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表現のグループ創作過程における 人間関係の研究
体育研究室 助 川 貞 子 熱 田 緑 茨大附属小 松 丸 令 子
木 村 順 子
1 研究目的
舞踊表現に於いて,グループの在り方が作品の成績に深い関係をもつものと思われるの で表現のグループ創作過程における人間関係をみるために,小学校の5年生を対象にし て,条件の異った4種類のグループを構成して,作品成績との相関を分析し,よりのぞま
しいグループの在り方を追求したものである。
皿 研究計画 予備実験
対象 茨大附属小学校5年生126名
期日 6月1日〜6月iO日
内容方法
L 全員に向性検査(淡路・岡部式)を実施し,そのVQに基ずいて上。中・下の 3段階に区分した。
2. 昨年度の実験から知能上。中の者,表現能力上・中の者を抽出した。
3.条件にあった男児3名,女児3名のグループを編成した。
4. ソシオメトリーにより,等質グループの中1グループだけ人気のない子を指名リ 一ダーにする。
本実験
対象 茨大附属小学校5年生48名 期日 6月13日〜7月15日
232 茨城大学教育学部紀要 第十七号
抽出の構造
\グループ \
燉e一\ A t B c i D
}一屑一一一一一一
@知 能 中
P
司一一中
中1中1 [ 中一
@ [性 格 1 中
@ 1
中 中
中旨巨陸
中表 現 中
1
?P中 1
中 中 中 上 上
性 別 男 3
浴@3
男 31男 3女 3 女 3
男 3
浴@3
男 3
浴@3
男 3
浴@3
男 3
浴@3
男 3
浴@3
1リーダ
u互選 指 名 互選 指 名 互選 指 名 互 選 指 名
内容方法
1.各グループの表現で等質グループを2グループずつ編成した。
2.課題 夕立 をグループで創作させた。
3. 表現の行動範囲は8翅×6η
4.45分ずつ5回を指導助言なしで表現させた。
5.行動観察を毎時記録にとる。
6,話し合いを録音にとる。
7.表現後1回〜5回迄ソシオメトリー,動機ずけ,内省記録を毎時とる。
8,1回目と5回目の作品を8ミリ撮影し,4人の観察者により評価し,得点化した。
皿 研究結果と考察
考察1ゲループの拡張性と作品成績との関係
グループの構成と作品成績の関係とは,深い関係をもっている。之はリズム運動のみな らず,他の運動学習においても同様で,グループ構成を十分に考慮して,指導にあたる必 要があると思う。
グループ構成の意義は,児童たちが協力しあって,計画的に学習を進めることにある。そ れには児童たちの性格,環境,体位,体力,知能,運動能力等それぞれみな異質の児童が 協力しあって,共通の目標や,各自の目標にむかって,計画的に学習にのぞむためには,
グループの構成が大きな問題となってくる。望ましいグループを構成することによって,
始めて助け合いの学習が生まれ,技能の向上が期待され,学習の能率を図ることが出来 る。又,自主性を育てるもとになり,よい作品を創造することが出来る。
本実験では,等質のグループ構成をもって試みた。
助川・熱田・松丸・木村:表現のグループ創作過程における人間関係の研究 233
グループの構成が作品成績にどのような影響を与えるかを検討するために,各グループの 拡張性の高いものから順位化し,作品成績の順位との相関をスピアマンの係数によって算
出した。 表1
表1は拡張性の得点化したもので,(各 第1回1第5回、差1順位
グループ1は互選リーダー・各グルー A1 i433釧・α。・巨67} 8
プ2は指名リーダー)第1回の点数を A24Z17}541アIZ・・1 6.5
みると,1位は表現能力上のD2グル B1 陣6715417レ5。猷5
一プで50.83,2位はA2グループの B2 45.00 5584i1α8415
47.17,3位はB1グループとC1グル C1匝67 6旦831酬61 1
一プの46.67,となり最下位はD1グル C2i・417 6417}2q。・i2
一プの42.50,となった。1位のD2グ D1 42.50 ・a332α831 3
ループと最下位のD1グループは,表 D215α836α83i1位・・14
現能力上位のグループである。
第5回目をみると,1回目の時3位のC1グループが1位で65.83,と大きく拡張性が伸 びている。2位はC2グループで64.17,と外向性の両グループが上位を占めている。3位 はD1グループで63.33,と1回目の場合最下位であったグループであるが,5回目は3位
・
ニいう高い拡張性がみられ,4位は1回目の時1位であったD2グループで60,83,となっ
た。
外向性のC1グループが1位・C2グループが2位を占め,表現能力上位のD1グループが 3位。D2グループが4位となり,最下位はA1グループの50.00となり,1回目より低い 拡張性がみられた。グループの拡張性の面からみると,外向性のグループに協調性がみら れ,よいまとまりがみられた。これは性格的な面が反映されていると思われる。
表2 表2は作品の得点化で第1回の点数をみる
陶回1第5圃 差 i順位 と,1位は知能上位のBlグループで90,
A1 15。175}25i5 2位はB2グループの80,とBグループが
A2「3・レ3 143 16 非常によい作品成績を示している。3位の
B1 9・16。1−3。 8 D2グループは70,4位はC2グループ・
B2 8。t・・i 一1・ p 7 D1グループの60,となり,最下位はA2
C1 5,178 い8i 4 グループの30,で,Bグループの90・80に
C2 ・。18.12・「3 比べ大きなひらきがみられた。Bグループ
D唄6Q}8512512 の場合動きにおいても,他のグループに比
D2レ・188 181 1 べ各人それぞれに良い動きを出し,動きに
船4 茨城大学教育学部紀要 第十七号
変化もみられた。
両Bグループの1回目の話し合いの録音によると,他のグループに出ている雷,稲ビカ り,雨雲,木,虹等の言葉の他に,風の向き,雨雲の広がり,夕立による被害,人間の苦 しみ,ぼんやりした明るさ,ざわざわしている,じりじりやってくる等,タ立に対するイ メージも他のグループに見られない豊かなものを持っている。いろいろ出た意見は,どの 様に動きに表すか,表す内容は雨が降り出し一風も強くなり一稲ビカリがする一ざわざわ
しているのが大きくなって一ひどくなったところをクライマックスにしょう,或いは1人 1人がバラバラに動いてはだめだ等と動きに入る前の話し合いに表現方法まで出ている。
又各個人がどんなところをやりたいか,自分はこういうところを中心にやってみたい等活 発な話し合いが出されている。
第5回目になると1回目の時3位のD2グループが88,で1位となりD1グループは85,
で2位と表現能力上位の両グループが予想された通りの上位の作品成績を得ている。
3位のC2グループは80,4位のC1グループは78,と外向性のCグループが,表現能力 上位のDグループに次ぎ,1回目最下位のAグループがBグループより良い成績をとり,
5位のA1グループは75, A2グループは73,となり1回目最高得点を示したB1グループ は8位で60,という最低の成績であった。
Bグループの1回目に見られた変化のある良い動きはどうしてしまったのか,5回目の作 品には現れていなかった。Bグループの場合5回目の話し合いの録音によると,殆んど作 品は出来上り,部分的に雲と風の動きの違いを出したい,練習1回毎に別灯の人が見てい て意見を出す,動きの切り変えをはっきり,又木のたくましい感じを出す,大自然につい て等それぞれ自説をはっきりと出した意見は多いが,まとまりはみられなかった。
又,動きの記録をみても各人は良い動 表3
きを出し合っていたことからみて,知 グループ膀雛階鞭種d d・
能上位の者は自己主張が強すぎ,協調 A1 8i5ia・陣。・
性が生まれないままに,終ってしまっ A2 垂Tいiα51α25
たものと思われる。 B1巨5181−1・51225
表3はグループの拡張性と作品成績を B2 5レ1−2・14・・
順位化したもので,相関係数はrs=0. C1111・1−a・1軌・・
575である。従って拡張性の高いグル C212i3ト1・・11…
一プほど良い作品成績をうる傾向があ Dli3 2 1・・11…
るといえよう。このことから表現能力 D214 1ia・い・・
のよいDグループ・外向性のCグルー rs==0.575 Σコ 35.50
助川・熱田・松丸・木村:表現のグループ創作過程における人間関係の研究 箆6
プが,拡張性も高く作品成績も上位を占めており,知能上位のBグループが,拡張性も作 品成績も共に下位であった。
考察2 リーダーの社会的地位と作品成績との関係
グループの中でリーダーの存在は,人間性により大きく影響を受けることは,他のグル 一プ学習にも表れている。舞踊創作に於いても作品に強い影響を与えていると考えられ る。等質グループの中の1つを互選リーダーとし,残る1つのグループはソシオメトリー の最低の者を指名し,リーダーとして実験を行った。
表4 表4はその結果で,第1回目のリーダーの社
第1回1第5回 差1順位 会的地位の高かったのは,1位のA1グルー
A1 60 68 81 4.5 プ・C1グループ・D2グループのリーダー
A2 48 64 16 7 で各〃60の価を示した。2位はB1グループ・
Bli 56 i 68 12 4.5 D1グループのリーダーで各56,を示してい
B236164 i 28 i・ る。最下位はB2グループリーダーの36,で
C1 ・・ P72、 1213 1 1位との差が大きくみられた。
C2148 i 641 16 7 第1回目の場合,Dグループを除いて他のA
Dli 56 i 84128 1
グループ・Bグループ・Cグループ共,指名
D21 ・・ 奄V6 16 2 リーダーより互選リーダーの方が社会的地位
が高いのは,当然のことである。
然し第5回目になると,1回目2位のD1グループのリーダーが1位となり84,と大きく のびており,2位は1回目1位であったD2グループのリーダーで76,3位はC1グループの
リーダーで72,となり,最下位はA2・B2・C2の各グループリーダーの64,であった。
5回目は1回目の様に大きなひらきはみられず,A・Bグループのり一ダーの差は4となっ た。これは指名リーダーで等質グループの中,互選リーダーよりは社会的地位は低いが,
その間の差は1回目ほど大きなひらきはなく,接近していることがみられた。
リーダーの社会的順位は表現能力上のDグループのリーダーが1・2位を占め,3位は外向
性のC1グループのリーダーとなっている。以上の点からソシオメトリー最低である指名 虞
リーダーでも,責任のある地位にあれば,互選による社会的地位の高いリーダーには及ば ないが,互選り一ダーに近い活動がみられ,自己の責任をはたす能力をもっていることが みられた。指名リーダーのグループのメンバーは,指名されたリーダーをたててその責任 をはたす事に協力して,もりたてていることも伺い知ることが出来た。
又,リーダーの社会的地位と作品成績との関係を表5によってみると,リーダーの社会的 地位の高いD1グループの作品成績は2位となり,リーダーの社会的地位2位のD2グル
236 茨城大学教育学部紀要 第十七号
一プの作品成績は1位となり,リーダー 表5 の社会的地位の高いD1・D2の両グルー o
Nルーフ 筋雛防悟懲 d d2
プは作品成績もすぐれていることがみら A1 45 1 5 1 一〇.5 0.25
れた。 A2 7 6 1.o 1.OO
リーダーの社会的地位3位のC1グルー
B114518
一3.5 12.25プは作品成績4位となり,最下位である B2
・レ1・i・
A2グループは作晶成績6位, B2グルー
C1旨 3 1 4 1 1 1−L・i1・・。
プは7位となり,同じ最下位のC2グル C2 7 3 140h6.00 ! 1
一プの作晶成績は3位となって,よい結 D1 11 Qi−1・。巨・。
D2i2[1
い。 1.00果がみられた。 1 [
rs=0.652 Σ] 32.50
リーダーの社会的地位によって,作品成
績がどのように影響されるかを相関関係によってみると,rS=α652,で社会的地位の高一
いリーダーの所属するグループほどよい作品成績が示めされている。
作品成績上位のDグループは,当然よい成績を示すものと予想していたが,互選・指名両 リーダー共,よくその職責をはたしていることがわかった。
表6 表6はグループの拡張性とリーダーの
1グルー桶雛驕雛 1 「п@ld2 社会的地位との相関を現わしたもので
A娼81…5レa・11Z25 rs=0,3104である。グループの拡張性
A2巨5[71α5iα25 がきわめて作品成績に,重要なファク
B1 猷5145ト2・4。・ ターであることが推測された。
B21 5 ト
7 2.σ 400 考察5 作品成績が及ぼす要因分析
c− 1 1
3 a・i4・。 作品成績に関する要因として,グル
C2 2 1 7 ト : 5・125.・
一プ構成とリーダー発生とをとりあげ
D日3[11−Z・ 4.OO 要因分析をした結果,表8の様にグル
lD・ 412旨Z・ 4.OO 一プ構成のみが,5%レベルで有意で
rs=0.3104 Σコ 57.50
あることがわかった。
表7は作品成績の互選リーダー 表7
のグループと指名リーダーのグ A lBl引 D iTi lXi
ループによるもので,Aグルー 互選175 16,178 [85 298レ45
プを除いては互選リーダーのグ 指名17317。18・881311 77.75
ループよりも,指名リーダーの Tj i1・8 i13。 158 [P731・.9 i
グループの方が作品成績はすぐ Xj 74 165 79 18¢51 ・猷125
助川・熱田・松丸・木村:表現のグループ創作過程における人間関係の研究 237
表8 れている。これは考察1のグ
1平方和廟劇平均平方IF・ ループの拡張性と作品成績の
グルー蒲成48a375i 311627gila。・・※ 項で示された様に,拡張性の
リーダー発生121・1251112L12511.69 高いグループほどよい成績を
誤 差13Z38。13112.・・ うる傾向があり,考察2のリ
全体(・)・4猷88・7[ i 一ダーの社会的地位の高いグ
※ 5%で有意 ループ程,作品成績は良い得 点が得られていることがみられた。
又,作品成績1位・2位を占めたDグループについては,実験前からの予想通りであった が,Bグループは考察1・考察2で明らかなように拡張性についても, C・Dグループより もおとり,リーダーの社会的地位においても,C・Dグループに劣っている。
知能上位の者同志でグループを構成した場合,各自それぞれよい動きがみられたが,結果 として作品に現れていないのは,1回目から5回目までの創作過程における人間関係にあ ると思われる。1回目から5回目までの話し合いを録音テ〜プで続けて聞いてみると,1回 目は個々のもつイメージをそれぞれに発表し合い,話し合いの内容は巾も広く,深くつっ こんでおり,2回目になるとB1グループでは,作品の順序を追って部分的に内容をまと め,だんだん気持ちが悪くなりなまぬるい風が吹く,ゆっくりな動きより少し早くして柔 かい感じを,各個人が自分勝手に動いていないである程度揃ってやる,風は集団で動いた 方がよい,等と話し合っている。B2グループは雷は1ケ所だけでなくアッチコッチで動い たら,雨は木を中心に廻り乍ら降ってみる,風を表わすのに木でやったら,雲はかけ廻っ ていないで全体でやってみる等と,どちらのBグループも部分的に表わす内容について,
意見を出し合うだけで「そう決めよう」と1人として言い出す者もなく,わずかにB2グル 一プの指名リーダーが,「それがいいね」と皆の意見の合間に言葉をはさんでいる様子が みられた。
3回目になるとB1グループでは,昨日は稲田君に観てもらったから,稲田君の意見から 聞こう,と始まり稲田君は「内容の1では低い感じを出し2ではまだ少し弱い感じや,もや
もやした感じをよく出して降り始めの感じを出し,3でははげしくいろいろのことをやり,
後はある程度揃うようにし,4はすがすがしい感じを」と結んでいる。すると今日も1回毎 に別の人が見て意見を出そう,と言う話し合いがなされている。B2グループは,雲ほ風 に吹きとばされる,2番目を山に変化をつける,もっとわかり易くやってみる等とB1・B 2グループ共に話し合いは短かになり,表現に入っている。
4回目のB1グループは話し合う事を計画的に進める,皆の動きが風は風らしく,雲は雲ら
%き 茨城大学教育学部紀要 第十七喜
しく動かないと何をやっているのかわからない,雲は離れないようにするがだんだん広が って行きかぶさるようになり,風はその間をつきぬける,雨は表せないが何かで表現出来 る,音楽があるといいね,等あり,その後は内容の順序を確認し合っている。B2グルー プは風がゆるくなって虹が出る,風に吹きとばされて雨と雲がなくなる,動きをもっとわ かるようにしなくちゃね,曲がないから,雷の動きを斜にしたら,ごろごろところげても いいね,雷は逆立ちして動くか,雷をドカドカ足ですればはっきりする,雷の2人がぶっ かってみる,と両グループ共に表現内容を具体的に取りあげ,より効果的な動きにして行 こうとしているが,意見として終ってしまって「決めよう」と云う言葉は出て来ない。
又共通話題として曲があったらと言うことを挙げている。
5回目になると最終段階のまとめらしく,夕立の後は気持がいいのをそれぞれに表したい,
表現内容を確認し合っているが,意見は多く両グループ共それぞれがタ立ちに対して描い ているイメージをどこまでも出し,相手の発言に対して同調することはみられない。
個々の動きではよい作品にならないことも認識しているが,皆んなで一つの作品を作って 行くと言うことに協力的になれない事が,よい作品にならなかったようである。
Aグループは雨の降っているところがむずかしい,タ立ちの始まるところの表し方がむず かしい,稲妻は横になったり縦になったり,雨をどうやればよいか,等と1回目は言葉を 動きにすることが困難の様子であった。
2回目は雷を手でやれば,夕立ちの前のうすぐらい入道雲が出る,地面が生きてるような 感じ,稲ビカリでたゴぐるぐる廻っても何をやってるかわからないし,雨は雨でやってみ
る,雨ってむずかしいね,風と雨と同じ様な動作になっちゃう,等と皆1つの話題を中心 に考えているが1回目同様言葉を動きにすることがなかなか出来ない様子であった。
3回目雲が出て雨が降って終りではもの足りないね,虹を出そうよ,と少し具体的な話 しに入って来た。
4回目になると昨日出来なかった動きの虹を中心に皆いろいろ話し合った。
5回目は表現方法から空間の使い方について話し合った後,表現内容の順序を確認し合 っている。Aグループの話し合いは全体的に見ると,1人が話題を出すと全員がその話題 を中心によりよくして行こうとして協力的な話し合いをしているが,Bグループに比べる と各自のもつイメージには巾も狭く発展はなかった様に見うけられた。
Cグループは,具体的に夕立ちで雨が中心なんだから,観ている人にわかってもらわなけ れば何にもならない,もっと時間をかけて雨の表情をどうしたらよいか,皆んなの意見を 出し合い動き乍ら考えようと誰れもが雨について,自分の考えているようにやってみる。
又回を重ねるごとに前日の反省をしている。5回目は,今日は力いっぱい自分のやるとこ
助川・熱田・松丸・木村:表現のグループ創作過程における人間関係の研究 23φ
ろをはっきりして行く,直して行くところ工夫するところ,タイミングが合うように,又 こんなところはもっとオーバーにもっと続けたり,こんな表情はどうするとかありません か,と最終日にふさわしく話し合いをまとめている。
Dグループについてみると,普通の木では余り動かないから柳の木になって動きたい,風 は押すみたいな表情になる,音楽がない,虹で最後の表情をとりたい,又話し合いの途中 で雨の動きはここをこんなふうに……と動き乍ら具体的な話し合いになったり,絵の様に 本当の事ぢゃなくても少しウソと言っちゃおかしいけれど,つくってもいいよね,等他の
グループに見られない内容もみられた。
話し合いの内容は豊かであり話し合いは皆意欲的であった。
まとめ
以上の考察からグループの拡張性,リーダーの社会的地位,個々の表現能力がかねそなわ っている時もっともグループとしてのよい作品成績をあげうると考えられる。
特にこの中で重要な位置を占めるのはグループの拡張性とリーダーの社会的地位である。
グループを構成するのに強い個性を持った者同志では,グループはまとまらず,特徴のな い者のみでグループを構成すると人間関係において望ましいグループ構成とは言えず,作 品成績も低い。リーダー発生についての有意性はみられなかったが,グループのリーダー は人間関係も左右し作品成績にも強い影響力を持っているが,互選リーダーと指名リーダ 一についてみると,ソシオメトリー最低の指名リーダーがソシオメトリー最高の互選リー ダーに比べ,指名リーダーは創作過程において十分に責任をはたしているのをみると,活 動のできる場とチャンスを与えてやれば,他の学習において発揮出来ない者でも舞踊創作 過程においてすくってやる事が出来ることがみられた。グループの拡張性は作品成績に重 要なファクターをもっことからグループ構成について,今後異質グループでいろいろ試み てみたい。
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参 考 資 料
リズム運動 大学女子体育研究会 1963年 明治図書 学校に於ける舞踊 江口隆哉 日本体育社
舞踊創作の理論と実際 渡辺江津 明治図書
ヒーザ・ゲル 大修館書店児童のためのリズム運動 河井富美恵訳
体育心理学 松井三雄 体育の科学社 小学校体育指導書 文部省 1960年