4s
燐酸鉄鉱津中の燐の状態
嘉 村 平 八
沢 村 企 好
On the State of the Phosphorous in Iron・P}losphate
Slag5
8γEre疏αc1亘κzf』fσR・4・
長り osん「5・4炉二4」1fσRJ・
Ab8tract:The object of presem illvestigation is to find the state of pho5.
pllorous in iron.pllosphate slags solidified or melted.
The sample of th{三slag wa88eperated into iτon oxide and pu士e iエ011吟pho5−
ph・t・byh・td江・t・HCI・・1・ti・n(5〜10%)・lt h・・b・・n・・nsid・・ed th・t tl・e iron・phosphate exists as(FeO)三P?05・hut accord丘ng to the re5ult of investiga−
tion, the molal number of FeO;Il combined with P205 was recognized to extelld between 2.5to 3.O from the analy5三s of seperated phosphate・assuming that its foτmu1皿is expエessed a8(FeO)np705, In molten sbgs・the equilibτium relation between ferrous and ferric phosphate was studies and the conclusion was drawll foτthe 5tate of ph田phorous in molten sl日gs to be Pα iolls.
第 1 壼
1序 言 S・h・ckm・nn及びK・ing・の実謙果
製鋼の際}こ於ける15麟臣応は,C.H.H・・ty に l l拡漂組成FeO÷P・臼・=:(F・砺P・
よれぼ鋼中の燐が酸化鉄FeOによつて先づ酸化さ N⑪・
れてP・0・となり・燐中鳳り之力IF・0と結合 67一
して(FeO)3互05となうとされて居ろ・即ち 692P十5Fロ0・=P2口5十5、Fl三
馳i ._一巡として…°・として
iMP…AI…F・・P…1監識
;lll i:1:1闘1:;i::::i当ll:1
P205+3FcO−(Fεθ)!言θ5 本実』譲は燐酸鉄鉱津中における燐の結合状態を 然るにSchackmann及びKring5〔7〕はFeOに 明らかにし,引いては従来余り明確でない脆燐壁 よる澄燐を研究し,上の第1式はP十5Fe口=Pコ05 溝自の解明に責せんとするを目的とした。
十5Feと置く方が実騒結果に良く適合すると発表
して居り,此の細化戦応の根剛念に反す 皿鉱淫の闘製
る。而もP曾05は梢々高き温堤では箇休として存 実盟を行うに先立ち,先づ燐と鉄との合金を作 在し得十,そのためFeOと結合して存在すると考 るのであるが,之にはP27.5%を合む燐鉄を電解 えられるのであるが,之が従来(FeO)2BO5と考 鉄と共に高周波電気炉により熔かしP9.7%, C えられて居ろのである.然る所上記両氏の実諒結 0.08%のFe−P合金を澗製した。
果中には第1表に示す標に,拡津中のFeOの量が 加うべき酸化鉄は荏酸第1鉄を高アルミナ製タ 少なく到底ζFeOJ2P㌘05が成立し得す,(FeO)、1Pコ ンマン管中に入れ・僅か外気と通する様蓋をし,之 05とおけばnが3より小さくなくてはならない をタンマン炉中で約1200℃に徐々に加熱分解し と考えられる結渠が存在する二 . 約2時間保持後冷却する。純度は分析の結果FeO
_鱗註醸鉱停中の燐の状態 一一 49
93・4%・FeoO遁・4%である。 高温灼熟の酸fヒ鉄は殆んど侵さなし・。3ζ之により 鉱馴製に当つで舗し酬鍋齢屯鉄蹴蝸及び 溶解した燐酸鉄はその後の分析に極めて好都合で マグネシヤを内張りせる黒鉛趾禍を用いた。黒鉛 ある。 (例えば燐酸も同崖燐酸扶を辞解するが,
堆渦は之を高温にてよく灼熱し之にマグネシヤク 分離後の分析には適しない。)
リンヵ一の粉末を内張り後再び灼熱する。此の中 次に此の分離操作をさきに調製した鉱洋に就い に前記の燐鉄壬入れ・高周波炉により熔解する。 て行う。即ち10%HC∫で口し不溶解物と溶液と 熔解後上記の酸化鉄1亡加え・熔けて5〜10分保持 を濾別し,両者のFeとPとを求めた。不溶解物 後JP出して鍋合金でf乍つた金型に流し込み急冷す の分析は鉱津中の至部のFe, Pを求め之から溶液 る。かくて所嬰の鉱洋を得・之を実騒に供した。 中のFe. Pを差引いたもので第2表は此の結果を 温度の圓定には光高温計を使用した。 示す。鉱1宰中のPは殆んど至部溶液中に移行して 間甜珊壁の肥響を避けるため,純鉄増蝸を用い 居り,此から不溶解物は酸化鉄溶液}ま燐酸鉄と考 て鉱津を作つたものが数筒あり,此の漂は長く保 えて良い。間分析方法としてはFeは容量法, Pは 持出来ない故可成り早く取出した。X線分析に用 重量法と容量法とを大部分併用した。
いたものは此の中のものを採用Lた。 第 2 壼
Pの・分布%
1燐離と酸化鉄との分離 i瀞中不繍物i
l 禰 考 No.:一
凝固せる鉱津中では燐は全て何らかの形の燐酸 ;Fe P Fe P l
瓢㌫瓢欝鷲蕊麟?1:ll:麗謬:剴:鴛i脇繍使用
砒の他に酸{ヒ鉄が存在するわけである・そのた 誘1:1:ll::麗:ll・1:;;」幽酬用 め燐の結合状態をしらヰる忙は鉱津中の燐酸鉄と l l i
酸1ヒ鉄とを分離し,燐酸鉄中の燐と鉄とを分斤し
その比を求むれぽ良V・。 IV鉱津中の燐酸鉄
此の分離に就いては先づ純粋な燐酸鉄と酸化鉄 以上の如く分離し得た燐酸鉄溶液を分析するの とを作り・夫々のガス或は騒薬に対する性質を検 であるがその前にPが全て正燐酸の形にあるか,
討した。今の場合必要なものはガス或は試藥によ 或ぱ一部他の形の燐酸であるかが考えられる。此
り一方のみが変形或麟解されi而も分灘F・とP にはPの分析に当り,溶瀧KMnO、繍i・て処
との分析に差支えないものが必要である。 理せるものと処理しなv・ものに就きPの分析を行 燐酸鉄には人工的に調製し得るものに第1及び うと第3表の如く,Pは第2燐鰍の2纐ある・輌も徽ソーダと第 第3表
㌶㌶撫蕊慧≧鴎欝 一竺一一嬢魎せず
鉄の方は一旦乾醐瀕瀞下で醐熱 1川ll:1川隠
する。純度は第1燐i酸鉄の方がFe3(PO4)0942% l l
FePO45.6%で,第2燐酸鉄はFePO4として98.4 殆んど良く一致し.其故Pは全て正燐酸P205の 96である。燐酸鉄は以上に得た高温灼熱の第1酸 形にあると考えて差支えない。
化鉄及び市販第2酸化鉄を高温に灼熱せるものを 攻に鉄は必十しも全部が第1鉄でなく,第2鉄 用うる。 の存在も考えられるので二三のものに就き求めた さてガスとしては禰々の温慶の水素,試薬とし が,第4表の如く第1鉄に比し非常に少ない。此
ては麺々濃度をかえた無機酸,有機酸,アルカリ 場合試料を炉外に取出してから酸化する事も考え 等にて試監した。その結果最も適当なものは極め られる故,〜二Lでは蚕鉄を採用する。第2鉄の影 てうすい塩酸(5〜10%)であつて,之は沸騰点 響は攻節で蓮ぺる様に殆んど影響ないと考えて良 以下の熱溶液で前記燐酸鉄を完全に溶解するが, い。
50 _一嘉村半八・沢村企好一
第4表 ヘゴニ=ミ
N仏1第ユ鉄…第2鉄 } メC F[、{轍1鵬
1 寸
12 29・82 i O・96 1
・6 2R・681 ・・77
次に分離せる溶液を分析せる結果及ぱ11の値は 1 第5表の如し。又温度とnとの関係を画くと第1 」
A.C. i喜1 PILミア1甘49
←F 囂n電対
F ワノマン炉
図の如くなり・nの値は大体2・5と3との間で・ ラ十2図
酸の齢程大と勧3に近づ順向舗する・ れてタンマン炉内で加糺温度醐の位置に入れ
恥必すしも(FeO)・Pρ・の形でな峰が分る・ 舶金.白金。ジウぷ電対江測る.試料が炉
第5表 よ曙生する翫性気物影鞭うけな嚇高ア
燐酸鉄化合榊のFeとP ルミ1瑚±齢上部を紛炉の外に出して置く。カ、
輪i
ni1250132]611り.951057、110.4181 275 の温度の鍍津が附着して来る。』七の第1及び第2
13
∂⇒耀・:一姐/2:69−一
132q29・95111・82 0・53510・382 2』0 此場・合柑ま筒壁から酸fヒ鉄が入る事も一応考えら
15i136°P四゜°奄hL脳〔L°18°−37°i 2 81 全部溶ける故試料中には酸化鉄が混じていないも 14 P135°13『1 36≡12i° 3672 95 れる事〜が・甫訂記の・・=酸で処理すると
iil羅:開::霊
.輌_i;iii罵のと⌒・㌘警一と第1
31「 ∵.㍗らべるため・純鉄酬中で肱、温度
N・・21は純鉄柑塙を使用せるもの 熔融燐酸鉄の分析
ll 此の酸鉄鉱津の構造をし 1 ∫ Fc・(PO4)o+F¢PO4
万「 ^ …己 … 熔解徐冷せるものをX線に
1⇒鍵lpii⇒鴎(Pα}
・ , 33 1 1⑪90 _ . l I
分析1江% ご1・・として
i てしらぺ酬結麟なく 32…i1°7°111
口。1期即0ガフス質であり未だ構造が 34 』ヨ 寝 求まらない。伺天然に存在 35i 刺口 する(F。0)卍、0,はS・h・・ 駈1 f日τzjkite円であり,之は正方晶系である。 37 i 381
、、、。……、.甜142:肪1、6.82
12001 1220 1 0.88 127010・90
1300 } 0.71
1 11 一
L73143.45114.82 1.33 4390 14.67 1
0.92145.42|17.30
前節で分析して得た鉄は至鉄で,此の中には当
然第2鉄も含まれているわけで従つて第2燐酸鉄 iよoo! 互
v嬬髄の時 @ c…il:1:已1
妬』[、6.81
45−58i 17−15 46.12!17.30 45.22 16.98 1 45.51L 17.52
L
4.81 3.70 4.20 2.51 2.39 2.46 1.92 1.49
L42
1 95.19
96.30 95.80 97.49 97.61 97.54 98.08 98.51 98.58
1㍍1㌶鵠撫:㌶濃ll三 ^1叫 \\
か否か此点からもしらぺる必要がある。そのため 1°eCL_
究の実験を行つた。 1 2 3 4 5
第2因の撫細長い繰棚中に前記の調製せ 早゜パ
貫3⊆
る第1燐酸鉄を入れ,之を商アルミナ柑禍内に入
一一
@鱗鼓鋲鉱淳中の燐の状態 一 51
及び第2燐酸鉄の合計は殆んど100%に近い。第 第7壼賢諺慧ぎ麗:i三蕊㌶萬芸1慧…、:6蝪,口姜諦三i
通り温度高くなる程FePqの量が少なくなる。又 3816.361:27.1 1.420 ii 1.94×〃 i 5.2go
:認:鷺驚麟獅勺麟ll i::ll l…劉:!lliil:1:二鳩:
以上保持せるものは平衡に蓮せるものと考えて良
係を表したものが第3図である・第3図より分る 36i6.・、1、6:gl、四1・、:2、. 15燗
羅麟灘て馴合の第・及渓Kl
第3図より判る通 F評O。㌣ 54
㌫璽欝覧㌶3・い゜3°_ 1:5・
量は勧て少なく・2°u 135°
1200℃で高々3%で 10ト
あり,他を至部F・・ L_____ 1」 5
盲遍一..
㌔ 瓦\ζ・ヨK2
\坪
\
8 60 6? 巳』 66 ε8
(po・)、とし,此場 iC三゜二σ4已 ÷・1♂
合Feを全て第1当 寺4匡 汗5国
と考えて(F・0)・P・0・なるnを求め祉297(一 此蝿よ鵬3図の・醐はF。+2F。…−3F,・・
α03x2+α97×3)となつてFePO・の彫噺極め の反応}・よ縛を示し,此様な熔けた聯中では て僅少のもの・と云える。第5表或は第1図より見 FeがFe一及びFe…イオンの形にある事を暗示し
る鋤nは2・7〜agであり此の数は第2燐轍 て居る。更i、
の混在で生じたものとは離られない・故に鞭 F.,(Pα),−3Fピ+2Pα 扶鉱津は必すしも「FeO)3BO5を形成せす・むし FePO、=」Fe…+Pθ;
ろ(F・0)・P・0・を作るど擁る方力寝当である・ 麟の賄からPはPO;〃イオンの形で存在する 事が想、隙されるo
、1熔融津中の燐の歌態 以捷拡張しF・0・酢つた轍せ雛鰍燐
第3図は前述の如く鉄に接触せる第1及び第2 中のPも矢張りPO;F の形態にあると考えられよ 雛酸鉄の平禰を示す。此埼合考えられる反応は う。鉱澤中のPは全て正鐸酸でFeは殆んど全部 Fe十21PePO =Feヨ(Pぽ)7 が第1鉄であつた。固休の正燐酸鉄1ま前記の第1 Fe十2」Fe…=3Fe 及び第2燐酸鉄で何れもPO4基をもつて居る。
第2燐酸鉄或は第2鉄の量は極めて小さい故熔け 共故鉱澤中の燐酸鉄も(」FeO)・・ P?05艮PちFe・・P?
た鉱{宰を剤想溶液と考え活量係数を1とおけば, 05÷1・とおくよりもFe,・(PO弓)コとおく方が適当と 上式の平衡恒数は夫々 考えられ,之が熔融状態で分れてFビイオンとP
瓦1一書灘‡ 瓢纂㌶鑑遮皇蕊:三霊芦:
瓦,一(F・::!3. い。
(Fe) 賦榊でC。,F。等が梓y状態、識る蹴稔
12α匪C以上の棚劇於ける1°gK・」°gK・を の手段樋じ醜近麟さ」tて熟が・5・, P蹴
求めPると第7勤如三なり・此等と絶棚度剛 いては輌なる形端認されて居ら宇沖には固 数〜Tとの臨掴示する鴎姻の如くなる・ 体の状齢噌推して正轍以タトに他の胸蹴 2つの反応の醜2醐応に於ける縣力ξ路熟 拝ンの継舗ヒているのもあるが訓上時
関願示し裾る・ から榊端靹では麟勲み醜祉糖ら
れる。
52 一嘉村卒八・沢村企好・_
らFeOにより作られた熔融鉱淳中でもPがP
m結 言 α当オンの釈あり,鵬形の醐でな峰
凝固及ぴ熔融燐酸鉄鉱浮中に於ける燐の結合状 が推論出来る。伺此事から凝固鉱津中の燐酸鉄 態を研究し・研究を総括すると次の如し。 はFe,、(PO4)oとおく方が適切である。
(1)燐酸鉄鉱淳を燐化鉄と燐酸鉄とに分離するに は5〜10%の稀塩酸が最も適当である。
(2)鉱津中の燐酸鉄を分離しFeとPとの割合を 文 献 求めると必すしも(FeO)三耳05とならす一般に (1)C.H.Herty:Trans.A.1.M.E.
(FeO)・p⊇05とおけばnは2・5と3との間にあ 73(1926)P、1107 り・温度の高い所ではnの値が高くなる傾向が (2)Schackm且nn und Krings:Z、f.a皿019.al19.
ある・nが3より小さ嘩は結合の不安定な事 Ch・㎡・.田3(1933)P.161
を示すものと思われる。第2燐酸鉄の混在する (3)A.McCane:」. of Iron and Steel. Inst.
量は極めて少ない。 Sp.τeport No22(1938)P.367
(3)Feに接する熔融状態の第1及び第2燐酸鉄の (4)T. Tokody:Zeit. Krist.62(1925)P.123 輪関係を求め・嶋のものではPがPO; イ (5)A.E、 M・・tin・nd G.D・・g・・T・an・. A」.M.
オンの形にある事が想像される之と他の結果か E.Iron and Steel Div.154(1興3)P.105