【集合論的トポロジー入門】
市原一裕
平成
28
年5
月29
日はじめに
このノートは「幾何学特論II」の講義用のノート(講義を実際にするため のメモ,および,学生の自習(予習と復習)用)として作成しています.わ からないところや,ミスだとおもわれるところがあれば,いつでも遠慮なく,
市原まで連絡ください.質問やコメントによって,みんなのノートとして,よ り良いものにしていければと思っています.
講義の概要
第1節は準備です.
第2章は,距離化定理
第二可算公理と第三分離公理を満たすならば距離化可能 第3章被覆コンパクトと点列コンパクト
ティコノフの定理(無限積)
多様体の定義(パラコンパクトとハウスドルフ性)
テキスト
寺澤順
トポロジーへの招待
日本評論社,162ページ,2012/4/16発売,ISBN-13: 978-4535785748
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目 次
はじめに 3
講義の概要 . . . . 4
参考書 . . . . 4
第1章 準備 7 1.1 第1講 . . . . 7
1.2 第2講 . . . . 7
1.3 第3講 . . . . 7
第2章 距離化定理 9 2.1 距離位相. . . . 9
2.2 ゾルゲンフライ直線 . . . . 12
2.3 距離化定理の証明(1) . . . . 16
2.3.1 第四分離公理と正規空間(T4-空間) . . . . 17
2.3.2 完全正則空間(チコノフ空間,またはT31 2-空間) . . . 18
2.3.3 完全正則空間⇒距離化可能 . . . . 19
第 1 章 準備
1.1
第1
講テキストの第3章「基本概念」の解説 位相空間
開集合系,開集合の定義 近傍の定義
位相空間の定義について 閉集合の定義,性質
1.2
第2
講テキストの第3章「基本概念」の解説(続き)
位相の強弱
例)密着位相と離散位相 内部,内点
外部,外点 境界,境界点
定理3.4.2(内部は開集合,境界は閉集合)
定理3.4.3(内部は最大の開集合)
1.3
第3
講テキストの第3章「基本概念」の解説(続き)
閉包(closure)の定義と性質 定理3.5.2,3.5.3
孤立点と集積点
第 2 章 距離化定理
2.1
距離位相
定義2.1.1. 【距離関数(distance function)】
Xを任意の集合とする.次の3つの性質を満たすような関数d:X×X→ Rを,集合X上の距離関数という.∀P, Q, R∈Xに対して,次が成立.
(1) d(P, Q)≥0かつd(P, Q) = 0ならばP =Q (2) d(P, Q) =d(Q, P)
(3) d(P, Q) +d(Q, R) =d(P, R)(三角不等式)
例 2.1.1. 例えばR2上で,2点 P = (x1, y1)とQ= (x2, y2)に対して dM(P, Q) =|x1−x2|+|y1−y2|
によって決まる関数dM :R2×R2→Rは距離関数になる.この距離関数を マンハッタン距離関数という.(ニューヨークのマンハッタン島はいわゆる碁 盤状に道路が走っているので.日本だったら京都距離関数?).
定義2.1.2. 【距離空間(metric space)】
集合Xに,X上の距離関数d:X×X →Rが与えられたとき,組(X, d) を距離空間という.
例 2.1.2. R2 とマンハッタン距離関数dM の組(R2, dM)で距離空間がひ とつ決まる.この距離空間で考える幾何学を「タクシーの幾何学(Taxicab Geometry)」といったりする.
2.1. 距離位相 第2. 距離化定理
定義2.1.3. 【距離位相】
集合Xに距離関数d:X×X →Rが定められているとする.この時,
∀p∈U,∃ε >0 s.t. {q∈X|d(p, q)< ε} ⊂U
を満たすXの部分集合U ⊂Xを集めると開集合系の定義を満たす.従っ て,{U}によりX に位相が定まる.この位相を距離関数dから定まる 距離位相という.
練習問題 2.1.1. 上のように距離関数から決まる集合族が,開集合系の3つ
条件を満たすことを確かめなさい.
定義2.1.4. 【距離化可能(metrizable)】
位相空間(X,U)に対して,Uで定まる位相が距離位相になる場合,つま り,ある距離関数d:X×X →Rが存在して,dによって定まる開集合 系がUになる場合,位相空間(X,U)は距離化可能 (metrizable)であ るという.
残念ながら,全ての位相空間が距離化可能ではない.
例 2.1.3. 一点集合でない集合に密着位相により定まる位相空間は距離化可
能でない.
x, y ∈ X かつx ̸= y の時,ε := d(x, y) > 0(距離関数の定義より).
{z∈X |d(x, z)< ε} ⊂X はdから定まる距離位相では開集合だが,∅でも X でもない.
これから考えたい問題は以下である.
bababababababababababababababab
問題:どんな位相空間が距離化可能だろうか?
密着位相の例から,あまり「弱すぎる」位相は距離化可能でないことが予 想される.つまり,
「距離化可能な位相空間では,開集合(開近傍)が十分豊富にある」
ということが期待される.
実際,次が成り立つ.
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∀p, q∈X, ∃U, V ∈ U s.t. p∈U, q∈V, U ∩V =∅
この性質は,位相空間論において,とても重要といわれ,特別な名前が付 いている.
定義 2.1.5. 【第二分離公理,T2-空間,ハウスドルフ空間 (Hausdorff space)】
位相空間(X,U)に対して,
∀p, q∈X, ∃U, V ∈ U s.t. p∈U, q∈V, U∩V =∅
が成り立つとき,位相空間(X,U)は第二分離公理を満たす,または,ハ ウスドルフ空間(Hausdorff space)である,という.
フェリックス・ハウスドルフ(Felix Hausdorff)
ドイツの数学者(1869年11月8日-1942年1月26日)。位相空間などの 研究に貢献した。ライプツィヒ大学出身。ボン大学、グライフスヴァル ト大学の教授を務めた。ハウスドルフはユダヤ人であったため、ナチス 政権がドイツを支配していた1942年に強制収容所に送られることが決 定され、妻や義理の妹と共に自殺した(73歳)。
つまり,定理2.1.1は,距離位相を持つ位相空間はハウスドルフ空間になる ことを言っている.
しかし,残念ながら,この逆は成り立たない.つまり,開集合がとにかく 多ければ大丈夫,ということにはなっていない.
もうすこし複雑な例をあげよう.
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2.2. ゾルゲンフライ直線 第2. 距離化定理
2.2
ゾルゲンフライ直線
定義2.2.1. 【ゾルゲンフライ直線(Sorgenfrey line)I】
Rを実数全体からなる集合とする.
U ={∀p∈U | ∃q∈Rs.t. q < pand (q, p]⊂U}
を満たすようなRの部分集合を集めた集合族は開集合系になることが示 せる.この時,(R,{U})で決まる位相空間をゾルゲンフライ直線(Sor- genfrey line)という.
[Reference]: R.H. Sorgenfly,On the topological product of paracompact spaces, Bull. Amer. Math. Soc. 53, (1947). 631–632.
注意 2.2.1. 他の文献ではゾルゲンフライ直線を定義する際,[q, p)を使って
いる.(https://en.wikipedia.org/wiki/Lower_limit_topology) ゾルゲンフライ直線の位相は,通常のユークリッド直線の位相より強い.な ぜなら,半開区間も開集合なので,通常の意味よりも開集合が多いから.
練習問題 2.2.1. ゾルゲンフライ直線において,(a, b)が開集合であることを
示しなさい.
実際,ゾルゲンフライ直線は,ハウスドルフ空間になる.
練習問題 2.2.2. ゾルゲンフライ直線はハウスドルフ空間になること(第二
分離公理を満たすこと)を示しなさい.
しかし,この場合は,密着空間とは逆に,開集合が多すぎるために,距離 化可能ではなくなってしまっている.
定理2.2.1. 【ゾルゲンフライ直線は距離化不可能】(命題7.4D)
S = (R,U)の位相は距離位相にならない,つまり,U は,Rを定義域 とする距離関数によって定まる位相にならない
以下,この定理の証明をしてみよう.
S= (R,U)に対して,
有理数全体から成る集合Q⊂Rを考える.
(本来なら,実数の定義をきちんとしないと,以下の議論の本質を見るこ とはできないが,ここではその厳密な定義は省略する.)
この時,以下のことが成り立つ.
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∀ ⊂R ∩Q̸ ∅
注意 2.2.2. 通常のユークリッド位相に関しては,このことはよく知られて
いる.実は,ゾルゲンフライ直線の位相についても,このことは成り立つ.
練習問題 2.2.3. ゾルゲンフライ直線S = (R,U)の位相についても,任意の r∈Rの近傍∀U ∈ U,r∈U に対して,U∩Q̸=∅が成り立つ,ことを示し なさい.
以下,背理法によって,定理2.2.1の証明を行う.
つまり,U が距離位相であると仮定して,矛盾を導く.
R上の距離関数dが存在して,ゾルゲンフライ直線における任意の開集合 U に対して,
∀p∈U,∃ε >0 s.t. {q∈X |d(p, q)< ε} ⊂U
が成り立っているとする.
一方で,
{q∈R| ∃p∈Q,∃n∈Ns.t. d(p, q)< 1 n}
と言う集合全体Vを考える.ここで,V の濃度は可算無限である,つまり,
V の要素の個数は可算個であることに注意.
この時,Rの完備性,より正確には,アルキメデスの原理,から,
「任意の実数ε >0に対して,ある自然数n∈Nが存在して,1n < εが成 り立つ」
が成り立つので,ゾルゲンフライ直線における任意の開集合U に対して,
∀p∈U,∃V ∈ V s.t. p∈V andV ⊂U
が成り立つ.
従って,p∈Rに対して,
Vp∈ V s.t. p∈Vp andVp⊂(p−1, p]
を満たす集合 Vp を見つけることができる1 この写像R→ V を考えると,
「p < p′ ならば,Vp⊂(p−1, p]よりp′̸⊂Vp だが,仮定よりp′∈Vp′」 が成り立つ.従って,Vp̸=Vp′ となる.これはつまり,写像R→ V が単射 であることを意味する.
しかし,V の濃度は可算無限ℵ0 であり,Rの濃度は連続無限なので,こ
れはカントールの定理に反する. (証明終)
1ここで実は,選択公理を使っている.
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2.2. ゾルゲンフライ直線 第2. 距離化定理
この定理2.2.1の証明をよく見直してみると,次のように一般化できるこ
とがわかる.
定理2.2.2. 【距離化可能の条件】(定理7.4C)
距離位相空間は可分なら第2可算公理を満たす.
定義2.2.2. 【可分(separable)】
位相空間X にある部分集合Dが存在して,Dが可算集合,かつ,Dが X で稠密であるとき,X は 可分(separable)であると言う.
定義2.2.3. 【開基】
位相空間X の部分集合族V が 開基 であるとは,∀p∈X の任意の近 傍U に対して,あるV ∈ V が存在して,p∈V かつV ⊂U を満たす こと.
注意 2.2.3. 「開基」の定義の同値な言い換えとして,
「Xの任意の開集合が,V の要素の和集合として表される」
というのもある.
定義2.2.4. 【第二可算公理】
位相空間X が可算集合である開基V を持つとき,Xは 第二可算公理 を満たすと言う.
練習問題 2.2.4. 定理2.2.1の証明を基にして,定理2.2.2を証明しなさい.
なお定理2.2.1の逆も一般に成り立つ.
定理2.2.3. 【第二可算公理と可分性】(定理7.4B)
位相空間は第2可算公理を満たすならば可分である.
補足1
ちなみに,第一可算公理の定義も紹介しておこう.
位相空間X が,Xの各点で可算集合である基本近傍基V を持つとき,X は 第一可算公理を満たすと言う.
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⊂
例 2.2.1. 距離空間(S, d)において,p∈S と自然数nに対して,
Un(p) :={q∈S|d(p, q)< 1 n}
とすると,{Un}n∈Nは,dから定る距離位相に関して,pにおける可算近傍 基になる.従って,dから定る距離位相を入れた位相空間は,第一可算公理 を満たす.
例 2.2.2. ゾルゲンフライ直線は,第一可算公理を満たす.実際,p∈ Rに
対して,{(p−n1, p]}n∈Nを考えると,これはpにおける可算近傍基を与えて いる.
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2.3. 距離化定理の証明(1) 第2. 距離化定理
2.3
距離化定理の証明(1)この章の目的は以下の定理を証明すること.
定理2.3.1. 【ウリゾーンの距離化定理】(定理12.8B)
第2可算公理を満たし第三分離公理を満たす位相空間(正則空間)は 距離化可能.
原論文:
P. Urysohn, Zum Metrisationsproblem, Math. Ann. 94 (1925), no. 1, 309–315.
パベル・ウリゾーン (Pavel Samuilovich Urysohn)
ロシアの数学者(1898年2月3日 - 1924年8月17日)。ロシア帝国の オデッサ生まれ。モスクワ大学で1915年から1921年まで学んだ。卒業 後、モスクワ大学で数学の助教授となったが、1924年フランスブルター ニュ地方の海岸で溺死した(26歳)。上記論文は,生前,1924年の4月 に彼によって投稿され,翌年,死後に出版された.
前節で見たように,開集合が少なすぎても多すぎても距離化可能にならない.
ゾルゲンフライ直線の例で見たように,「第2可算公理を満たす」という条 件は,開集合が多すぎてはいけない,ということを(なんとなく)言っている.
密着位相空間のように,開集合が少なくすぎても良くない.距離空間は,例 えば,ハウスドルフ性(第二分離公理)を満たす(定理2.1.1)けれども,そ れだけでは不十分(ゾルゲンフライ直線はハウスドルフ空間になっている).
上の定理の「正則空間(regular space)」というのは,「第三分離公理」を満 たす空間のことで,ハウスドルフ空間を強めたものになっている.
定義2.3.1. 【第三分離公理と正則空間】(p.94, 11.2節)
位相空間(X,U)に対して,
∀p, q∈X,∃U, U′, V ∈ U s.t. p∈U, q∈V, U∩V =∅, p∈U′, cl(U′)⊂U
が成り立つとき,位相空間(X,U)は第三分離公理を満たすという.
第二と第三分離公理を満たす位相空間を,正則空間(regular space)と
いう.T3-空間と表すこともある.
注意 2.3.1. 上の定義は,通常,よく知られている定義とは,少し異なって
いる.例えば,岩波の数学辞典による第三分離公理は次のものである.
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∈ 1 ⊂ 2 1∩ 2 ∅ であるものが存在する.
テキストによる定理2.3.1の証明は,以下の3つのステップからなる.(原 論文の証明と同じかどうかは不明)
• 第二可算公理+第三分離公理⇒第四分離公理(正規空間,T4-空間)
• 第二可算公理+第四分離公理⇒完全正則空間(チコノフ空間,または T31
2-空間)
• 第二可算公理+完全正則空間⇒距離化可能
2.3.1
第四分離公理と正規空間(T4-空間)
定理 2.3.2. 【第二可算公理+第三分離公理 ⇒ 第四分離公理】(系
12.8A)
第三分離公理を満たす位相空間(正則空間)が第二可算公理を満たす ならば,それは第四分離公理も満たす.
定義2.3.2.【第四分離公理と正規空間(normal space)】(p.94, 11.2節)
位相空間(X,U)に対して,
∀F, G⊂X, closed, F∩G=∅ ∃U, V ∈ U s.t. F ⊂U, G⊂V, U∩V =∅
が成り立つとき,位相空間(X,U)は第四分離公理を満たすという.
第四分離公理を満たす位相空間を,正規空間(normal space) という.
T4-空間と表すこともある.
定理2.3.3. 【距離空間は正規空間】(定理12.1A)
距離位相空間は第四分離公理を満たす.つまり,正規空間になる.
定理2.3.2の証明:
Xを正則空間とする.つまり,第二分離公理と第三分離公理を満たす位相 空間とする.
さらにXは第二可算公理を満たすとする.つまり,X が可算集合である 開基V を持つとする.ここで,Vが開基であるとは,∀p∈X の任意の近傍
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2.3. 距離化定理の証明(1) 第2. 距離化定理
U に対して,ある V ∈ V が存在して,p ∈V かつ V ⊂ U を満たすこと,
だった.
p∈F を任意にとってくる.このとき,F∩G=∅より,X\Gはpを含 む開集合だから,X\Gはpの近傍.ここで,Xが第三分離公理を満たすこ とから,
∃S ∈ U s.t. p∈S, S⊂X\G, cl(S)∩G∅ さらに,Vが開基なので,
∃Vp∈ V ⊂ U s.t. p∈Vp
この時,Vp⊂S⊂X \Gより,Vp∩G=∅.また,Vp ⊂Sより,cl(Vp)⊂ cl(S)⊂X\G(3.5.1参照)なので,
cl(Vp)∩G=∅
さらに,Vが可算集合であることから,{Vp}p∈F はたかだか可算なので,改 めて{Sn}n=1,2,···とおきなおすことができる.以上より,
F⊂ ∪
n=1,2,···
Sn andcl(Sn)∩G=∅(∀n)
が成り立つ.
あとは,補題12.7Bを適用すれば良い.
2.3.2
完全正則空間(チコノフ空間,またはT
312
-空間)
定理2.3.4. 【第二可算公理+第四分離公理 ⇒完全正規空間】
第四分離公理を満たす位相空間(正規空間)は完全正則空間になる.
定理2.3.5. 【ウリゾーンの補題】(定理12.2A)
Xを第四分離公理を満たす位相空間(正規空間)とし,F, G ⊂X を 互いに交わらない空でない閉集合とする.このとき,f(F) ={0}かつ f(G) ={1}を満たす連続関数f :X →[0,1]が存在する.
定理2.3.4の証明:
Xを第四分離公理を満たす位相空間(正規空間)とする.
任意のp∈Xと,pの近傍U ∈ U (つまり,p∈U となる開集合)を取っ てくる.
このとき,
∃f :X →[0,1] continuous function s.t. f(p) = 0, f(X\U) ={1}
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定義2.3.3. 【完全正則空間またはチコノフ空間】(p.94, 11.2節)
位相空間(X,U)に対して,
∀p∈X, U∈ U withp∈U, ∃f :X →[0,1] continuous function s.t. f(p) = 0, f(X\U) ={1}
が成り立つとき,位相空間(X,U)は完全正則空間(completely regular space)または,チコノフ空間(Tychonoff space)という.T312-空間と 表すこともある.
チコノフは後で出てくる無限積位相を導入したことで有名.また,チコノ フの定理「コンパクト空間の(無限)積空間はコンパクト」でも有名.
定義2.3.4. 【連続写像の定義】
位相空間X, Y に対して,写像f :X →Y が連続写像(continuous map)
であるとは,Y の任意の開集合V に対して,その逆像f−1(V)がXの 開集合になることである.
注意 2.3.2. 完全正則空間は正則空間.(V =f−1[0,12)と取ればいい)しか し,逆は成り立たない.
2.3.3
完全正則空間⇒
距離化可能定理2.3.6. 【完全正則空間と距離化】(系11.3B)
第二可算公理を満たす完全正則空間は距離化可能である.
チコノフ空間の距離化可能性は,次のチコノフの埋め込み定理による.
定理2.3.7. 【チコノフの埋め込み定理】(定理11.3A)
位相空間X が完全正則空間になるための必要十分条件は,X が積空 間Im に埋め込まれることである.(I= [0,1])
ヒルベルト立方体
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