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福島県立医科大学 学術機関リポジトリ

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Academic year: 2021

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Fukushima Medical University

福島県立医科大学 学術機関リポジトリ

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Title 福島医大の震災レポート

Author(s) 秋葉, さおり

Citation 医学図書館. 58(3): 205-207

Issue Date 2011-09

URL http://ir.fmu.ac.jp/dspace/handle/123456789/284

Rights © 2011 日本医学図書館協会

DOI

Text Version publisher

(2)

医学図書館 2011;58(3):205-207.

特集 東日本大震災:災害と図書館

福島医大の震災レポート

秋葉さおり *

福島県立医科大学附属学術情報センター

からローテーションで附属病院の応援業務に当たること になった。

Ⅲ.復旧作業と原発事故(3 月中旬)

余震が収まらないなか,3 月 14 日からセンターの復旧 作業は始まり,それと並行して附属病院の応援業務(外 来受付等)も,3 月末まで休日を問わず続いた。

例年になく寒い 3 月だったが,学内の暖房が止められ たためコートなど防寒具を着けて業務に当たった。また これは被災地共通のことであるが,物流のストップによ

Ⅰ.はじめに

沿岸部を中心に甚大な被害を受けた福島県の中にあっ て,福島市郊外に位置する福島県立医科大学附属学術情 報センター(以下「センター」)は,震度 5 強の揺れに 見舞われたものの,幸い大きな被害から免れた。書架か ら落下した約 4 割(8 万冊強)の図書・雑誌を戻す復旧 作業は一週間程で終えたのだが,原発事故の影響により 休館を余儀なくされ,平成 23 年 5 月 2 日にようやく再開 することができた。

震災からこれまでの経過について報告する。

Ⅱ.3 月 11 日

ほとんどの学年が春季休業に入っていたこともあり,

当日その時間帯の館内利用者は十数人だった。大きな揺 れが長く続き,図書・雑誌が次々と落下していったが,

利用者は冷静で混乱が生じるようなことはなかった。揺 れが収まった直後に閉館を決定し,館内放送及び直接の 声かけで利用者へ退出を促した。

センター内を点検したところ,書架は足の踏み場もな くなっていたが,利用者・職員とも人的被害がなかった ことにまず安堵した。センターの建物は昭和 63 年に完 成し,平成 10 年に増築している。古い方の建物の壁に 数か所ヒビが入ったものの,取り立てて被害はなかっ た。しかし,復旧の目途は全く立たないため当分の間休 館することを決定し,センター玄関と図書館ホームペー ジにお知らせを掲示した。

その後,職員は 21 時までセンター内で待機すること を命じられた。附属病院の応援業務に備えてのことで,

炊き出しのおにぎりが配られた。電気・ガスは無事だっ たが,断水はこの日から一週間続いた。結局その日の 応援業務はなくなり解散したが,翌日の 12 日(土曜日)

*Saori AKIBA:ヘルスサイエンス情報専門員(中級)

〒 960-1297 福島県福島市光が丘 1. Tel.024-547-1684  Fax.024-547-1996 [email protected] (2011 年 7 月 6 日 受理)

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206 医学図書館 2011;Vol.58 No.3 秋葉さおり

て休館することとなった。休館中も職員全員,通常どお り出勤し,図書館の業務と病院の応援業務に取り組んだ。

やむを得ず休館にしたものの,センター内は利用でき る状況にあるので,3 月下旬から学内利用者には平日の 日中に限り通常どおり利用して頂くこととし,ILL も再 開した。入館者は少なかったが,後日学生から「迅速に 復旧作業にあたって頂いて,休校中にもかかわらず開館 してもらってありがたかった」とのうれしい投書が寄せ られた。また,卒業式が予定されていた日(中止になっ た)に,被災者へのメッセージ付しおり約 60 枚がセン ター玄関のブックポストに届けられた。作ってくださっ た方は不明だが,ありがたく頂戴し館内で配付している。

2 .情報発信

休館の間,図書館にできることはないかと考え,ホー ムページ2)に下記のものを掲載した。

1)震災関連情報

福島市役所等の地元情報,「被災学生に対する非被災 地の大学図書館によるサービス」3)の各ホームページ(5 月まで)ほか,東邦大学メディアセンター様が作成され た「被災者への医療支援のため無料公開されているサー ビス」4)へのリンクを張らせて頂いた。なお,こうした全 国的な展開とは別に版元の方から福島県独自に提供して 頂いたサービスもあり,福島県医療機関図書室協議会5)

で作るメーリングリストkibitaki-netを利用し,各病院に 情報を伝えた。

りガソリン・食糧など生活必需品全般が不足し,当然の ことながら雑誌・図書も届かなくなった。この状態は 3 月下旬まで続いた。

こうした状況に追い打ちをかけたのが原発事故で,福 島市も放射線量の高い日が続いた。

本学のグラウンドは緊急ヘリポートに変わり,ドク ターヘリはもちろんのこと,陸上自衛隊の大型ヘリコプ ターも患者輸送のために日に何度も行き交った1)

そのような緊張感の続くなか復旧作業を進めていった のだが,平成 22 年に一部書架を補強していたことも奏 功したのか,書架そのものへのダメージは皆無で,約 8 万冊の図書・雑誌を棚に戻す作業は職員 10 人により約 一週間で終了した。なお,資料の損害は少なかった。

国内全体が原発事故による放射性物質拡散により混乱 していた時期だったが,一方で本学では 3 月 18 日に医 療従事者向けの放射線講演会が初めて開かれるなど,正 しい知識を身につけるための取り組みが始まっていた。

以降,講演会は対象を一般の職員・学生にも広げ,数回 開かれている。また,本学独自に放射線量を観測・公開 することもこの頃から始まった。

復旧作業が一段落ついた 3 月 18 日夕方に一週間ぶり に水道が復旧し,再開への道筋が見えてきた。

Ⅳ.再開まで(3 月下旬~ 4 月)

1 .図書館業務

原発事故による放射性物質拡散の問題で,大学は 4 月 末まで休校することを決定し,センターもそれにならっ

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207 医学図書館 2011;Vol.58 No.3

福島医大の震災レポート

2)放射能関連情報

原発事故直後のチェーンメールなど,人々の不安を煽 る情報が行き交っていたことがきっかけで作成した。専 門外の人にも分かりやすく,正しい知識を得られるよう なサイトを紹介している。

3)原子力・放射能関連ブックリスト

本学所蔵の関連図書・雑誌及び無料公開されている電 子書籍等を紹介している。また,4 月以降図書を追加購 入した 2)の「放射能関連情報」と併せ,放射能・放射 線に対するリテラシー向上の一助になることを願ってい る。

Ⅴ.今後の課題

4 月 7 日に震度 5 弱の地震があったが,特に被害を受 けることもなく,5 月 2 日,52 日ぶりに図書館を再開館 した。大学は 5 月 6 日に新入生を迎え,一か月遅れで新 年度のスタートを切った。

今後の課題として,次の 2 点を挙げる。

1 .余震対策

学内を挙げての対策が始まっており,センターとして も夜間発生した場合の対応など問題点を詰めていく予定 であるが,人的被害を出さないために,まず書架に「地 震の際は書架から離れる」ことを促す掲示を始めた。ま た,非常時のためにラジオを数台購入し閲覧室に配置す る予定である。

2 .福島県内唯一の医学図書館として

今回,各方面のご厚意によりデータベース・電子 ジャーナルが無償提供された。このことについて,学 内の認知度を測るため 4 ~ 5 月に医学部・附属病院を対 象に簡単なアンケート調査を行ったところ,これらの サービスを「知っている」と回答したのは,77 名中 29

名(38%)だった。サービスについては3月にホームペー ジ及び大学の Web 掲示板でも周知したのだが,現場の 職員にとって緊急事態にデータベースを見る余裕が無い ことは容易に推測できる。

原発事故後,「フクシマ」は図らずも世界的に有名に なってしまい,事故の収束には長い年月がかかるといわ れている。福島県では全県民を対象とした放射線被曝の 健康調査が計画されており,長崎・広島両大学のサポー トを受け,本学がその調査・研究の中核を担うことに なった。

医学図書館として,今回図書館として何をすべきだっ たのか,新たな使命を持つことになった県・大学に対し 今後何が貢献できるのか,重い課題ではあるがこのこと を常に念頭に置きながら,できることから一つずつ積み 重ねていきたい。

最後に,これまで被災地を支援してくださった皆様,

お見舞いの電話・メールを頂いた皆様,および原発事故 で福島が敬遠される中,当センターに足を運んでくだ さった皆様にこの場を借りて心より感謝申し上げます。

参考 URL

1 ) 週刊医学界新聞 第2932 号特集:そして研修は続いてゆ く 福島医大のポスト3.11[internet]. http://www.igaku-shoin.

co.jp/paperDetail.do?id=PA02932_01 [accessed 2011-07-06]

2 ) 福島県立医科大学附属学術情報センター図書館 [internet].

http://www-lib.fmu.ac.jp/ [accessed 2011-07-06]

3 ) 被災学生に対する非被災地の大学図書館によるサービス [internet]. http://www45.atwiki.jp/savelibrary/pages/52.

html [accessed 2011-07-06]

4 ) 被災者への医療支援のため無料公開されているサービ ス(東邦大学メディアセンター)[internet]. http://www.mnc.

toho-u.ac.jp/sv/emservice.html#emresource [accessed 2011-07-06]

5 ) 福島県医療機関図書室協議会 [internet]. http://www.fmu.

ac.jp/home/lib/kibitaki/index.html [accessed 2011-07-06]

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