南硫黄島の陸生大型 甲殻類、特にその垂直分布 について
佐 々 木 哲 朗1*、 山 田鉄 也2、 向 顕 嗣1、 堀 越 宙1、 飴 田 洋 祐1、 関 口 匠2
Altitudinal distribution of large terrestrial isopod and decapod crustaceans on Minami-Iwo-To Island
Tetsuro SASAKI1*, Tetsuya YAMADA2, Akitsugu MUKAII, Sora HORIKOSHI1, Yosuke AMEDA1 & Takumi SEKIGUCHI2
1.特 定 非 営 利 活 動 法 人 小 笠 原 自 然 文 化 研 究 所(〒100‑2101東 京 都 小 笠 原 村 父 島 字 西 町) InstitUteofBo血ology,Nish㎞achi,Chichijima,Ogasawara,Tokyo100‑2101,Japan.
2.ダ イ ビ ン グ サ ー ビ スKAIZIN(〒100‑2101東 京 都 小 笠 原 村 父 島 字 奥 村) DivingServiceKAIZIN,OkUnura,C㎞c聰Ogasaw㎜,晦100‑21‑1,Japan.
*t ‑[email protected](authorf()rcorrespondence)
要 旨
南 硫 黄 島 にお い て 等 脚 目フナ ム シ科 フナ ム シ属 、 十脚 目オ カ ヤ ドカ リ科 お よび イ ワガ ニ 科 カ ク レイ ワガ ニ 属 に属 す る陸 生 大 型 甲殻 類 の 垂 直 分布 を調 べ た。 確 認 され た6種 の 分布 範 囲 は種 に よ って 異 な り、 フナ ム シ属 の1種 、 ア カ カ ク レイ ワガ ニ 、 オ オ カ ク レイ ワガ ニ お よび サ キ シマ オ カ ヤ ドカ リは飛 沫 帯 に、 ム ラサ キ オ カ ヤ ドカ リは飛 沫 帯 か ら標 高80m程 度 の海 岸 林 に、 カ ク レイ ワガ ニ は飛 沫 帯 か ら標 高900mに 達 す る 山頂 まで 分 布 す る事 が 解 っ た 。
キー ワー ド 海 岸 林 、 雲霧 林 、 生 息 環 境 、火 山列 島 、 小 笠 原 諸 島
1.は じめ に
南 硫 黄 島 の陸 生 大 型 甲殻 類 は、等 脚 目フナ ム シ科 の フナ ム シ属 の一 種 、 十脚 目イ ワガ ニ科 のオ オ カ ク レイ ワガ ニ お よび カ ク レイ ワガ ニ 、オ カ ヤ ドカ リ科 のヤ シガ ニ 、 サ キ シ マ オ カ ヤ ドカ リお よび ム ラサ キオ カ ヤ ドカ リの6種 が 記 録 され て い る(武 田、1983;佐 々木 ・堀越 、 2008)。 陸 生 大 型 甲殻 類 は 島 唄 の 陸 上 生 態 系 の物 質 循 環 に お い て 重 要 な役 割 を担 う生 物 グル ー プ のひ とつ で あ る(PaulayandStamier ,2011)。 南 硫 黄 島 に お い て も、 陸 生 大 型 甲殻 類 は海 鳥 類 に次 い で 体 サ イ ズ が 大 き く、カ ク レイ ワガ ニ や ム ラサ キ オ カ ヤ ドカ リな どの 一部 の種 は 多 産 す るた め生 物 量 が 大 きい 。 ま た 、大 型 種 の食 性 は繁 殖 して い る海 鳥 類 や そ の 死 体 、無 脊 椎 動 物 や植 物 に も及 ぶ 雑 食 性 で あ り、捕 食者 と して も分 解 者 と して も同 島 の 陸 上 生態 系 の物
質 循 環 に 関与 して い る。陸 生 大 型 甲殻 類 の 生 態 盾報 の把 握 は 南硫 黄 島 の 陸 上 生態 系 を理 解 す る上 で 重 要 な要 素 とい え る。
フナ ム シ属 は一 般 的 に塩 分 の影 響 が 及 ぶ海 岸 に生 息 す る海 洋 生物 で あ り、現 在 世 界 か ら42 種 が 報 告 され て い る フナ ム シ属 の うち、厳 密 な 非 海岸 性 種 は8種 に 限 られ る(San㎞ ㎜ada etal.,2013)。 小 笠 原 群 島 は 数 少 な い 非 海 岸 性 フナ ム シ の 分布 域 の ひ とつ で あ り、海 岸 性 固 有 種 で あ るア シナ ガ フナ ム シ 五顧 αγα〃2α傭 航 の他 に 、母 島 の 高標 高域 に位 置す る雲 霧 林 か らは オ ガ サ ワ ラ フナ ム シ 五頓 励o伽 θ傭 が 、兄 島 お よび 父 島 の河 川 淡 水 域 か らは ナ ガ レフ ナ ム シ 五面 αホo肥〃〃coZαが 確 認 され て い る(Nunomura,1979;Nunom㎜,1990;Nunomuraetal.,2011)。
こ の様 な3つ の 異 な る環境 に固 有 フナ ム シが 生 息 す る地域 は他 に 知 られ て お らず 、小 笠 原 群 島 は 甲殻 類の 海 域 か ら内陸 へ の 適応 過 程 を示 す 世 界 的 に 貴 重 な 事例 とな っ て い る。火 山列 島 に位 置 す る南 硫 黄 島 か らは海 岸 種 が確 認 され て い るの み で あ るが 、過 去 に本 グル ー プ を対 象 と した 陸 上 調 査 は実 施 され て い な い 。南 硫 黄 島 は小 笠 原 諸 島 にお い て 最 も標 高 が 高 く、 陸生 フナ ム シ 類 の 生 息 環 境 条 件 の ひ とっ で あ る雲霧 帯 が安 定 的 に形 成 され る た め発 見 が 期 待 さ れ るた め、本 グル ー プ の分 布 調 査 を実 施 した。 ま た 、本 調 査 で は 将 来 的 な小 笠 原諸 島全 体 の
フナ ム シ類 の系 統 解 析 に 向 けた 遺 伝 子 サ ンプ ル の確 保 も合 わせ て 実施 した。
イ ワガ ニ 科 や オ カ ヤ ドカ リ科 に属 す る陸 生 十脚 目 甲殻 類 は 、抱 卵 した雌 が海 洋 に幼 生 を放 出 し、浮 遊 幼 生 が一 定 期 間海 域 で過 ご した後 に稚 ガ ニ 、稚 ヤ ドカ リとな っ て 陸 上へ と生 息環 境 を移 す 生 活 史 を持 って い る。 南硫 黄 島 で は 、 カ ク レイ ワガ ニ が海 岸 部 か ら標 高916mの 山 頂 付 近 にお い て も確 認 され て お り(武 田、1983)、 そ の 生 活 史 を 考 慮 す る と特 異 的 に 内 陸 へ の 進 出 を果 た した 種 と して 興 味 深 い 。 しか し、本 種 の垂 直 分布 に 関す る情 報 は他 の調 査 中 に行 われ た 偶 発 的 な観 察機 会 に基 づ い て お り、そ の他 の 十脚 目 甲殻 類 を含 む 同 島 に お け る 生 息標 高 の把 握 に は調 査 の 余 地 が あ る。本 調 査 で は踏 査 ル ー ト上 の地 点 お よび 区間 毎 に、各 種 の生 息 の有 無 を調 査 し、各 種 の垂 直分 布 を記 録 した。 また 、 同 島 の物 質循 環 の特 性 を将 来 的 に小 笠 原 群 島 と比 較 す るた め、 安 定 同位 体 分析 に供 す るサ ンプル の確 保 を行 っ た。
2.材 料 と方 法
2‑1.フ ナ ム シ属 の分 布 調 査
フナ ム シ属 の 分布 調 査 は 南 硫 黄 島 の海 岸 域2地 点 、海 岸 林緩 斜 面1地 点 お よび 調査 ル ー ト 上 にお い て 行 った 。海 岸 域 は ア カ テ ツ パ ラダ イ ス 前 の海 岸 部 潮 間 帯(図1‑A4)お よび 海 岸BC 前 潮 間帯(図1‑R4)で あ る。海 岸 林 緩 斜面 はア カ テ ツパ ラダ イ ス(図1‑A3)で あ る。ル ー ト 上 調 査 は 山頂 部 か ら登 墓 口ま で の 区間 の任 意 の 地 点 に お い て 実施 した(図1‑Rl〜R3)。 調 査 方 法 は主 に岩 表 面 、転 石 下 を探 索 す る事 に よ り行 った 。 これ ま で に 実施 して き た父 島や 母 島 の調 査 経 験 か ら、 フ ナ ム シ類 は海 岸 域 、淡 水 域 、 雲霧 林 と異 な る環 境 に 生 息す る場 合に お い て も、岩 周 辺 や 転 石 帯 にお い て発 見 率 が高 い 事 が解 って い る。 フ ナ ム シ類 が発 見 され た場 合 に は写 真 記 録 と共 に遺 伝 子解 析 用 の標 本 サ ンプ ル を確 保 した。標 本 は99%エ タ ノール 中 に保 存 した 。標 本 は今 後 、小 笠 原 群 島 のサ ンプ ル と共 に遺 伝 子 の 系 統 解 析 を行 う予 定 で あ る(浜
松 医科 大 学 との 共 同研 究)。
2‑2.陸 生十脚 目甲殻類 の垂 直分布調査
陸生大型 甲殻類の生息の把握 は、踏査 にお ける観察記録 、セ ンサーカ メラに よる撮影、箱 型 トラップ による採捕 によって行 った。調査範 囲は海岸(飛 沫帯)か ら山頂部 の範 囲に設 定 した(図1)。 各調査地点お よび各調査 区間の環境お よび確認手法 を表1に 示 した。今後 実施 す る予定 となってい る安定 同位 体分析用 の標 本 は各 地点 にお いて発 見個体数 の多い種 を選 択 して確保 した。採捕個体数 は各地点各種10個 体 を上限 と した。採 捕 した個体は99%エ タ
ノール液で 固定 し、今後の分析 に供す るた め森 林総合研 究所 に送付 した。
3.結 果 と考 察
3‑1.フ ナ ム シ属 の分 布 状 況
本 調 査 にお い て 分 布 を確 認 で きた の は 、既 知の海 岸 種 で あ る フナ ム シ属 の 一種 五顧 αsp.の み で あ った(図2)。 期 待 され た 海 岸 林 や 雲霧 林 にお い て 、新 た な フナ ム シ類 の 生 息 は確 認 で
き なか った 。興 味深 い事 に南 硫 黄 島 で は 、 ワ ラジ ム シ類 な どフ ナ ム シ属 以外 の等 脚 類 も確 認 地 点 は極 めて 局 所 的 で あ り、ま た ハ マ トビム シ 科 の 端脚 類 に 至 っ て は全 く確 認す る事 が で き な か っ た(土 壌 動 物 調 査 の 項 を参 照)。 これ らは小 笠 原 群 島 で は 複 数種 が 多 産 す る主 要 な 土 壌 動 物 とな って い るた め、南 硫 黄 島 の 土壌 動 物相 との 問 に は 大 き な相 違 が あ る もの と考 え ら れ る。
海 岸 にお い て 確 認 され た フナ ム シ属 の 一 種 は 、ア カ テ ツパ ラ ダイ ス海 岸 部 、海 岸BC周 辺 、 お よび そ の2地 点 間 の 飛 沫 の 届 く大 岩 の 日陰 部 や 転 石 下 か らみ つ か っ た。 両 地 点 で は、 直径 2m程 の 大岩 周 りで は30〜50程 の 個 体 が 活 動 して い る姿 が観 察 され た。これ らの 生 息 状 況 は、
小 笠 原 群 島 の海 岸 種 ア シナ ガ フナ ム シ と共 通 して い た。
遺 伝 子 解 析 用 の サ ンプ ル は海 岸 部 の2地 点 か らそれ ぞれ10個 体 確保 した。 今 後 、遺 伝 子 解 析 に よ って 小 笠 原 諸 島 全 体 の フナ ム シ類 の 系 統 関係 の 理解 が進 む 事 を期 待 した い。
3‑2.陸 生 十脚 目甲殻 類 の垂 直分 布
本 調 査 で は、 カ ク レイ ワガ ニ 、オ オ カ ク レイ ワガ ニ、 ア カ カ ク レイ ワガ ニ 、 ム ラ サ キ オ カ ヤ ドカ リお よび サ キ シマ オ カ ヤ ドカ リの5種 の 陸 生十 脚 甲殻 類 が確 認 され た(図2、 図3)。
こ の うち、ア カ カ ク レイ ワ ガ ニ は南 硫 黄 島初 記 録 種 で あ る。2007年 の調 査 で確 認 され た ヤ シ ガ ニ は、 今 調 査 で は発 見 で きな か った 。
確 認 種 の垂 直 分布 範 囲 は種 に よ って 異 な った(表2)。 オ オ カ ク レイ ワガ ニ 、ア カ カ ク レイ ワガ ニ 、 サ キ シマ オ カ ヤ ドカ リは飛 沫 帯 のみ か ら確 認 され た 。 ム ラ サ キ オ カ ヤ ドカ リは飛 沫 帯 か ら海 岸 林 の 範 囲 で 確 認 され 、最 も高 所 は 標 高81m地 点 で あ っ た。カ ク レイ ワガ ニ は飛 沫 帯 か ら標 高900mを 超 え る 山頂 部 に か け て の 全標 高範 囲 に お い て確 認 され 、 特 異 的 な垂 直分 布 を示 した 。今 回 の調 査 で は 、ア カ カ ク レイ ワガ ニ お よび サ キ シ マ オ カ ヤ ドカ リの確 認個 体
数 は全 調 査 を通 して1個 体 の み で あ った た め、今 後 の調 査 に お い て確 認 地 点 が広 が る 可能 性 は あ る。そ の 他 の 種 に つ い て は 、生 息 地 点 に お け る確 認 事例 は コン ス タ ン ト(10個 体 以 上/
地 点 また は 区間)で あ り、 凡 そ の 分布 傾 向 が 得 られ た と推 測 され る。
小 笠 原 群 島父 島で は、 ム ラサ キオ カ ヤ ドカ リは海 食 崖 上 の標 高200mを 超 え る台 地 上 に 達 して い る(佐 々木 、未 発 表)。 南 硫 黄 島 の最 高 確 認 地 点 は父 島 と比 較 して 低 く、100mを 越 え な か っ た。 ま た 、 最 高 到 達 地 点 は崩 壊 地 の 下 に形 成 され た 堆 積 地 に生 育す る海 岸 林 で あ り、
南 硫 黄 島 にお い て は最 も傾 斜 が 緩 く、海 岸 か ら比 較 的 ア クセ ス し易 い 場 所 とい え る。南 硫 黄 島で は、ム ラサ キ オ カ ヤ ドカ リの標 高 限 界 は 急 峻 な 地形 に よっ て制 限 され て い る 可能 性 が示 唆 され た 。
カ ク レイ ワ ガ ニ は 海 岸 か ら 山頂 へ の登 禁 中 の 林 床 に お い て 断 続 的 に確 認 され た 。 特 に 500mコ ル(図1‑R2)や 山 頂 部(図1‑Rl)等 の海 鳥 繁 殖 地 にお い て は 、海 鳥 の 巣 穴 に逃 げ 込 む 行 動 が 高 い 頻 度 で観 察 され た(図2‑E)。 ま た 、海 鳥 の卵 を捕 食 す る個 体 も確 認 され た(図 2‑F)。 本 種 は 海 鳥 が もた らす 栄 養 を利 用 し、 南 硫 黄 島 にお い て 最 も繁 栄 した 陸 生 十 脚 甲殻 類
とい え る。 ま た 、オ オ カ ク レイ ワガ ニ は 陸 生 十脚 甲殻 類 中最 もハ ンテ ィ ン グ能 力 の優 れ た捕 食 者 で あ り、 オ カ ヤ ドカ リ類 や 小 型 の カ ニ類 を襲 っ て捕 食 す る事 が知 られ て い る(小 菅 ・河 野 、2009)。 した が っ て 、南 硫 黄 島 の カ ク レイ ワ ガ ニ に とっ て 、オ オ カ ク レイ ワガ ニ は 天 敵 と い え る。本 調 査 か ら、オ オ カ ク レイ ワガ ニ の 垂 直 分布 範 囲 は海 食 崖 下 の海 岸 部 飛 沫 帯 に 限 ら れ 、 高標 高域 に進 出 して い な い可 能 性 が示 唆 され た 。 天 敵 の垂 直 分布 が海 岸 部 に 限 定 して い
る事 は、 カ ク レイ ワガ ニ の 繁 栄 の 一 因 とな って い る可 能性 が あ る。
4.謝 辞
沖 縄 県 立 芸 術 大 学 の 藤 田喜 久 博 士 には 、 甲殻 類 の採 取 方 法 につ い て ご助 言 頂 い た 。現 地 調 査 にお い て は、 高嶺 春 夫 氏 、渡 辺 篤 氏 、近 藤 洋 氏 、 四家 匠 氏 に ご協 力 頂 い た 。 ま た 、南 硫 黄
島調 査 隊2017お よび 準 備段 階 か ら ご協 力 頂 い た全 て の 隊員 に深 い感 謝 の意 を表 す る。
5.引 用 文 献
小 菅 丈 治 ・河 野 裕 美(2009)西 表 島 網 取 で 観 察 さ れ た オ オ カ ク レ イ ワ ガ ニ に よ る オ カ ヤ ド カ リ類 補 職 の 一 例.CANCER,18:17‑18.
NunomuraN(1979)Ligiaboninensis,anewisopodcrustaceanfヒomHah句imaIsland,Ogasawara Islands,Japan.BulletinofToyamaScienceMuseum,1:3740.
NunomuraN(1990)StUdiesontheterrestrialisopodcrustaceansinJapan,V.Taxonomyofthe
familiesofArmadillidiidae,ArmadillidaeandTylidae.BulletinofToyamaScienseMuseum,13:1‑
58.
NunomuraN,HirokoH,SasakiT,HironakaM,HariyamaT(2011)Anewspeciesofthegenus五 轡 α (Crustacea:Isopoda:Ligiidae)fromsteq)streamsofChichijimaandAnijimaIslandSofthe
OgasawaraIslands.BulleimofToyamaScienceMuseum,34:73‑79.
PaulayG,StarmerJ,(2011)Evolution,insularresUictioqandextinctionofoceaniclandcrabs, exeMI)lifiedbythelossofanendemicGeograpsusintheHawaiiIslands.PlosOne, hmps:〃doi.org/10.1371/journal.pone.0019916.
SantamariaCA,MateosM,TaitiS,DeWittTJ,HurtadoLA,(2013).A
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佐 々 木 哲 朗 ・堀 越 和 夫(2008)南 硫 黄 島 の 海 洋 生 物.小 笠 原 研 究,33:155‑171.
TaitiS,ArnedoMA,(2003)EvolutionofterrestorialityinHawaiianspeciesofthegenusLigia(lsopoda, Oniscidea).CrustaceanaMonographs2:85‑102.
武 田 正 倫(1983)南 硫 黄 島 の 陸 生 カ ニ 類2種 南 硫 黄 島 の 自 然,環 境 庁 自 然 保 護i局(編) 日 本 野 生 生 物 研 究 セ ン タ ー,pp.379‑382.
SUMMARY
Altitudinal distribution of large terrestrial isopod and decapod crustaceans on Minami-Iwo-To Island
Tetsuro SASAKI1*, Tetsuya YAMADA2, Akitsugu MUKAI1, Sora HORIKOSHI1, Yosuke AMEDAI & Takumi SEKIGUCHI2
1. Institute of Boninology, Nishimachi, Chichijima, Ogasawara, Tokyo 100-2101, Japan.
2. Diving Service KAIZIN, Okumura, Chichijima, Ogasawara, Tokyo 100-21-1, Japan.
* t-sasaki@ogasawara.or jp (author for correspondence)
We investigated the altitudinal distribution of large terrestrial crustacea in the genera Ligia (Ligiidae; Isopoda), Coenobita (Coenobitidae; Decapoda), and Geograpsus (Grapsidae; Decapoda) on Minami-Iwo-To Island. Six species of crustaceans were identified. Distributional ranges along an altitude gradient varied from species to species. Ligia sp., Coenobita perlatus, Geograpsus stonni, and Geograpsus crinipes were distributed in the splash zone, Coenobita purpureus was distributed in the area from the splash zone to the coastal forest, up to an altitude of about 80 m, and Geograpsus grayi was distributed from the splash zone to the summit at 900 m.
Key words
Coastal forest, Cloud forest, Habitat, Kazan Island Group, Ogasawara Islands
①
0500一 R4 1000m
図1.調 査 地 点
R1;山 頂BC,R2;500mコ ル,R3;登 肇 口,R4;海 岸BC,H1;崩 壊 地 一上,H2;崩 壊 地 一中,H3;崩 壊 地 一下,A1;ア カ テ ツ パ ラ ダ イ ス ー上,A2;ア カ テ ツ パ ラ ダ イ ス ー中,A3;ア カ テ ツ パ ラ ダ イ ス ー下;A4,ア カ テ ツ パ ラ ダ イ ス ー海 岸.
Figure1.Mapshowingsurveypointandsurveyroute.
表1.調 査 地 点 の 位 置 お よ び 環 境 、 調 査 手 法 Table1.Locationofsurveysite,environmentalfactors,surveymethod.
地点および区間記号 地点名 標高 陸域海岸域区分 植生環境 地形環境 座標 調査手法
R1 山頂BG 905m陸 域 雲霧林 山頂火口 N24.23428E141.46367
・踏査
・センサー カメラ
・箱型 トラップ
R1‑R2 山頂BC‑500mコ ル 間 519‑905m陸 域 雲霧林 稜線 ・踏査
R2 500mコ ル 519m陸 域 雲霧林 稜線鞍部 N24.23056E141.45893
・踏査
・センサー カメラ
・箱型 トラップ
R2‑R3 500mコ ルー登饗 ロ間 10‑519m陸 域 雲 霧林 一海 岸林 谷筋 ・踏査
R3 登肇ロ 10m海 岸(飛 沫帯) 海 岸低 木帯(ク サ トベ ラ帯) 海岸 N24.22512E141.45852・ セ ン サ ー カ メラ
R4 海岸BG 10m海 岸(飛 沫帯) 海 岸低 木帯(ク サ トベ ラ帯) 海岸 N24.22538E141.46034
・踏査
・箱型 トラップ
H1 崩壊 地一上 81m陸 域 海 岸林(ア カテツ林) 海食 崖(崩 壊 地) N24.22630El41.45610・ セ ン サ ー カ メラ
H2 崩壊 地一中 51m陸 域 海 岸林(タ コノキ林) 海食 崖(崩 壊地) N24.22600E141.45614・ セ ン サ ー カ メラ
H3 崩壊 地一下 34m陸 域 海 岸林(タ コノキ林) 海食 崖(崩 壊堆 積地)N24.22579E141.45563・ センサー カメラ
Al アカテツパラダイスー上 128m陸 域 海 岸林(ア カテツ林) 海食崖 N24.22887E141.46829・ セ ン サ ー カ メラ
A2 アカテツパラダイスー中 103m陸 域 海 岸林(ア カテツ林) 海食崖 N24.22836E141.46813・ セ ン サ ー カ メラ
A3 アカテツパラダイスー下 17m陸 域 海 岸林(ア カテツ林) 海食 崖(崩 壊堆 積地)N24.22792E141.46870
・踏査
・センサー カメラ
・箱型 トラップ A4
R4‑A4
アカテツパラダイスー海 岸5m海 岸(飛 沫帯) 海岸BG一 アカテツパ ラダ イス 間5m‑10m海 岸(飛 沫帯)
海 岸低 木帯(ク サ トベ ラ帯)海 岸 海 岸低 木帯(ク サ トベ ラ帯)が 点 在 海岸
N24.22759E141.46866
査査踏踏
表2.陸 生 甲 殻 類 の 確 認 位 置
Table2.Pointsandsectionswhereterrestriallargecrustaceanswererecorded.
地点および区間記号 標高 陸域海岸域区分フナム シ属 の 一種 カクレイワ ガニ オオ カクレイワガニ アカカクレイワガニ ムラサ キオ カヤ ドカリ サ キ シマオ カヤ ドカリ Ligiasp.Geograρsusgt'a.viGeograρsuscrinipesGeograρsuslividusCoenobitaρurpureusCoenobitaρerlattts
Rl R1‑R2
R2 R2‑R3
Al A2 Hl H2 H3 A3 R3 R4 R4‑A4
A4
905m 519‑905m
519m 10‑519m
128m 103m 81m 51m 34m 17m lOm 10m sm‑10m
5m
陸域 陸域 陸域 陸域 陸域 陸域 陸域 陸域 陸域 陸域 海岸(飛沫帯) 海岸(飛沫帯) 海岸(飛沫帯) 海岸(飛沫帯)
○○○ ○○○○○○○○○
○ ○○
○
○
○○
○
○
欝懸轡鍵難ド灘馨欝遷
騨頬ミ籍'.,!∠︑.登".蝕︑・べ"君 .昂ρ溜覧
山
纏 警
私廊義 蜜 等
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図2.確 認 され た 陸 生 大 型 甲 殻 類
A:フ ナ ム シ 属 の 一 種,海 岸BC付 近 の 飛 沫 帯;B:サ キ シ マ オ カ ヤ ドカ リ,海 岸BC付 近 の 飛 沫 帯;C:オ オ カ ク レイ ワ ガ ニ,海 岸BCと ア カ テ ツ パ ラ ダ イ ス の 間 の 飛 沫 帯;D:オ オ カ ク レ イ ワ ガ ニ の 抱 卵 個 体,海 岸BCと ア カ テ ツ パ ラ ダ イ ス の 問 の 飛 沫 帯;E:カ ク レ イ ワ ガ ニ, 500mコ ル 地 点 の 海 鳥 の 繁 殖 巣 内;F:カ ク レイ ワ ガ ニ,海 鳥 の 卵 を 捕 食 して い た 個 体,ア カ テ ツ パ ラ ダ イ ス の 海 鳥 繁 殖 巣 内.
Figure2.Terestriallargecrustaceansrecordedinthesurvey.
A:五 顧 αsp.;B:Coenobitaperlams;C:Geograρswscrinies;D:G.criniesbroodingofeggs;E:
GeogTaρsusgrayi;F:(}.grayipreyingaseabirdeg9.
A
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図3.カ ク レ イ ワ ガ ニGeog=raρswsgrayiの 色 彩 変 異
A:CBAP‑P20170007,標 高500m地 点;B:CIBAP‑P20170010,標 高500m地 点;C:CIBAP‑
P20170003,標 高440m地 点;D:CBAP‑P20170001,標 高470m地 点;E:CBAP‑P20170005,標
高300m地 点;F:CBAP‑P20170002,標 高430m;G:CBAP‑P20170006,標 高500m地 点;H:
CBAP‑P20170008,標 高500m;1:CIBAP‑P20170009,標 高900m地 点.
Figure3.ColorvariationsofGeograpsusgπayi.
A:CBAP‑P20170007,collectedfbomanaltitUdeof500m;B:CBAP‑P20170010,collectedfboman altitudeof500m;C:CIBAP‑P20170003,collectedfromanaltitUdeof440m;D:CBAP‑P20170001, collectedfbomanaltitUdeof470m;E:C正BAP‑P20170005,collectedfromanaltitUdeof300m;F:
CIBAP‑P20170002,collectedfbomanaltitUdeof430m;G:CBAP‑P20170006,collectedfboman altitudeof500m;H:CBAP‑P20170008,collectedfromanaltiudeof500m;1:CBAP‑P20170009, collectedfromanaltitUdeof900m.