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福島県立医科大学 学術機関リポジトリ

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Academic year: 2021

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Fukushima Medical University

福島県立医科大学 学術機関リポジトリ

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Title Role of (-)-epigallocatechin gallate in the pharmacokinetic interaction between nadolol and green tea in healthy volunteers( 内容・審査結果要旨 )

Author(s) 阿部, 理

Citation

Issue Date 2018-03-21

URL http://ir.fmu.ac.jp/dspace/handle/123456789/741

Rights

DOI

Text Version none

(2)

論 文 内 容 要 旨

氏名

し め い

阿部

おさむ

学位論文題名

Role of (–)-epigallocatechin gallate in the pharmacokinetic interaction between nadolol and green tea in healthy volunteers

健常人におけるナドロールと緑茶の薬物動態学的相互作用における (–)-エピガロカテキンガレートの役割

【目的】これまで我々は、緑茶を2週間継続的に飲用することによって、β受容体遮断約であるナドロールの血中濃度が大 きく低下することを示した。その機序として、小腸でのナドロールの取り込み輸送をカテキン類が阻害することが考えられ た。本研究では、ヒトにおける、茶カテキンの中で主要なカテキンであるエピガロカテキンガレート(EGCG)に着目し、EGCG の投与量を変えて単回投与した際のナドロールの体内動態及び薬効との関連について検討した。

【方法】本試験は、常用薬および喫煙歴のない13人の健常成人名(男女比6:7, 年齢 31.2±14.0 才, BMI 22.9±3.8 kg/m2,

Mean±SD)を対象に、無作為化オープン三期クロスオーバー法により実施した。被験者は試験日の1週間前より茶または

カテキンを含む飲食物、コーヒー、柑橘類を中心とした果物類、サプリメントの摂取を禁止された。試験前日夜より絶食下 で、ナドロール 30 mgを水(コントロール)または濃縮緑茶抽出物(GTE)の低用量(50 mg)または高用量(150 mg)を水に溶 かしたものと共に投与された。EGCGは、50 mgをペットボトル入りの緑茶、150 mgを煎じた緑茶をそれぞれ想定し、茶 抽出物であるサンフェノンEGCG-OP(太陽化学、総カテキン 97.4%, EGCG 92.5%, w/w)を使用して調製し、投与直前に水 に溶解させた。投与後、ナドロールの血漿中濃度および尿中排泄量、ならびに、EGCGの血漿中濃度を、液体クロマトグラ フィーにて48時間まで測定し、ノンコンパートメントモデルにより薬物動態パラメーターを解析した。さらに、血圧およ び脈拍数をモニターした。また、有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)1A2を介したナドロールの取り込み輸送に対する EGCGの阻害効果を評価するために、OATP1A2を安定に発現するHEK293細胞を用いてin vitroでの輸送動態実験を行 った。EGCGの血漿タンパク結合率についても合わせて測定した。

【結果】低用量および高用量のGTEの単一同時投与は、ナドロールの血漿濃度を有意に低下させた。GTE投与下における、

ナドロールの血漿濃度 - 時間曲線下面積(AUC)に対する幾何平均の95%信頼区間比(AUCGTE/AUCコントロール)は、低 用量の投与では0.72(0.54, 0.90、P <0.05)、高用量では0.60(0.49, 0.71、P <0.01)であった。GTEは、ナドロールの 尿中排泄を減少させたが、最高血中濃度到達時間、消失半減期および腎クリアランスには有意な差は認められなかった。ま た、血圧および脈拍数に有意な変化は観察されなかった。 In vitroの実験により、EGCGOATP1A2を介したナドロー ルおよび典型的基質であるスルホブロモフタレインの取り込みを競合的に阻害し、阻害定数はそれぞれ19.4 μMおよび 21.6 μMと算出された。本研究におけるEGCGAUCの幾何平均の95%信頼区間は、低用量では112.7 (80.4, 145.0) h ng/ml、高用量では257.1 (169.3, 345.0) h ng/mlであり、血漿タンパク結合率は99.8%であった。

【結論】緑茶とナドロールの相互作用にはEGCGが寄与しており、EGCGの単回併用であっても薬物動態学的な相互作用 が起こることが示された。(1156文字)

2

(3)

学位論文審査結果報告書

平成 29 年 12 月 15 日 大学院医学研究科長様

下記のとおり学位論文の審査を終了したので報告いたします。

【審査結果要旨】

氏名 阿部 理

学位論文題名

Role of (–)-epigallocatechin gallate in the pharmacokinetic interaction between nadolol and green tea in healthy volunteers

健常人におけるナドロールと緑茶の薬物動態学的相互作用における

(–)-

エピガ ロカテキンガレートの役割

申請者らは、緑茶を継続的に飲用することによって、

β

受容体遮断薬であるナ ドロールの血中濃度が大きく低下することをこれまでに確認しており、その機 序として、カテキン類が小腸でのナドロールの取り込み輸送を阻害するためで はないかと考えた。そこで、健康成人を対象に、緑茶の主要カテキンであるエピ ガロカテキンガレートに着目し、濃縮緑茶抽出物として単回同時投与した際の ナドロールとの相互作用を調べた。

低用量および高用量の濃縮緑茶抽出物の単回同時投与は、コントロールと比 べナドロールの血漿濃度を有意に低下させたが、最高血中濃度到達時間、消失半 減期および腎クリアランスに有意な差は認めなかった。また、

In vitro

の実験で、

エピガロカテキンガレートは有機アニオン輸送ポリペプチドを介したナドロー ルおよびスルホブロモフタレインの取り込みを競合的に阻害した。以上の結果 から、緑茶がナドロールの吸収を抑制する相互作用にエピガロカテキンガレー トが関与していると結論付けている。

様々な治療薬と飲食物との飲み(食べ)合わせが話題になっているが、β受容 体遮断薬ナドロールと緑茶との飲み合わせについてクロスオーバー法により調 べたもので、緑茶を飲む日本人のライフスタイルの特徴に注目したユニークで 実益的な研究と考える。研究の方法も適切であり、結果に新規性があることから、

本審査委員会は、申請された論文が学位論文として適当であると判断した。

3

(4)

論文審査委員 主査 福島 哲仁

副査 挟間 章博

副査 中里 和彦

参照

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