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雑誌名 静岡地学

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自分なりの問題を持ち追及する地学学習を求めて : 第3学年「土と石」の展開と実践

著者 鈴木 豪紀

雑誌名 静岡地学

巻 70

ページ 21‑26

発行年 1994‑11‑20

出版者 静岡県地学会

URL http://doi.org/10.14945/00025296

(2)

静 両 地 学 第 7 0 号 ( 1 9 9 4 )

分なりの問題を持ち追求する地学学習を求めて

第 3学年「土と石 j の展開と実践

鈴 木 豪 紀 *

l  はじめに

小学校低学年での理科が生活科に転換し、 3 年が経過しようとしている

o

3 年生の理科は、 1• 2  年生で生活科を学習してきた子供たちが初めて出会う教科である。"楽しい授業だといいな"どんな勉 強をするのかな"と胸躍らせて授業に臨む。生涯学青の関われている今、子ども遠のこの切なる思い をどのように受け止めたらよいか。入り口としての理科学官、そして地学学習の在り方を 3 年生「土 と石j の実践を通し、私なりにアプ口一チした。

2  新しい 3 年生の理科

生活科では、一人一人の思いを特に大切にし、自立への基礎をその主なねらいとして学習が進めら れてきた。理科としての問題解決を進めるためには、生活科を生かした理科の在り方を考えなくては ならない。問題解決が展開するために、①問題を持つ ②解決の手立を考える(予想) ③全力を出 して解決する(実験@観察) ④自分なりの答えを出す そして⑤生活の中で生かす を加え 5 段 階 の過程で成立すると捉えた。さらに、私は理科と生活科との関連を、次のように解釈した(図 1) 

叶︾B 1A a 

( 自 う)

(科学的な見方、考え方を養う)

3 年 の 理 科

図 1 3 年理科の位置付け

このように、理科と生活科との接点、を見い出しながら、 を構成した(表 1) 

(3)

l  一人一人が自分なりに問題を持ち、追究する単元構成 段階と内容

くオリエンテーション〉…第 1 次:単元のイメージづくり( 3 時間)

①粘土の舟と砂の舟で競走する喜作の絵本の読みきかせをする。

きをみんなで話し合う

・砂の舟と粘土の舟のどちらが勝つんだろう らさらしてうまく舟がはしるよ .粘土の方が堅くて強いよ

‑粘土のだんごを作ったとき、つるつるしてはやそうだったよ みんなで読む

@ふるいや虫めがねでも調べることができるね .水に溶かして粘土を沈ませる方法もあるね

‑教科書はいろんな実験の方法がかいてあって便利だな 由な操作活動をする

・大きな山を作ったり、}I

1

を作って水を流したよ とうまく関子ができるよ

・土にはいろんな種類があるんだな

より早く沈むよ

‑粒の大きさでふるい で分けられるね

く土、砂から粒という視点へ〉

一 第 3次;石を詳しく調べる(4時間) しく調べてみよう

。近くの潜戸}I

1

に行っていろいろなおを集めよう

え方

‑土はいろいろな額類 (大きさ・形@色)の粒 からできてるんだね

‑大きさの違った石がたくさんある ・告ももょうもいろいろだよ

0 多様なオリエンテーション を構成することにより子ど も達一人一人の生活経験の にスムーズに結 び付けることができた

より興味と関心が 焦点化された

0 ①、②により自由な活動が 単充のねらいにそったもの になっていった

1

義勢子ども

りエンテーションの工夫を 継続して行う必要がある

0 個の追究の時間を確保しな がら

に持つこと

ムーズにつなげることがで きた

o  r 土、砂jから「土や砂の

石を

自然に子 いった

めることにより石そのもの に一人一人の意識が流れて いた

2次での追究が第 3次で の追究における 比べてみ

る"に、生きていた 警察この段階での活動が、 1つ

2つの問題に終始すること

が目立つた

(4)

静 同 地 学 第 7 0 号 ( 1 9 9 4 )

3  本単元のねらい

「土と石 j には次の目標がある

O

*石や土を集め地面をつくっているものの特徴や性質を調べることができるようにする

@石には色、模様、かたさなどに違いがあること

は場所によって手触りや水のしみ込み方に違いがあること

は小石、砂、粘土などからできていてその混じり方は場所によって違いがあること

ここで特に強調されていることは、校庭などの身近な場所を活用し、地面を作り上げている土や石 についての科学的な関心を深めることである

O

しかし、このように体験をもとにした学習であり、し かも地学教育の基礎の学習でありながら、子ども遠の大好きな単元には、ほとんど挙がらない(図 2) 

その大きな要国は、

られる(図 3 ) 0

の一連の活動が子どもの思いと結びつきにくいことが考え

ての感想、を

その{也 1 1 ' 牛 (0.2%)

図 2 アンケート結果よリ(児章特名)現 5 国 3 (嬢教回答も含む)合計 9 3 件

そこで、 もたち一人一人が、自分なりの

め 、 2つの仮説 て、実践を行った。

く 1>  オリエン ション けることにより一人一人が りの

ち ることができるのではないか。

く 2 > こ ることにより、自 し 、 サイク し

やすく るの はないか。

4  実践より (1)仮説 1について

自分なりのめあて こと と (オリエンテーション〉

(5)

を 3時間の多様な体験活動とし けた。すなわち、次の 3 つの活動である

O

( A ) オープンエンドで終わる自作紙芝居 ( B ) 生活経験を生かした土遊び

( C ) 学習の方向付けをするために、

( A ) について

ども逮は読み関かせが大好きだ。低学年で は、担任が読み関かせをしながら、学習を進め ることがよくある

O

そこで、この実態をふまえ 教師の自作の紙芝居を最初のオリエンテーショ

ンとして位置付けた。紙芝居を囲む子ども は興味と関心で一杯になる

O

ストーリーに吸 い込まれた子ども遠から生活経験を生かした いを、つぶ、やさ@ という形でおもいっきり

させる

O

紙芝居の内容も十分吟味し、{かちかち山}を ベースに作り上げた。砂と泥の船で競争すると

を読む。

l  自作の紙芝居からのスタート

いう場面で終りとし、そこで、最後の場面を予想させ、「土と石 j の単元に対し、自分なりの世界を作 り上げていく

O

自作の紙芝居を活用することにより、本単元への一人一人のイメージのステージづく りがなされたと思う(写真 1) 

(訟について

ども達は生活経験の中で、さまざまな土や石に関する体験をしてきている

O

それは、 を使った 石や ダンゴづくりである

O

砂場での砂遊び、である

O

これらの経験を生かし、ま

土の様子を観察する

O

場所によってその種類に違いのあることへの気づ、き

O

そして、最も関心の高かっ た砂場での自由な活動に入った。子ども遠の活動は、次のように変化していった(図り

O

ステップ 2

@砂を使ったダンゴ作り @砂に水をつけてのダンゴ作り 。花壇の土などの

@砂山作り →水の利用→ @砂に水をつけて山を丈夫にする→ 他の土の活用

@穴掘り (活動の広がり) ..穴に水を入れてしみ込ませる (比較への発展) く 図 4 >

まず¥子ども達は目の前にある砂そのものを使い、ダンゴ@砂山@穴掘り 砂と土と比較するようになる

O

さらに、

り方に気づいていく

O

このように、「遊び j の体験から"比較する円 に対する問題が次第に明らかになってくる(写真 2) 

( C ) について

になる

O

そして、

ことで水のしみ込 を通し、「土 J や

で読むことにより「土 J した体験活動 していく

O

本単元は 5月の学習教材

であるため、子ども達は、実験で確かめたり、 したりするという経験が少ない。そこで、 ( B ) での

(6)

静 岡 地 学 第 7 0 号(1 9 9 4 )

由な体験活動から生まれた思いを整理し、的 確な実験方法と結びつけるためにこの活動を取 り入れた。水のしみ込みかたを調べる実験では、

ペットボトルに最初の水の量を記録したり、時 間を計ったりして比較するなど基本的な実験操 作が工夫という形で生まれていた。また、個々

の追求の場でも、教科書を参考書的に有効に活 用する姿へと発展していった。このことからも、

問題に対する方向性を明らかにしたり、活動に ヒントとして有効な手立てであったと考えられ る

O

( 2 ) 仮 説 2 について

3つの多様なオリエンテーションにより、

と砂 J についての問題が明らかになってきた。

すなわち、①色 ②水のしみ込み方 ③手触り

④臨まりやすさ ⑤ 沈 み 方 ⑥ 重 さ で あ る

O

ども遠の疑問は多様であったが、

方法を検討する過程で、この 6 つに絞り込むこ とができた。そこで、出来る限り自分なり えた方法を認め、追求に入った(写真 3)0

I 十@砂 j から「粒 j という

ども達がまず、熱心に調べたのは手触りで あった。ここでは、手触りととも

吹きかけたりして

ることを発見した。さらに、その「粒j をもっ ふるいなどを 使い、粒の大きさで分類する活動へと発展して いった。ま

,'‑

土や砂

さな粒"と表現し、 S

された。この段階に入ると、

うより「土@砂 j の粒という し始めた。そして、次に

とに この時、た いくらい小 らしさに

・ 砂j とい

も達は 資料 1

2  たっぷりと土や砂とふれ合う

3  土、砂から粒という視点へ

〈舟》暢《えλ.e吹エ..~>

'9舟 櫛 自

と文で自分なりに結論づけをしていく

ら「いろいろ ユへと移っていった。すなわち、水のしみ込み方と

べていったの る

O

ここでは、 (グラウンドと畑の土など)と時間の経過(伺分後ではど

(7)

うかな)に着目し、結果を国式化するようになっていた。運動場と花壇の土を比べていた M 子は、

動場の土はじやりと砂の 2摺に、花壇の土は細かな砂でできていることを発見した。このことを話し ユの中でみんなに知らせ、活動に対する自信を深めた。

このように、最初に実験方法を話し合うことが、子ども達一人一人が解決の見通しを持つことにな り、自分なりにイメージを作り上げることにもなる

O

さらに、それが活動への意欲の継続化につなが ることもわかった(資料 1) 

5  実践から く 1>成果

①生活科の経験を生かした多様なオリエンテーションにより、自分なりの思いをはっきりと持つこと ができた。

②土や石などの対象に体を通して思いっきりかかわることで、それぞれの問題に対してこだわりを持 ち追及しつづけることができた。

③キーワードで始まる理科ノートや発見の木 になり情報交換する場)を活用するこ とは次の活動への意欲化を計るために効果的であった。

④初めて理科を学留する子ども達にとって思いからスタートする の興味@関心を持続させるために、大変有効である

O

は、これから

く 2 > 

①子ども と

けばよいかを探っていく必要がある

O

ゃう

iJ:.

4  くだいてみる

らいを、限られた にどのように効果的

土 と じ ゃ ん け ん し た よ 砂 と じ ゃ ん け ん し た よ 水 を ま ぜ た ら

ま け ち ゃ っ た

5  きさでくら

してい

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