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東京医科大学雑誌

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Academic year: 2021

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一 78 一

東京医科大学雑誌 第60巻第1号

4,虚血性心疾患症例と健常者との脈波伝播速度を用いた 検討

(第二内科)新井富夫、冨山博史、津田秀一、浅沼亮子、

小路 裕、広瀬健一、茂田 博、近森大志郎、山科 章

6.巨大冠動脈瘤を合併した川崎病の経時的冠動脈造影所 見における検討

(小児科学)塚本真貴子、森 三佳、長谷川大輔、

柏木保代、河島尚志、星加明徳

【目的】血圧が正常域にコントロールされた虚血性心疾患

(CAD)と健常者(CON)の脈波伝播速度(PWV)を、性 別、年代別に評価し、PWVの元進が虚血性心疾患症例と関 連があるか否かを検討した。

【方法】血圧140/90mmHg以下でCADと診断した235例と定 期検診にてCONと診断した1873例のPWVを測定した。

【結果】男性:40歳代(CAD:1386±240 vs CON:1386±

240)、50歳代(CAD:1511±256 vs CON二1287±155)、60 歳代(CAD:1649±391 vs CON二1372±187)、70歳代

(CAD:1809±639 vs CON:1618±306)とCADがCONに 比べ有意に躍進し、女性においても各年代で同様の結果を

得た。

【結論】PWVの元進が虚血性心疾患症例と関連がある可能 性が示唆された。

巨大冠動脈瘤を合併した川崎病患児の経時的冠動脈造影所 見について後方視的検討を行ったので、報告する。

対象は1歳5ヶ月から8歳7ヶ月(平均3歳4ヶ月)のいずれも 男児の4例。川崎病診断基準5項目以上満たすものが2例、4 項目以下が2例で全例に冠動脈病変を認めた。

原田のスコアは4〜6点(平均5点)、全例にγrgloblin大量投 与・アスピリン投与しており、症例によって抗凝固療法を 併用した。初回冠動脈造影は平均第60病目で施行しその後、

症例ごとに重症度により3ヶ月〜3年の間隔をおいて冠動脈 造影を施行した。

結果は進行を認めたもの1例、不変であったもの2例、退縮 を認めたもの1例であった。

経過観察中に狭心発作を生じた例もあり、初回の冠動脈造 影所見のみで変化を予測することは難しく、経時的な冠動 脈造影の必要性を再認した。

5.糖尿病性潰瘍における末梢循環動態の検討II      一加速度脈波を用いて一

(皮膚科学)柿沼美和、五十嵐 勝、奥田知規、大井綱郎、

古賀道之

加速度脈波を用いて糖尿病性潰瘍の末梢循環動態を検討し た。健常人A群48例、皮膚病変のない糖尿病B群60例、糖尿 病性潰瘍C群40例の3群間で、安静時の加速度脈波b/a値は 有意差なく、d/a値はA、 B、 Cの順で有意に高値であった。

Lipo PGE1負荷でb/a値はC群のみ他の2群と異なる反応を示 し、d/a値ではA、 B、 Cの順で大きな変動がみられた。ま た、年齢、罹病期間及びHbAlcの検討では、潰瘍の有無と の関連性はみられなかった。

7.大動脈解離例の頸動脈超音波所見

(老年病科学)阿美宗伯、岩本俊彦、杉山

(外科学第二)福島洋行、石丸 新

壮、高崎 優

頭蓋外一頸動脈は全身の動脈硬化症を反映するが、大動脈 解離における頸動脈病変に関する研究は皆無である。そこ で当該例をStanfordの分類に基づいてA群(n−11)とB群

(n=48)の2群に分類し、これらの頸動脈超音波断層所見を 検討した。超音波所見は病変(plaque、狭窄)の有無、血 管径(左右血管径総和)、血管壁厚について検討した。各 群の平均年齢(63歳)に差はなく、高血圧を有する男性が 多かった。頸動脈病変の頻度に差はなかったが、A群の血 管径総和はB群より有意に大きかった。以上から、Stanford AとBでは病態が異なることを示唆し、頸動脈の拡張例では 大動脈瘤ばかりでなく大動脈解離を合併する可能性が高い

と考えられた。

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