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(1)

平成

28

年度

欧州超短期派遣プログラム

(

ドイツ・オーストリア

)

報告書

図1 アーヘン工科大学との学生交流

平成

28

年度

10

東京工業大学

グローバル人材育成推進支援室

(2)

i

目次

第1章 海外派遣プログラムの目的(執筆担当:黄宇航) ii 第2章 参加学生の紹介と研修日程 iii 2.1 派遣プログラム日程(執筆担当:黄宇航) . . . iii 2.2 参加学生の紹介(執筆担当:中 雄太郎) . . . iv 第3章 各国の概要 v 3.1 ドイツ/アーヘン(執筆担当:堺由輝) . . . v 3.2 オーストリア/ウィーン(執筆担当:川合健太) . . . vi 第4章 訪問先の詳細 ix 4.1 アーヘン工科大学(RWTH Aachen University) . . . ix

4.2 ウィーン工科大学(TU Wien) . . . xvii

4.3 美術史博物館・自然史博物館・ミュージアムクオーター・その他の見学 . . . xxiii 4.4 国際原子力機関(IAEA) . . . xxv 第5章 その他 xxx 5.1 市内交通(執筆担当:小林柊司) . . . xxx 5.2 食事. . . xxxii 5.3 街の様子 . . . xxxiii 5.4 休日にウイーンで見たもの . . . xxxiv 第6章 所感 xxxvii

(3)

ii

1

海外派遣プログラムの目的

(

執筆担当:黄

宇航

)

グローバル理工人育成コースは下記の4つのプログラムから構成される。 1)国際意識醸成プログラム このプログラムでは、本コースの導入としての動機づけを行う。留学生とのコミュニケーションを通じ て国際的視点で物事を考える重要性を学ぶと同時に、専攻の異なるメンバーとの共同作業や発表を通じて 調整力を身に付ける。 2)英語力・コミュニケーション力強化プログラム 海外の大学等で勉学するに必要な英語力を修得することを目標とする。 3)科学技術を用いた国際協力実践プログラム 国や文化の違いを越えて共同で活動できる能力、複合的な課題について、その本質を見極めて解決策を 提示できる能力を修得することを目標とする。 4)実践型海外派遣プログラム 自らの専門性を基礎として、海外での危機管理も含めて主体的に行動できる能力を修得することを目標 とする。 本プログラムはグローバル理工人育成コースの上記の4つのプログラムのうち、実践型海外派遣プログ ラムの一環として実施された。1)から3)までのプログラムを参加した上で、今まで育成してきたスキル や英語力を駆使し、実際の海外でグローバル体験をすることを目的とする。実践型海外派遣プログラムを 通し、学生達は自身の研究やキャリア形成の参考とする経験と土台を得るとなり、本コースの集大成とし て位置付けられる。 そのため、海外体験型の派遣プログラムに加え、パートナー大学あるいは企業・国際機関との連携によ る実践型の海外派遣プログラムや事前、事後教育を伴うプログラムにより、これまで以上に高い水準での 海外における実践的な能力の涵養を目指す。 今回の欧州超短期派遣プログラム(ドイツ・オーストリア)においては、以下の能力が要求される。 1)危機管理能力及び自らの意思で行動するための基礎的な能力。 2)異文化理解や自分の考えを説明できるコミュニケーション能力、それと伴う語学力、プレゼン能力。 3)海外の現場において、問題解決能力とチームワーク能力。 欧州超短期派遣プログラム(ドイツ・オーストリア)は、グローバル人材育成推進支援室が主催するプ ログラムとして実施された。本報告書は、グローバル理工人コースに所属する参加者 14 名による、現地 での活動の記録である。

(4)

iii

2

参加学生の紹介と研修日程

2.1

派遣プログラム日程

(

執筆担当:黄宇航

)

表2.1 派遣スケジュール 日付 行動予定 訪問内容 宿泊地 8月29日 成田発 EY871 機中泊 8月30日 アブダビ着 EY1997 機中泊 アブダビ発-デュッセルドルフ着 鉄道でアーヘンへ アーヘン 8月31日 大学ツアー、ドイツ語レッスン 9月1日 アーヘン工科大学訪問  研究室訪問、学生交流、プレゼン アーヘン 9月2日 建築見学ツアー 9月3日  デュッセルドルフ発ウイーン着 EY1470 ウイーン 9月4日 博物館見学 ウイーン 9月5日 シティツアー、研究施設訪問 ウイーン 9月6日 ウイーン工科大学訪問  研究室訪問、ウイーン経済大学見学

   SHIBUKAWA EDER Architects訪問

9月7日 研究室訪問、フェアウエルディナー 9月8日 国際原子力機関(IAEA) IAEA見学、ラボ訪問、職員懇談会 ウイーン 9月9日 ウイーン発-アブダビ着 EY1980 機中泊 9月10日 アブダビ発-成田着 EY878 引率者   大森 建 理学院化学系化学コース准教授 村田 涼 環境・社会理工学院建築学系建築コース准教授 一ノ瀬 康子 国際部国際連携課総務グループ教務支援員  

(5)

iv 第2章 参加学生の紹介と研修日程

2.2

参加学生の紹介

(

執筆担当:中 雄太郎

)

(6)

v

3

各国の概要

図3.1 ドイツの地図

3.1

ドイツ

/

アーヘン

(

執筆担当:堺由輝

)

ドイツ   人口:8120万人 面積:35万7376㎡(日本の94%) 首都:ベルリン 通貨:ユーロ 地理:ドイツは中央ヨーロッパに位置し、9つの国と国境を 接している。隣接した国がこれほど多い国はヨーロッパにはな い。国土の1/3は森に覆われている。 気候:気候は冷涼、曇りがち、湿潤な夏と冬が特徴的である。 西岸海洋性気候に属する。日本と比べると涼しく、乾燥してい る印象を受けた。 民族・宗教:ゲルマン系を主体とするドイツ民族。カトリック(29.9%)、プロテスタント(28.9%)イ スラム教(2.6%)、ユダヤ教(0.1%) 政治体制:連邦制国家であり、16の自治権を持つ州によって構成されている。議会は2院制で連邦議 会と連邦参議院から成る。各州政府議員によって連邦参議院が構成される。現在の連邦政府の代表はアン ゲラ・メルケル首相。 経済・産業:ドイツは世界第4位の経済大国である。主要産業は自動車、機械製造、電気工学、化学工 業、医薬技術等で輸出が売上の半数以上を占めている。また、研究開発への投資は年間800億ユーロ。    引用 ドイツ基礎データ 外務省  http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/germany/data.html  外務省 HP ドイツ連邦共和国基礎データ  http://www.japan.diplo.de/Vertretung/japan/ja/01-Willkommen-in-Deutschland/03-bundeslaender /Bundesrepublik.html  ドイツの実情  https://www.tatsachen-ueber-deutschland.de/ja/kategori/doitugai-guan/di-li-toqi-hou 

(7)

vi 第3章 各国の概要 アーヘン  図3.2 アーヘン街の様子   地理・人口:アーヘンはドイツの最西部オランダ、ベルギー との国境付近に位置する。面積は16000㎡、人口は約25万人 の小さな町である。ドイツの中では郊外に位置、市内のアーヘ ン工科大学を中心とした大学都市でもある。    歴史・文化:古代ローマ帝国の時代から温泉保養地として発 展が進み、ローマ帝国皇帝、カール大帝が多くの時間を過ごし たとされる古い町である。市内にあるアーヘン大聖堂はユネ スコの世界文化遺産にも登録されている。ここで歴代のドイ ツ王、神聖ローマ帝国皇帝が戴冠式を行った場所である。現在 の市庁舎は重厚なゴシック様式で14世紀に皇帝の居城として 建てられた。また、市内には温泉が多く存在し、エリーゼの泉 (神殿風のホールで飲泉所)や Carolus ThermenBad(スパ) などがある。    実際に訪れてみて:建物同士の 間がなかったり、石畳の道が続いていたりとよく想像するヨーロッパ のイメージそのものだった。古い都市なので道が入り組んでいて、方向感覚を見失いやすいかもしれな い。車の交通量は少なく、とても落ち着いた印象。道端にはカフェやレストラン、バーの机が置いてあ り、そこで飲食をしている姿をよく見かけた。    Wikitravel  http://wikitravel.org/ja/アーヘン     

3.2

オーストリア

/

ウィーン

(

執筆担当:川合健太

)

図3.3 オーストリアの国旗 図3.4 オーストリアの地図    

(8)

3.2  オーストリア/ウィーン(執筆担当:川合健太) vii 正式名称:オーストリア共和国  首都:ウィーン  人口:約850万人(2016年現在)  面積:約8.4万平方km(北海道と同じ大きさ)  時差:日本との時差は8時間(遅い)。滞在期間はサマータイム(4∼10月)で、7 時間。  気候:緯度が高いこともあり、夏場の日照時間が長いことが特徴的(日没は午後8時くらい)。      大陸性の気候であり、夏は過ごしやすく、冬は寒くなる。滞在期間(9月第一週)は、気温も 高く、日中は半袖で過ごせる程であった。また、短時間の激しい雨が繰り返し降るという不安定な天気の 日もあった。湿度に関しては、日本よりは低いが、乾燥しているという程ではなかった。9月中旬の天気 を見ると、気温も格段と下がっており、季節の変わり目であったことが覗える。  民族:約9割がゲルマン系で、他は東欧系やユダヤ民族、等  宗教:約6割がカトリックで、他はプロテスタント、イスラム教、ユダヤ教、等  言語:ドイツ語  通貨:ユーロ(1ユーロ=116円:2016年9月現在)  文化:モーツァルトを代表とし、数多くの著名な音楽家が誕生、活動の拠点としてきたことから、「音 楽の都」と呼ばれており、毎晩のようにコンサートが行われている。また、著名な楽団は日本でも公演を 行っており、日本との関係も深い。  食文化も豊かであり、有名な料理としてはシュニッツェルがあり、ワインの生産も代表的である。(図 3.5)  図3.5 ウイーンの食事   ウィーンの概要    かつてヨーロッパを支配していたハプスブルク家のオーストリア帝国の首都であり、マリア・テレジ ア女帝時代に最も繁栄した。市内中心部は、リングと呼ばれる環状道路に囲まれており、旧市街などを 含め全体が「ウィーン歴史地区」として、世界遺産に登録されている。市内で有名な建築である、シュテ ファン寺院、ホーフブルク宮殿、ウィーン国立歌劇場や美術館の多くは歴史地区に含まれている。

(9)

viii 第3章 各国の概要           図3.6 ウイーンの地図詳細 市内のほとんどの建築が、歴史地区の指定を受けている為に、街並みは統一されており、美しい印象を 受けるが、エアコンの設置などの全ての工事に行政への申請が義務付けられている為、最低限の改修工事 しか行われていないものが多く、機能性的にはあまり高くない。  ウィーンはIAEAなどの国連機関が置かれており、ニューヨーク、ジュネーブに次ぐ第三の国連都市 である。   〈参考・引用文献〉 基本データ、国旗 外務省. オーストリア基礎データ(2016.07.20更新) http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/austria/data.html

(10)

ix

4

訪問先の詳細

4.1

アーヘン工科大学

(RWTH Aachen University)

4.1.1

大学概要

(

執筆担当:黄宇航

)

アーヘン工科大学はドイツのアーヘンにあり、工科大学として国内最高峰の教育機関である。学生数は 43721名、留学生は7904名であり、ドイツの工業・産業に深い関わりを持っている。同時にDFG(ド

イツ研究振興協会)、TU9(ドイツ9工科大学連盟)、IDEA League(IDEAリーグ)、T.I.M.E.(Top Industrial Managers for Europe)の加盟大学でもある。

 学部数は10あり、以下のように分かれている。  fuculty1 理学部(数学、情報、物理、化学、生物学科)  fuculty2 建築学部  fuculty3 土木工学部  faculty4 機械工学部  faculty5 資源材料工学部(資源工学科、材料工学科、地理学科)  faculty6 電気情報工学部  faculty7 教養学部  faculty8 経営学部  faculty10 医学部  アーヘン工科大学は施設を一つのキャンパスに集約するのではなく、街の民間の建物や空き地を校舎 として再利用していくことによって、学生数や資金の増加と共にキャンパスの規模を広げていくという方 針をとっている。市内を歩くとあちらこちらに大学の施設が建てられており、校舎として建設途中の建物 も多いことがわかった。学校が都市の中にあるのではなく、都市が大学の中にあるような印象だった。  今回のキャンパスツアーでは研究室や大学病院、そして留学センター及びホールとして使われている Super Cを見学した。以下の画像の建物が、大学病院及びSuper Cである。            

(11)

x 第4章 訪問先の詳細 図4.1 アーヘン工科大学の大学病院 図4.2 Super C      

4.1.2

研究室訪問

(1) Civil Engineering(執筆担当:堺由輝)

アー ヘン中 心街か らバスで 10 分ほどのキャンパス建物内で、Dr.O.Altay から Faculty of civil engineeringの紹介と専門としているStructural dynamicsの研究内容を、Mr.M.G.Kikis から専門の

Computational analysis of structuresの研究内容をそれぞれプレゼンテーションしていただいた。その

後付近のキャンパス施設を案内していただき、最後にこの大学の象徴的建築であるSuper Cの内部を見

学した。

 今回見学した研究室の研究内容はそれぞれ、Computational analysis of structures、 Earthquake engineering、Structural dynamics、 Modelling of functional materials and adaptive structuresで

あり、日本の建築学科で学ぶ内容に近いと感じた。Dr.O.Altayから紹介していただいたのは大学の学生 サービスセンターであるSuper Cの構造である。写真のように建物上部が大きく突き出していて、ここ で人や風によって生じる垂直方向の振動を抑制するために、床にはバネと金属プレートが交互になった振 動軽減装置が組み込まれている。またSuper Cの名前の由来になったCだが、先ほど説明した上部の突 き出した部分と釣り合うように、建物地下の構造が同方向に突き出していて、断面がC型となっている ことからきている。  Mr.M.G.Kikisから説明していただいたのは3Dモデルを用いて街のシンボルであるアーヘン大聖堂 の構造的に弱い部分をシミュレーションするという研究である。アーヘン大聖堂は786年にカール大帝 によって建設され、老朽化が進んでいるため現在補強工事等が行われている。ドイツでも日本ほどの規模 ではないが地震が発生するそうで、地震発生時の揺れのシミュレーションを見せていただいた。  こうした学問は日本では建築学科に分類されるが、こちらではCivil engineeringに属しており、学 問体系の違いを実感した。古い建物の多いヨーロッパではこうした構造のシミュレーションが非常に重要 になってくるのではと感じた。今回の研究室訪問では映像等を用いながら説明していただき、質問にも丁 寧に答えていただけたため、より建築の分野に対して理解を深めることができた。

(12)

4.1 アーヘン工科大学(RWTH Aachen University) xi (2) Chair of Communication and Distributed Systems(執筆担当:亀山聖太)

 当日は、まずこの学部の概要の説明を受け、研究内容を見せて頂き、最後に関連施設を少し見せて頂 く、という流れだった。  この学部では、情報に関する様々な学問(コンピュータグラフィックス、組み込みシステム、情報通 信、人工知能、等)を学ぶことができる。この大学には留学生にとってありがたい制度が幾つも存在し、 ・コンピュータサイエンスに関する講義はほとんど英語で行われる ・留学生には履修制限が無い(通常の学生には履修制限が存在する) ・専門外の講義(芸術、薬学など)も自由に受講できる ・家で受けられる通信授業のようなものもある ・現地では生徒がバディとしてサポートしてくれる というように留学生が思う存分学習する環境が っている為、教授はこの大学に留学することがオスス メだと仰っていた。  研究室見学では、コンピュータグラフィックスの研究を見せて頂いた。360°見渡せるカメラを用い てカメラの周囲の風景を撮影し、同時にカメラからの距離情報も読み取って、瞬時に周囲の立体情報を生 成する、というデモを見せてもらった。カメラが1周した後、数分もかからず研究室の部屋がソフト上で 3Dモデルとして再現されて驚いた。さらに、この技術とカメラ100台を用いてアーヘン大聖堂を3Dモ デルとして再現した時の映像も見せて頂いた。映像中のモデルはとても精巧に作られていて、後に大聖堂 の見学に行った時にモデルの忠実な作りに改めて驚いた程だった。この技術はゲームの3Dモデル作成支 援など、様々な事に応用できると仰っていた。  その後は講義室や図書室、コンピュータ演習室などを覗かせて頂いた。ジャンク置き場もあり、気に 入った道具は好きに持って行っていいらしい。たまに壊れていない古いPCが捨てられている事もあるそ うだ。 図4.3 説明をうけている様子を3DCGに再現した図

(13)

xii 第4章 訪問先の詳細

(3) Institute of Flight System Dynamics(執筆担当:アマル・ディランカ)

9月1日にInstitute of Fright System Dynamics研究所を訪問した。機械宇宙学科のアマル・ディラ

ンカ(B4)と中 雄太郎(B2)がバディ2名とともに大学へ向かったところ、研究所を案内してくださ

るResearch AssistantのMr. Charles Benが入口で出迎えてくれた。

最初に案内していただいたのはオープン試験空間と風洞を用いた実験室だった。ここではスケールモ デルの実験を行うことによって、フルスケールの航空機の飛行機械特性を理解するための研究をして いる。非常に大きな実験装置で驚いた。次に、液体の流れの視覚化や流体力学特性を観察できる実験装 置の説明をしていただいた。その後、図4.4にあるようなParcelcopterという無人偵察機(Unmanned Aerial Vehicle-UAV)について説明していただき、大変興味深く感じた。これは世界の郵便及びロジス ティクス企業として知られるDHLとの共同研究により開発され全自動でおよそ2kgの荷物を約8km運 ぶUAVである。大きさは2m程度であり、バランスを保つため翼の一部にアルミニウムが使用されてい るが、ボディやプロペラなどの主な部分は軽くて丈夫な素材であるCFRPで作られている。また、Flight Simulatorという装置の見学もさせていただいた。この装置は図4.5のような小型飛行機のコックピット とその前方に設置された画面によりフライト・シミュレーションをすることができる。学生にフライト・ ダイナミクスを教えるため研究目的でも使用されている装置であったが、残念なことに当時は機械トラブ ルからの復旧途中であり、体験することができなかった。

次に、UAVの実験を行う際にMobile Ground Stationとして用いられている自動車を見せていただい た。内部にはパソコンが設置されており、小規模な作業スペースも完備されていた。学生たちで車の内部

を改装したのだそうだ。見学途中で研究所長Prof. Dieter Moormanにも偶然お会いすることができ、と

ても丁寧に研究所の概要を説明していただけた。研究所ではどの実験室でも基本学生は自由に独立して作 業することが許されているが、監視カメラが設置されており行動は管理がされているそうだ。さらに企業 との合同研究も多くあり、非常に充実した環境が整っている研究所であると感じた。

図4.4 Parcelcopter

図4.5 Flight Simulator (IFSD HPより)

(4) Department of Chemistry and Biochemical Engineering(執筆担当:小林柊司&村松彩香)

この研究室では、テーマのひとつとして微生物の小規模培養におけるスクリーニングや特性評価に関す る研究を行っている。一度に多くのフラスコを高速で振盪できる培養振盪機や、大腸菌の生育環境に合 わせた温室(機械の精密部分は別室で管理)、また容量が50L、圧力は10barまで耐えられ、熱量計やpH

の調節も可能な金属製の巨大バイオリアクター(発酵槽)などを実際に見せていただいた。さらにはグル

(14)

4.1 アーヘン工科大学(RWTH Aachen University) xiii   密に制御するために、培養に用いる機械の電子基盤をも自分たちで試行錯誤して作っていた。機械そのも のから自身で改良して微生物実験を行う研究室は極めて少ないのではないかと思う。生物系にも関わら ず、電子工作といった工学分野にも積極的に取り組んでいることにとても驚いた。 また、大量の溶媒を入れる容器としてビールの を再利用しているといったドイツらしいユニークな一 面も見受けられた。 図4.6 培養振盪機 図4.7 バイオリアクター)

Biotechnologyの研究室に引き続き、Bartin Bastianさんの案内で、化学科(Department of Chemistry)

を訪問した。  まず訪問したのは、奥田先生の率いる無機化学グループの建物である。なお、奥田先生の専門は有機 金属化学であるのだが、金属を含むからか、無機グループとして扱われている。見学した研究室での主な 研究内容は、金属錯体を用いた触媒であった。研究室には溶媒を蛇口のように取り出せる装置があり、実 験する上で非常に便利だと思った。なお、この装置には溶媒の価格が貼られていたが、これは予算を気に するというよりも、無駄遣いを防ぐための意図があるとのことだった。ただし、無水化しているため高 価にはなっているようだ。次に、学部生向け講義棟を見学した。学生実験室では、1人1台ドラフトがあ り、充実した設備だと思った。訪問時はどうやら期末試験が終わっていなかったらしく、有機化学の反応 機構を勉強している学生も見られた。その次に訪問したのは有機化学の研究棟であった。訪問した研究室 では、硫黄原子に着目した有機化学反応の研究を行っていた。この建物の近くには、各種有機溶媒をガソ リンスタンドのように取り出すことの出来る倉庫があった。各研究室では、ここから溶媒をバケツに取り 使用しているそうだ。この施設があることにより、溶媒を瓶で購入する必要がなく便利である。東工大に も導入して欲しいものである。  最後に訪れたのは、化学科向けの大講義室である。この講義室の特徴は、周期表が掲示されているこ とと演示実験用の設備があるところである。ここの周期表は、試験時のために、電動スクリーンにより隠 すことができるようになっている。  全体として、東工大と基本的な実験設備は似ているが、アーヘン工科大で初めて見たような施設もあ り興味深かった。        

(15)

xiv 第4章 訪問先の詳細  

図4.8 学生実験室のドラフト 図4.9 溶媒スタンド

図4.10 講義室

(5) Sociology of Technology and Organization(執筆担当:川合健太)

図 4.11 Sociology of Technology and Organization アーヘン工科大での研究室訪問は、自分の専攻に近い分 野の研究室を複数人のグループに分かれて訪問する予定と なっていたが、社会工学を専攻している学生が私1 人であっ た為、私の為に特別にプログラムを組んで頂いた。Social of

Technology and Organizationは、社会的課題に対する技術的 なアプローチでの解決方法を研究している機関である。今回 は、Dr. phil.Jacpueline Lemmにお話を伺うことができた。

 ドイツは今、日本と同様に高齢化という社会的課題に直面 している。産業を支えてきた年齢層の人々は近い将来に引退を

(16)

4.1 アーヘン工科大学(RWTH Aachen University) xv   控えている。そのような人々が培ってきた技術をいかにして次 の世代に引き継いでいくか、これが高齢化に対する問題解決の糸口であるという。人手が少なくなるので あれば、技術の発展とともにロボットなどに作業を任せてしまえばよいという考えもある。しかし、仕事 というのは人間の培ってきた文化であり、文化を守り続けるためにもロボットに全てを任すことはしたく ない。若者には技術が、老手には知恵がある。若者の技術力を用い、熟練者達の知恵を後継できるような システムを作り上げることが求められている、と話す。この軸に従い、2020年までに職場環境をどのよ うに改善していくべきかなどを研究している。具体的な例としては、作業で必要な知識をアプリ上などに 保存することや、特別な仕様のメガネをかけると、作業場でチェックすべき点などの項目が映し出される ものなどを開発しているという。  ドイツでは、経験や知識の少ない若者に加え、近年では移民に対する職場環境の改善も必要だと話 す。どのような人が業務に当たっても、ミスなく作業をすることができるような環境を作ることが、今求 められていることである。

4.1.3

文化プログラム・学生交流(執筆担当:中 雄太郎)

 我々はプログラムの4日目である9月1にアーヘン工科大学の学生及び職員らと、学生交流を行っ た。加えて、学生交流終了後、夕食としてBBQも行い、学生同士の親睦を深めた。学生交流には、我々 東京工業大学の学生に加え、10名以上ものアーヘン工科大学の学生の方々が参加してくださった。また、 BBQには日本人学生として東京工業大学の学生のみならず、同時期にアーヘン工科大学の他プログラム に参加していた慶応義塾大学の学生の方々にも、参加してくださることになった。アーヘン工科大学では 我々のプログラムが行われていたちょうどその時期に、テストが行われていたようで、忙しい中参加して くださったアーヘン工科大学の学生の方々には感謝している。

 学生文化交流の幕開けとして、Stefan GeilobiczさんとXiang Liさんに、ドイツ及びアーヘン工科 大学の紹介のプレゼンテーションをしていただいた。お二人はかつて東工大に留学した経験もあるよう で、日本についてもよく知っていた。

図4.12 Stefan Geilobiczさん 図4.13 Xiang Liさん

続いて、東京工業大学の学生からプレゼンテーションを行った。東京工業大学の学生のうち、亀山、堺、

石橋は日本について、黄、小林、黒岩、中 は東工大について行った。

   

(17)

xvi 第4章 訪問先の詳細 図4.14 日本についてのプレゼンの様子 図4.15 東工大についてのプレゼンの様子 プレゼンの終了後、我々はバディを含め2つのグループに分かれ、BBQの準備を行った。1つのグルー プは、主に野菜を確保し、他方のグループは、チョコなどのスイーツ、ビール、肉を買い出しに行った。 チョコレートを買い出しに行ったグループは、Lindtの工場に行き安く販売しているチョコレートを購入 し、工場までの道の途中にあるアーヘン工科大学最大の講義室へも見学した。 図4.16 サッカーゲームによる交流 図4.17 BBQの準備 図4.18 学生交流の様子 図4.19 学生交流の様子  

(18)

4.2  ウィーン工科大学(TU Wien) xvii

図4.20 学生交流の様子 図4.21 学生交流の様子

4.2

ウィーン工科大学

(TU Wien)

4.2.1

大学概要(執筆担当:川合健太)

正式名称:Vienna University of Technology (Technische Universit¨at Wien)

創立:1815年(昨年で創立200周年)  ヨーロッパ有数の理系大学であり、オーストリアにおいては最高の理系教育研究機関である。大学の キャンパスは、ウィーン市内に点在しているが、多くは本館から徒歩圏内に位置している。 学部の構成 は建築や情報系学部が中心である。  オーストリアでは、限られた科目で実力を判断することはできないという観点から、多くの学部で入 学試験を設けておらず、多くの人に門を開いている。しかし、入学後の進級は容易ではなく、多くの学生 は一年間で進級を諦めてしまう。ウィーン工科大も例外ではなく、情報系の知識を前提とするような学部 を除いて、入学試験は存在しない。  キャンパス内には、ウィーン市内で最も高い建築である TU the Skyがあり、その最上階からは ウィーン市内を一望することが可能である。 図4.22 TU the Skyから見たウイーン全景

(19)

xviii 第4章 訪問先の詳細

4.2.2

研究室訪問

(1) ウィーンのスマートシティ構想とEnergy Plus Buildingの概要(執筆担当:黄宇航)

 ウィーンのスマートシティ構想とは、生活の質、資源とエネルギーの再利用、革新をコンセプトに、 より良い生活を目指していくという考え方のことである。それは交通と建築を一つの輪で捉え、エネル ギーと資源効率を考え、ガスなどの大気汚染物質の排出を抑える仕組みである。説明していただいた実際 の政策と実用例は大変興味深い内容であった。

 その中の一つの例がEnergy Plus Buildingである。それはウィーン工科大学の都市研究科のプロ

ジェクトであり、学科内の多くの分野の研究成果が実践されている。スポンサーとして多くの企業が支援 しており、現在世界で最も注目されている省エネ技術プロジェクトのひとつである。

 Energy Plus Buildingは以下の4つの理念を元に設計されている。

1. 地熱、太陽光、風力などの再生可能エネルギーを可能な限り集め、利用する。 2. 再生可能エネルギーと外部からの電力の建物内部での伝達ロストをできるかぎり小さくする。例え ば冷房バイブル中の熱流失を減らす工夫をするなど。 3. 建物全体の設備を中央コンピューターで制御することにより、居室の使用状況に合わせて電力を削 減できるようにする。例えばセンサーを使って人を感知するシステムなど。 4. 省エネルギーの電化製品を開発する。例えばオフィスで最も多く使用されているパソコンは独自で 開発した世界初の省エネルギーパソコンである。 以上の4つの理念を元にオフィスと研究棟を再設計した結果、それぞれ約20%と30%のエネルギーの 削減が可能となった。

 現在Energy Plus Buildingのプロジェクトはウィーンを拠点に展開しようとしている。すでに市内

の一部の建物はEnergy Plus Buildingとなった。現在大学では企業と合同でEnergy Plus Buildingの 整備を進めている。改築の済んだ建物はすべてエネルギー消費の推移を記録されており、数年経った建物 でも非常に高いレベルの省エネルギー性能を保っている。 そうしたデータをもとに計算された結果によると、竣工から約7年で再建にかかった費用のもとが取れ るのだという。  こうした事例をみると、多くの大学が実用化を企業などに委託するのに対し、ウィーン工科大学の都 市研究科は技術を実用化のレベルまで発展させ、大学を中心に企業・都市がとても良い関係で研究を続 けていけていることがわかった。都市研究科の分野にとどまらずlotや機械学習の技術を取り入れていけ ば、さらにこのプロジェクトが素晴らしいものになるのではと感じた。

(2) Faculty of Technical Chemistry(執筆担当:小林柊司&松村彩香)

この学部はApplied Synthesis Chemistry(有機化学を中心とした合成化学の研究)、Chemical Tech-nology and Analytics(環境への影響を考える研究)、Material(無機化学を中心とした材料の研究) と

Chemical Engineering and Biotechnology(生命工学など)の4つの研究グループに分かれている。この うち、Applied Synthesisから1ヶ所、Biotechnologyから2ヶ所の研究室を見学した。

 Applied Synthesis研究グループの今回見学した研究室では、3Dプリンターでの成形等に応用され ている、光により重合する高分子の研究を行っていた。試薬が意図しない反応を起こしてしまわないため に、エネルギーの低い光である橙色の照明を用いた部屋や、重合の進行状況を見るために時間方向にも計 測ができる自作の分光光度計など、随所に工夫が凝らされていた。また、手袋のような部分から操作する

(20)

4.2 ウィーン工科大学(TU Wien) xix

機密性の高いドラフトも用意されていて、安全対策がしっかりしていると思った。

図4.23 光度計 図4.24 ドラフト

ウィーン工科大学では、Biotechnologyは工業化学分野(Faculty of Technical Chemistry)の中のひと つとして位置づけられている。はじめに研究概要の説明を受けてから、実際に研究室内を案内してくだ さった。 便利な使い捨てタイプの小型のバイオリアクターから、大型の機械のものまで、様々なバイオリアク ターを実際に見せていただいた。試験管レベルのことを工業的スケールに広げて実用化できることを目指 して研究しているとおっしゃっていた。また見学の際に作動していた複数の小型バイオリアクターでは、 ペニシリン生産菌を培養条件に変化を与えてそれぞれ培養し、より効率よくペニシリンを生産できる条件 を模索していた。 また案内してくださった研究室の学生のうちの一人が、私自身も学生実験で普段から良く使っているピ ペットマンとチップを持って、「バイオテクノロジーの研究にこれらは必要不可欠だよ」と話していたの を聞き、国を超えて同じ分野を専攻している学生との共通点を改めて実感した瞬間だった。 図4.25 大型バイオリアクター 図4.26 ペニシリン生産菌の培養

(3) Architecture and Planning(執筆担当:小田切瑞生)

学科の概要説明を受けた後で、建築学科の様々な部屋を見せていただいた。

まず、建築学科の中でも、特に建築構造を専門とする研究室を見学した。構造の他にも部材自体をどの ようにしたら強くできるかといった研究もなされていた。廊下にはたくさんの構造模型が並んでいて、模 型を上に乗せて揺らす装置もあり、地震の時にどのように揺れるかがよく分かるようになっていた。

(21)

xx 第4章 訪問先の詳細 次に、レクチャーホールを見学した。木がドーム状に組まれていて、他の本館の部屋とはだいぶ違った 印象を受けた。たくさんの木材を曲げて、それらを釘でつないで架構をつくっているらしい。 最後に、学生が課題で作成した模型がおいてある部屋を見学した。棚や机に所せましと模型が置いて あった。私たちは、模型材料にスチレンボードと呼ばれる白いボードを使うことが多く、白っぽい模型が 多いのだが、ウィーン工科大の学生は様々な素材を使っており、それぞれ味があってよいなと思った。 図4.27 模型をゆらしています。 図4.28 レクチャーホール (4) Faculty of Informatics(執筆担当:黒岩将平) Dr.Hannes氏とProf.Eva氏の2つの研究室にそれぞれ訪問した。

Dr.Hannes氏の研究室ではAR(Augmented Reality) とVR(Virtual Reality)の研究内容を見学させ

て頂いた。ARの研究では、あらかじめ作成した建物のモデルを用いて、建物内部の画像から自分の建物 内での位置をリアルタイムで計算し、ARを用いて目的地まで矢印等を表示して視覚的にナビゲーション をするスマートフォン上のアプリケーションの紹介、VRではカメラの画像と位置からそれに対応する VRをリンクさせる研究のお話を伺った。VRの研究にARの要素が盛り込まれていて、専門が情報系で はない人達もとても興味を持って話を聞いていた。 Prof.Eva氏の研究室ではコンピュータ上のミドルウェアの役割についての紹介、ロボカップサッカー という競技の紹介をして下さった。中でも標準プラットフォームリーグという競技では共通のロボットを 用いてプログラミング能力の優劣を競う競技はロボットにあまり詳しくないプログラマにも優しい点で興 味深かった。いずれの研究室も日常生活に密接に関わり得る研究内容で専門ではない人には面白く、専門 の人には勉強のモチベーションが高まるような内容だった。      

(22)

4.2  ウィーン工科大学(TU Wien) xxi         図4.29 AR研究室 図4.30 AR研究室 (5) Hydraulic Engineering(執筆担当:石橋耀二)

 ウィーン工科大学での最後の訪問先はUniv.Ass. Dipl.-Ing.Burkhard R¨udisser氏に案内していただ いたHydraulic Engineeringの実験施設である。hydraulicの名のとおり、この場所では大量の水を扱っ た実験を行っている。  まず現在進行中のダムプロジェクトに関する話を伺った。ここではトルコに建設中のダムの環境への 影響を検証するため、縮小版の実験設備を作っている。ダムを建設する際にせき止めることによる流量の 変化や貯水量調節のための排水の圧力、水力発電に用いるための分水など周囲の状況を大きく変える要素 が多くある。数値シミュレーションもするのだが、実際に作ってみないとわからないことも多いため、大 掛かりでも実験したほうが良いとのことだった。  次に実際に実験設備を見せていただいた。縮小版とはいえ、実際に匹敵するような圧力を再現してい るため、操作を間違えると部品が壊れてしまうこともしばしばらしい。残念ながら進行中のプロジェクト のため撮影は許可をいただけなかったのでこの迫力をお伝えすることができないが、HPより引用した設 備内部の写真を添付する。 図4.31 実験施設外観(HPより) 図4.32 実験施設内部(HPより)

(23)

xxii 第4章 訪問先の詳細

(6) Institute for Mechanics of Materials and Structures(執筆担当:アマル・ディランカ)

9月7日に最後の研究室見学として土木工学のInstitute for Mechanics of Materials and Structures

に所属する RELLA-Halle Macroscopic Material Testing 研究所を全員で訪問した。Prof. Bernhard

Pichlerが研究室を案内して下さった。この研究室では主に木材、コンクリート、セメントに注目してお

り、バイオメカニカルも研究している。最初に説明して下さったのは、バイオメカニカルに関すること だった。切開手術をするとき人間の肌に傷跡が残ってしまうが、患者にとっては可能な限り目立たない傷 跡が望まれる。そのために研究室では、異方性の人間の肌をどのようにカットしたら最も傷跡を目立たな くできるのかという研究と、そのために扱っているBiaxial Membrane Testing 実験装置に関しての説明 を受けた。 次に、木材の変形を実験できる昔の実験装置と木材と金属のハイブリッド構造について説明を受けた。 最後にコンクリートに関する研究について説明を受けた。30年前のコンクリートのサンプルをドイツか ら輸入し、時間とともに変形するクリープ現象の抑制に関する研究をしている。オーストリアでは材料と して木は豊富にあり、環境に優しい材料として、建設で多く用いられていて、木材を中心とした研究を進 めていることが印象的だった。

4.2.3

建築ツアー

(

執筆担当:角田将吾

)

ガイドのYukiko Kahrさんと村田先生に案内していただき、ウィーン市内の有名建築や観光名所やそ の町並みなどを見ながら歩いて回った。アドルフ・ロースのロースハウスやハンス・ホラインのハースハ ウスなど有名建築家の設計した有名建築に訪れたり、シュテファン大聖堂などの観光名所を訪れ、村田先 生とYukikoさんにその建築が設計された時代的・文化的背景や建築様式、その特徴について解説してい ただいた。解説をしていただくことで、ロマネスク様式からゴシック、バロック様式と時が経てば経つほ どその外観の装飾が派手かつ豪快なものになっていったりなど、ウィーン市内の建築がそれぞれ一体どの 時代に建てられたものなのか、少しずつ見て自力でわかるようになった。また、そんな装飾がいたるとこ ろで施されているウィーン市内の建築群の中で、ミヒャエル広場を挟んで王宮の正面に立つロースハウス には装飾が施されておらず、これは建設された当時ひどい批判にさらされ、当時の王様はこの挑戦的な建 築に憤慨してロースハウス側の王宮の門を2度と跨がなかったという伝説も残されているそうで、非常に 興味深かった。  また、私個人としては、ウィーンイエスズ会教会の天井にアンドレア・ポッツァによって描かれた、 まるでドーム状の屋根になっているかのように見えるだまし絵が非常に鮮明に印象に残っている。教会と いう神聖な儀式を行うことを主目的としたフォーマルな空間の中に、このようなユーモアの れる装飾が 施されているのは、私としてはとてもユニークに感じられた。  このCity Tourの前日に自由行動の時間が設けられていたため、前日にも個人としてウィーンの町並

み巡りをしてはいたのであるが、このCity TourでYukikoさんと村田先生にガイドをしていただいたこ

とで、一人で回った時には気付けなかった様々なことに気づくことができ、非常に貴重な時間となった。          

(24)

4.3  美術史博物館・自然史博物館・ミュージアムクオーター・その他の見学 xxiii     図4.33 ロースハウス 図4.34 だまし絵天井

4.3

美術史博物館・自然史博物館・ミュージアムクオーター・その他の

見学

4.3.1

アーヘン大聖堂

(

執筆担当:石橋耀二

)

図4.35 ゴシック様式の部位の内部 アーヘンでのプログラム2日目に街のシンボルでもあるアー ヘン大聖堂のツアーに参加した。私はCivil Engineeringの研 究室でアーヘン大聖堂の構造とその強度についての話を聞いた ばかりであったので、大変興味深い内容だった。この大聖堂の 面白い点は2つある。  1つ目は建築としての側面である。8世紀にカール大帝に よって建設が始まったこの聖堂はもともと中心の八角形をした カロリンジャン様式の聖堂のみだった。しかし徐々に巡礼者が 増え、聖堂が狭くなったこともあり、ゴシック様式の区画を増 築し聖骸を安置や聖歌隊が入る場所とした。また17世紀には バロック様式の屋根が取りつけられるなど、長い増改築の中で主に3つの様式が混在する建築となったの である。  2つ目は教会の持つ意味である。教会内部の装飾はもちろん聖母マリアや12使徒をかたどったもの があるが、加えてカール大帝の像もあった。カール大帝の像の扱われ方は使徒やキリストと同等、もしく

(25)

xxiv 第4章 訪問先の詳細   はそれ以上であるように見えた。カール大帝は教会という媒体を用いて、自身がいかに権威をもっている かを示していたように思う。 図4.36 聖母マリアの聖骸布が入っているとされ るshrine 図4.37 Super Cから見たアーヘン大聖堂

4.3.2

ウイーン経済大学見学

(

執筆担当:小田切瑞生

)

ウィーン経済大学のキャンパスには大きく分けて6つの建物があるのだが、それぞれが国際コンペで選 ばれた作品でユニークなものだった。日本人の建築家である阿部仁史氏による建築もあった。  キャンパスのマスタープランをBUSアーキテクチャーZTというウィーンの建築家が担当しており、 マスタープランが決定した後にそれぞれの建築についてコンペが行われた。  マスタープランを担当した、BUSアーキテクチャーZTが担当している、D1棟である。外壁は赤さ び仕上げというあまり見ない仕上げである。キャンパス内で最大人数を収容できるaudimaxという大き な講堂がある。ロビーの吹き抜けと連続して階段状の開放的な自習スペースがあった。  こちらは、日本でも有名な建築家ザハ・ハディッド氏の設計による図書館である。黒いボリュームの 部分が図書館となっていて、そのほかの部分は事務室、会議室、自習室などになっている。外観のインパ クトも大きいが内部空間も斜めの壁が多く異様な空間であった。 図4.38 D1棟 図4.39 図書館

(26)

4.4 国際原子力機関(IAEA) xxv

4.3.3

渋川さんオフィス見学

(

執筆担当:太田萌子

)

渋川さんにウィーン経済大学を案内して頂いた後、ウィーン市内にある渋川さんのオフィスに連れて 行ってもらった。旦那さんのラファエル・エダーさんと経営している事務所で、職員は全部で4人いるそ うだ。オフィスは建物の一階にあり、昔からある古い建物をそのまま使っている。事務所内には、たくさ んのスタディ模型や、コンペの資料などが飾ってあった。奥の部屋でエダーさんから、初めてコンペで勝 ち取ったウィーンウェスト高校の設計と、ウィーン近郊のノイレングバッハ高校の設計についてのお話を 聞いた。ウィーンは歴史的な景観を守るための法律が厳しく、外壁を残さなければいけなかったり、建 物が文化財になっていて、壊してはいけない部分があったりと、制約が多いところが大変らしい。また、 ウィーンは省エネに町全体で取り組んでおり、ノイレングバッハ高校では地熱を利用するなどして環境に 配慮したらしい。日本のように残業する習慣はなく、スタッフは16時∼17時には帰ってしまうらしい。 私たちが入ってきたときにいたスタッフは、プレゼンを聞いている間に帰ってしまっていた。 図4.40 事務所の内部 図4.41 プレゼンの様子

4.4

国際原子力機関

(IAEA)

4.4.1

Vienna International Center

と国際原子力機関の概要

(

執筆担当:石橋耀二

)

今回訪問したIAEA本部はウィーン市街の東に位置するウィーン国際センター(Vienna International Center, VIC)の一角にある。UNIDOやUNOOSAなど他の国連機関もある。VICはもちろんオースト リアにあるが、その中では国際法に基づいているため、入る際には空港と同様の手荷物検査やパスポート チェックがある。VICができた当時はウィーン市街への交通手段が乏しく、また職員もセンター内で生 活していたため、VICの中央の低い円柱形の建物にスーパーや郵便局など一通りの施設は っているら しい。  入り口ゲートを抜けた先の噴水とその周りに掲げられた数々の国旗はこの場所が国際機関であること を象徴している。またここの食堂では様々な言語が飛び交っており、この場所がオーストリアとはまた別 の場所であることを強く印象付けられた。  IAEAの目的は原子力の平和的利用の促進と軍事的利用の阻止である。これを達成するためにIAEA 内には大きく以下の6つの部門が存在する。 ・Department of Management

(27)

xxvi 第4章 訪問先の詳細 ・Department of Safeguards

・Department of Technical Cooperation

・Department of Nuclear Safety and Security

・Department of Nuclear Sciences and Applications

 今回私たちがお話を伺ったのはDepartment of Safeguardsについてである。この部門では原子力の 安全保障を扱っており、各国での原子力の監視や管理方法への助言、またそうした専門知識を利用機関へ と伝える教育などを行っている。管理対象となる物質はウランやプルトニウムなどですべての放射性物質

ではないが、これらが適切に管理されているのか確認するのもSafeguardsの役割であり、実際にどのよ

うに検査等を行っているのかを体験させていただいた。

図4.42 Vienna International Center 図4.43 VICの全体模型

4.4.2

保障措置について

(1) 放射性物質ラボ(執筆担当:小林柊司) 昼食後、放射線の基礎知識についての学習及び、シンチレーション検出器と呼ばれる放射線の測定器で 実際に様々な放射性同位体を同定する実験を行った。放射性物質は壊変の際に、その核種に固有のエネル ギーの放射線を放出することから、測定器でどのエネルギーの放射線が放出されているかを観測すること により、核種が同定できるものである。実際にやってみると、試料の上に計測器を置き数十秒待つだけで 核種が全自動で分かり、想像していたよりもとても容易であった。そして、今回の実験の試料は、我々の 五感で掴むことのできる特徴が全くなかった。これが放射線の特色であり、そして人々が放射線を必要以 上に怖がる理由なのかもしれないと思った。  今回の実験で用いた機器は携帯型のものであったが、他にも原理の違いや検出部の構造などの違い で、様々な種類の検出器がある。部屋に置いてあったもののなかで最も印象的だったのは、高分解能であ るが、装置の動作に液体窒素を必要とするものであった。            

(28)

4.4  国際原子力機関(IAEA) xxvii           図4.44 測定実験の様子 (2) 保障措置システム(執筆担当:黄宇航) IAEAでは二つの研究室を見学した。そのうちセキュリティシステムの研究を行っている方では、安全 装置ついての説明を受けた。  世界各国の放射線物質や精密機器を厳密に監視するため、IAEAでは独自の機器の開発をしており、 そのうち対象物を監視するためにつくられたカメラと、そのカメラなどを固定し守るロックシステムを特 別に見せていただけた。放射性物質の監視にはカメラが24時間作動することが必須であり、そのために 複数個のカメラを用いて記録のシステムをつくり、暗号化されたロックでシステムの安全性を確保する必 要がある。カメラシステムは国ごとに3種類のタイプから選ぶ。カメラは高さ2mの青色の鉄製の箱の中 に収められている。外部へデータを送信する際、ケーブルをつなぎ有線で送信する方法が一般的である が、国によってはネットワークで国家情報を伝達することが危険であるため、その場合はSDカードや ハードディスクへ保存し定期的に回収するという方法がとられる。  ロックの方法としては、3種類の紐を見せていただいた。そのうちのひとつは鉄の紐を結び、結び目 を鉄の金具で固定するというものであり、無理やり開けられた場合鎖がちぎれ必ず痕跡が残る。このロッ クは主にカメラの箱の固定や角度の固定用に利用されているが、そうした用途で用いられる場合の最も重 要な性能は、こじ開けられた場合それが必ずわかるということである。なぜなら知らぬ間にロックが解除 され、違法操作されたことに気がつかずにデータを取り続けるということが、最も避けるべき事態だから である。また、番号コードを埋め込むなどのロック方法もある。光を反射する一対のケーブルを用い、双 方の光信号の一致性からそのケーブルの特徴値を暗号として使うのだという。

(29)

xxviii 第4章 訪問先の詳細  研究者の方に話を聞くと、ロックと複数のカメラを併用することによって、異常があればすぐにでも 記録を残し、犯行後もデータを回収できるそうだ。例えば観察対象物に一台のカメラを設置し、そのカメ ラ箱とドアが映るような場所にもう一台のカメラを設置すれば、その部屋の状況を十分に監視することが できる。  こういった研究は一般の大学や企業ではほとんど研究されることのない分野であり、国際機関だから こそ必要となってくるものであると感じた。普段想像もつかないような方面でこういった研究が存在して いたことにとても驚いた。

4.4.3

日本人職員との懇談

(

執筆担当:角田将吾

)

 今回、私たちはIAEAで実際に働いている職員として働いている方々と懇談会を設けていただき、そ の中で私たち留学生が思い思いに聞きたいことを質問させて頂くという、質問コーナーなる時間を設けて いただいた。その中で、時間の限り私たちの質問に答えてくださった。英語を含む語学と自分自身の専門 科目どちらに重点を置いて学習すべきなのか、これからの日本におけるグローバル化には一体何が大事な のか、加えて海外勤務では家族との折り合いはどのようにしているのかなど、プライベートにまで踏み込 んだ質問にも快く答えてくださった。また、なぜ海外で働くことを決めたのか、ひいてはなぜIAEAで働 こうと決めたのかについて質問した際には、もともと海外で働こうとは考えていなかったというような思 いがけない返答もいただき、働き方や働く場所には様々な形があるんだと実感した。この質問コーナーの 中で私が個人的に最も感銘を受けたのが、私の先輩にあたる建築学科卒の福島さんがおっしゃっていた、 英語で人とディスカッションするときには、相手の話をよく聞き、その主旨を捉え、少ない言葉でその要 点を突くことという言葉である。短期間ではあったものの、今回の留学の中で自分の英語力の貧弱さを痛 感していた私にとっては、非常に重みのある言葉であった。  このように実際に海外で活躍されている方々と交流することで、IAEAでの活動だけではなく、日本 を離れて海外で働くとはどのような意味を持つことなのか、そこにはどういったメリットやデメリットが 生まれるのかについてより肌で感じることができた。こういった経験はあまりそう体験できるものではな いと思うので、この経験を忘れることなくこれからの自分に活かしていきたい。

(30)

4.4 国際原子力機関(IAEA) xxix

(31)

xxx

5

その他

5.1

市内交通

(

執筆担当:小林柊司

)

5.1.1

市内交通

(

ドイツ編

)

 まず、デュッセルドルフからアーヘンの移動について述べる。デュッセルドルフ空港からは、近郊 電車S-Bahnを利用しデュッセルドルフ中央駅へ移動し、そこから快速電車RegionalExpressを用いて アーヘン中央駅へと向かった。近郊電車は20分間隔(土曜日30分間隔)で、快速電車は1時間間隔と、 日本の感覚では本数が少ないように思えた。座席の配置はどちらもボックスシートを基本とするが、RE では自転車を積載するためのスペースが用意されていて、その部分はロングシートになっていた。  また、駅には改札口がなく列車への出入りは自由であるが、車掌による検札で乗車券を所持していな い場合は高額の罰金を請求することとなっており、不正乗車を抑制している。  なお、アーヘン・デュッセルドルフを含むNordrhein-Westfalen(NRW)州内では、特急を除く近距 離電車について、平日は午前9時から翌午前3時、土休日は終日乗り放題となるSchö nerTagTicket NRWを販売している。5人まで利用可能で、1枚€ 43である。1人当たり€ 8.6でアーヘンまで移動で き、比較的お得である。  次に、アーヘン市内の移動について述べる。アーヘンは市街地がコンパクトにまとまっていることも あり、徒歩での散策も不可能ではない。実際、宿泊したホテルからSuperCまでは、旧市街地内部にバス 路線がないこともあるが、徒歩15分程度で移動可能であるので徒歩移動とした。  しかし、アーヘン工科大は市街地から離れたところにも広がっており、一つのキャンパスにまとまっ ているような形はとっていない。そこで、大学病院等の市街地から離れた場所に行く場合は、バス移動が 主流となる。車内で1回乗車券を購入すると、市内までは€ 2.65である。バスの利用客は多いようで、日 本ではごく限られた場所にしか導入されていない連接車体のものが多く見られた。 図5.1 アーヘン中央駅とRegional Express 図5.2 アーヘン市内を運行するバス

(32)

5.1 市内交通(執筆担当:小林柊司) xxxi

5.1.2

市内交通

(

オーストリア編

)

ウィーンの市内交通には大きく分類して4種類がある。近郊電車S-Bahn、地下鉄U-Bahn、路面電車

Straß enbahn、バスAutobusである。これらはすべて共通運賃で乗ることができ、例えば近郊電車と

地下鉄を乗り継いだ時に、日本のように初乗り運賃が2度かかるということはない。切符には、1回乗車 (1時間有効)、24・48・72時間乗り放題など多くの種類がある。また、ウィーン市内(Wien Kernzone) は均一料金であり、市から出るとその分追加料金がかかるシステムである。そのため、隣町のシュヴェ ヒャートに位置するウィーン国際空港へ行く場合、有効な市内の乗車券を持つ場合であっても市境から空 港駅までの乗車券を追加購入する必要がある。駅には改札機がなく、自由にホームに出入りできる。しか し、無賃乗車をすると高額の罰金を徴収される。なお、切符は刻印を行って有効化(entwerten)する必要 がある。駅の改札にあたる場所や路面電車の車内に刻印機があるほか、切符購入時に予め有効化すること ができる。ただし、券売機での有効化を選ぶと、その瞬間から乗車券の使用時間が開始するので注意され たい。この刻印を忘れると無賃乗車扱いとなる。  ちなみに、これらの交通機関は総じて運転が荒いので、乗車の時は心構えが必要である。  近郊電車S-Bahnは、ウィーン市外まで延びる、比較的長めの路線を持つ列車である。今回は空港へ 向かうS7号線を利用した。駅のホームが低いこともあり、列車内には乗降口と座席の間に階段があった。 スーツケースを抱えての移動は大変かもしれない。また、列車は非冷房である。天気がいい日は汗をかく ほどの熱さになることもあり大変である。なお、ウィーン国際空港∼ウィーン市内間の運賃は€ 3.90で ある。

 地下鉄U-Bahnは、U1,2,3,4,6の5路線が存在する(U5は現在建設中であり、2023年の開業が予定

されている。)。ホテル最寄りのKarlsplatzなどを始めとした中心部から郊外までを結んでいて、最短3 分間隔の高頻度運転を行っており便利である。高頻度運転であることから、駅の発車案内は日本のような 「何時何分に電車が来る」ではなく、「何分後に電車が来る」というスタイルの案内をしている。乗客は少 ないとは言えないが、座席はボックスシートとなっている。ただし、プラスチックの表面で固い。また、 乗降時には自分でドアを開ける必要がある(閉じるのは自動)。地下鉄には新型車両と旧型車両があり、旧 型車両は非冷房である。  路面電車は、リンク通りの外側に29本ものきめ細かな路線網を展開する。停留所の間隔も狭いうえ、 ウィーンの景色を楽しめることもあって観光客には人気の乗り物である。路面電車にも新型車両と旧型車 両があり、新型車両は停留所と段差なく乗ることができるバリアフリー仕様であるが、旧型車両は車内に 段差がある。 図5.3 近郊電車S-Bahn 図5.4 地下鉄U-Bahn  

(33)

xxxii 第5章 その他         図5.5 路面電車Straß enbahn 図5.6 地下鉄の案内表示器

5.2

食事

5.2.1

食事

(

ドイツ編

)(

執筆担当:太田萌子

)

ドイツと言って思い浮かぶ食べ物はソーセージだが、ドイツは移民が多いせいか、イタリアン、トルコ 料理、中華などが多かった。寿司バーも少しだけあった。どのレストランで聞いてもソーセージは置いて なくて、ソーセージ専門店や屋台、BBQで食べた。ソーセージはレストランで食べるものではなく、ファ ストフードらしい。ソーセージは、ドイツ語でwurstというらしく、お店では普通のソーセージはBrä twurstと書いてある。パンに挟んでホットドッグのようにして食べるのが主流らしい。値段も3ユーロ 程度で安く、太くてジューシーで美味しかった。街を歩くとアイスを食べながら歩いている人をよく見か ける。シングルで1ユーロで、安いし美味しい。アーヘンは食べ物の物価が安く、レストランでもドリン クを入れて10ユーロ前後で済ませることができる。やはりドイツの人はビールをよく飲むらしく、ビー ル瓶の開け方をたくさん知っていて、そのうちの一つを教えて貰った。BBQでは、大学院のプログラム でアーヘン工科大学に留学している東工大の先輩や、短期プログラムで来ている慶応義塾大学の学生と交 流した。 図5.7 屋台で食べたBrä twurst 図5.8 BBQの様子

(34)

5.3 街の様子 xxxiii

5.2.2

食事

(

オーストリア編

)(

執筆担当:黒岩将平

)

ウィーンの料理といえばまずシュニッツェルが挙げられる。シュニッツェルとはカツレツのことで、一 般的には牛肉であるが、豚肉、鶏肉の物もそれぞれ存在する。ウィーン市内の様々な店でシュニッツェル を用いた食べ物が売られており、シュニッツェルがウィーンの人々の生活に根付いているのを感じた。他 にもザッハトルテなどの高級感のある洋菓子店がウィーンでは有名で、観光中、デメルという店に立ち 寄ったがおしゃれで高いものだけでなく、チョコレートの欠片のようなものも安く売っており、あまりお 金がなくても楽しめた。カフェでアイスカフェやメランジェなどを飲みながら一休みしたりもした。 ホテルの近くにいくつか日本含め、アジア系の料理店がいくつもあった。また、どこかで寿司を食べた 人も何人かいたが、あまり評判は良くなかった。ウィーンの中心部ではマクドナルド、バーガーキングな どのファストフード店もあり、メニューも基本的に同じなので気軽に立ち寄れる。

5.3

街の様子

5.3.1

街の様子

(

ドイツ編

)(

執筆担当:亀山聖太&東松真

)

アーヘンは全体的に緑が豊かで、のんびりした印象を受ける。石畳の道が数多く存在し、4階建てくら いの建物が 間なくずらりと並んでいる。一軒家はあまり見かける事が無く、日本とはまるっきり違った 街並みが見られた。 気候は思ったより暖かく、少し乾燥した日本の春のようだった。一日を通して長袖を着ていても暑くは 感じない。日中は半袖でも過ごせるが、朝や夜は長袖が欲しくなる、というくらいの気温である。日差し が強く、日本より眩しく感じたのが印象的だった。 自動車はベンツやフォルクスワーゲンを見かける事が多く、日本の車は少なかった。たまにプリウスを 見かける程度だった。 日本との違いで一番印象的だったのは、明るい時間の長さだ。22時にはもう真っ暗になるが、現地で は21時頃までは日本のお昼過ぎのように明るい。日本であればもう真っ暗な時間帯に、人々はカフェの テラス席などで談笑していた。日本人には何だかお得に感じられるだろう。 アーヘンではお店が閉まるのが早い。18時過ぎには閉まり始めていく。加えて自販機やコンビニがな い為、夜にちょっとした買い物がしたい時は少し困った。逆に18時頃からレストランなどが開店し始め る。現地の人々は、18時頃になったら仕事を終えて夜食事に出かける、といったスタイルで生活してい るのだろう。レストランはイタリアンや中華、回転寿司など意外と様々な国の店があった。 夜はアーヘン大聖堂がライトアップされていてとても綺麗だった。周りにはお店もたくさんあり、夜の アーヘン大聖堂周辺は大変賑わっていた。 図5.9 19時頃の街の様子 図5.10 夜のシティホール

図 2.1 参加者
図 4.5 Flight Simulator (IFSD HP より )
図 4.10 講義室
図 4.12 Stefan Geilobicz さん 図 4.13 Xiang Li さん
+5

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