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葉抜書并元偈 聞書連歌大秘事﹂からなる ︒本稿では ︑﹁連歌秘袖抄﹂の

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全文

(1)

日本女子大学日本文学科蔵 ﹃連歌秘袖抄﹄は ︑﹁連歌秘袖抄﹂と ﹁份

葉抜書并元偈 聞書連歌大秘事﹂からなる ︒本稿では ︑﹁連歌秘袖抄﹂の

翻刻・紹介および﹁份葉抜書并元偈 聞書連歌大秘事﹂の翻刻をする︒

﹃連歌秘袖抄﹄は︑宗牧・宗養に仮託された書といわれている︒ ﹃宗養

連歌伝書集﹄所収﹁連歌秘袖抄﹂の解説

の概略を次に記す︒

連歌秘袖抄の作者と成立時期に関しては本書の巻末に︑

  天文廿四年二月三日     宗牧在判         宗養在判     長慶朝臣

とあるのに依れば︑天文二十四年︵一五五五︶年二月︑宗牧と宗養

の父子が ︑三好長慶のために著作したもののごとく受け取れるが ︑

宗牧は︑天文十四年︵一五四五︶九月二十二日に下野国で没してお

り︑宗牧在判はあり得ない︒宗牧の著書を伝えるという意味で︑父

子の連名で署名したとも考えられなくもないが︑後人が︑宗牧・宗 養に仮託して著作した可能性が強い︒   連歌秘袖抄と同文同内容の部分が二箇所にわたってある連歌三部 書がある︒どちらかが他方に依って記したことを推測させるが︑両 書の成立については︑連歌秘袖抄の中から必要部分を抜き出して連 歌三部書が成立したと︑考える ほ うが︑両書の構成や性格からみて

自然である ︒さらに連歌三部書には ︑文禄三 ︑四年頃

一五九三︶ ︑新井忠元書写本

があることから︑連歌秘袖抄の成立は︑

それ以前である︒宗牧・宗養に仮託した書であるとすると︑宗養が

没した永禄六年︵一五六三︶十一月以後の成立である︒

内容

本書は ︑﹁連歌秘袖抄﹂の後に ﹁份葉抜書并元

偈 聞書連歌大秘事﹂を

付載している︒諸本によって内容項目に違いがあるが︑本書の﹁連歌秘

袖抄﹂は︑内閣文庫蔵本﹃秘袖抄﹄ ︵以下内閣文庫本と称す︒

じ項目と内容を持っており︑内閣文庫本と比べると︑本文順序の移動が 日本女子大学日本文学科蔵﹃連歌秘袖抄﹄の翻刻・紹介

白 石 美

(2)

多少あることと脇注が当本では本文となっている例や内閣文庫本本文で

﹁イ﹂と校合されている本文が当本の本文になっている例がみられる ︒

また︑内閣文庫本では﹁には

4

紅葉﹂ ・﹁志賀の浦

4

﹂・ ﹁ひらく

4

4

る初桜﹂↓当

4

本では﹁うす

4

紅葉﹂ ・﹁志賀の海

4

﹂・ ﹁ひたつ

4

4

る初桜﹂等のように語句が異

4

なる箇所が数カ所ある点︑内閣文庫本の﹁はね字に通ふ事⁝中略⁝嵐吹

らし﹂の後に ︑当本は ︑﹁一   忍ぶといふ句に ︑顕るゝ   隠す   人め恥 る  余所目しるし   此の詞   同意也︒同人をしのぶと云句に︑床しき   恋しきなども同意也 ︒﹂と半丁分 ほ どの独自文がある点が指摘できる ︒

当本が持つ項目を次に記す︒

主な項目

切字の事

下知と云事

玄妙の発句の事

大廻の事

三段切の事

三字切の事

二字切の事

大廻不成句の事

哉と不留候発句の事

そかよの三字にててと留る事

はさみやの事

九やといふ事

八のやの事

七のやの事

にて留る押字の事 いつの事 発句かな留にてかよひたる句の事 三しの事 下の句にも留 はねしの事 ぬの字留の事 ぬの分別の事 重ね覧の事 すみのてにはの事 治定のかの事 みゆ留の事 かもと留   かはと留事

重又   地又といふ事

皮肉骨の連歌

真草行の連歌

本説連歌

本歌連歌

本歌の習連歌

句切連歌の事

異形通対

かけてには

きせてには

重てにおは

あたりてには

本哥発句

(3)

﹁份葉抜書并元偈

聞書連歌大秘事﹂は

︑本稿では

︑翻刻のみとする

︒ 早稲田大学図書館蔵伊地知鐵男文庫本

﹁連哥秘袖抄﹂所載の﹁份葉抜書

并元倡聞書連歌大秘事﹂と ほぼ同じ内容項目を持つ本文であるが︑多少

の表現の差違がある︒当本は

46丁表の﹁一

  花おつると云と散と云事   巴千句に現在﹂の後に早稲田大学本にはみられない﹁山里などの花は落 と云て能候⁝中略⁝一   はね字の事   今みれば氷の柏や沈むらん﹂と一

丁分 ほ どの独自文を持つ︒本文の詳細については︑後日とする︒

本書︵日本女子大学本︶の書誌

写本

︒袋綴一冊

︒改装本で表紙は新しく付けられているが題目はな い

︒縦二〇

・七糎

︒横一四

・一糎

︒一丁オモテから本文

︒本文の前に

﹁連哥秘袖抄﹂とある ︒連哥秘袖抄の本文末に ﹁天文廿四年二月三日   宗牧在判/

宗 回 在判/長慶朝臣﹂の奥書があり︑そのあとに﹁份葉抜書

并元偈 聞書連歌大秘事﹂を付載している ︒﹁連哥秘袖抄﹂は ︑一丁オモ

テから三二丁オモテまで ︑﹁份葉抜書并元偈 聞書連歌大秘事﹂は ︑三二

丁ウラから五〇丁ウラまでの一九丁である︒五〇丁ウラに﹁万治四年丑

正月七日集/元禄拾一年寅七月四日/一瞬書写﹂とある︒ ﹁連哥秘袖抄﹂

﹁份葉抜書并元偈 聞書連歌大秘事﹂本文注記はいづれも同じ手であり ︑

﹁一瞬﹂なる人物が書写したものであろう ︒墨で ﹁イ﹂と校合本文の書

き入れと朱の加点と振仮名がある︒侵水跡が少々ある︒

﹁連歌秘袖抄﹂の諸本

諸本は ︑本書の他に ︑内閣文庫蔵本 ﹁秘袖抄﹂ ︑神宮文庫蔵本 ﹁秘袖

抄﹂ ︑神宮文庫蔵本 ﹁連歌秘袖書﹂ ︵巻子本︶ ︑国会図書館蔵本 ﹁連哥秘

袖抄﹂ ︑早稲田大学図書館蔵伊地知鐵男文庫本 ﹁連哥秘袖抄﹂がある ︒ 内閣文庫本から国会図書館蔵本までは︑既に木藤才蔵氏により﹃宗養連 歌伝書集

﹄で紹介されているので未紹介の早稲田大学図書館蔵伊地知鐵

男文庫本の紹介を次に記す︒

早稲田大学図書館蔵伊地知鐵男文庫本

写本︒袋綴一冊︒縦一八糎︒横二三糎︒外題﹁ ﹇秘﹈袖抄﹂

テから本文︒本文の前に﹁連哥秘袖抄﹂とある︒巻末に﹁天文二十四年

二月三日   宗牧在判/宗 回 在判/長慶朝臣﹂の奥書があり︑そのあとに

﹁份葉抜書并元倡聞書/連歌大秘事﹂ ︑﹁発句脇の仕立様之事﹂

授書﹂を付載している ︒﹁連哥秘袖抄﹂は ︑一丁オモテから一四丁オモ

テまで ︑﹁份葉抜書并元倡聞書連歌大秘事﹂は ︑一五丁オモテから二一

丁ウラまで ︑﹁発句脇の仕立様之事﹂は ︑二二丁オモテから二三丁ウラ

まで ︑﹁古今伝授書﹂は ︑二四丁オモテから二九ウラまでである

丁巻末に﹁慶安二年子十二月写之﹂の奥書がある︒見返しに﹁円純蔵本

附霊山寺什物﹂とある︒

翻刻に当たっては︑次のような方針をとった︒

凡例

一  本文は︑日本女子大学日本文学科蔵﹃連歌秘袖抄﹄を底本とした︒

一  読みやすいように句読点・濁点を付すとともに本文中に適宜空白を

設けた︒ 一  できるかぎり底本に忠実であることを旨とし ︑仮名遣い

畳 字﹁ゝ・ 々・ 〳〵・ 〻﹂ ︑ふりがな ︑ミセケチなどは

(4)

とした︒合点は省略した︒

一  原本の体裁を残す為に改行は︑底本のままとした︒また︑見出し語

﹁一﹂の次に一字分の空白を入れて﹁一   切字の事﹂のように表記し︑

句は︑三字下げとした︒

一  平仮名 と 片仮名 を 混 用 し て い る 場合 に は ︑ そ の ど ち ら か に 統 一 し た ︒

一  底本 で 割 注 に な っ て い る も の は ︑︿   ﹀ の 符 号 で囲 ん で 一 行 にし た ︒

一 

異体字

︑旧字体

︑略字

︑宛字

︑変体仮名は

︑一部原本通りの場合

︵份・哥・鴫・栬︶がある ほ かは︑通行の字体に改めた︒

一  底本の原文の傍書・注記は︑その本文の右脇に付した︒注が頭注で

ある場合は︑*印を付した︒また︑原文の脇に補入がある場合は︑補

入部分に﹁・﹂印を付し︑朱の振り仮名は︑ ゴ シックにした︒

一  底本の本文の誤りであることが明らかな場合は︑底本のままに翻刻

して︑その右わきに﹁ママ﹂と記した︒

一  本文丁数は︑ 丁の終わりに︵   ﹂  ︶を付し︑ 丁数とその表裏を︵ 1

オ︶ ・︵ 1 ウ︶のように記した︒

連哥秘袖抄

一  切字の事

哉     折人に鳥啼花の山路かな

もかな    時鳥遠山ならぬ声も哉 けり     積りけり猶高砂の松の雪 けりな    さむけりな淡雪積る春の庭   ﹂1 オ

みん     いつとみん花の若葉のうす紅葉 もなし    初雪の庭は心の塵もなし

ぞ     雨ぞ花ふればひた つ る初桜

か     秋染し露か氷の下紅葉

や     露や色花の梢の朝朗

やは     時鳥やは初雁の小夜枕   ﹂1 ウ かは     花咲かば誰かは岩木春の山 こそ     花はみつ山こそ千入志賀の海 いかに    月いかに木の下闇の松の雨 いかゞ    秋の色を今よりいかゞ若楓 いつ     今年たにあかれすはいつ春の花 いく     霜を経は雪にも幾世そ馴松   ﹂2 オ

誰     誰か為の卯花月夜 ほ とゝぎす

つ     華はみつ青葉に遅き秋の草

ぬ     雪の華青葉に成ぬ松のかせ

   此外 けらし   なぞ   など   む  さぞ   なむ いづこ   せいばい   疑  いさよ   いかて   とがめ   ﹂2 ウ げち   らば   現在のし︒

一  下知と云事

出よ     染出よ花の木のめの春の雨 つくせ    染つくせ栬むらこの片時雨 まて     に ほ ひ出て払袖まて雪の梅 ふけ     ふけ嵐花無き春の夏木立   ﹂3 オ

こほ れ   氷れたゞさながら上に水の雪

思ふな    咲ぬ間とおもふな花を春の雪

(5)

め     梅か香を吹ば身にしめ朝嵐 散らせ   見よ   霞め月

右切字︑近代の作例用之︒雖然︑

秀逸之内出来候時用旧例也︒   ﹂3 ウ

一  切字のし文字に︑三世のし文字の

内︑過去のし文字にては︑不切候︒

現在    一聲にみぬ山ふかし ほ とゝぎす 未来    声遠み待ぬは聞かじ蜀魂

一  玄妙の発句の事

松白し嵐や雪にかすむらん   ﹂4 オ

水寒し山や雪より流らん

月細し桂や茂りかくすらん

名ぞ高き月や桂を折つらん

右︑し   そ  やの分別と云︒是はね 申内に切字三つあり︒現在のし   やの 字  覧留以上三つ有︒又︑ぞの字入   ﹂4 ウ

候ても︑やと切はねても同︒玄妙の

発句也︒是によりて︑し   そ  やのて

にはと申也

一  三世   昨

過去

日より山の端遠し

現在

霞むら

未来

おなじく玄妙の句なり

   梅か香に消あへぬ雪やに ほ ふらん   ﹂5 オ

是︑玄妙の発句のよし候へども︑切字

雖切候︒きへあえぬのぬの字︑更

に玄妙の内に不用候︒失念の発句か︒ 一  大廻の事

あなたふと春日のみがく玉津嶋

雲はらふ風の道行秋の月   ﹂5 ウ

此切字︑心にて切る発句にて候︒上下の

別也︒あなたふととあれば︑下に玉津

嶋と有︒其都合を大廻とは申也︒

又︑雲払と云に︑下に月と有︒同前也︒

一  三段切の事   三名切共云

花はひも柳は髪を時津風   ﹂6 オ

五月雨は嶺の松風谷の水

此発句︑柳と時津風と︑正しき物二つ入

により︑三段の切字と申也︒又山領と谷

とふたつ入五文字ともに以上三ツ有さ

てこそ三だんの切字と申候はめ︒

一  三字切の事   ﹂6 ウ

花もがな嵐やとはん夏の庭

花かとよ払はじ積れ松の雪

右発句︑も哉と︑やと︑はね字と︑三つ切

字在の故に︑三字の切字とは申也

又︑はらはし︑下知︑かとよ︑是も三字切也︒   ﹂7 オ

一  二字切の事

折人は花に恨みん風もなし

華や引帰る袖みぬ木陰哉

右発句︑恨みんと︑もなしと︑是二字

なり︒又︑哉と︑やと︑是二つ︑右同前︒

(6)

一  大廻不成句の事   ﹂7 ウ

夕立は都の宿の滝の本

是は︑夕立と云て下に本といふ事︑首尾

せず︒夕立のたぐひ同じく候也︒

一  哉と不留候発句の事

深山より木の葉吹来ず嵐

かな 是は︑吹来ぬ嵐哉とつゞかず候也︒   ﹂8 オ

一  てにおはちかひにて不違候事

かげや梅花鳥うかぶ御池かな

月やあらぬ似たる時なき今宵哉

秋やとき初花咲く

る夏野哉

4

此発句︑やと云て哉と留ゝ事︑不苦候︒

口合のやと云やの字也︒哉となく共   ﹂8 ウ

此やの字ばかりも︑発句に成申候︒月や

あらぬ︑秋やとき︑此句は︑影や梅より︑云

詰たることばにて候也︒

一  切字に置字あれば︑哉とも︑て共︑

にとも︑留る也︒おさへ字といふ也︒とのも

に秀句︑此躰︑文集に有定︒置字也︒   ﹂9 オ 一  ぞ  か  よの三字にて   てと留る事

ぞ     うき身ぞとおもふ泪に世を捨て

か     里人の山はふるかと雪まちて

よ     又よとは留る情にいひ捨て

     己上

   誰袖ぞ裏山吹の匂ひかな 是は誰袖ぞと云て哉と留る︒て   ﹂9 ウ

には違候え 共︑裏山吹を︑浦山しと秀

句に云かけたる故に︑哉と留候︒是習

なり︒何も疑字に︑とのもに秀句さへ

入候へば︑哉とも︑て共留ゝ也

一  哉にかよふ字の事

て  に  けり   也︑此等の類也︒すはりたる字也   ﹂

10オ

一  うたがひと申は︑切れ字の事

一  はさみやの事   とや共云

立のぼる雲や霞に日の入て

山里は雪や木の葉に道絶て

此やの字︑雪や木の葉と正しき物を︑や

の字に挟み入れば︑てと留候や ︒て   ﹂

10ウ

の字の上に習有︒道絶てとある

は︑雪︑木の葉に道絶たる也︒雲に霞

に日の入たる也︒いかに正しき物にて挟た

りとも︑此習なりては︑てとは難留候也︒

一  九やといふ事   又こしのやとも云 暁の嵐や鐘に夢さめて   ﹂

11オ 庭に今朝木のはや風の吹

添て

かり枕むすぶや月の短夜に

是は︑はじめの五文字より九めのやの

字也︒此やにては︑てと留る也︒

一  八のやの事   のやとも云 東路や   筑紫路や   春日野や   此類也   ﹂

11ウ

(7)

此やにては︑哉とも︑てとも留申候︒

一  川岸や   山松や   山陰や   川嶋や

此等の類にても︑哉とも︑て共留申候

一  花なれや   月なれや   水なれや   石の火

なれや︑此やの字︑切字に用也︒

一  七のやの事   ﹂

12オ 口合のや   又やみん老の身の花明日もみん 切や     散花や嵐につれてまよふらん 中や     鳥帰雲や霞に日の入て 捨や     角てしも身の有べきとおもひきや はのや    今ははやとはじと月に鳥鳴て 疑のや    おもへばや鳥啼迄留むらむ   ﹂

12ウ すみのや   おもふやと逢夜も人を疑て

以上七つなり︒五文字より︑三めは︑

口合のや︑五めは︑切や也︒八めは︑中のや︑

四つめは︑すみのや也︒五めは︑八はのや也︒五めは︑

疑や也︒韻のや捨や也︒

よもあらじ   おもはじ   たぐひはあらじ   と  ﹂

13オ はじ   おしまじ   しられじ︑此し文字︑切字也︒

一  霜をみん   あすもねん︑此はね字︑

切字なり︒花をみんもおなじ︒

霜をみん花は枯野ゝ秋の草

明日もねん花はひもとく草莚

一  霜とみん   花とみん   山とみんなどゝ   ﹂

13ウ

たとへてはねたるは︑不切候︒花とみん ずる   霜とみんずると云故也︒ 花とみん秋草遠き青野哉

かやうに云るは不切候故︑哉と留申候︒

花をみるべき秋草と︑未来を云に

よりての事也︒月はみん   月には見えじも/同前也︒ ﹂

一  にて留押字の事

を     風もなき荻をね覚の枕にて

は     又よとの情は後の涙にて

ば     絶て逢ならひのあらば命にて

も     偽におもふといふも恨にて

からぬ    恋しさに身は惜しからぬ衣にて   ﹂

14ウ    袖にこそ契る花折野分かな    しばしこそ人もかげせし花散て    道あればこそ雁の鳴空

右︑こそと云て︑哉とも︑又てとも︑に

共︑かよふ事こそあれと心に餘して

作る句也︒十九てにはといふ也︒又口伝   ﹂

15オ

一  いつの事

いづれ    飛鳥はいづれの山をとまりにて いづこ    古郷はいづこむかしの跡とひて いつ     春日野はいつの都の露分て 右︑いつ   いづれ︑其物をさして定 たる心なる故に︑てと留る也︒春   ﹂

15ウ

日野は︑いつの都にて有たるぞと

露を分る心にて︑てと留る也︒

(8)

いづれも此句同前也︒

一  発句かな留︑にて   かよひたる句の事

梅遠く香を遣る水の流かな

水浅く根深芹の野沢哉   ﹂

16オ

右の発句︑ながれ哉︑野沢哉︑治

定したる句也︒か様の句の類にては︑

第三にて留せぬ物也︒又︑発句

のがらにより︑たぐひ哉とも御入候はゞ︑

にて留不苦候︒たくひ哉と疑たる心

にて御座候故也︒能〳〵吟味して︑第   ﹂

16ウ

三の事肝要也︒

一  三しの事右にも大形印侍り︒

過去のしと云は︑みし   聞し   過し︒

是は︑切字に不成︑て共︑哉とも︑不苦候︒

現在のしとは︑山遠し   松青し 寒し︑是は切字に成べし︒未来   ﹂

17オ のしとは︑契るべし   成べ し  暮

ぬべし︑右是も切字に成申候︒

一  下の句にも留︑大庭

  はと押て︑てと留也

テイ

蝉の端山に華

は残りて

松に氷れる月はかゝりて

面影ばかり月は霞みて   ﹂

17ウ

已上是等の類也︒

一  はねしの事   老葉に有︒

あり果ん物とて身やは生るらん︒ 有果ん物とて身やは生るらふ にてはね候へば︑不苦︒やはと云て︑は ね候え ば︑てにおは違と申候也︒   ﹂

18オ

一  ぬの字留の事

天地もえやはしるやと忍び来ぬ

かやうにてはぬと留事不可有︒

天地もえやはしるばかりにてぬ

と留候へば︑不苦︒か様にては留ましく候︒

一  ふのぬと云は︑道顕われぬ   行  ﹂

18ウ やらぬ   如斯のぬにては切不申候︒

一  畢ぬと云事   花散り

ぬ  鳥鳴ぬ

4

月入ぬ︑此道の類にては切申候︒

一  かくれぬと云は︑消ぬ   おちぬ   如

此のぬは︑両方へいわるゝ也︒

一  ぬの分別の事   ﹂

19オ

雪ふりて道顕われぬ冬の山

如斯云たるは︑あらわれざると云ぬ也︒

雪消て道顕われぬ春の山

是は︑畢ぬとて︑切たるぬ也︒差別有べし︒

又詞によりて不切も有べし︒

一  一字はねとは︑けん   なん   せん︑   ﹂

19ウ

是には切字なくても︑不苦候︒

一  さしの覧と云は︑治定したる

所をはぬるを云也︒物を見付︑

聞付たる所を︑はぬる也︒

(9)

明るまてうたふに月も消ぬらん かつらぎ遠し雪のきゆらん   ﹂

20オ

岩根は青し藤茂るらん︑

如此︑やといはで覧と有て

句のたけ高き事有︑能〳〵

可有分別︒現在のし文字にてはぬる也︒

一  重ね覧の事

花ぞうき散らん物のに ほ ふらん   ﹂

し ほ る覧花もうしとや契るらん 20ウ  

不好とも自然の奥也︒

一  二字はなしとは︑前句のやをうけ

て︑はぬる事有り︒

一  三字くわ へと云は︑三日月様

に雁と付︑又︑老様にその森   ﹂

21オ

なとゝ付る事︑当時不好也

老は頼まぬ行末もいさ

その森と見る影寒く落葉して

一  四字不同と云は︑前句に松と

藤と有に︑風と浪と付る事也︒

一  すみのてにはの事   ﹂

21ウ

こえて行関の山風袖見えて

杉立る奥の山本日はさして

山風に袖と心に餘してつかう

まつりたる句也︒山本に日は

あまりたる心︑右同然︒おなし事候ず︒ 暮渡る天の橋立舟とめて   ﹂

22オ

是は悪しく候︒一句︑天の橋立が

舟とめたる様に聞え申候︒橋立

に舟と仕候へとも︑すみのてにはに︑

此等の類︑あしく候︒

一  もかなの句には︑はね候はでは

付がたく候なり︒ ﹂

22ウ 一  つゝ留︑上句には︑なり   けり︑此二字

を置字にして︑つゝと留申候︒下句

には右の二字なくても不苦候︒

上句のつゝ留不好候︒

一  治定のかの事

夢のみか月も今宵はむかしにて﹂

23オ

此かにては︑てと留申候︒

一  日はくらし   夜はくらし︑様云五文字にては︑て   ととまり不申候︒

一  こそと一句の内にあらば︑ゑ

けせてれめね︑是韻にをき

てよし︒さなければ︑不留候也︒   ﹂

23ウ

一  みゆ留の事

う     秋の芭に飛こてふみゆ

く     芦の丸屋に蚊遣焼みゆ

す     舟も一瀬をこき流す

みゆ

4

つ     木を切谷に煙たつ川みゆ

ぬ     山は色またふかゝらぬみゆ   ﹂

24オ

(10)

ふ     みどりの空を鷺の飛みゆ

む     み 草色つく魚沈むみゆ

る     上成山に月かゝるみゆ

一  弥時雨︑やよ弥生︑やよ時鳥

是はやいと云こゝろ也

一  こ ほ るらし   さえぬらし   かよふ   ﹂

24ウ らし   鳴ぬらし   時雨らし   鳴 ならし   からし   みるらし   にほ ふ らし   更ぬらし︒

巳上︑覧はねにかよふ也︒

一  忍ぶといふ句に︑顕るゝ   隠す 人め恥る   余所目しるし   此詞   ﹂

25オ

同意也︒同人をしのぶと云句に︑

床しき   恋しきなども同意也︒

一  かもと留︑かはと留事

迷わぬ峯の雲は花かは

此句︑かもにてあし候︒

まよへる峯の雲は花かも   ﹂

25ウ

此句︑かはにて悪し︒とかく

さだまりたる事は︑かは能候︒

定まらぬ事は︑かもよく候︒鳥

は物かはの哥︑可為分別︒

一  むかふも

住吉や長井の浜もひとつにて   ﹂

26オ

一  小篠さへ茂らは竹のはやし哉 此さへは︑もにかよふ也 一  重又   地又といふ事

重又     又鳴やふゆを忘るゝ鹿の声 地又     又もみぬ親と思へばしたわれて 一  成にけり   情に入たる詞と心得べし︒   ﹂

26ウ

桜より栬也けりよしの山    一  八字付所

さえ   何  か  猶  こそ   は  誰  も

一  皮肉骨の連歌

人とわれとは秋ふたり有

荻原や隣も風の夕にて  

        皮付也   ﹂

27オ

はらむ子だにも袖覆なり

尾花さへ野への鬼の月をみん

          奥付也︒

氷とみるはつるき也けり

池寒き汀の鷺の羽を敷て

        骨付也︒

一  真草行の連歌   ︿心得のかけ合/たるを真といふ﹀

河音寒しみよし野ゝ春   ﹂

27ウ あしたの雲の跡をこそとへ   *︿趣ばかり付たるを/草といふ﹀

草  はなれたる駒の渡りの里の名に

わが身の上と更におもはず   *︿大方歌合/たるを行/といふ﹀

関にふる雪に霰の音ならで

右︑真草行︑一座の内にて可有甚心得︒

(11)

一  本説連歌   ﹂

28オ

とひ問れしは後の思ひ出

塚のみか玉 田の小野ゝ草の露

一  本哥連哥

宿の梢や替り行らん

暮ぬればそれともみえず伊駒山

わが宿の梢の夏になるまゝに   ﹂

28ウ

伊駒の嵩は遠ざかり行   といふ本歌也

一  本哥の習連哥

誰を恨みんことの葉もなし

世中は藻に住虫の泪にて

海土の苅藻に住虫のわれからと   ﹂

29オ

音をこそながめ世をばいとわしと

いふ歌の心なり︒

秋風寒み夜の長きなど

ひとり寝は姨捨山の月なれや

わが心なぐさめ兼つさらしなや

姨捨山にてる月をみてといふ心なり   ﹂

29ウ

一  句切連歌の事

田鶴鳴わたる空の春けさ

干潟には松原はかり塩満て

一  異形通対

法の心を鳥も鳴なり

駒にかふ草の枯葉に鴫おりて   ﹂

30オ

一  かけてには

来る秋の心よりおく袖の露

かゝる夕を萩の上風

一  きせてには

せん方もなき秋の悲しさ

霧暗き夕の山の雨宿り    ﹂

30ウ

一  重てにおは

木の葉よりけに涙もそふる

古郷は時雨と共に冬の来て

一  あたりてには

又吹立る浪風の音

松陰のあなたの里の夕霞

  ﹂

31オ

一  本哥発句

ひかじけふ松のおもはん老の春

いかにしてありとあられし高砂の

松のおもはん事そ悲しきと云心也

待人に立枝や霞む宿の梅

わか宿の梅の立枝や見えつらん   ﹂

31ウ

おもひの外にきみが来ませる

天文廿四年二月三日

       宗牧在判        宗 回 在判 長慶朝臣   ﹂

32オ

(12)

份葉抜書并元偈 聞書

連歌大秘事

一  遠をなをす詞の事

奥山に人もとはしに花咲て

とはしは切侍り︒にはつく字也︒

老は只うきめ見えんもうき身にて﹂

32ウ

もつく字也︒

夜の嵐雪のふるかとさら〳〵て

と続字也︒

しのふるも人はしるやの衣〳〵に

の続字也︒是は分別肝要也︒

すてばやは︑偽となり︒すくす世に﹂

33オ はやは切   はゝ続字也︒

住れはや角絶てものあばらやに

角文字を隔てゝも置す也︒

岩根ふむ山も幾重の木の葉哉

幾重ぞと文字を入て心得る也︒ ︿哥に題/付るべし﹀

一  秀句にてつく事   ﹂

33ウ

身を知も壁生草の露の世に

いつまてぞと云心にて︑切侍り︒い

つまて草にては︑不切候也︒

人は今よもきり庭に秋更て

よもぎさうしと云心にて︑切侍り︒よ

もぎにては︑不切候也︒   ﹂

34オ

一  秀句にてつゞく字に不成候事

又いつかあふひし ほ るゝこすの外に

是は︑又堪能ともいへる人の句なり︒

雖然人数多相違と也︒是は︑

あをひとよむ故也︒

秋の空時雨つ晴つ月更て   ﹂

34ウ

此句︑時雨つ晴つと云て︑不切候︒

時雨つと云ては︑切候也︒重たる

故也︒不切候也︒

一  てにおは不違してちがふ事

山遠み尋来にけり桜花

これは︑山遠くにてよし山深み   ﹂

35オ

春ともしらぬふかみにてよし︒野

を遠み︑夜を寒みなどは︑句法也︒

みえみえすみやすめ字也︒句法也︒

聲遠みまたぬは聞かじ蜀魂

是は︑遠しにてよくきこゆべ

し︒文字かしましき様に   ﹂

35ウ

聞ゆれば︑みといふなり︒

一  やはといふ事

とわぬをやはと尋遣らばや

此やはわろし   などゝしてよし︒

聞くもあかれやはせぬ子規

此やはよし︒哥に桜花︑春くはゝ﹂

36オ

れる年だにも人の心に

(13)

あかれやはせぬと云詞つらきよし︒

一  たると   ぬるとの置様の事

心とけぬる人の嬉しさ

此句たるにてはわるし︒

落たる月の細い山の端

此句ぬるにてはわるし︒

一  文字を加て聞事   ﹂

36ウ

風のみや凩ならん霜の庭

是は︑風のみやはと加る也︒

哥に三千年に花咲松も朽に

けり︒槿のみや墓 なかるべき︒

みてのみや人に語らん桜花て

毎に折て土産にせん︒此やは也︒   ﹂

37オ

一  五月雨に折りたつ多子の袖朽

て︑五月比はとも   五月雨にはとも加︒

一  花もさぞ植し人をや慕らん

是︑さぞとお やか略してよし︒

天地もえやは知るやと忍ぶ見に

是も同や   ひとつ過たるにやわろし︒   ﹂

37ウ

一  太山は雪のさこそ降るらん

ふるらめにてよし︒

妻恋鹿のあわれなる聲

こふるにてよし︒

夏山は冬みる松の一木かな 詞つゝりたる句の事   ﹂

38オ

有人見しにて可然所之被申候︒

のを松月に被尋候成ば

見るにてよく候由に候︒

住捨る宿の道芝生そひて

是すてしにてよし︒

秋をひけ袖も夏その朝涼﹂

38ウ

是は︑袖はにて悪し︒

雪降ば花しなへての梢かな

是は︑花しのしにてわろし︒

一  都の月に帰雁金 と云句に

花をこそ見るらめうたて春の空

うたて物なし   うたてかるべき事なし︒   ﹂

秋と吹夕の風の淋しきなど云句に 39オ  

うたて悔しき軒の下草く

やしかるべき事なし

花に心のあかぬとやすると云句

夏まてもまたぬぎかへぬ春の袖

何とてぬきかへす哉︒   ﹂

39ウ

右︑何を杉原宗伊存分也︒

一  さびしもと云句はさびしと

いふ心なり︒下句は︑七々也︒七〻字

の内

にてをはの文字なくして 夕と有は︑淋しも   契と有は︑嬉しもと有べし︒

萩に風吹夕さびしも   ﹂

40オ

(14)

忘ぬ中の契られしも

おもひも果ぬ恋ぞ悲しき

荻に風吹音の淋しき

一  やの字数多にかよふ事

疑    花ぞなき春やかざして帰らん

と也    たをやめは藤や桜の陰にねて﹂

40ウ の也    礎山や ほ とゝぎす鳴るに来て 心なし   秋の夜は折や碪に夢覚て はなり   主や誰駒はなちかふ糸の原

一  文字を入て心深くてには

にそ也    程もなき世を夢ぞ驚く 云ける也    春にはや花も待けめ都人﹂

41オ かと也    雪のふるかと花のちる比

一  文字を略して心得る事

沖つになにの浦波に漕出て

これ難波なり︒

一  こそ去て   てにも   にても   かな

にもとある事﹂

41ウ

花をこそうゆべき庭に柴干て

是︑十九てには也︒花をこそ植

べきとあまして聞候︒こそと

あひにとも花をこそうゆべき

とつゞきたる心持よし︒花

をこうと申し︑余の事に続   ﹂

42オ

候へば︑十九てには不成して   には違に/成べし︒ 袖にこそちぎる花折暴風哉

とある発句︑袖に契と続て/よし︒

又月をこそ思はざりつる雨夜哉

これは︑十九てにはにあらず︒月

をおもわぬとつゝかずに候により   てには/ちがひ也︒   ﹂

一  下の句て留の事

ふかき山にも入るのみにして

是は︑もにて   てと留候︒してと留にても/同前︒

一  こそ留の事

田面の蛙つふ〳〵とこそ

こそ鳴とあまして聞句なり﹂

43オ 一  比 留の事   比 そやとや余て聞也

一  き留の事

梅咲山をけふは越にき

むなし五月を闇に越にき

野を行袖ぞ露払にき

是は︑十八の切字あればきと﹂

43ウ

不留候︒乍去︑ぞと云て留る事︒

一  霞を哀み   露を悲しむは︑皆とする詞也︒

一  くふるよはひの後は何なり   ︿紹巴千句/独吟に有﹀

泪川流すね覚もある物とは

らふばかりの霧は何也︒何也けんと

あまして聞也   口伝云   ﹂

44オ

おきて行空もしられぬ明間

にいつゞの霧のかゝる袖と云

(15)

て死入たる心にてなりに心なし︒

めくらはねの大事也︒口伝︒

一  切字なく心にて切るゝ発句の事

松風も穂に出る秋を萩の色

 

宗祇   ﹂

44ウ

おしましとおもふも物を春の花

 

紹巴

さかふ心あるにより切也︒をしまじ︒第一切字也︒

一  時鳥いつ里馴ん聲ならん

 

心敬

いつ我里に馴たる聲をなんと也

いつ里馴れ申と云心也︒はねじに

あらず︒誰をにか種はまきじと   ﹂

45オ 人とゝいて岩根の松はこたへん   恐也︒

一  下の句の次様   二五五に作   わろし︒

四三三四三四四三吉

一  三うたがひ         住吉千句第三

雲まよふ月やいつれの峰ならん

 

山陰や歳一村のつゝくらん

 

紹巴   ﹂

45ウ

一  雪をつきに似物付句の時は

秋か夏か入句作り仕候習也︒

一  花おつると云と散と云事

 

巴千句に現在 山里などの花は落と云て能候︒ 都又よしある江の花は散と云て能候︒ 一  烏

の仕立様神前様は争   ﹂

46オ

心山中は︑淋しき︒心市 にては︑さは

がしき︒心夕は︑いそぐ︒心朝は︑

いかにもゆる〳〵と続たる心肝要なり︒

一  雁仕立申候︒渡は悪躰也︒

かへるは︑ゆる〳〵としたる心也︒

一  恋述懐のなき句は︑寸西と云也   ﹂

46ウ

一  はね字の事

今みれば氷の柏や沈むらん

一  四道   そう   したがふ   引はなす さかふ   これ四道也︒

一  なんといふ詞は︑かしと云事

やかずとも草はもえなん春日野を   ﹂

47オ

只春の日にまかせたらなん

初のなんするといふ︒うちむき

たるなん也︒まかせたらなんは

まかせりと願たる心也︒口伝

今朝来なく未たびなる郭公

花橘に宿をからなん   ﹂

47ウ

此借なんも宿をかせりしにて

可有之候︒此類哥に類を

しらず候︒か様なる心をしらずして

きふはいつらに宿をからなん

(16)

いつの暮にか人はとはなん などと聞え候︒是は更に一句も   ﹂

48オ

すはらず︒いかにも付られず候也︒

一  発句の分別

 

宗祇

住吉といふ名にめでよ帰雁

此発句︑三条殿御置し被成候︒

住吉の名にやはめでぬ帰雁

此発句の心を宗 回 ︑尤も目出度と也︒   ﹂

48ウ

一  しばしまてはわろし︒まて

しばしとは︑よく御座候︒

一  涼しきに郭公不付候︒時分

相違なる故也︒

一  切字普く人のしらぬ詞也

くやみき   しらざりき   音信き   ﹂

49オ か様に   きと云も過去の心

なれども切たる也︒

一  ふて   ぬて   にはの事

かづ散て紅葉のおくをみ山かな

種まかぬ田中は森 を栬哉

此方は︑哉と   哉と留候へども   ﹂

49ウ

奥を太山森を紅葉様と

秀句につづけたるにて︑お

もわしからず候︒ 一  らはといふ切字の事

名もさはぎかざらましを時鳥

声あらば鳴とはきかじ時鳥   ﹂

50オ

右切字はとばかりは︑不切らはにて吉︒

発句の大事

過去

日より山端遠

現在

し霞むら

未来

万治四年丑正月七日集

元禄拾年寅七月四日

          一瞬書写

︻注︼ ︵

     

1︶

木藤才蔵編 ﹃宗養連歌伝書集﹄解説 古典文庫 昭和

62年

発行 ︵

︵ 四年頃の書写と推定される屛山文庫本連歌三部書﹂のことである︒ 説の中で ﹁島津義久の臣新納武蔵守忠元 ︵為舟︶の自筆本 ︑文禄三  

2︶

新井忠元本とは ︑木藤才蔵編 ﹃宗養連歌伝書集﹄ ﹁宗養三巻集﹂の解  

3︶

早稲田大学図書館蔵伊地知鐵男文庫本は ︑﹁元倡

大学本は︑ ﹁元偈 ﹂とある ︒日本女子

4

︵ ﹂としか読めない︒

4

︵ 総合データベースによった︒  

4︶

早稲田大学図書館蔵伊地知鐵男文庫本は ︑早稲田大学図書館古典籍

5︶

﹁/﹂印は︑原本では改行されていることを示す︒以下同じ︒

参照

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