カ国日系企業との比較を中心に
著者 鈴木 岩行
雑誌名 和光経済
巻 47
号 2
ページ 35‑53
発行年 2015‑01
URL http://id.nii.ac.jp/1073/00003781/
1. はじめに:研究の目的
近年,ミャンマーが最後のフロンティアとして 世界的に注目を集めている1)。ミャンマーは永年 軍政下にあり,欧米諸国から経済制裁を受け,経 済発展から取り残されてきた。しかし,2011 年 軍政から民政に移管し,翌年アメリカが順次制裁 を緩和したことにより,欧・米・日本企業が進出 を始めた2)。ミャンマーの魅力は,安価で豊富な 労働力,手つかずの 5000 万人の市場,中国とイ ンドに隣接し,タイからインドへのルートとなる 地政学的位置にある。企業進出ブームと言われる ほど注目を集めるミャンマーであるが,経済は低 開発水準にある。発展途上国にとっていかに人材 を育成するかは経済発展の重要な課題である。し かし,ミャンマーで人材育成がどのように行われ ているかはあまり明らかになっていない。
日本企業も続々とミャンマーへ進出しているが,
アジアにおける日系企業の経営に関しては次のよ うな課題が指摘されている。アジアにおける日系
ミャンマーにおける日系企業のコア人材育成
―11 カ国日系企業との比較を中心に―
Core Personnel Development of Japanese Companies in Myanmar
鈴 木 岩 行 Iwayuki Suzuki
【Abstract】
This paper is a study on the method of developing core personnel in Japanese Companies in Myanmar. Core personnel represents the particular person that is selected as a main stream management personnel at the early stage of his(her)business carrier and promoted relatively faster than others. He/She is expected to play a central role in a company in the future.
【キーワード】
コア人材,アジア 11 カ国日系企業との比較,軍政から民政へ移管
企業は業務の高度化により知識人材の必要性は高 まっているが,ホワイトカラーの有能な人材が 定着せず,経営の現地化も進んでいないなどホワ イトカラーに関して問題があるとされている。日 系企業では,現地人ホワイトカラーが望むような
「能力・成果主義」的な人材育成方法をとってお らず,人事管理・育成方法が年功序列的なものと なっているため,現地人ホワイトカラーの日系企 業に対する評価は欧米系企業より低いとされてい る。また,筆者が 1997 〜 2000 年に行ったアジア 10 カ国の日系企業の経営システムに関する調査 でも,日系企業自身は業績・成果を重視した処遇 管理を実施しているつもりでも,実際は年功序列 型昇進・昇給制度が行われているという結果が明 らかになった3)。一方,日本国内では近年経営環 境の大きな変化により,ホワイトカラーの評価・
報酬システムは長期雇用にもとづいたものから業 績・成果を反映させるシステムへ変わりつつある。
そこで,「将来中核を担うと目され,早期に選抜,
登用される人材(コア人材と呼ぶ)」の導入が試 みられている。このコア人材育成策は,能力主義
的評価や処遇を望むアジアのホワイトカラーに適 合すると考えられる4)。したがって,コア人材育 成へどのように対処しているかを調査し比較検討 することは,アジアにおける日系企業の行ってい る処遇管理がどの程度能力・業績を重視したのも のかを判断する指標の一つになると思われる。
コア人材育成の調査を,筆者はアジア地域で現在 までに 11 カ国・地域(シンガポール・マレーシア・
タイ・中国(2回調査を行った)5),インド6),香港・
台湾・韓国7),フィリピン・インドネシア・ベト ナム)8)の日系企業で行ってきた。この調査によ り,現地国でどのような人的資源管理を行うかは 日系企業が経営的に成功するか否かにとって重要 な要因であることが明らかとなった。そこで,在 ミャンマー日系企業でコア人材制度について調査 し,コア人材制度がどの程度実施されているかを みるために,今まで調査した 11 カ国・地域の日 系企業と比較対照することとした。
2. アンケート調査結果の概要
今回のミャンマーにおける日系企業に対する調 査は,今までの調査と同様にアンケート形式で 行った。2013 年 11 月〜 14 年 1 月にアンケート 用紙を送付し,在ミャンマー日系企業 12 社から
回答を得た(以下,ミャンマー日系と略す)。
2.1. 進出企業の現状について
まず,アンケートに回答してくれた企業の現状 を述べる。
1. 進出企業の業種
ミャンマー日系では機械製造業が占める割合が 最も多い(25.0%)が,ミャンマーを含む 12 カ 国・地域の平均(44.3%)より少なく,製造業全 体でも 41.7%で製造業が5割以下の国はミャン マーだけである(12 カ国・地域の製造業の平均 は 74.5%)。反対に,卸・小売業(+ 9.0%),金 融・保険業(+ 5.3%),建設・不動産業(+ 4.3%),
情報・メディア業(+ 6.0%)で平均を上回って いる(表 1)。
2. 本社の企業規模(従業員数)
進出企業本社の規模を従業員数で見ると,ミャ ンマー日系は 300 人以上の大規模企業が 58.3%を 占めるが,12 カ国・地域の中で本社が大規模企 業の比率は最も低い(表 2)。
3. 現地子会社設立年
ミャンマー日系は設立年数 10 年以内,特に 5 年以内の企業が 58.3%で設立年数が短い企業が多 い。12 カ国平均では設立年数 11 年以上の企業が 多い(61.8%)。設立年数 10 年以内の企業が 50%
表1 本社の業種(%)
ミャン マー
16.7 0 25.0 16.7 8.3 8.3 8.3 8.3 0 0 8.3
12.5 12.5 60.0 5.0 0 0 0 0 0 0 10.0 中国①
21.9 12.5 50.0 6.3 3.1 0 0 0 0 6.3 0 中国②
50.0 7.1 21.4 14.3 7.1 0 0 0 0 0 0 香港
23.5 5.9 41.2 5.9 0 5.9 5.9 0.0 11.8 0 0 台湾
35.7 7.1 35.7 7.1 0 0 0 7.1 0 0 7.1 韓国
3.7 25.9 40.7
3.7 0 0 0 0 0 0 25.9 シンガ ポール
5.0 15.0 75.0 5.0 0 0 0 0 0 0 0
42.1 21.1 31.6 0 0 0 0 0 0 0 5.3 マレー
シア タイ
16.7 8.3 41.7 8.3 0 8.3 4.2 4.2 8.3 0 0 フィリ ピン
26.7 0 33.3 20.0 0 6.7 0 0 13.3 0 0 インド ネシア
20.0 10.0 45.0 0 0 15.0 5.0 0 5.0 0 0 ベトナム
0 6.7 73.2 6.7 0 6.7 6.7 0 0 0 0 インド
20.6 9.6 44.3 7.7 1.5 4.0 2.3 1.6 3.0 0.5 4.4 平均 1. 消費関連製造業
2. 素材関連製造業 3. 機械関連製造業 4. 卸売・小売業 5. 金融・保険業 6. 建設・不動産業 7. 情報・メディア業 8. サービス・飲食店業 9. 運輸・通信業 10. エネルギー関連業 11. その他
表 2 本社規模(%)
ミャン マー
41.6 58.3
20.0 80.0 中国①
13.3 86.7 中国②
30.8 69.2 香港
23.5 76.5 台湾
15.4 84.6 韓国
25.9 74.1 シンガ ポール
14.3 85.7
36.4 63.6 マレー
シア タイ
9.1 90.9 フィリ ピン
20.0 80.0 インド ネシア
13.3 86.7 ベトナム
11.1 88.9 インド
21.4 78.6 平均 300 人未満
300 人以上
以上を占めるのは中国日系(第1回調査),イン ド日系,ベトナム日系と同様である(表 3)。
4. 現地子会社の企業形態
ミャンマー日系の企業形態は,単独出資が多数 を占め(58.3%),合弁は少ない(すべて多数合 弁)。これは中国日系(第 1 回調査),インド日系,
インドネシア日系,マレーシア日系,タイ日系を 除く他の7カ国の日系企業と同様の傾向である 。 その他として駐在員事務所,出張所形態が 3 社あ る(表 4)。
5. 現地への進出目的(1 位を 3 点,2 位を 2 点,
3 位を 1 点として合計点を計算し,各項目 の合計点に占める割合を算出した。シンガ ポール,タイ,マレーシア,インド各日系 は質問方法が異なるため回答を記していな い)
1 位が現地市場(30.0%),2 位が安価な労働力
(28.3%)で平均(31.3%と 26.0%)とほぼ同じで あるが,3 位の情報収集(21.7%)は平均(6.6%)
よりかなり多く,情報収集目的で進出している企 業が多いと思われる(表 5)。
6. 現地子会社の企業規模(従業員数)と役員・
管理職における日本人過半数企業の比率 現地子会社の企業規模を従業員数で見ると,1 社を除いて全社が 300 人未満の小規模企業である。
製造業が少ないことと設立年数の短いことが影響 していると思われる(表 6‑1)。
(中国①,シンガポール,マレーシア,タイ,
インド各日系は質問方法が異なるため回答を記入 していない)役員および管理職において日本人が 過半数となっている会社の比率を見ると,役員 は 100%,管理職でも 90.9%である。アジアの日 系企業では,役員は日本人が過半数を占める企業 が多いが,管理職クラスでは現地化が進み,日本
表 3 現地子会社設立年(%)
ミャン マー
16.7 0 16.7 8.3 0 58.3
0 0 0 7.5 77.5 15.0 中国①
64.5
19.4 16.1 中国②
42.8 0.0 7.1 35.7 7.1 7.1 香港
26.7 6.7 33.3 20.0 0 13.3 台湾
7.1 0 14.3 35.7 28.6 14.3 韓国
14.8 33.3 18.5 29.6 3.7 0 シンガ ポール
14.3 4.8 23.8 38.1 14.3 4.8
31.8 0 9.1 36.4 13.6 9.1 マレー
シア タイ
8.4 0 33.3 41.7 16.7 0 フィリ ピン
23.1 15.4 15.4 7.7 23.1 15.4 インド ネシア
0 0 0 38.9 33.3 27.8 ベトナム
13.3 0 6.7 6.7 26.7 46.7 インド
61.8
20.3 17.9 平均 26 年以上前
21〜25 年前 16〜20 年前 11〜15 年前 6〜10 年前 5 年以内
} }
表 4 現地子会社企業形態(%)
ミャン マー
16.7 0 58.3 25.0
32.5 15.0 45.0 7.5 中国①
9.4 6.6 84.4 0 中国②
7.1 0 92.9 0 香港
25.0 0 75.0 0 台湾
15.4 0 84.6 0 韓国
18.5 0 74.1 7.4 シンガ ポール
47.6 14.3 33.3 4.8
36.4 27.3 27.3 0 マレー
シア タイ
12.5 12.5 75.0 0 フィリ ピン
73.3 0 26.7 0 インド ネシア
20.0 0 80.0 0 ベトナム
35.7 42.9 21.4 0 インド
27.0 9.1 59.7 3.6 平均 多数合弁
少数合弁 単独出資 その他
表 5 進出目的(%)
ミャン マー
28.3 30.0 8.3 3.3 3.2 4.8 21.7 0
32.4 30.9 7.7 8.7 13.0 5.3 2.0 0 中国①
35.2 28.7 5.3 5.3 16.4 4.1 2.3 1.8 中国②
17.7 24.1 12.7 1.2 19.0 13.9 11.4 0 香港
25.0 32.6 8.7 6.5 14.1 7.6 5.4 0 台湾
7.7 46.2 7.7 1.2 29.5 0 7.7 0 韓国
35.2 21.6 14.4 5.6 14.4 7.2 1.6 0 フィリ ピン
18.9 44.6 9.5 4.1 17.6 2.7 2.7 0
37.3 21.8 6.4 3.6 16.4 10.9 3.6 0 インド ネシア ベトナム
26.0 31.3 9.8 4.0 16.0 5.9 6.6 0.2 平均 1. 安価な労働力
2. 現地市場 3. 第三国への輸出 4. 逆輸入
5. 本社等関連企業との関係 6. 法的・税制等の優遇措置 7. 情報収集
8. その他
人が過半数となっている会社は少ない。しかし,
ミャンマーでは管理職クラスでも現地化が進んで いない。これも設立年数の短いことが影響してい ると思われる(表 6‑2)。
7. 現地子会社へ委譲されている権限(「全く ない」を 0 点,「あまりない」を 1 点,「ど ちらかというと多い」を 2 点,「非常に多 い」を 3 点とし,回答企業の平均をとっ た。中国,シンガポール,タイ,マレーシ ア,インド各日系は質問方法が異なるため 回答を記していない)
8 項目のうち最も委譲度の高いものは「生産販 売量の決定」(2.44 点)で,次いで「人件費総額 の決定」で 2 点を超えている。「人件費総額の決 定」,「固定資産の購入・処分」,「現地広報活動」
は平均を下回るが,その他の 5 項目は平均を上回 り,比較的委譲度が高いと考えられる(表 7)。
2.2. コア人材の育成について
ここからは回答企業がコア人材の育成にどのよ うに取り組んでいるかを見る。
8. コア人材の充足度について(「かなり不足」
を− 2 点,「やや不足」を− 1 点,「十分で ある」を 0 点,「やや余剰」を 1 点,「かな り余剰」を 2 点とし,回答企業の平均を とった)
充足度は− 1.83 で,過去最も不足感の強かっ たインドネシア日系(− 1.73)よりも不足感が強 く,ミャンマー日系はコア人材不足を強く感じて いる(12 カ国平均は− 1.25)(表 8)。
2.2.1 採用・選抜に関して
9. 採用方法について(選択肢 8,「全くない」
を 0 点,「あまりない」を 1 点,「どちらか というと多い」を 2 点,「非常に多い」を 3
表 6‑1 現地子会社の企業規模(従業員数)(%)
ミャン マー
91.7 8.3
40.0 60.0 中国①
43.3 56.7 中国②
71.5 28.5 香港
81.3 18.7 台湾
93.3 6.7 韓国
77.7 22.2 シンガ ポール
47.6 52.4
54.5 45.4 マレー
シア タイ
73.9 26.1 フィリ ピン
42.8 57.2 インド ネシア
35.0 65.0 ベトナム
64.3 35.6 インド
63.4 36.6 平均 300 人未満
300 人以上
表 6‑2 役員・管理職において日本人が過半数を占める企業の比率(%)
ミャン マー
100.0 90.9
中国① 93.3 19.4 中国②
78.6 46.2 香港
94.1 33.3 台湾
73.3 6.7 韓国 シンガ
ポール マレー
シア タイ
90.0 11.8 フィリ ピン
100.0 7.1 インド ネシア
90.0 31.6 ベトナム インド
89.9 30.9 平均 役 員(日本人が過半数)
管理職( 〃 )
表 7 現地子会社としての権限 ミャン
マー 2.33 1.91 2.44 1.67 1.35 1.44 1.70 1.89
2.62 1.86 2.57 1.43 1.21 1.07 1.31 1.43 香港
2.65 2.24 2.56 1.82 1.75 1.35 1.27 2.25 台湾
2.29 1.86 1.50 1.07 0.64 0.86 0.75 2.07 韓国
2.71 2.08 2.00 1.50 1.04 1.13 1.00 1.90 フィリ ピン
2.80 2.67 2.80 1.93 2.00 1.93 1.36 2.53 インド ネシア
2.60 1.70 2.05 1.40 1.00 0.85 0.89 1.63 ベトナム
2.58 2.04 2.27 1.55 1.30 1.23 1.18 1.96 平均 1. 人件費総額の決定
2. 固定資産の購入・処分 3. 生産販売量の決定 4. 利益処分・再投資 5. 貸付・借入・債務保証 6. 現地法人の役員人事 7. 新事業の企業化 8. 現地広報活動
表 8 現地コア人材の充足度 ミャン
マー
−1.83 −1.30 −0.90 −1.23 −1.53 −1.15 −0.80 −0.90 −1.20 −1.00 −1.73 −1.31 −1.36 −1.25
中国① 中国② 香港 台湾 韓国 シンガ
ポール マレー
シア タイ フィリ
ピン インド
ネシア ベトナム インド 平均
点とし,回答企業の平均をとった)
コア人材の採用方法を見ると,1 位が社員によ る紹介(1.82),2 位が新聞・求人雑誌等による 採用(1.58)で,8 つの選択肢のうち中位数の 1.5 点を超えるものはこの 2 つだけである。新聞・
求人雑誌等による採用は平均的(1.50)であるが,
社員による紹介は平均(1.06)を大きく上回って いる。1.5 点を超えていないが,本社からの派遣,
出向(1.10)は平均(0.84)を 0.26 点上回ってい る(表 9)。
10. コア人材の選抜要件(選択肢 11,うち 3 つ回答。1 位を 3 点,2 位を 2 点,3 位を 1 点として合計点を計算し,各項目の合 計点に占める割合を算出した)
選抜要件を見ると,1 位リーダーシップと語 学力(ともに 16.7%),3 位実行力(15.3%),4 位将来性と人柄(ともに 13.9%)である。他に
10%以上のものはない。リーダーシップと実行力 は平均と差が少ないが,語学力と人柄は平均の約 2倍,将来性は約 3 倍である(表 10)。
11‑1. コア人材選抜の最終決定者(選択肢 5,
うち 1 つ回答)
コア人材選抜の最終決定者は,子会社の社長・
役員が 8 割以上を占めて圧倒的である(83.3%)。
子会社の社長・役員は平均とほぼ同じであるが,
本社人事部(16.7%)は平均(6.1%)よりもかな り多い。子会社の直属上司,人事部門,特別委員 会は 0 であった(表 11‑1)。
11‑2. コア人材選抜の決定時期(選択肢 5,う ち 1 つ回答,中国(第 1 回調査),シン ガポール,タイ,マレーシア各日系は 質問方法が異なるため回答を記してい ない)
コア人材選抜の決定時期は,入社後 1 〜 3 年
表 9 現地コア人材の採用方法 ミャン
マー 0.70 1.58 1.36 0.45 1.10 0.30 1.82 0.55
1.60 1.00 1.80 0.50 1.10 0.50 1.00 0.50 中国①
1.10 1.00 1.93 0.63 1.00 0.57 0.90 1.71 中国②
0.85 1.43 1.50 0.50 0.92 0.43 0.92 0.43 香港
0.92 1.88 2.08 1.00 1.42 0.40 1.42 1.67 台湾
1.08 1.50 1.50 1.00 0.91 0.58 0.91 1.92 韓国
0.60 1.70 1.20 0.90 0.30 0.80 0.80 0.40 シンガ ポール
0.90 1.90 1.60 0.90 0.20 1.20 1.20 0.50
0.90 1.40 1.60 0.60 0.50 0.90 0.90 0.40 マレー
シア タイ
1.27 1.39 1.26 0.64 0.96 0.48 0.85 0.57 フィリ ピン
1.07 1.80 1.80 1.07 1.20 0.73 0.86 0.67 インド ネシア
0.95 1.40 1.05 0.45 0.55 0.75 1.05 1.00 ベトナム
0.86 1.57 1.79 1.00 0.79 0.43 1.14 0.43 インド
0.92 1.50 1.57 0.74 0.84 0.62 1.06 0.83 平均 1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
新規学卒者定期採用 新聞,求人雑誌等によ る採用
職業紹介機構を通じて 採用
他社からヘッドハント 本社からの派遣,出向 関連企業等からの出 向,転籍 社員による紹介 インターネットによる 採用
表 10 コア人材の選抜要件(%)
ミャン マー
16.7 5.6 2.8 4.2 13.9 13.9 16.7 15.3 6.9 2.8 1.4
6.0 1.1 16.7 4.8 2.4 7.1 20.2 13.1 7.1 15.1 6.0 中国①
2.6 8.4 7.3 0 2.1 11.5 25.7 16.1 8.4 15.2 2.6 中国②
7.1 0 3.6 10.7 8.3 13.1 10.7 16.7 13.1 14.3 2.4 香港
7.8 2.9 15.7 7.8 2.9 7.8 18.6 15.7 7.8 10.8 2.0 台湾
22.2 4.9 4.9 9.9 6.2 7.4 17.3 11.1 8.6 7.4 0 韓国
0 1.4 15.1 5.5 2.7 1.4 27.4 13.7 6.9 17.8 8.2 シンガ ポール
0 0 10.9 1.7 3.4 1.7 27.6 22.4 3.4 15.5 13.8
1.5 1.5 16.1 1.5 2.9 5.9 20.6 14.7 7.3 17.6 10.3 マレー
シア タイ
4.9 0.6 13.9 8.3 4.9 7.6 29.2 9.0 5.6 13.9 3.2 フィリ ピン
3.2 0 3.2 14.7 3.2 4.2 23.2 17.9 7.4 20.0 3.2 インド ネシア
12.4 1.8 15.0 7.1 2.7 10.6 15.9 16.8 13.3 2.7 1.8 ベトナム
0 14.9 6.4 10.6 4.3 4.3 19.2 10.6 10.6 17.0 2.1 インド
6.5 3.4 10.1 6.7 4.6 7.4 20.9 14.4 8.2 13.1 4.4 平均 1. 語学力
2. 学歴(含資格,学位)
3. 社内での実績 4. 社内外の過去の実績 5. 将来性 6. 人柄
7. リーダーシップ 8. 実行力 9. 専門性 10. 問題解決力 11. 洞察力
と入社後 5 年以上が最も多い(ともに 25.0%)。3 位は入社時,入社後 1 年以内,入社後 3 〜 5 年(と もに 16.7%)である。ミャンマー日系は入社後 3 年以内にコア人材の 58.3%を選抜している。入社 後 3 年以内にコア人材を選抜するのは 9 カ国平均 で 36.7%であるので,ミャンマー日系は他の国・
地域に比べ人材の選抜時期が早い(表 11‑2)。
2.2.2 コア人材育成の施策・キャリア形成 12. コア人材育成の施策(選択肢 4,「全く実
施していない」を 0 点,「あまり実施して いない」を 1 点,「どちらかというと実施 している」を 2 点,「大いに実施している」
を 3 点とし,回答企業の平均をとった)
コア人材育成の施策で中位数の 1.50 点を超え ているものはなく,1 位は「コア人材を意識した キャリア形成」(1.36),2 位は「コア人材を意識
した能力開発プログラム」(1.33)である。他の 2 項目は 1.00 点で,他国の日系企業同様コア人材 育成策の実施率は高いとは言えない(表 12)。
13. コア人材の今後のキャリア形成パターン
(図 13‑1,選択肢 3,1 つ回答)
キャリア形成パターンは,今まではパターン 1
(一定年齢までに幅広い職務を経験し,将来の中 核となる人材を育成するキャリア),パターン 2
(一定年齢までに一つの職務で専門性を身につけ,
その分野のプロフェッショナルを育成するキャリ ア),パターン 3(一定年齢まで狭い範囲の職務 を経験し,企業内スペシャリストを育成するキャ リア)が 3 分の 1 ずつであった。今後はパターン 1 が大幅に増え(25%増加),パターン 3 がその 分減り 8.3%となる。パターン2は 33.3%で変わ らない(表 13‑2)。
表 11‑1 コア人材の対象者を最終的に決定するもの(%)
ミャン マー
0 0 0 83.3 16.7
8.1 8.1 10.8 67.6 5.4 中国①
5.9 5.9 8.8 70.6 8.8 中国②
21.4 0 0 78.6 0 香港
0 0 0 94.1 5.9 台湾
7.1 0 0 85.7 7.1 韓国
4.0 4.0 4.0 84.0 4.0 シンガ ポール
0 5.3 0 84.2 10.5
13.7 4.5 0 78.1 13.7 マレー
シア タイ
4.2 4.2 0 91.7 0 フィリ ピン
0 12.5 0 87.5 0 インド ネシア
0 15.0 0 85.0 0 ベトナム
21.4 0 0 71.4 7.1 インド
6.6 4.6 1.8 81.7 6.1 平均 1. 現地子会社直属上司
2. 現地子会社人事部門 3. 現地子会社の特別委員会 4. 現地子会社社長役員 5. 本社人事部
表 11‑2 コア人材の対象者を最終的に決定する時期(%)
ミャン マー
16.7 16.7 25.0 16.7 25.0
中国① 16.7
6.7 20.0 20.0 36.7 中国②
13.3 6.7 6.7 26.7 46.7 香港
11.1 16.7 11.1 22.2 38.9 台湾
0 7.1 35.7 14.3 42.9
韓国 シンガ
ポール マレー
シア タイ
0 4.2 20.8 33.3 41.7 フィリ ピン
14.3 7.1 14.3 21.4 42.9 インド ネシア
5.2 0 21.1 57.9 15.8 ベトナム
7.7 7.7 15.4 30.8 38.5 インド
9.4 8.4 18.9 27.0 36.6 平均 1. 入社時
2. 入社後 1 年以内 3. 入社後 1〜3 年 4. 入社後 3〜5 年 5. 入社後 5 年以上
表 12 コア人材の育成施策 ミャン
マー 1.00
1.00
1.33
1.36 1.40
1.30
1.20
1.30 中国①
1.06
1.50
1.25
0.81 中国②
0.57
1.31
0.86
0.50 香港
1.29
2.13
1.40
0.81 台湾
1.08
1.57
1.00
0.77 韓国
1.10
0.10
1.20
1.40 シンガ ポール
1.50
1.00
1.00
1.30 1.30
0.90
1.10
1.80 マレー
シア タイ
0.65
1.35
1.22
1.50 フィリ ピン
1.00
1.07
1.33
1.69 インド ネシア
1.55
1.30
1.05
1.90 ベトナム
1.40
1.30
1.10
0.90 インド
1.16
1.26
1.15
1.23 平均 1.
2.
3.
4.
社外の研修機関(含大 学)への派遣 本社へ出向させ上位の 職務を経験させる コア人材を意識した能 力開発プログラム コア人材を意識した キャリア形成
2.2.3 コア人材の活用,定着に関して
14. コア人材を必要とする職種(選択肢 6,「全 く必要としない」を 0 点,「あまり必要と しない」を 1 点,「どちらかというと必要 とする」を 2 点,「非常に必要とする」を 3 点とし,回答企業の平均をとった)
1 位生産・技術,2 位営業と財務・経理,4 位 総務・人事,5 位開発・設計,6 位法務・特許と なり,法務・特許を除き 2 点を超えている。12 カ国の平均と比べると全職種でプラスで,特に営 業(平均との差+ 0.55,以下平均との差を+と−
で表示する),開発・設計(+ 0.39),法務・特許
(+ 0.34)で,他の 11 カ国よりコア人材の必要度
が高い(表 14)。
15. コア人材を昇進させる職位(選択肢 4,「全 くない」を 0 点,「あまりない」を 1 点,「ど ちらかというと多い」を 2 点,「非常に多 い」を 3 点とし,回答企業の平均をとった)
昇進させる職位は,子会社部長クラスが最も多 い(2.10)。子会社役員クラスに昇進させる比率 は 1.70 と中位数の 1.5 点を超えている。子会社役 員クラスの昇進が中位数を超えるのは,調査した 12 カ国で初めてである。子会社社長(0.60)と本 社役員クラス(0.40)は数値的には非常に低いが,
12 カ国平均よりはかなり高い(それぞれ+ 0.31 と+ 0.22)(表 15)。
図 13‑1 現地企業のコア人材のキャリア形成パターン
年齢 年齢 年齢
職務 職務
キャリア 職務 形成の パターン
一定年齢までに幅広い職務 を経験し,将来の中核とな る人材を育成するキャリア
一定年齢までに狭い範囲の 職務を経験し,企業内スペ シャリストを育成するキャ リア
一定年齢までに 1 つの職務 で高度な専門性を身につけ,
その分野のプロフェッショ ナルを育成するキャリア
3 3 2
2 1
これまで
今後 1
表 14 コア人材を必要とする職種 ミャン
マー 2.36 2.18 2.36 2.11 2.40 1.50
2.10 1.90 2.00 1.70 2.50 1.00 中国① 職 種
1.87 2.35 2.43 2.00 2.41 1.32 中国②
1.43 1.50 2.00 1.71 2.38 1.50 香港
1.76 1.88 2.29 2.18 2.41 1.47 台湾
1.73 1.91 2.18 1.20 2.42 1.40 韓国
1.70 1.30 1.60 1.20 2.00 0.50 シンガ ポール
1.70 1.60 1.80 1.70 2.20 0.40
1.50 1.60 1.70 1.30 2.00 0.50 マレー
シア タイ
1.71 2.15 2.25 1.74 2.23 1.16 フィリ ピン
2.23 2.40 2.40 1.85 2.46 1.71 インド ネシア
1.29 2.26 2.58 1.95 2.84 1.47 ベトナム
2.20 1.86 2.57 1.77 2.61 1.15 インド
1.81 1.92 2.17 1.72 2.37 1.16 平均 1. 営業
2. 総務・人事 3. 財務・経理 4. 開発・設計 5. 生産・技術 6. 法務・特許
表 13‑2 コア人材のキャリア形成のパターン(%)
ミャン マー
33.3 33.3 33.3 58.3 33.3 8.3
20.0 52.5 27.5 28.2 15.4 56.4 中国①
9.4 50.0 40.6 50.0 21.9 28.1 中国②
21.4 50.0 28.4 50.0 28.6 21.4 香港
41.2 35.3 23.5 64.7 17.6 17.6 台湾
7.1 64.3 28.6 30.8 38.5 30.8 韓国
22.2 51.9 25.9 22.2 33.3 44.4 シンガ ポール
9.5 61.9 28.6 47.6 19.0 33.3
23.8 33.3 42.9 45.5 18.2 36.4 マレー
シア タイ
17.4 47.8 34.8 30.4 30.4 39.1 フィリ ピン
20.0 33.3 46.7 26.7 13.3 60.0 インド ネシア
11.1 66.7 22.2 38.9 27.8 33.3 ベトナム
7.7 46.2 46.2 38.5 15.4 46.2
18.8 48.2 33.0 40.9 24.1 35.0 インド 平均 今までパターン 1
パターン 2 パターン 3 今後 パターン 1 パターン 2 パターン 3
16. コア人材を定着させるための施策(選択 肢 9,「全く有効でない」を 0 点,「あまり 有効でない」を 1 点,「どちらかというと 有効である」を 2 点,「非常に有効である」
を 3 点とし,回答企業の平均をとった)
施策別に上位を平均と比べると,1 位が給与・
賞与の反映幅の拡大(2.58,+ 0.09),2 位が 2.20 で能力開発の機会の拡充(+ 0.25)と裁量権の拡 大(+ 0.21),4 位が福利厚生の充実(2.18,+ 0.51),
5 位が昇進・昇格のスピード(2.09,− 0.19)で,
ここまでが 2 点を超えている。福利厚生の充実と 能力開発の機会の拡充,裁量権の拡大が 12 カ国 平均を大幅に上回っている(表 16)。
2.2.4 コア人材制度についてどのように評価し ているか
17. コア人材制度の評価(選択肢 11,「違う」
を 0 点,「やや違う」を 1 点,「まあそうだ」
を 2 点,「そのとおり」を 3 点とし,回答 企業の平均をとった)
選択肢の 1 番〜 5 番まではプラス評価に関する もので,6 番〜 11 番まではマイナス評価のもの なので両者を分けて述べる 。
・プラス評価(5項目)に関して
全項目が 2 点を超えている。項目を順番に平均 と比べると,1 位「人材が流動化する中で有効な 人材育成のシステムである」(2.30,− 0.01),2 位は 2.18 点で「世の中の変化に対応できるシス テムである」(+ 0.04)と「限られた資源を有効 に活用するシステムである」(− 0.15),4 位「ホ ワイトカラーの選抜に有効なシステムである」
(2.11,+ 0.22),5 位「能力のあるものを魅きつ けるシステムである」(2.10,− 0.24)。12 カ国平 均と比べて+が 2 項目,−が 3 項目で,平均と大 きな乖離はない(図表 17‑1)。
・マイナス評価(6 項目)に関して
項目別に平均と比べると,1 位「コア人材の要 件を満たす人材が少ない」(2.91,+ 0.50),2 位
「コア人材の育成に費用や時間がかかる」(2.75,
+ 0.51),3 位「選抜のための基準作りや評価が 難しい」(2.40,+ 0.13)が 2 点を超えている。4 位は 1.89 点で「コア人材以外の社員のモティベー ションが失われる」(+ 0.58)と「人間関係がギ クシャクする」(+ 0.74)である。2 点は超えて いないが,大幅に増えている。6 位は「コア人材 として選抜されたものへの負担が大きい」(1.70,
+ 0.22)である。マイナス評価は全 6 項目で増加し,
4 項目では 0.5 点以上増加している(表 17‑2)。
表 15 コア人材を昇進させる職位 ミャン
マー 2.10 1.70 0.60 0.40
2.40 0.80 0.20 0.10 中国① 昇進させる職位
2.23 0.97 0.38 0.17 中国②
2.29 1.21 0.57 0.14 香港
2.41 0.94 0.25 0.14 台湾
2.31 1.00 0.75 0.31 韓国
2.00 1.00 0.40 0 シンガ ポール
2.20 0.90 0.40 0
2.00 0.90 0.30 0.10 マレー
シア タイ
1.96 0.61 0.09 0.10 フィリ ピン
2.33 1.07 0.07 0 インド ネシア
2.05 1.06 0.18 0 ベトナム
2.79 1.21 1.00 0.38 インド
2.24 1.03 0.39 0.18 平均 1. 子会社部長クラス
2. 子会社役員クラス 3. 子会社社長 4. 本社役員クラス
表 16 コア人材を定着させる施策 ミャン
マー 2.58 2.09 2.20 2.20 1.92 0.44 0.70 1.64 2.18
2.70 2.50 2.10 2.10 2.20 0.60 0.90 1.90 1.80 中国① 定着施策
2.41 2.37 1.72 2.21 2.14 1.10 1.21 1.75 1.97 中国②
2.64 2.43 2.07 2.21 1.93 1.07 1.08 1.36 1.71 香港
2.41 2.35 2.18 2.18 2.18 1.08 0.93 1.44 1.53 台湾
2.31 2.18 1.83 1.92 2.00 1.00 1.09 1.50 1.85 韓国
2.30 2.20 1.60 1.80 1.00 0.30 0.30 1.00 0.80 シンガ ポール
2.40 2.20 1.70 1.60 1.20 0.20 0.30 1.10 1.30
2.20 2.10 2.10 1.80 1.10 0.20 0.20 1.20 1.30 マレー
シア タイ
2.50 2.21 1.83 2.04 2.00 0.55 0.45 1.48 1.78 フィリ ピン
2.67 2.43 1.93 2.00 1.87 0.50 0.86 1.53 1.93 インド ネシア
2.68 2.44 2.11 1.83 1.95 1.29 1.33 1.89 2.16 ベトナム
2.62 2.15 2.00 2.00 1.85 0.46 0.69 1.23 1.43 インド
2.49 2.28 1.95 1.99 1.79 0.68 0.77 1.46 1.67 平均 1. 給与等の反映幅拡大
2. 昇進・昇格のスピード 3. 能力開発機会の拡充 4. 裁量権の拡大 5. 報奨金・奨励金制度 6. ストックオプション制度 7. 社内公募制 8. 表彰制度 9. 福利厚生の充実
18. コア人材の受け入れについて(「全く受け 入れられない」を 0 点,「あまり受け入れ られない」を 1 点,「どちらかというと受 け入れられる」を 2 点,「大いに受け入れ られる」を 3 点とし,回答企業の平均を とった)
コア人材制度のマイナス評価が多かったこと から予想されるとおりに,ミャンマー日系は 1.83 で 12 カ国平均 2.09 より受け入れ度が 0.26 点低い。
ベトナム日系(1.61),インドネシア日系(1.80)
に次ぐ低さである(表 18)。
3. 在ミャンマー日系企業に対する ヒアリング調査の分析・考察
3.1. 本ヒアリング調査の目的
本ヒアリング調査の目的は以下の二つである。
一つはマクロ的なアンケート調査から見えてこな い事実や重要事項を発見することにある。本ヒア リング調査では,これまでの先行研究や調査では
表 17‑1 コア人材制度の評価 ミャン
マー 2.18 2.18
2.30
2.11
2.10 1.80 2.00
2.20 1.90
2.30 中国① プラス評価
2.19 2.52
2.50
2.23
2.52 中国②
2.50 2.57
2.43
1.93
2.36 香港
2.50 2.63
2.50
1.75
2.63 台湾
2.00 2.14
2.21
1.93
2.29 韓国
2.40 2.30
2.10
1.70
2.30 シンガ ポール
2.00 2.10
2.30
1.50
2.40 1.90 2.10
2.10
1.80
2.00 マレー
シア タイ
2.24 2.35
2.29
1.83
2.52 フィリ ピン
2.36 2.31
2.43
1.86
2.47 インド ネシア
1.94 2.37
2.26
1.89
2.21 ベトナム
1.85 2.77
2.43
2.15
2.29 インド
2.14 2.33
2.31
1.89
2.34 平均 1.
2.
3.
4.
5.
世の中の変化に対応で きるシステムである 限られた資源を有効に 活用するシステムであ る
人材が流動化する中で 有効な人材育成のシス テムである ホワイトカラーの選抜 に有効なシステムであ る
能力があるものを魅き つけるシステムである
表 17‑2 コア人材制度の評価 ミャン
マー 2.40 1.70
2.75 2.91 1.89
1.89 2.50 1.30
1.90 2.30 1.30
0.90 中国① マイナス評価
2.34 1.50
2.00 2.16 1.23
1.00 中国②
2.21 1.38
2.14 2.23 0.85
0.57 香港
2.56 1.87
2.38 2.56 1.54
1.50 台湾
2.21 1.64
2.46 2.46 1.57
1.36 韓国
2.10 1.00
1.90 2.00 1.00
0.60 シンガ ポール
2.50 1.10
2.50 2.40 1.30
1.20 2.30 1.60
2.20 2.40 1.00
1.00 マレー
シア タイ
2.25 1.57
2.25 2.35 1.50
1.21 フィリ ピン
1.92 1.50
2.36 2.73 1.46
1.36 インド ネシア
2.37 1.71
2.39 2.72 1.28
1.32 ベトナム
1.85 1.31
1.92 2.15 1.15
1.00 インド
2.27 1.48
2.24 2.41 1.31
1.15 平均 6.
7.
8.
9.
10.
11.
選抜のための基準作 りや評価が難しい コア人材として選抜 されたものへの負担 が大きい コア人材の育成に費 用や時間がかかる コア人材の要件を満 たす人材が少ない コア人材以外の社員 のモチベーションが 失われる 人間関係がギクシャ クする
表 18 コア人材制度の受け入れ度 ミャン
マー
1.83 1.90 2.49 2.57 2.19 1.86 2.20 2.10 2.20 2.05 1.80 1.61 2.38 2.09
中国① 中国② 香港 台湾 韓国 シンガ
ポール マレー
シア タイ フィリ
ピン インド
ネシア ベトナム インド 平均
あまり明らかにされることのなかったミャンマー における日系企業の経営の実態についてヒアリン グを行った。本ヒアリング調査のもう一つの目的 は,事前に実施したアンケート調査の結果やデー タの解釈を定性的なヒアリング調査により補完し たり,あるいはアンケート調査結果を導くに至っ た要素や事実を抽出することにある。特に,コア 人材の採用・選考,定着策の実際,コア人材に対 する考え方などをヒアリング調査で明らかにした いと考えた。
3.2. 本ヒアリング調査対象企業の概要および実 施時期
ヒアリング調査は,事前に実施したアンケート 調査に協力してくれた企業群の中から有意に抽出 した企業を対象に実施した。ヒアリング調査対象 企業は6社である。本ヒアリング調査は 2014 年 2 月にヤンゴンで実施した。
1. 業種は各種サービス業A社(その他に分類 8.3%,アンケート調査との差+ 3.9%,以下アン ケート調査との差を+−で表示),銀行 B 社(金 融・保険業+ 8.3%),建設・不動産業 C 社(+
8.3%),機械製品代理販売業 D 社(機械関連製 造業に分類− 8.3%),商社 E 社(卸売・小売業,
アンケートと同率),縫製業 F 社(消費関連製造業,
同率),である。
2. 設立年は,5 年以内が 3 社(50.0%,A,B,
F 社 ),16 〜 20 年 前 が 2 社(33.3 %,C,D 社 ),
21 年以上前が 1 社(16.7%,E 社)である。ただ し,E 社は軍政期に規模を縮小し,現在もまだ駐 在員事務所で支社としての活動はしていないため,
C,D 社を除く 4 社は設立や事業開始から実質 2 年経っていない(1 年 1 カ月〜 1 年 10 カ月)。A,
B,E 社は 4. で見る情報収集の段階にあると考え られる。
3. 出資比率は,日本側の単独出資 3 社(50%,
A,D,F 社 ), 多 数 合 弁 1 社(16.7 %,C 社 ),
その他 2 社(33.3%,出張所 B 社,駐在員事務所 E 社)。
4. 進出目的は現地市場が 33.3%,情報収集が 26.7%,安価な労働力が 23.3%で,上位 3 つはア
ンケートと大差はないが,アンケートよりもさら に情報収集の比率が高い(+ 5.0%)。
5. 企業規模は 6 社すべて 300 人未満と小規模 である 。
3.3. ヒアリング調査から導き出された特筆すべ き重要事項
ミャンマーにおける 6 社の日系企業に対して 行ったヒアリング調査を通して判明した重要事項 をまとめると,以下のようになる(詳細は「ヒア リング調査の記録」参照)。
1. コア人材の定義は,回答のあった 4 社で課 長以上(C 社),リーダーになれる人(D 社),子 会社社長(E 社),経営全般の把握・人事管理の できる人(F 社)である。
2. 6 社のコア人材の充足度は,かなり不足が 5 社,やや不足が 1 社で平均は− 1.83 となり,ア ンケート調査(− 1.83)と全く同様の結果となっ た。不足感がヒアリングでもかなり強いことが確 認された。コア人材不足は約 20 年に渡る軍政期 に正常な教育,ビジネスが行われなかったためで あるという意見があった(A 社)9)。
3. コア人材の採用は,社員(知人含む)によ る紹介 4 社,新聞・求人雑誌による採用 3 社,日 本本社からの派遣(日本人および在日ミャンマー 人を派遣)3 社である。日本本社から派遣するの はミャンマーではコア人材が得られないためであ るとのことであった。アンケート調査よりも日本 本社からの派遣の比率が高くなった。
4. コア人材の選抜要件で重視されるものは,
1 位人柄(19.4%),2 位語学力(英語か日本語)
とリーダーシップ(各 16.7%),4 位実行力と専 門性(各 13.9%),6 位学歴(11.1%),7 位将来 性(5.6%),8 位社内での実績(2.8%)である。
アンケートよりも人柄,専門性,学歴が重視され ている。人柄は長く勤めるには重要であり,学歴 は家柄がきちんとしていることと同じ意味である との意見がある(B 社)。
5. コア人材の最終決定者は,現地子会社の社 長・役員(出張所長含む)が 4 社(66.7%),本 社人事部が 2 社(33.3%)である。本社人事部の