近年になって経済成長を加速させているアジア諸国は︑
わが国が経験してきた多くの環境問題に直面している︒
工業化・都市化に伴う公害問題がそれであり︑
その意味では︑わが国の経験や技術移転などが︑
問題解決に向けた一つの指針を示しているように思われる︒
食料関連産業と環境問題との接点も重要である︒
本シンポジウムで紹介するタイと中国は︑
いずれも屈指の農業大国︒食料大国であると同時に︑
深刻な森林破壊や土壌劣化・砂漠化問題を抱えている︒
中国では膨大な人口を扶養するため︑
タイでは外貨の稼ぎ手として︑
農業および食料関連産業は発展してきたが︑
環境面に落とした影も大きい︒
一方︑グローバル化が進み︑国際貿易がますます進展する中︑
シンポジウム
食料関連産業と環境
経済大国・援助大国であるわが国に求められる役割は大きい︒
わが国は世界最大の農林水産物輸入国であることから︑
国際貿易を通じて輸出国の環境に及ぼす
間接的な影響は大きいと考えられ︑
無秩序な輸入の拡大については再考が必要である︒
木材とエビの輸入は好例であろう︒
また︑中国は世界屈指の木材輸入国︑
タイも一九九○年頃から木材純輸入国になっている︒
本シンポジウムでは︑﹁食料関連産業と環境﹂をキーワードに︑
タイと中国の現状と問題点を明らかにするとともに︑
わが国も関わる﹃貿易と環境﹄の関係について︑
国際的な視点からの問題提起を行なう︒
アジアと日本