨細胞分化に 与える影響について調査した

対象と方法 10 人の大腿骨頚部骨折患者の prosthesis 挿入の際に採取した骨髄液 より骨髄脂肪細胞を分離し、NF-κB ligand (RANKL)、osteoprotegerin (OPG)、macrophage colony stimulating factor (M-CSF)の遺伝子 発現について調査した。さらにデキサメサゾン(DEX)がそれらの発現 に与える影響について検討した。

また DEX 存在下、および非存在下における前破骨細胞と骨髄脂肪細 胞の共培養を行い破骨細胞分化について

tartrate-resistant acid phosphatase(TRAP)染色により評価した。

結 果 RANKL,OPG,MCSF の遺伝子発現と DEX のよる発現調節

RT-PCR にて骨髄脂肪細胞からの RANKL、OPG、M-CSF の発現を全例に認 めた。DEX による影響については 10-7M レベルでの RANKL,OPG の有意 な発現増強を認めた(RANKL:平均 11.0 倍、OPG:平均 3.9 倍)。MCSF に ついては有意な変化を認めなかった。DEX 濃度勾配による検討におい ても 10-7M での RANKL および RANKL-OPG 比(RANKL/OPG)の発現増強が 最も顕著であった。

前破骨細胞、脂肪細胞共培養による破骨細胞分化と DEX による分化調節

(2)

前破骨細胞は骨髄脂肪細胞により TRAP による染色が陽性化しさらに DEX を添加することにより細胞の肥大化、多核化が生じ分化がさらに促 進された結果となった。

考 察

ステロイド性骨粗鬆症に関してはその病態は未だ不明な点が多い。現 時点ではグルココルチコイド(GC)により骨芽細胞の apoptosis 誘導、さ らに未分化間葉系細胞の骨芽細胞分化の抑制、脂肪細胞への分化促進に より骨髄の脂肪髄化が促進されるとされている。

近年脂肪細胞は様々な生理活性物質を産生し人体の homeostasis に重 要な役割を果たしいわゆる内分泌組織とみなされている。皮下脂肪、お よび腹腔内臓脂肪に関する各種研究が多くなされ脂肪細胞の肥大化に 伴う生理活性物質の分泌バランスの変化が様々な生活習慣病発症の引 き金となっていることが明かになってきている。一方骨髄内に多量に存 在する骨髄脂肪の骨代謝に及ぼす影響については未だ不明な点が多い。

過去の報告では外因性に投与された adiponectin は in vitro において マウスおよび人の macrophage の M-CSF および RANKL による osteoclast への分化を抑制し、osteoclast の骨吸収作用を抑制するとし、さらにマ ウス前骨芽細胞 MC3T3-E1 の alkaline phosphatase の発現を促進し、

mineralization activity を活性化するとしている。また in vivo にお いても海面骨の骨量を増加させたと報告している。また Kelly らは in vitro においてマウスの脂肪前駆細胞が破骨細胞分化に与える影響につ いて報告している。以上の報告や骨の閉鎖空間性を考慮した場合骨髄脂 肪細胞が骨内代謝環境に与える影響は大きいものと考えられる。本研究 は、骨髄脂肪細胞と前破骨細胞の共培養により前破骨細胞が軽度ではあ るが分化する結果が得られ、DEX がさらにその分化を促進することが示 された。 mRNA 発現の結果と上記結果により成熟骨髄脂肪細胞がステロ イド性骨疾患の病態生理に関わっていることが強く示唆される。

現在破骨細胞の分化調節に関しては骨芽細胞上に発現する RANKL と破 骨細胞前駆細胞上の RANK の結合(細胞接触)が破骨細胞分化に必須で あるとされ、成熟骨髄脂肪細胞が破骨細胞分化に与える影響について詳 細な報告はない。本結果は破骨細胞分化における新たなカスケードを示 しその意義は大きいものと考える。

参照

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