Ⅰ はじめに
Ⅱ ノーウォーク合意(2002年10月)~
MoUのアップデート(2008年4月)
⑴ FASBとIASBによるノーウォーク合意(2002年10月)
⑵ FASBとIASBによるMoU(2006年2月)
⑶ MoUのアップデート(2008年4月)
(以上、前号・第46巻1号)
Ⅲ FASBとIASBによる共同声明(2009年11月)~
ワーク・プランの更新(2013年9月)
⑴ FASBとIASBによる共同声明(2009年11月)
⑵ コンバージェンスに関する四半期進捗報告書
(2010年4月~2011年4月)
⑶ ワーク・プランの更新とコンバージェンスに関する進捗報告書
(2011年6月~2013年9月)
Ⅳ むすび
(以上、本号・第46巻2号)
U.S.GAAP と IFRS の
コンバージェンスの変遷(2)
榊 原 英 夫
Ⅲ FASBとIASBによる共同声明 ( 2009年 11 月 ) ~ ワーク・プランの更新(2013年9月)
本節では、FASBとIASBによる共同声明(2009年11月)からワーク・プラ ンの更新(2013年9月)までにおける、IASBとFASBによるコンバージェン スの変遷を①FASBとIASBによる共同声明(2009年11月)、②コンバージェ ンスに関する四半期進捗報告書(2010年4月~2011年4月)、③ワーク・プ ランの更新とコンバージェンスに関する進捗報告書(2011年6月~2013年9月)
に分けて、説明する。
⑴ FASBとIASBの共同声明
IASBとFASB([1],p.1)は、2009年10月の共同会議において、IFRSとU.S.GAAP を改善し、それらのコンバージェンスを達成する約束を再確認し、2006年の
MoU(2008年に更新)において提示された主要な共同プロジェクトを完成する
取り組みに集中することに合意した共同声明を発表した。この共同声明は、
MoUに関する主要なプロジェクトを完成するための計画(各プロジェクトに とってのマイルストーンの目標が含まれている)について説明している。また、
この共同声明([1],p.1)において、次の2つの重要な事項が提示されている。
① IASBとFASBは、2011年6月末までに主要な各プロジェクトの完成を目 指している。IASBとFASBは、この目標とする日付(2011年6月末まで)を 設定するにあたり、有力な数カ国が2011年にIFRSを採用する予定であるとの 事実、また、米国を含む他の諸国が、それらの資本市場におけるIFRSの役割 を決定するさいに、継続的な改善およびコンバージェンスを十分斟酌している との事実を考慮した。
② IASBとFASBは、上記のマイルストーンに関する透明性と説明責任を提 供するために、コンバージェンス・プロジェクトに関する四半期進捗報告書を 作成し、これらの報告書をウェッブ上で入手できることを約束した。これにつ いては、(2)「コンバージェンスに関する四半期進捗報告」において詳しく説
明する。
IASBおよびFASB([1],p.4)は、この共同声明において 、 次の①から⑩のプ ロジェクトの適時な完成を確保するための日程を決定し、その戦略を展開した。
①金融商品、②連結,③認識の中止、④公正価値測定、⑤収益認識、⑥リース、
⑦資本の特質を有する金融商品、⑧財務諸表の表示などの各プロジェクト、⑨ その他のMoUプロジェクト(ジョイント・ベンチャー、退職後給付、法人所 得税)、⑩その他のプロジェクト(概念フレームワーク、排出権取引、保険契約)。
IASBおよびFASB([1],pp.7-15))は、この共同声明の付録A(「MoUプロジェ クト完成へ向けての道筋」)において、「各プロジェクトにとってのマイルストー ンの目標」を以下の表①から表⑩のように提示している。
表①金融商品プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2009年11月 IASBは、予想キャッシュ・フローを基礎としたモデルが提案され ている、金融資産の減損に関する公開草案を公表した。
IASB は、金融資産の分類および測定を扱っている、新IFRS の第 1 部を公表するであろう。
2010年 第1四半期
IASBは、2010年6月末をコメント期限とする、金融資産および 負債のヘッジに関する最初の提案を公表するであろう。
IASBは、2010年6月末をコメント期限とする、金融負債の分類 および測定に関する最初の提案に対する変更を公表するであろう。
(IASB は、2009年7月に金融負債の分類および測定にとっての提案 を公表したが、金融商品プロジェクトの第1 フェイズの範囲に金融 負債を含めないことを決定した)。
FASBは、2010年6月末をコメント期限とする、分類および測定、
減損、ヘッジを含む包括的な提案を公表するであろう。その提案の 一環として、FASBは、(資産と負債の両方の)認識、測定、減損お よびヘッジについてのIASBの提案に関する見解を求めるであろう。
IASBも、FASBの包括的な公開草案に関する見解についての要望 書を公表するであろう。
2010年 第2四半期
IASBは、当該要求事項を早期適用している企業による金融資産の 分類および測定についての要求事項の適用をレビューするであろう。
2010年 第4四半期
両審議会は、最終基準を公表する予定である。
表②連結プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第2四半期
FASBは、連結に関する公開草案を公表する予定である。
IASBは、最終基準案についてのスタッフによる草案を入手可能に し、FASB の提案に関する見解についての要望書も公表するであろ う。
2010年 第3四半期
IASBとFASBは、すべてのタイプの企業に適用される、コンバー ジェンスされた連結に関する最終基準を公表することを目指してい る。
表③認識の中止プロジェクト
公表予定期日 マイルストーンの目標 2010年
第2四半期
IASBとFASBは、修正されたU.S.GAAPの要求事項の適用を基礎 として、U.S.GAAPとIFRSの差異を評価するであろう。
2010年 第2四半期
IASBとFASBは、IASBがこれまでの四半期にわたって開発して きているであろう、支配を基礎とした認識の中止のモデルに関する 適合性を共同で検討するであろう。
表④公正価値測定プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2009年11月 IASBは、FASBと協力して、アジア、欧州および北米において「公 正価値測定」に関する公開円卓会議を開催するであろう。
2010年 第1四半期
両審議会は、IASBの公開草案に関して受け取ったコメントを共同 で検討するであろう。
2010年 第1四半期
FASBは、「公正価値測定」に対する要求事項を改善し、当該要求 事項がIFRS案と調和していることを確保するために、U.S.GAAPに ついての何らかの修正を提案することが必要かどうかを決定するで あろう。
2010年 第3四半期
(必要ならば)FASBの公開草案に対する公開コメント期間の終了 後、両審議会は共同で問題点を審議するであろう。IASBは、「公正 価値測定」に関する最終基準を公表する予定である。FASBは、必 要な場合、U.S.GAAPに対する何らかの関連する修正を完了するで あろう。
表⑤収益の認識プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2009年 第4四半期
両審議会は、さまざまなタイプの取引に対するモデルを評価する ために異なる業界代表と一連のワークショップを実施するであろう。
2010年 第2四半期
IASBとFASBは、収益の認識に関する公開草案を公表する予定で ある。
2011年 第2四半期
IASBとFASBは、「収益の認識」に関する最終基準を公表するこ とを目指している。
表⑥リース・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第2四半期
IASBとFASBは、貸手および借手の観点から、リース会計を提案 する公開草案を共同で公表するであろう。
2011年 第2四半期
IASBとFASBは、リース会計に関する最終基準を共同で公表する ことを目指している。
表⑦資本の特徴を有する金融商品プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2009年12月 両審議会は、合同会議で識別されたアプローチの実行可能性を共 同で検討するであろう。
2010年1月 両審議会は、より詳細なマイルストーンの目標を含めた、計画を 更新するであろう。両審議会は、2011年の中ごろまでに本プロジェ クトを完了することを目指している。
表⑧財務諸表の表示プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第1四半期
IASBとFASBは、単一の包括利益計算書以外においてその他の包 括利益項目を表示する、企業による選択肢の削除を提案する公開草 案を公表する予定である。
FASBは、非継続事業についてのIFRSの定義を適用する提案を公 表する予定である。
2010年 第2四半期
IASBとFASBの両審議会は、「財務諸表の表示」に関する公開草 案を公表する予定である。
FASBは、非継続事業のIFRSの定義を適用する修正を完了するこ とを目指している。
2010年 第3四半期
IASBとFASBは、単一の計算書において包括利益を表示すること を企業に求める修正を完了することを目指している。
2011年 第2四半期
IASBとFASBは、「財務諸表の表示」に関する最終基準を公表す ることを目指している。
⑵ コンバージェンスに関する四半期進捗報告書
(2010 年 4 月・6 月・11 月および 2011 年 4 月 ) 前述したように、2009年10月の共同声明において、IASBとFASBは、IFRS
とU.S.GAAPを改善し、それらのコンバージェンスを達成する約束を再確認
し、2006年のMoU(2008年に更新された)において提示された主要な共同プロ ジェクトを完成する取り組みに集中することに合意した。そのうえで、IASB
表⑨その他のMoU プロジェクト
(1) ジョイント・ベンチャー・マイルストーン目標
IASBは、今後数か月以内に、「ジョイント・ベンチャー」を含むジョイント・
アレンジメントについての財務報告を改善するであろう基準を公表する予定であ る。
(2) 退職後給付・マイルストーン目標
IASBは、2010年初めに公開草案を公表し、2011年の中頃までに改善を完了する 予定である。
(3) 法人所得税・マイルストーン目標
両審議会は、本プロジェクトを現在の形式で進めるべきではないことに合意した。
IASBは、11月に,限定された範囲の改善プロジェクトの一環として、IAS第12 号「法人所得税」の局面を扱うかべきか否かを検討する。
表⑩その他の共同プロジェクト
(1) 概念フレームワーク・マイルストーン目標
財務報告の「目的および質的特性」を扱う、フレームワークの初めの2つの章は、
2009年末頃に公表される。
両審議会は、「報告実体」を扱う章についての公開草案も共同で公表する予定で ある。
(2) 排出権取引・マイルストーン目標
両審議会は、このプロジェクトに関して共同で作業を実施してきており、2010 年に共同で公開草案を公表する予定である。両審議会は、2011年の中頃に共同の 基準を公表することを目指している。
(3) 保険契約・マイルストーン目標
両審議会は、このプロジェクトを検討し始め、2011年中頃までに共同の基準の 発行を目指して、2010年第2四半期に公開草案を共同で公表する予定である。
とFASBは、これらのマイルストーンに関する透明性と説明責任を提供する ために、コンバージェンス・プロジェクトに関する四半期進捗報告書を作成 し、これらの報告書をウエッブ上で入手できることを約束した。以下において、
2010年4月、6月、11月および2011年4月に発表された4つの四半期 進捗報告書について説明する。
1)第1回四半期進捗報告書(2010年4月)
本報告書([2],p.1)は、2010年3月31日までの共同四半期進捗報告書であ る。IASBとFASBは、2010年3月31日時点で、2010年の第一四半期にとっ てのすべてのマイルストーン目標を実質的に達成した。また、本報告書([2],p.1)
によれば、2010年第2四半期に公表が予定された公開草案は、その質および 数(FASB関しては11(主要なプロジェクトに関して8つ)・IASBに関して は11(主要なプロジェクトに関して7つ))の点で重要である 。 したがって、
IASBとFASBは、公開草案の変更の程度および複雑性に見合ったコメント期 間を用意するであろうと指摘されている 。
本報告書([2],p.2)は、その内容を次の3つのパートに分けて提示している。
第一のパート(作業方法の改善)は、2011年6月の目標期日までに共同プ ロジェクトの完成を促進するための作業方法の変更を説明している。本報告書
([2],p.2)によれば 、IASBおよびFASBは、作業方法の改善のため、①ワーク・
プログラムの集中審議、②重要な問題に取り組むための特別会議の積極的な開 催日程、③両審議会の絶え間ない審議日程、④利害関係者に対するプロジェク トに関するアウトリーチの強化について作業方法を変更した。
第二のパート(コンバージェンス・プロジェクトの更新)は、2009年11月 の報告(共同声明)以降各プロジェクトに関して実施された進展および更新さ れたマイルストーン目標を説明している。
第三のパート(2011年の第2回四半期に予定されている公表資料)は、
FASBとIASBがMoUの完成との関連で公表する予定であるすべての資料につ
いての完全なリストと予定さている公表日程である。
以下において、本報告書の第二のパートにおける各プロジェクトにとっての マイルストーン目標と第三のパートを中心に説明する。
(ⅰ)各プロジェクトにとってのマイルストーン目標
本報告書([2],pp.3-10)によれば、①金融商品のプロジェクトから⑩その他 の共同プロジェクトまでの各プロジェクトにとってのマイルストーン目標が、
次のように説明されている。
①金融商品・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第2四半期
IASBは、このプロジェクトの特定のパートを促進する要求に応 えて、各フェイズにおける金融商品についての改善された財務報 告の要求事項を開発してきた。次のフェイズにおいて、IASBは、
金融商品負債の分類および測定についての提案を以前計画した3 月までではなく、4月に公表するであろう(IASBは、2009年7月 に金融商品負債の分類および測定についての提案を公表した。し かし、金融商品負債を金融商品のプロジェクトの第一フェイズの 範囲に含めないことを決定した)。
FASBは、以前計画した3月までではなく、2010年5月の第1週に、
金融商品の分類および測定、減損、ヘッジを含む包括的提案を公 表する予定である。その提案の一環として、FASBは、(資産およ び負債の両方の)認識および測定と減損についてのIASBによる提 案に関する見解を強く求めるであろう。IASBは、FASBの包括的 公開草案に関する見解に対する要求事項を公表するであろう。
11月以降、IASBは、ヘッジ会計に取り組むプロジェクトのフェ イズにおいて、非金融ヘッジを含むことを決定した。結果として、
IASBは、(当初計画された3月までではなく、)2010年半ばにヘッ ジ会計に関する最初の提案を公表するであろう 。
第3四半期 両審議会は、両審議会による様々な各提案に関して受理したコ メントレターおよびその他のフィードバックを共同で検討し始め るであろう 。
2010年 第4四半期 /2011年 第1四半期
両審議会は、受理したフィードバックについての共同協議を完 了し、新要求事項を完成し、発行する予定である 。
②連結・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第2四半期
IASBは、企業が支配はしていないが、支援してきた、または企 業が特別の関係を有している証券化および投資ビークルズについ て要求されるディスクロージャーを完成し、公表する予定である。
IASBは、以前は、2010年の第4四半期に、このディスクロージャー 要求事項を公表する予定であった。
FASBは、変動持分企業の連結に大きな影響を与えると予想され ない連結に関する包括的公開草案を公表する予定である。FASBは、
以前は、2010年第1四半期に、包括的公開草案を公表する予定であっ
た。
IASBは、その提案された基準についてのスタッフによる草案を 入手可能なものにするであろう。また、IASBは、FASBによる提 案に関する見解に対する要求を公表するであろう。
2010年 第4四半期 または 2011年 第2四半期
IASBとFASBは、すべての企業タイプを含む連結に関する共通 基準の発行を目指している。
③認識の中止・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第2四半期
IASBスタッフは、金融資産および負債についての認識の中止に とってのモデル案をFASBに提示するであろう。
両審議会は、それらの計画に関するさらなる詳細およびこのプ ロジェクトにとってのマイルストーン目標を開発し、提供するで あろう。
④公正価値の測定・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第2四半期
FASBは, 公正価値の測定の要求事項を改善し、IFRS案とのコン バージェンスを達成するであろう、公正価値の測定の要求事項に 対する修正案についての公開草案を発行する予定である。この公 開草案は、以前、第1四半期に発行する予定であった。
2010年 第3四半期
FASBは、公正価値の測定について提案された公開草案を検討す るための公開円卓会議を開催する予定である。
2010年 第4四半期
FASBの公開草案にとっての公開コメント期間終了後、両審議会 は、第4四半期において共通基準を発行することを目標に、共同 で問題点を協議するであろう。
⑤収益の認識・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第2四半期
IASBとFASBは、各要求事項を改善し、コンバージェンスを達 成するであろう公開草案を公表する予定である。
2011年 第2四半期
IASBとFASBは、改善された共通基準の発行を目指している。
⑥リース・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第2四半期
IASBとFASBは、レッサーおよびレッシーの観点から、リース 会計を提案した公開草案を公表するであろう。
2011年 第2四半期
IASBとFASBは、改善された共通基準の発行を目指している。
⑦持分の特徴を有する金融商品・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第2四半期
IASBとFASBは、持分として分類される金融商品と資産または 負債として分類される金融商品を識別するために提案された要求 事項についての公開草案を公表する予定である。この公開草案は、
120日のコメント期間を有するであろう。
2011年 第2四半期
両審議会は、改善された共通基準の発行を目指している。
⑧財務諸表の表示・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第2四半期
IASBとFASBは、4月にその他の包括利益項目を財務諸表にど のように表示するかに対する改善を提案する公開草案(3月に公開 草案と呼ばれた以前の報告書)を公表する予定である。
FASBと IASBは、4月に非継続事業の定義に関する要求事項を 結びつけ、関連するディスクロージャー要求事項を改善するであ ろう公開草案(3月に公開草案と呼ばれた以前の報告書)を公表す る予定である。
IASBとFASBは、5ヶ月のコメント期間付で、財務諸表の表示 に関する公開草案を公表する予定である。
2010年 第4四半期
IASBとFASBは、非継続事業の報告に関する要求事項に対する 改訂を完成することを目指している。
2011年 第1四半期
IASBとFASBは、その他の包括利益項目を財務諸表にどのよう に表示するかに対する改善を完成することを目指している。
2011年 第2四半期
IASBとFASBは、財務諸表の表示に関する改善された共通の基 準を発行することを目指している。
(ⅱ)公表予定であるすべての資料についての完全なリストと予定されている公 表日程
第1回四半期進捗報告書([2],pp.11-13)によれば、公表予定であるすべて の資料についての完全なリストと予定されている公表日程が、次のように提示 されている。
⑨その他のMoUプロジェクト
⑨-1 ジョイント・
ベンチャー・
プロジェクト
マイルストーン目標
IASBは、2010年6月に新要求事項を完成する予定である 。 それ には、ジョイント・ベンチャーに対する比例連結を利用する可能 性の除去が含まれている。
⑨-2 退職後給付・
プロジェクト
マイルストーン目標
IASBは、2008年3月に公表された討論資料に関して受理した コメントをレビューした後、定義された給付義務および計画資産 における変更の認識および表示に対する改善に焦点を当てている。
回廊アプローチの除去および改訂されたディスクロージャーにつ いての要求事項を含む提案が、4月に公表されるであろう 。
⑩その他共同プロジェクト
⑩-1 概念フレーム ワーク・
プロジェクト
マイルストーン目標
IASBは、2010年の第1四半期に、「企業実体」を扱った章につ いての公開草案を共同で公表した。
⑩-2 排出量取引・
プロジェクト
マイルストーン目標
両審議会は、このプロジェクトに関して共同で作業をしてきた。
両審議会は、2010年に、共通の基準を発行することを目指した共 同の公開草案を公表する予定である 。
⑩-3 保険契約・
プロジェクト
マイルストーン目標
両審議会は、2010年の第2四半期に、公開草案を共同で公表す るとのマイルストーン目標を有していたが、マイルストーン目標 の本質および時期は、両審議会が差異を調整する取り組みの結果 次第で、変更されるであろう 。
< 2010 年 4 月から 2011 年 12 月までの資料の公表日程>
2010 2011
Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 H2
①金融商品
IASB提案:負債の分類および測定 ED
(5月)
IFRS IASB提案:ヘッジ ED
(6月)
IFRS FASB:包括的提案(IASB提案に関
するコメントに対する要求を含む)
ED
(5月)
最終 基準 IASB:FASB提 案 に 関 す る 見 解 に
対する要求
DP
(4月)
②連結
IASB:証券化および投資ビークル に関するディスクロージャー
IFRS
(6月)
FASB:変動持分企業の連結に大き な影響を与えることが予定されな い連結に関する包括的基準につい ての公開草案
ED
(3月)
最終 基準
IASB:基準案についてのスタッフ の草案およびFASB提案に関する 見解に対する要求
5月 IFRS
③認識の中止
IASB提案:時期が決定されるであ ろう
FASB提案:時期が決定されるであ ろう
④公正価値測定
FASB提案:要求事項を改善するた めの変更およびIASB基準案とのコ ンバージェンス
IASB:最終IFRS
ED
(5月)
最終 基準
⑤収益の認識 IFRS
IASB提案:包括的基準 ED
(5月)
IFRS FASB提案:包括的基準 ED
(5月)
最終 基準
< 2010 年 4 月から 2011 年 12 月までの資料の公表日程>
2010 2011
Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 H2
⑥リース
IASB提案:包括的基準 ED
(6月)
IFRS FASB提案:包括的基準 ED
(6月)
最終 基準
⑦持分の特徴を有する金融商品
IASB提案:包括的基準 ED
(6月)
IFRS FASB提案:包括的基準 ED
(6月)
最終 基準
⑧財務諸表の表示
IASB:包括的利益の報告 ED
(4月)
IFRS
IASB:非継続企業についてのディ スクロージャー
ED
(4月)
IFRS IASB:主要基準、IAS1およびIAS7
の取り替え
ED
(5月)
IFRS
FASB:包括的利益の報告 ED
(4月)
最終 基準 FASB:非継続企業についてのディ
スクロージャー
ED
(4月)
FASB:包括的基準 ED
(5月)
最終 基準
⑨その他のMoUプロジェクト ジョイント・ベンチャー:IASBの み
IFRS
(6月)
年金会計:IASBのみ ED
(4月)
IFRS
⑩その他の共同プロジェクト 排出量取引-IASBおよびFASB時 期が決定されるであろう
保険契約-IASBおよびFASB ED
(6月)
最終 基準
2)第2回四半期進捗報告書(2010年6月)
IASBとFASBにより、2010年6月2日に発表された共同声明「コンバージェ ンス作業に関する共同声明」([3],p.1)によれば、第1回の四半期進捗報告書 の公表以来、2010年の第2四半期に公表が予定されている主要なほとんどの 公開草案に対して、高品質の提案が提出できるか否かについて多くの利害関係 者から懸念が示されてきた。
このため、IASBとFASB([4], pp.2-3)は、第2回四半期進捗報告書におい て次のような事項を考慮した修正ワーク・プランを展開した。
① IASBとFASBは、IFRSとU.S.GAAPの重要な改善とコンバージェンスを もたらすであろうと考えられる問題およびプロジェクトに集中できるように、
MoUにおける主要なプロジェクトに優先権を与えた。IASBとFASBは、金融 商品、収益の認識、リース、その他の包括利益および公正価値の測定に関する 共同プロジェクトに優先権を与えた。
② IASBとFASBは、公開草案の公表および関連協議(たとえば、公開円卓 会議)を調整している。それらによって、IASBとFASBの基準の質にとって 極めて重要であるデュー・プロセスに広い範囲からのかつ有効的な利害関係者 の参加が可能になる。IASBとFASBは、1四半期に発行される重要なまたは複 雑な公開草案の数を4つに限定している。
③ IASBとFASBは、発効日および移行方法について、利害関係者の情報を 求める独立した協議資料を発行するであろう。
第2回四半期進捗報告書の付録([4],pp.5-15)において、IASBおよびFASB の戦略および計画と2010年5月31日時点での(a)主要なMoUプロジェクト および(b)他の共同プロジェクトにとってのマイルストーンの目標が以下のよ うに説明されている。
⒜ MoUプロジェクトにとってのマイルストーン目標
①連結・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第3四半期
FASBは、IASBにより提案された連結基準を米国の利害関係者と 議論するために公開円卓会議を開催する予定である。
2010年 第4四半期
IASBは、現行のU.S.GAAPと調整するために、投資会社に関する 連結要求事項に対する変更案についての公開草案を公表する予定で ある。FASBは、投資会社に関する完全にコンバージェンスした基 準を達成するために、必要なものとして、U.S.GAAPに対する改訂 公開草案を発行するであろう。
IASBは、2010 年末までに、連結基準(組成された企業について の改善されたディスクロージャーを含む)を完成し、公表する予定 である。この基準は、IFRSまたはU.S.GAAPを適用する企業により、
組成された企業(structured entity)について同じ連結意思決定をもた らすと予想されている。
FASBは、米国の利害関係者からの情報を検討し、IASBにより公 表された要求事項(議決権株による持分企業に関する両基準の差異 を除く)と調和した公開草案に着手するか否かを決定するであろう。
2011年 第2四半期
IASBとFASBは、投資会社の連結に関する改善され、コンバージェ ンスされた基準を公表する予定である。
②認識の中止・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第3四半期
IASBは、2009年に公表されたディスクロージャーの要求事項を 完成する予定である。それは、最近改訂されたU.S.GAAP要求事項 に類似している
2012年 FASBは、改訂された認識の中止の要求事項の適用についての施 行後レビューを終了させるであろう。
IASBとFASBは、さらなる改善とコンバージェンスの取り組みの 質と範囲について意思決定するであろう。
③デリバティブおよびその他の金融商品についての相殺表示・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第4四半期
両審議会は、デリバティブおよびその他の金融商品についての 相殺表示に関するコンバージェンスされた要求事項と関連ディスク ロージャーについての公開草案を公表する予定である。
2011年 第1四半期
両審議会は、公開円卓会議を開催する予定である。
2011年 第2四半期
両審議会は、金融商品の基準に対する変更を完了するのと同時に このトピックスに関する改善され、コンバージェンスされた基準を 公表する予定である。
④金融商品・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第3四半期
IASBは、ヘッジ会計に関する提案を公表する予定である(以前は 2010年第2四半期に予定されていた)。
2010年 第4四半期
FASBは、 利 害 関 係 者 と の 公 開 円 卓 会 議 を 開 催 す る で あ ろ う。
IASBもその会議に参加するであろう。
2011年 第2四半期
両審議会は、受理したフィードバックについての共同協議を完了 し、新基準を完成し、発行する予定である(以前は2011年第1四半 期に予定されていた)。
⑤- 1 その他の包括利益についての財務諸表の表示・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第4四半期
IASBとFASBは、改善され、コンバージェンスされた基準の完成 を目指している。
⑤- 2 主要なプロジェクトについての財務諸表の表示・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第3四半期
IASBとFASBは、拡大した利害関係者のアウトリーチ活動の基礎 として、これまでになされた暫定的意思決定を反映する基準案につ いてのスタッフ公開草案をウェブサイトに公表する予定である。
2010年 第4四半期
両審議会とスタッフは、拡大した利害関係者のアウトリーチプロ グラムを完成するであろう。
2011年 第1四半期
IASBとFASBは、包括利益基準についての公開草案を公表する予 定である。
2011年 第3四半期
両審議会は、公開円卓会議を開催する予定である。
2011年 第4四半期
IASBとFASBは、改善され、コンバージェンスされた基準を発行 することを目指している。
⑤- 3 非継続事業についての財務諸表の表示・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2011年 第1四半期
IASBとFASBは、非継続事業のコンバージェンスされた定義につ いての公開草案および関連ディスクロージャーを公表する予定である。
2011年 第4四半期
IASBとFASBは、改善され、コンバージェンスされた基準を発行 することを目指している。
⑥資本の特徴を有する金融商品・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2011年 第1四半期
IASBとFASBは、持分として分類される金融商品と資産としてま たは負債として分類される金融商品を識別するための要求事項案に ついての公開草案を公表する予定である。
2011年 第3四半期
両審議会は、公開円卓会議を開催する予定である。
2011年 第4四半期
両審議会は、改善され、コンバージェンスされた基準を公表する 予定である。
⑦リース・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第3四半期
IASBとFASBは、貸手および借手の観点から、リース会計を提案 する公開草案を公表する予定である。
2010年 第4四半期
両審議会は、公開円卓会議を開催する予定である。
2011年 第2四半期
IASBとFASBは、改善され、コンバージェンスされた基準を発行 する予定である。
⑧公正価値測定・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第2四半期
FASBは、公正価値の定義に対する軽微な改訂についての公開草 案とIFRS案とのコンバージェンスを達成するための関連実務指針を 発行する予定である。IASBもまた、追加的な利害関係者情報を収集 するためにディスクロージャーに関する問題を再公開する予定である。
2011年 第1四半期
両審議会は、コンバージェンスされた最終基準を発行する予定で ある。
⑨収益の認識・プロジェクト
公表予定期日 マイルストーン目標
2010年 第2四半期
IASBおよびFASBは、各要求事項を改善し、コンバージェンスを 達成するであろう公開草案を公表する予定である。
2010年 第4四半期
両審議会は、公開円卓会議を開催するであろう。
2011年 第2四半期
IASBとFASBは、改善され、コンバージェンスされた基準を発行 することを目指している。
3)第3回四半期進捗報告書
本報告書([5],p.1)は、2010年11月29日に発行された第3回四半期進捗 報告書であり、発行日現在のワーク・プランの状況を反映している。IASBと
FASB([5],p.2)は、本報告書において、6月の報告書(第2回四半期進捗報告
書)において定めた優先プロジェクトを再確認した。また、IASBとFASBは、
目標期日(2011年6月)までに優先プロジェクトを完成するための最良な状 態になるように、その他のプロジェクトにとっての戦略および計画を次のよう に修正した。
① IASBとFASBは、2011年6月まで4つのプロジェクト(財務諸表の表示、
資本の特質を有する金融商品、排出権取引および概念フレームワークの 報告実体フェイズ)の実質的審議を繰り延べることを決定した。
⑩退職後給付・プロジェクトのマイルストーン目標
IASBは、2010年4月に、U.S.GAAPの最近の修正と同様、退職後給付義務の報 告のオフバランスを許容する規定を除去することにより報告を改善するであろう 修正案についての公開草案を公表した。コメントの締め切りは、2010年9月であ る 。IASBは、2011年の第1四半期に改訂基準を公表する予定である。
⒝ 他の共同プロジェクトのマイルストーン目標
①保険契約・プロジェクトのマイルストーン目標
IASBは、2010年の第3四半期(7月)に公開草案を公表する予定である。これ らの異なる見解に照らして、FASBは、7月にIASBの提案に関する利害関係者の 情報を入手するための最善の手段(たとえば、公開草案としてそれを公開するこ とによって、または、別の方法によって)を決定する予定である。
②排出量取引・プロジェクトのマイルストーン目標
両審議会は、5月に、その他のMoUプロジェクトが、高い優先性を持つことに 合意した。両審議会は、現在、2011年の第2四半期に、2012年にコンバージェン スされた基準を発行する目標を持って、公開草案を公表する予定である。
② IASBとFASBは、投資会社の連結が、2011年6月までの優先プロジェク トではない点で合意した。この共同プロジェクトの完成目標は、2011年 末までである。
③ FASBおよびIASBは、また、いくつかの独立した基準設定プロジェクト
(たとえば、FASBの偶発事象に関するディスクロージャーおよびIAS37
「引当金、偶発債務および偶発資産」およびIASBの年次改善)に関する 審議を繰り延べた。スタッフは、高い優先プロジェクトを再度割り当てた。
第3回四半期進捗報告書([5],pp.4-17)は、その付録において、2011年6月 という目標期日における(a)優先プロジェクト(①金融商品、②リース,③収 益認識、④連結、⑤公正価値測定、⑥認識の中止、⑦保険契約)および(b)そ の他のプロジェクト(①退職後給付、②ジョイント ・ ベンチャー、③財務諸表 の表示、④資本の特質を有する金融商品、⑤排出権取引)についての審議会に よる戦略、計画およびマイルストーン目標を次のように提示している。
⒜ 優先プロジェクト
①金融商品・プロジェクト
①-1 金融商品の分類および測定、減損、ヘッジ会計・プロジェクト
<IASBプロジェクトの説明>
IASBは、2010年の第4四半期において、一般的なヘッジ会計に対する要求事項 案についての公開草案を公表する予定である 。IASBは、また、2011年第1四半期 の初期に減損会計にとっての再公開草案を公表する予定である。IASBは、2011年 6月30日までにこれらの改善を完了する予定である。
<FASBのプロジェクトの説明>
FASBは、2010年5月に、分類および測定、減損、ヘッジ会計の要求事項を扱 う包括的提案を発行した。
FASBは、2010年10月に、IASBが参加した利害関係者との公開円卓会議を開催 した。
FASBは、2010年10月に包括的提案の再協議を優先することを決定した。それ は、分類、測定および減損に当初焦点を当てていた。FASBは、2011年第2四半期 まで、ヘッジ会計の要求事項案についての再協議を開始しないであろう 。FASBは、
IASBが今年後半に発行するであろう、IASBによるヘッジに関する公開草案に関し て受理される情報を検討するであろう。
①-2 デリバティブおよび他の金融商品の貸借対照表上の相殺・プロジェクト 両審議会は、デリバティブおよびその他の金融商品についての貸借対照表上の 相殺に関するU.S.GAAP要求事項とIFRS要求事項を改善し、コンバージェンスす る共同プロジェクトに着手している。両審議会は、2011年の第1四半期に公開草 案を公表する予定であり、2011年6月30日までに新要求事項を完成することを目 指している。
②リース・プロジェクト
両審議会は、リースについてのIFRS要求事項およびU.S.GAAP要求事項を改善 し、コンバージェンスを達成するための協議事項に関する共同プロジェクトを有 している。両審議会は、2011年の第2四半期に改善され、コンバージェンスされ る基準を発行するとの目標に向けて、2009年8月に発行された公開草案に関して、
翌年初めに協議を開始する予定である。
③収益の認識・プロジェクト
両審議会は、収益の認識についての基準を改善し、コンバージェンスを達成す るために、共同で作業している。2010年の後半には、両審議会は、改善され、コ ンバージェンスされた基準を2011年の第2四半期に完成するとの目標に向けて、
2010年6月に発行された共通の公開草案について共同で再協議を開始するであろ う。
④連結・プロジェクト
IASBは、2011年の第1四半期の初めに、組成された投資ビィークルおよび他の 特別目的会社の連結に関するU.S.GAAPとの実質的なコンバージェンスをもたらす であろう連結に関するIFRSを完成する予定である 。IASBおよびFASBは、投資会 社の連結に関連する問題を共同で検討している。IASBおよびFASBは、2011年後 半までにコンバージェンスされた基準を発行する予定である(両審議会は、2011 年中頃に公開草案を公表する予定である)。
FASBは、2010年後半または2011年初めに、議決権株による持分企業について
のU.S.GAAP連結要求事項とのコンバージェンスを達成するであろう改訂を提案す
るか否かを検討するであろう。
⑤公正価値測定・プロジェクト
両審議会は、公正価値の定義を改善し、そのコンバージェンスを達成し、共通 の実務指針を規定するための共同プロジェクトに関して活発に活動している。両 審議会は、2011年の第1四半期にコンバージェンスされた最終の要求事項を公表 する目的で、2010年の初期に発行された提案を再協議している。
⑥認識の中止・プロジェクト
2010年に完成した独立した基準設定の取り組みを通して、両審議会は、金融資 産および負債の認識の中止に関連するIFRSとU.S.GAAPの間の差異を減少させた。
FASBは、改訂された認識の中止の要求事項についての実施後レビューを行う予定 である 。 その結果は、さらなる改善およびコンバージェンスの取り組みの本質お よび範囲に関する決定のために利用されるであろう。
⑦保険契約・プロジェクト
IASBは、2011年の6月にIFRSを公表する予定である 。FASBは、2010年9月の 討論資料に関して受理した情報を検討した後、その先のスッテプを決定するであ ろう。
⒝ その他のプロジェクト
①退職後給付・プロジェクト
IASBは、2011年の第1四半期に改訂基準を公表する予定である。
②ジョイント ・ ベンチャー・プロジェクト
IASBは、連結に関するIFRSと同時にジョイント・ベンチャーに関するIFRSを 公表できるようにその完成を引き留めた。
③財務諸表の表示・プロジェクト
③-1その他の包括的利益の表示・プロジェクト
両審議会は、今年後半に2010年5月のこのプロジェクト関する公開草案につい ての再協議を完了し、2011年の第1四半期に最終要求事項を発行する予定である。
③-2主要なプロジェクト
この包括的な報告書は、将来の一般的な協議にとっての基礎を提供するであろ う。それは、他の主要なプロジェクトを優先するとの決定に照らして、現時点では、
2011年6月以降に開始する予定である。
④資本の特質を有する金融商品・プロジェクト
両審議会は、2011年6月以降に、このプロジェクトに関する実質的な協議を再 開始する予定である。
⑤排出権取引・プロジェクト
両審議会は、現時点では、2012年にコンバージェンスされた基準を発行する目 的で、2011年の後半に公開草案を公表する予定である。
4)第4回四半期進捗報告書(2011年4月)
本報告書は、IASBとFASBによる第4回の進捗報告書であり、2011年4月 21日現在のワークプランの状況を反映している。本報告書は、(a)第3回四半 期進捗報告(2010年11月)後のIASBとFASBによる措置、(b)MoU作業の完成 状況、(c)残されたコンバージェンス作業の優先性と時期について、以下のよ うに説明している。
⒜ 第3回四半期進捗報告後のIASBとFASBによる措置
IASBとFASB([6],pp.1-2)は、第3回四半期進捗報告(2010年11月)の後に、
次の措置をとった。
① 5つのプロジェクトの完成
両審議会は、プロジェクト数に関する重要な決定をした。その結果、継続す る作業として残された優先的MoUプロジェクトの数を3プロジェクト(収益 の認識、リースおよび金融商品)に減らした。MoUプロジェクトの完成を反 映して、公正価値の測定、連結財務諸表(他の企業の持分についてのデスクロー ジャーを含む)、ジョイント・アレンジメント、その他の包括利益および退職 後給付に関するコンバージェンスされたまたは実質的にコンバージェンスされ た基準の公表が、今後数週間の間に予定されている。
② 残されたMoU分野および保険契約に対する優先性の付与
両審議会は、2010年11月に、適切な時期に完成できるように3つのMoU プロジェクト(金融商品、収益の認識およびリース)と保険契約の会計に関す る共同作業に優先性を付与することを決定した。
③ 完成目標を2011年6月後まで延長
両審議会は、4月の会議において、さらなる作業および利害関係者との協議 ができるように、残された優先MoUコンバージェンス・プロジェクトおよび 保険契約についての日程表を2011年6月後まで延長した。両審議会は、開か れた、包括的なデユー・プロセスと整合する方法による、残された3つの優先
MoUコンバージェンス・プロジェクトの完成に集中するために、ワークプラ ンを改訂した。IASBは、2011年の後半に、保険契約についてのプロジェクト を完成する予定である。一方、FASBは、類似の日程で公開草案を公表する予 定である。このワークプランは、以下においてより詳細に説明されている((c)
「残されたコンバージェンス作業の優先順位と時期」-27~30頁参照)。
④ 企業が変更の実施に十分な時間を使うことができるように施行日を決定 することで合意
両審議会によれば、IFRSおよびU.S.GAAPを利用する人々が基準の実施に 対する準備に十分な時間を使うことができるように、両審議会により施行日が 決定されるであろうことが強調された。
⒝ MoU作業の完成状況
IASBとFASB([6],p.2)は、MoU作業の完成状況について、次のように述べ ている。第3回四半期進捗報告後の進展により、両審議会は、2002年に開始 したMoUプログラムの完成に近づいている。つまり、①2006年MoUおよび 2008年更新MoUにおいて識別された短期プロジェクトは、完成済みまたは完 成に近づいている。②長期プロジェクトについては、3つの優先MoUコンバー ジェンス・プロジェクト(金融商品、収益の認識およびリース)だけが、両審 議会による技術的決定が完了していないために、残されているにすぎない。
2006年MoUの当初の公表以降に完成した作業の要約が、第4回四半期進捗 報告書の付録A「コンバージェンス作業の状況」において、(ⅰ)「短期コンバージェ ンス作業」と(ⅱ)「MoU プロジェクト」に分けて、下記のように提示されている。
(ⅰ)短期コンバージェンス作業
ほとんどの短期プロジェクトは、両審議会の一方が、その要求事項ともう一 方の審議会の要求事項とを調整するために基準を改訂することを要求してい た。株式報酬のような他のプロジェクトは、両審議会が改訂基準を発行するこ とを要求していた。短期コンバージェンス作業([6],p.3)は、下記の表のよう に要約されている。
表・短期コンバージェンス作業
プロジェクト 状況 マイルストーン
1 株式報酬 完成 実質的にコンバージェンスされた 基準が2004年に発行された。
2 セ グ メ ン ト 報告
完成 IFRS8「オペレーティング・セグメ
ント」が2006年に発行された。
3 非 貨 幣 性 資 産
完成 FASBは、2004年 に 発 行 さ れ た FAS153「 非 貨 幣 性 資 産 」 に お い て、
取引に経済的実質がない場合を除き、
公正価値による認識を要求する特定の 非貨幣性項目の交換の処理に関してコ ンバージェンスした。
4 棚 卸 資 産 会 計
完成 FASBは、2004年 に 発 行 さ れ た FAS151「棚卸資産コスト」において 異常な運賃および仕損費の処理に関し てコンバージェンスした。
5 会 計 上 の 変 更
完成 FASBは、2005年 に 発 行 さ れ た FAS154「会計上の変更および誤謬の 訂正」において、遡及的適用を要求す ることにより、会計方針における自主 的変更の処理に関してコンバージェン スした。
6 公 正 価 値 オ プション
完成 2007年に発行されたFAS159「金融 資産および金融負債についての公正価 値オプション」は、U.S.GAAPに公正 価値オプションの導入をもたらした。
(ⅱ)「MoU プロジェクト」
下記の表・MoU プロジェクト([6],p.4)は、残された3つの優先MoUプロジェ クトを除いて、IASBとFASBのMoUプロジェクトの進展について詳述してい る。
プロジェクト 状況 マイルストーン
7 借入コスト 完成 改 訂IAS23「 借 入 コ ス ト 」 が2007 年に発行された。
8 研究費 完成 2008年 に 発 行 さ れ た 改 訂FAS141
「企業結合」は、取得される研究開発 費に関する会計を改訂した。
9 非支配持分 完成 2008年 に 発 行 さ れ た 改 訂FAS160
「連結財務諸表上の非支配持分」は、
中間的表示の利用を廃止した。
10 ジ ョ イ ン ト・ ベ ン チャー
最終段階-
IFRSが2011年5月 に 発行されるであろう。
IFRS11「ジョイント・アレンジメ ント」が、2011年5月に発行される であろう。
11 法人所得税 より低い優先プロジェ クトとして再評価されて いる。当面の作業の予定 はない。
IASBは、2009年に公開草案を発行 した。
12 投資不動産 仕掛中 FASBは、U.S.GAAPをIFRSに調整 する提案を開発しつつある。
表・MoU プロジェクト
プロジェクト 現状 マイルストーン
1 企業結合 完成 企業結合会計と非支配持分につい ての共同要求事項が、2008年に発行 された。
2 認識の中止 完成 両審議会は、ディスクロージャー 要求事項を実質的に調整し、U.S.GAAP の会計要求事項をIFRSに近づける改 訂を導入した。
プロジェクト 現状 マイルストーン 3 連 結 財 務 諸
表( オ フ バ ラ ン ス シ ー ト・ リ ス ク の デ ィ ス ク ロ ー ジ ャ ー を含む)
最終段階-
IFRSが2011年5月に 発行されるであろう。
FASBは、5月 に 変 動 持分企業に関する提案を 公表する。
IFRS10「連結財務諸表」とIFRS12「他 の企業に対する持分に関するディスク ロージャー」が、2011年5月に発行 されるであろう。新IFRSは、特定目 的企業に対する会計およびディスク ロージャーを改善し、特定目的企業に 対するディスクロージャー要求事項を U.S.GAAPと実質的に調整している。
4 公 正 価 値 の 測定
最終段階-
IFRSお よ びFASBの 改 訂 版 が、2011年4月 に発行される。
FASB第157号「公正価値の測定」
が、2006年に発行された。IFRS13「公 正価値の測定」が、2011年4月に発 行されるであろう 。
5 退職後給付 最終段階-
IFRSが2011年5月に 発行される。
IAS19「従業員給付」に対する改訂 が、2011年5月に発行されであろう 。
6 財 務 諸 表 の 表 示 - そ の 他 の 包 括 利 益
最終段階-
IFRSおよびU.S.GAAP の 改 訂 版 が2011年5月 に発行されるであろう。
財 務 諸 表 の 表 示 に つ いての他の側面に関する さ ら な る 検 討 は、2011 年12月まで予定されて いない。
その他の包括利益の表示について のIFRSおよびU.S.GAAPに対する改 訂版が、2011年5月に発行されるで あろう。
7 持 分 の 特 徴 を 有 す る 金 融商品
よ り 低 い 優 先 プ ロ ジェクトとして再評価さ れている。さらなる検討 は、2011年12月まで予 定されていない。
共同の討論資料が、2008年に公表 された。
8 無形資産 IASBは、このプロジェ ク ト を 推 進 し な い こ と を決定したが、IASBは、
新しい協議事項を設定す る場合に再検討するであ ろう。
IASBは、2007年12月 に 無 形 資 産 に関するプロジェクトを追加する協議 事項案を検討した。
⒞ 残されたコンバージェンス作業の優先性と時期
IASBとFASB([6],p.2)は、残されたコンバージェンス作業の優先性と時期
について、次のように述べている。両審議会は、3年前に、国際社会からの支 持を得て、MoUプロジェクトの完成に向けて、2011年6月30日という目標期 日を設定した。両審議会は、4月の会議において、両審議会がこの共同作業を 完成するために、2011年6月後においても追加的な時間を費やすであろうこ とに合意した。両審議会は、2011年の後半に残りのMoU分野の作業を速やか に完成するとの目標を公約した。
残された各プロジェクト(①収益の認識、②リース、③保険契約、④金融商 品)についてのワークプラン案に関する個々の詳細な説明が、付録B「残され た優先的コンバージェンス・プロジェクト」([6],pp.5-12)において下記のよ うに提示されている。
①収益の認識・プロジェクト
IASBとFASBは、2008年12月に、単一の収益認識モデルを提案した共同討論 資料を公表した。そのモデルは、財または役務の支配が顧客に移転することによっ て、企業が契約上の履行義務を満たす時点で、企業が収益を認識すべきであると の原則に基づいて構築されている。この原則は、多くの既存の要求事項に類似し ている。しかしながら、両審議会は、この原則を明確化し、それを顧客とのすべ ての契約に一貫して適用することが、財務諸表の利用者にとっての収益の比較可 能性および理解可能性を改善するであろうと考えている。
このプロジェクトは、IASBとFASBの両方にとって非常に重要である。U.S.GAAP は、広範囲にわたる、極めて詳細な産業別要求事項を有している。IASBは、個別 的指針について、財務諸表作成者が結果としてU.S.GAAPに依存することになるよ うな、極めて一般的な要求事項を有している。このプロジェクトは、FASBの詳細 な指針を一貫した原則に纏め上げ、IFRSの利用者がU.S.GAAPを参照する必要性 を除去しようとしている。
両審議会は、コミットメント・レターや両審議会の広範なアウトチーチ活動か ら受理したフィードバックを検討してきており、その再審議の完了が近づいてい る。両審議会による再審議が完了すれば、両審議会は、この提案の再公開が必要 であるか否かを検討するであろう。
②リース・プロジェクト
両審議会は、2010年8月に共同の公開草案を公表した。この提案によれば、リー ス債務と関連資産はレッシーの貸借対照表(財政状態計算書)に計上されるであ ろう。レッサーについての提案によれば、リース資産の重要なリスクまたはベネ フィットを保留している企業が、資産およびレッシーに当該資産の利用を認める 関連義務を認識するように設計されている。他のケースにおいては、リース資産 の重要なリスクまたはベネフィットがレッシーに移転する場合、レッサーは、リー ス契約によって、移転する資産部分の認識を中止するであろう。
両審議会は、コミットメント・レターや両審議会の広範なアウトチーチ活動か ら受理したフィードバックを検討してきており、その再審議の完成に近づいてい る。
③保険契約・プロジェクト
保険契約は、2001年の設立以来、IASBにとって活動中のプロジェクトであった。
これは、IFRSが現在極めて多様な保険契約会計を認めているので、重要なプロジェ クトである。IASBは、2007年に、討論資料「保険契約に関する予備的見解」を公 表した。FASBは、2007年8月に、コメント勧誘書「FASB提案:保険者と契約者 による保険契約会計」(IASBによる討論資料を含む)を発行した。
FASBは、2008年10月に、保険契約に関するプロジェクトをその協議事項に追 加した。両審議会は、共同でそのプロジェクトに取り組むことに合意した。
IASBは、2010年7月30日 に、 公 開 草 案「 保 険 契 約 」 を 公 表 し た。FASBは 2010年9月に、それ自身の討論資料(代替的見解を含んでいる)を公表した。
④ 金融商品・プロジェクト
IASBは、段階的アプローチにより、その金融商品についての要求事項を置き換 えてきた。一方、FASBは単一の改正案を開発した。これらの異なる開発の日程表 およびその他の要因により、両審議会よる重要な多くの専門的論点に関する共同 提案の公表が妨げられてきた。両審議会は、共同提案を公表しなかったので、結 果として、異なるアプローチが一般のコメントのために公開された。
これの差異についての両審議会の戦略は、同じでままである。両審議会は、そ の提案の相対的利点を比較し、評価する機会を利害関係者に与えるようにするた めに、両審議会は、自らの提案を公表する一方、他方の審議会の提案に関するコ メントを求めてきた。両審議会は、改善およびコンバージェンスを促進するよう な方法で差異を調整する取り組みにおいて、両審議会が受理するコメントレター および他のフィードバックを検討するであろう。
④-1分類および測定・プロジェクト
<IASB>
IASBは、2009年11月に、IFRS9「金融商品」を発行することによって、金融資 産の分類および測定に関する新要求事項を完成した。IFRS9には、2つの分類区分(償 却原価および公正価値)がある。IFRS9の強制適用日は、2013年1月1日であるが、
IFRS9は、その公表日から早期適用が可能であった。
IFRS9の第一フェイズを公表するさいに、IASBは、金融資産に対する基準に限
定し、金融負債の会計についての検討は先送りすることとした。IFRS9に先立って
の公開草案に対するほとんどのコメント提出者によれば、金融負債の会計は、1 つの問題点(企業それ自体の負債を公正価値で測定する場合に生じる純利益の変 動性)を除いて、うまく機能しているとIASBに提言された。そのような場合、発 行者の信用力の変動により、純利益の変動が生じる(「自己の信用の問題」)。企業 の信用の質が低下するにつれて、企業が会計利得を報告するとの直感に反するよ うな特定の懸念がある。受理したフィードバックに反応して、IASBは、金融負債 の会計について包括的な整備を実施しないことを決定し、自己の信用の問題だけ を取り組み目標とする変更を実施することを決定した。
IASBは、2010年5月に、自己の信用の問題に対する解決案を提案している公開 草案を公表した。IASBは、2010年11月に、IFRS9に対するこれらの要求事項を完 成し、追加した。早期適用は認められているけれども、有効日は2013年1月である。
<FASB>
FASBは、2010年5月に、金融商品の分類および測定、減損会計およびヘッジ会 計を扱った公開草案を公表した。コメント期間は、2010年9月に終了した。FASB は、10月に一連の円卓会議を開催した。FASBの公開草案は、IFRS9よりはるかに 多くの公正価値による測定の利用を提案した。その提案のもとでは、ほとんどす べての金融商品が貸借対照表(財政状態計算書)において公正価値で認識される。
この提案には、ある種の金融負債についての償却原価オプションが含まれていた。
FASBは、一部の金融商品に対する規準の適用を精緻化すると同時に、上記の範 疇内における金融商品の分類のための規準をさらに継続的に精緻化する予定であ る。FASBが受理したフィードバックには、トレイディング目的保有資産、売却目 的保有資産および変動キャシュフローを伴う金融商品は、公正価値で報告し、そ の価値の変動は純利益において報告すべきであるとの提案については、一般的な 合意があった。しかしながら、財政状態計算書において、貸付金、債権および企 業自身の債務を公正価値で認識するとのFASBの提案については、一般的な合意は なかった。合意しなかった人々は、これらの項目に対して償却原価を勧告し、貸 付金に対してより強固な減損アプローチを勧告した。
多くの投資家の提言によれは、貸付金および負債についての公正価値のディス クロージャーは、有用な情報であるが、投資家は、その情報が財務諸表の基本的 な測定値としてではなく、脚注(または、他の方法)により提供されるべきであ ることを選考するであろうとされている。
受理したフィードバックを検討したのち、FASBは、金融商品についての3つの 区分、つまり、(a)公正価値のすべての変動を純利益において認識する公正価値測 定(トレイディング目的保有または売却目的保有)、(b)公正価値の変動をその他の 包括利益で認識する公正価値測定(リスクエクスポージャーを管理し、総リター ンを極大化することを重視する投資)、(c)減損アプローチ(顧客との再交渉により 信用リスクを管理する能力による顧客に対する融資)の改善を条件とした償却原 価とディスクロージヤーの充実について、検討することを決定した。
<コンバージェンス>
FASBが、分類および測定に関する意思決定をする時点(2011年第3四半期に決 定予定)において、IASBは、自らの利害関係者からの所見を求めるために、FASB の最終的結論を公開するであろう 。
④-2 減損・プロジェクト
IASBは、2009年11月に、より先の予想損失を見込む減損および引当金モデル への移行を提案した公開草案を公表した 。IASBは、予想損失減損モデルへの移行 に対する一般的支持を受け取った。しかしながら 、 公開草案において 、 提案され たモデルに多くの実務上の問題点が認識された。専門家諮問パネルが、これらの 問題点に関する有用なフィードバックを提供した。
両審議会は、2010年11月に、減損に関する再審議を共同で開始した。両審議会 は、2011年1月に補足文書「金融商品に関する会計およびデリバティブおよびヘッ ジ活動に関する会計に対する改訂―減損」を公表した。この補足資料は、減損会 計に対する異なる目的を反映しているが、減損に対する共通の解決策を提供して いる減損モデルを提示した。コメント期間は、4月1日に締め切られた。
両審議会は、4月にコメントレーターおよび審議会の広範なアウトリーチ活動 からのフィードバックを検討した。コメント提出者の間に明確な合意はなかった。
両審議会は、問題点および提案に関して作業中であり、6月末までに基本的アプロー チに関する合意に到達することを決めた。
④-3 ヘッジ会計・プロジェクト
両審議会は、MoUの一環として、金融商品に関する会計の複雑性を減らすため に、リサーチプロジェクトに関して共同で作業をした。この共同の取り組みにより、
IASBは、2008年3月に討論資料「金融商品の報告における複雑性の減少」を公表 した 。 この討論資料は、金融商品の測定およびヘッジ会計に焦点を当てることに より、金融商品に関する会計を改善し、単純化するためのいくつかの考えられる アプローチを識別した。
現行のヘッジ会計の多くの側面に関する数多くの問題点に取り組む要求に応え て、FASBは、2008年6月に、公開草案「ヘッジ活動に関する会計」を発行した。
2010年5月のFASBの公開草案は、金融商品の分類および測定と減損に加え、ヘッ ジ会計に関する提案も含んでいた。
IASBは、2010年10月に、一般的なヘッジ会計に関する公開草案を公表した。
FASBは、その提案に関して自らの利害関係者からコメントを求めるために、2011 年2月にIASBの公開草案に関する討論資料を公表した。
IASBの公開草案は、一般的なヘッジ会計に関連していた。それは、ポートフォ リオヘッジ会計を扱っていない。IASBは、4月にポートフォリオヘッジについて の公開討論を再開した。IASBは、一般的ヘッジ会計要求事項を完成するに先だって、
ポートフォリオヘッジ会計に関連する提案をさらに開発する予定である 。IASBは、
本年(2011年)後半にポートフォリオヘッジ会計に関する公開草案を公表する予 定である。
④-4 貸借対照表上のデリバティブおよび他の金融商品の相殺・プロジェクト
IFRSとU.S.GAAPを用いている企業の比較可能性に関する利害関係者の関心に
応えて、IASBおよびFASBは、金融資産の相殺を扱うように金融商品に関する共 同プロジェクトの範囲を拡大した。これは、U.S.GAAPを用いている金融機関と IFRSを用いている金融機関の貸借対照表(財政状態計算書)の間の差異のうち、もっ とも大きな単一の源泉である 。
両審議会は、2011年第1四半期に共同公開草案を公表し、次の四半期で実質的 に再協議を完了することを目指している。