博士論文審査結果の要旨
博士論文審査委員会
主 査 上 野 和 良
審 査 委 員 石 川 博 康
審 査 委 員 赤 津 観
審 査 委 員 田 中 愼 一
審 査 委 員 近 藤 英 一
*審 査 委 員
氏 名 Md Sahab Uddin
論文題目
Fabri cat ion of Mult ila yer Gra phen e b y Soli d -P hase Re acti on and Appli cat ion to Gall ium Nit rid e Ba sed Schot tky Dio des
論文審査の要旨
審 査 会 で は 、 審 査 対 象 者 に よ る 論 文 内 容 に 関 す る 1 時 間 の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン
と 、 そ れ に 続 く 質 疑 を 公 開 で 実 施 し た 。 公 開 で の 質 疑 の 後 、 審 査 委 員 の み に よ
る 審 査 を 行 い 、 審 査 基 準 と 照 ら し 合 わ せ 、 投 票 に よ り 全 員 一 致 で 合 格 の 判 定 が
な さ れ た 。 論 文 内 容 は 、 多 層 グ ラ フ ェ ン ( MLG : m ulti lay er g rap hen e ) の 作 製 方
法 と 電 子 デ バ イ ス の 電 極 や 配 線 へ の 応 用 を 検 討 し た も の で あ る 。 量 産 に 適 し た
MLG 成 膜 法 と し て 、 絶 縁 膜 や 半 導 体 上 に 転 写 ( 貼 付 け ) な し で 直 接 、 膜 質 の 良 い
MLG 膜 を 堆 積 す る 方 法 を 検 討 し た も の で あ る 。 絶 縁 膜 上 へ の M LG の 直 接 堆 積 方 法
と し て 、 炭 素 を 含 む 触 媒 金 属 か ら MLG を 固 相 析 出 さ せ る 成 膜 法 に お い て 、 従 来 の
加 熱 に 加 え て 新 た に 電 流 を 印 加 し た 。 そ の 結 果 、 電 流 の 作 用 に よ っ て 結 晶 性 を
改 善 し た M LG 膜 を 堆 積 で き る こ と が 明 ら か に な っ た 。 ま た 、 次 世 代 パ ワ ー デ バ イ
ス 材 料 と し て 注 目 さ れ る 窒 化 ガ リ ウ ム ( G aN ) へ の 電 極 応 用 を 目 的 と し て 、 基 板
加 熱 し な が ら 原 料 を ス パ ッ タ 堆 積 す る ヒ ー ト ス パ ッ タ 法 に よ り 、 室 温 ス パ ッ タ
で は 均 一 膜 が で き な い 問 題 を 解 決 し 、 固 相 析 出 に よ る G aN 上 へ の 直 接 M LG 膜 形 成
を 実 現 し た 。 ま た 、 こ の 方 法 に よ り MLG を 電 極 と す る シ ョ ッ ト キ ー ダ イ オ ー ド を
試 作 し た 。 そ の 結 果 、 高 温 で 安 定 な MLG の 特 徴 を 生 か し て 、 従 来 よ り 高 温 ま で 安
定 な ダ イ オ ー ド 特 性 が 得 ら れ た 。 本 研 究 に よ っ て 、 ML G の デ バ イ ス 応 用 の 可 能 性
が 拡 が り 、 将 来 の 電 子 デ バ イ ス の 信 頼 性 向 上 や 消 費 電 力 の 低 減 が 期 待 さ れ る こ
と が 示 さ れ た 。 研 究 成 果 は 、 第 一 著 者 ( 主 著 者 ) の 査 読 付 き 論 文 3 件 、 査 読 付 き
国 際 会 議 3 件 が 公 開 さ れ て い る 。 審 査 員 に よ る 質 疑 で は 、 予 備 審 査 時 の 指 摘 事 項
に 対 す る 回 答 や 論 文 改 訂 の 確 認 を 行 っ た 。 ま た 示 さ れ た デ ー タ の 解 釈 、 考 察 に
関 す る 質 疑 や 研 究 成 果 の 波 及 効 果 や 実 用 化 に 向 け た 課 題 等 に 関 す る 質 疑 も 行 わ
れ 、 原 理 に 基 づ い た 考 察 や 、 実 際 に 使 う こ と を 想 定 し た 検 討 の 重 要 性 な ど 、 工
学 分 野 の 博 士 と し て 望 ま し い 姿 勢 に 関 す る 指 摘 や 今 後 へ の 助 言 が な さ れ た 。