非接触連続搬送システムの浮揚特性について
道 満 理 正* 安富善三郎** 木 田 輝 彦**
(昭和62年8月31日受付)
Floating Characteristic on a Series of Untouchable Materiales Handring System
Masatada DOHMAN Zensaburo YASUTOMI and Teruhiko KIDA
(Received August 31, 1987)
It has been required to develop the floating and transforming systems for manufacturing the super thin materials.
For developing these systems, it is necessary to clarify the distribution and local unbalance of supporting power.
S6 in this research, air flow patterns of the surface on the transforming material were visualized by oilfilm, and the pressure distribution in the cushion room was measured.
From these results air flow in the cushion room was analyzed three−di皿ensionally and air flow pattern model was proposed.
Also optimum condition of nozzle angle and floating height to stabilize the supporting power were foundout ex−
perimentally.
1.ま え が き
近年,表面の光沢が厳しく要求される軟質非鉄金属の薄 膜搬送材は多方面に多く利用されている。この搬送材は圧 延により製造され脱脂,熱処理が必要であり,通常フロー ティングシステムラインによる高能率な連続処理が行われ ている。フローティングシステムでは処理工程中に搬送材 表面の損傷を避けることが最重要で,完全な非接触支持搬 送が要求される。そこで,ジェットカーテン方式のエアクッ ションが支持原理として用いられており,著者らはフロー ティングシステムの支持特性に関する基本的な諸問題を非 粘性理論によるジェットカーテンの解析を通じて考察を 行ってきた。
最近,圧延技術の進歩により超薄膜搬送材の加工が検討 されており,それに適応するフローティングシステムの開 発が必要となってきた。それには局部的な支持力の大きさ,
幅方向の支持力の不均一等が問題となり,フロータ内の三 次元流れを考慮したクッション圧力形成機構の解明が必要
である。
そこで本報では,ジェットカーテンがどのような状態と なってクッション圧力を形成しているかを理解すると共 に,支持力の特性を把握するため,搬送材表面上の流れの 観察と圧力分布の測定を行った。また搬送材の幅,フロー タ長さ等重要な幾何学要因と支持力特性の関係を調べ,超 薄膜搬送材搬送に適した条件を考察することを目的として いる。
* 機械工学科
** 大阪府立大学,工学部
2.実 験 装 置
本実験では一般に使用されている形状の単一フロータに おいて搬送材が静止している場合を取り扱っており,Fig.
1に実験装置の概要を示す。
フロータは流れの可視化を容易にするため下向きに設置 されており,また,搬送材板は支持高さhを変化させるた めに上下と,詳細な圧力分布を測定するためライン方向に 移動できる構造となっている。フロータ内の流れは両側の ノズルの真中で対称になると考えられるので,対称面の片 側のみを考慮した模型を使用し,Fig.2に基本形状を示す。
対称面に相当する仕切板の位置を変えることによってフ ロータ長さbを変えることができる。また,ノズル部を取
Blower
Valve÷
Surge Tank
H◎れeyo㎝b Nozzle
EndPねte e Traverse Feedstrip st.il afag6
Peh Reeoder 工ndi◎a七〇r Amp.
Laminar Flow Meter
Fig.1 The arrange皿ent of test equipment.
換えることによってノズル角度θを30。,又は,15。に変え ることができる(A)。ノズル長さ10およびノズル幅tは一 定でそれぞれ10=340mm, t=4mmである(B)。搬送材板 にはOO.5mmの静圧孔を幅方向に10mm間隔のピッチで設け ており,ライン方向に3〜10mm間隔でトラバースし静圧分 布を測定している。
Ploter
Eed Plate
Honeycgmb
1早ozz菱 rla七e
b 2
S七:nip (A)
Honeyc四b
10
︐
Fig. 2 Detailed floater and cushion room.
(A fundamental nozzle.)
(B).
ノズル出口に於けるレイノルズ数3)はRe=(6.65〜
7.31)×104であり,またフロータ幅方向のノズル全圧の変 化は3%以内であり,ほぼ均一と考えられる。
3.実験方法
プロァーから送られた空気はサージタンクへ入りノズル を通って搬送材板に二二する。この時搬送材板上に幅方向 に10mm間隔のピッチで設けられた静圧孔をトラバーサーに よりライン方向に3 一10mm間隔でトラバースして搬送材板 全体の静圧を測定する。この圧力測定はべッツ型マノメー
タで補正しながらStrain−Gage型圧力変換器により測定
し,ペンレコーダで記録する。無次元浮揚高3>h/tはスペー サーにより2,4,6,8,10,12,15の7段階に変化さ
せる。
流れの可視化は油膜法により行う。トレーサーとしては 酸化チタンを流動パラフィンで練り,これにアマニ油とオ レイン酸を混合した物を使用し,搬送材板上に薄く塗布し て油膜を形成させて,それをカメラで撮影する。
4.実験結果及び考察 4.1フローターのクッション圧力形成機構
フローティングシステムのフロ一画ーには前・後端にノ ズルが配置されており,ジェットカーテンによって生じる クッション圧力により搬送材を支持するが,搬送材両端部 では完全に大気に開放されている。つまり,ジェットカー テンはフロータ側を高圧にする作用はあるが,その高圧部 が大気に直接通じているため高いク.ッション電力がフロー タに形成される機構は明らかではない。
従って,本研究では搬送甲板面上の圧力分布を詳細に測 定し,また油膜法を用いて搬送材板表面上の流れの可視化 を行い,これを分析することによって,フロータ部分の流 れ模様を調べクッション圧力形成機構を考察する。
4.1.1フロータ内の流れ機構
圧力分布をFig.3に,等圧力線図をFig.4に,可視化 写真をFig.5に, Fig.6に流れモデルを示す。
圧力分布の概要を説明すると,ノズルの外側では当然ほ ぼ大気圧でありノズルの少しフロータ側に見られる高圧帯 はジェットが搬送材板に衡突している位置と考えられる。
また,仕切板に近い広い範囲は高い圧力を示し,通常クッ ション圧力域といわれる領域である。この二つの高い圧力 帯の中間に圧力の低くなった所があり,衝突したジェット のフロータ側に流入した流れが急拡大してフロータ壁に再 付着するまでのはく離領域で,流れは大きく渦巻いている
と考えられる。
Fig.5の可視化写真ではこれらの状態が良く示されてい る。つまり,ノズルの少しフロー国側にある白線帯がジェッ
トの衝突部で,両側に流れが分れている状態が見られる。
また,仕切板に近い広範囲のところで淀んでおりクッショ ン圧力域になっていることが分かる。
以上によってフロータの流れの大略を知ることが出来 た。ノズルから供給されるジェットカーテンのうち,衝突 後フロータ内へ流入する流れは当然両端部から大気に流出 されねばならない。つまり,フロー・一一タ内へ流入した流れは フロータ下壁に再付着して一部ははく離部に入り,渦状流 れを形成し残りは淀み部へ流れる。
これらの流れは中央部から搬送材端に向かって上述の流 れを加えながら流量を増し,両端部で全てが大気に流出す
る。Fig.6は,フロー孔内の流れを模式的に表している。
端部でははく離領域が広く,逆に淀み部が絞られた状態に なっており,それゆえ,淀み部の高いクッション圧力が保 持されているものと推察される。
中央部
ノズル フロータ下場
搬送材
N
1 十一一一一一一/一
仕切板〜︑
oニ=30
∠ h/t=4
P/1。=0.9
1 ,/圃
f
./
〆 !
o
.ノ
/ .
︑ /
ゆ
ノ ρ
根
4Re=7.01×10
0 ◎ や
1 ノ
, 淀み部
Fig. 3 Distribution of static pressure on transforming materials.
(e=300 h/t=4 lflo=O.9 b=110)
︵目︶
N 40 −o.
20
o
8
:
.4 ︐ 0
3●
●
︐
0 10
.
: .5
ラ一一
﹁
・ で
153 100
b=110 mm e =300
O.1
50 O 50 100 153
1 (rnm>
1=306 mm (1/1.=O.9)
h/t=4
Fig. 4 Diagrqm of isobaric line,
( e= 30e h/t =4 1/10= O.9 b = 110)
灘
Fig. 5 Visual air flow patterns on the surface,
( e= 300 hft == 4 1/1 = O.9 b= 110)
搬送材端
はく離領域 ジェットカーテン
Fig. 6 Flow pattern model in the floater. ( 1 )
4.1.2浮揚高さに関する特性について
搬送材幅1=306㎜(1/10= O.9),ノズル角度θ=30。,
フロータ長さb=110㎜で無次元浮揚高h/t=4と10の場 合について考察する。
h/t=4の場合の圧力分布をFig.3に,等圧力線図を Fig.4に,可視化写真をFig.5に, Fig,6に流れモデル を示した。可視化写真を見ると,白線帯は搬送材両端に向 かって円弧状でフロ一輪内に入り込んでいる。これは ジェットカーテンの曲率半径が中央部から端に向かって大 きくなっているからであり,等圧力線図よりはく離領域の 圧力が搬送材端に向かって減少していることからも分か る。さらにFig. 3より,中央から幅方向にIOO−140mm付 近に圧力の山が見られることからこの付近でジェットの中 心流線はクッション側に入り,圧力の山のところでジェッ トは大気側からフロータ側に転じていることが推察され る。また,可視化写真の白線帯からフロー口内へ分岐する ジェットの流跡の長さは中央で短く端に向かって長くなっ ている。その下流の淀み部との間が前述のはく離領域に相 当し,等圧力線図でも衝突ジェットによる高圧帯のフロー タ側に湾曲した低圧帯が見られる。この低圧帯は中央から 搬送材端に向かって幅が広くなっており,また,圧力も低 下しており特に搬送材端付近で顕著である。
淀み領域ははく砥部の下流の領域でフロータ内の広い場 所を占めており,中央付近で幅が広く搬送材端へ行くにし たがって狭くなっている。等圧力線図でほぼ一定圧力に なっているが,端のところで低圧になるのは大気に通じて いるからであるが,むしろ端のところまで高い圧力が維持 されていることが注目される。
次に,支持高さが高く,クッション圧力が低くなった,
h/t=10の場合について考察する。圧力分布をFig.7に,
等圧力線図をFig. 8に,可視化写真をFig.9に, Fig.10 に流れモデルを示す。
可視化写真より白線帯はノズルの位置より相当深くフ ロータ内に入っている。これはジェットがフm一タ側に吹 き出しているため,支持高さが高くなるほどジェットカー テンもフロータ内に深く入るためであり,淀み領域の幅は
大変狭くなっている。また,中央から搬送材両端近くまで 大部分の領域で白線帯,淀み部ともほぼノズルと平行であ るが,搬送材両端のところで白線帯はフ無心畿内へ曲り,
淀み部も狭くなっている。圧力分布図も写真で得られた流 れとよく対応しており,等圧力線はほぼノズルに平行して
いる。
Lx/
ieOe−M
/
,/t 爺
1
e=30e h/t=10
ユ./ユ.e=0.9
叉
ゆウ
Re=7.01×104
0
Fig.7 Distribution of static pressure on transforming materials.
( e= 300 h/t i 10 1/10= O.9 b= 110)
︵目︶
40
20
o
︐.
0.2 0.3 0.
0 0 ■
0 .
1
153 100 50 O 50 100 153
1 (mm)
b=110㎜ 1=306皿(1/1。=o.9)
e一 3di h/t=10
Fig. 8 Diagram of isobaric line.
(e=300 h/t=10 1/lo=O.9 b=110)
中央。
ノズル フロー配下壁
響
ノ メ一 /搬 材 N 7
搬送材端 はく離領域
ジェットカーテン
仕切板
淀み部
Fig.10 Flow pattern model in the floater.(皿)
支持高さが高くなると通常のジェットカーテンと同様に クッション圧力は低くなっている。等圧力線図において ジェットの衝突帯の中央から幅方向に70mm付近にやや圧力 の高い箇所があり,搬送材両端ではかなり圧力が低くなっ ている。h/t=4の場合にこの部分を境に衝突噴流の主流 は中央寄りでは大気側に,搬送材両端ではフロータ側に流 れると考えられる。したがって搬送材両端でははく離領域 の幅が広くなり,淀み領域が狭く絞られた状態になってい て,その結果淀み領域の圧力は搬送材の端近くまで高い圧 力が保持されている。フロータに入る流れは支持高さが低 い場合と同じように大気に流れるが支持高さが高いためそ の速度は遅くなり,それ故二次元的な特性になっているも のと考えられる。
さらに,支持高さが高くなった場合の搬送材の中央部か ら端部までの代表位置の圧力分布をFig,11にしめす。
鑓\£
1.0
O.5
o
b=110 mm 1/1.=O.9
e=3di h/t=15
仕切板
Fig. 9 Visual air flow patterns on the surface.
( 0= 300 h/t = 10 lfl,= O.9 b == 110)
O 10 20 30 40 50 60
z (mm)
Fig. 11 A kind of distributed static pressure,
(e=300 h/t == 15 lflo=O.9 b=110)
前述までと全く違って,ジェットの衝突を示す高圧帯が 見られず,仕切板近くで圧力が高くなっている。これは恐 らく,ジェットがフロー守内を横断して直接仕切板付近に 衝突しているものと考えられ,ジェットカーテンによる
クッション圧力は生じないものと考えられ,その様子を Fig.12に示す。
ノズル
黛
フロータ下壁中央部ら 搬送材 N
::こ t一一__
仕切板
搬送材端
ジェットカーテン
はく離領域
Fig.12 Flow pattern model in the floater.(皿)
以上により,クッション室内の流れを三つの代表的な場 合について大略が把握されたが,支持高さが低い場合の ジェットの衝突部の湾曲した白線帯や,高い場合にクッ ション室を形成できない点など,クッション室の長さが影 響しているものと考えられる。
4.1.3フロー工部さに関する特性について
搬送材幅1=306㎜(1/10=0.9>,無次元浮揚高h/t=4,
ノズル角度θ=30。でフロータ長さb;70mmと200mmの場合 について考察する。
Fig.13に, b=70㎜の場合の等圧力線図, Fig.14に可 視化写真を示す。等圧力線図を見ると中央より幅方向に 100〜150㎜付近に圧力の山が見られることから,b=110mm の場合と同じように付近でジェットの中心流線はフロータ 側に流れ,圧力の山のところでジェットは大気流からフ ロータ側に転じていることが推察される。また,この高圧 帯はb=110mmの場合よりも搬送材端に寄っており,可視 化写真を見ると大気側の流跡が長くなっていることより,
フロ一華長さが短くなるとジェットは大気側に多く流れる ことがわかる。さらに可視化写真の白線帯は中央付近では ほぼノズルと平行で,搬送材端付近でフロ一転内へ入り込 んでいる。つまりジェットカーテンははく離領域を囲むよ うに流れており,それ故クッション室が形成され比較的高 い圧力が保持されている。
次にFig.15にb=200mmの場合の等圧力線図, Fig.16 に可視化写真を示す。
b=200mmの場合,可視化写真を見るとジェットの衝突 帯がノズルとほぼ平行となり多少フロータ内に入ってい る。したがってジェットの曲率半径が大きくなりはく離領 域がクッション圧力を下げる原因となっている。また,
ジェットは中央付近では大気側へ多く流れ,搬送材両端付 近ではフロータ側へ多く流れており,さらに白線帯の両端 が消えジェットが搬送材の幅方向に流れていることよりフ ロータ内の端付近では速い速度でジェットが大気に流れ出 していることが推察される。
︵目︶
20
o
o.
●
\ρ .4
■
.5
● @ 0 一 0
曜 一 曹
1
層
FD−占
153 100 50 0 50 100 153
1(㎜)
b=70㎜ 1=306㎜(1/1。=0。9)
り
θ=30 h/t=4 Fig.13 Diagram of isobaric line,
(θ=30。 h/t=4 1/10=0.9 b=70)
Fig. 14 Visual air flow patterns on the surface.
(0=300 h/t=4 1/1,=O,9 b=70)
100
昌
)80
60
40
20
0
153 100 50 O 50 100 153
1 (mm)
b==200 mm 1=306 rmn (1/1.=O.9)
e == 3e h/t=4 Fig. 15 Diagram of isobaric line.
( e= 300 h/t =4 1/lo= O.9 b= 200)
1
一
●
O
︐
1
﹁ 一 0一
︐
1
●
..↑
00
●
■
Fig. 16 Visual air flow patterns on the surface.
( e= 300 h/t =4 1/10= O.9 b= 200)
等圧力線図を見ると搬送材がライン方向に長い分だけ淀 み領域が広くなっており,また,ジェットの搬送材衝突帯 の圧力の山は中央付近にあり,等圧力線も比較的ノズルに 平行となっている点が注目される。
4.1.4ノズル角度に関する特性について
搬送材1== 306mm(1/10 =O.9),無次元浮揚高h/t=4,
フロータ長さb =110mmでノズル角度θ=15。と30。の場合 を比較する。
θ=15。の場合の圧力分布をFig.17に, Fig.18に等圧 力線図を,Fig,19に可視化写真を示す。
e=1st
/
h/t24
〆「 1/1。=0.9
¥ /
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〜 C!
,! o
!
/
︑
,/
P!「
,
ゆ 吻8
ゆ
ゆ Re_7.17×104
0 ◎
⑲
Fig. 17 Distribution of static pressure on transforming materials.
(e=15e h/t=4 1/10==O.9 b=110)
可視化写真をみると白線帯は中央がノズルとほぼ平行 で,搬送材両端が少しフm一タ内へ曲がっている。等圧力 線図を見ても等圧力線はノズルとほぼ平行であり,ジェッ
トカーテンの曲率半径が大きいことがわかる。また,搬送 材両端で白線帯は消えており搬送材衝突部でのはく離が小
さいことを示している。白線帯からフロータ内へ分岐する ジェットの流離はθ=300の場合より長くなって,淀み領 域を狭めていることがわかる。
これはノズル角度が小さくなるとジェットが搬送材板に 衝突する角度も小さくなり,ジェットは搬送材板上をなめ らかに流れるのではく離領域が広がるためである。等圧力 線図よりθ=30(Fig.4)の場合の搬送材のジェット衝突
︵目︶
40
20
o
1
1
︐
3 0.
0.3
●
●
:0
曹 一
ls3 loo so 6
b=110 uun
e == lso
3一
50 100 153
1(皿)
1=306 imi (1/1.=O・9)
h/t=4 Fig. 18 Diagram of isobaric line,
( e= 15e h/t =4 1/10= O.9 b = 110)
Fig. 19 Visual air flow patterns on the surface,
( e= 15e h/t =4 1/lo 一一 O.9 b= 110)
部に見られる様な圧力の山はなく中央付近がやや高いにす ぎないことから,ジェットの中心流域はθ=30。(Fig.4)
の場合のようにフロ一心側に流れず大気側へ流れているこ とが推察される。また,はく恥部両端ではθ=30。(Fig.4)
の場合に見られる低圧帯はなくやや中央より低くなってい
る。
4.1.5搬送三幅に関する特性について
ノズル角度θ=30。,無次元浮揚高h/t=10,フロータ 長さb=110mmで搬送材幅1=204㎜(1/10=0.6)と1=
340mm(1/10=1.0)の場合を1=306mm(1/10=0.9)の場合 と比較する。 1
1/10=o.6の場合の圧力分布をFig.20に,等圧力線図を Fig.21に, Fig,22に可視化写真を示す。
可視化写真より白線帯は搬送材両端で激しくフロータ内 へ流れ込んでおり,等圧力線図より搬送材両端で等圧力線 がかなりフロ一山内へ曲っていることからもわかる。これ は搬送材両端ではく離領域が広がり逆に淀み領域が絞られ た状態になっているためで,それ故搬送材の幅が狭くても
/1 1
薫
e=30eh/t=101/le==O・6
kN. ...
//
1
弼 . $ ゆ , e x. 1 / 1
Re=7.ooXl{S一 V V s
Fig. 20 Distribution of static pressure on transforming materials.
( 0= 300 h/t = 10 1/10= O.6 b= 110)
︵§︶
40
20
o
●
●
■.
1 50
︐ ・ ・一一
︐
.
0 .3
102 50 O 50 102
1 (ran)
b=110㎜ 1=204囮(1/1。=0。6)
e=300 h/t=lo
のところに圧力の山があるが,1/10=0.6の場合では圧力 の山は中央に在り搬送材の端へ行くにしたがって低くなっ ている。これより1/10=0.9(Fig.4)の場合,搬送材に衝 突したジェットは中央部ではあまり幅方向には流れずライ
ン方向にほぼ平行に流れるが,1/10=O.6の場合はジェッ トが前後に分れ左右の幅方向にも流れていることが推察さ れる。搬送一幅が狭くなるとジェットは左右へ広がりなが ら淀み領域を囲むように流れ,大気に通じるものと思われ
る。
次にFig,23に1/10=1.oの場合の圧力分布, Fig24に 等圧力線図,Fig,25に可視化写真を示す。
1/10=1.oの場合の全体的な傾向は1/10=o.9(Fig.4)
の場合と同様であるが,1/10=o.9(Fig.4)の場合よりも 圧力が低い。可視化写真を見ると白線帯は両端部でもあま
りフロータ内へ入ってなく,ジェットははく離部でライン
Re=6.86xlO一
ノ〆 ︑.油
e
e=30e h/t=10 1/1.=1.e
ノ.
x
』@ ゆ
ゆ th
Fig. 23 Distribution of static pressure on transforming materials.
(e=30e h/t=10 1/10=1.0 b=110)
Fig. 21 Diagram of isobaric line.
(e=300 hft=10 1/lo=O,6 b=110)
Fig. 22 Visual ≠奄秩@flow patterns on the surface.
( e= 30e h/t = 10 1/lo= O.6 b= 110)
比較的高いクッション圧力が保持されている。
また,ジェットが搬送材に衝突している位置を見ると 1/10=o.9(Fig.4)の場合,中央から幅方向にso〜loomm
︵目︶
N 40
20
o
■●
1
_.L. ●
@ 0
150 100 50 50 100 150
1 (um,)
b=110 nmi 1=340 nrrn (1/1.=1.0)
e =300 h/t7一 lo
Fig. 24 Diagram of isobaric line.
(e=30 h/t=10 1/lo= 1.0 b=110)
Fig. 25 Visual air flow patterns of the surface,
( e = 30e h/t = 10 1/1,= 1,0 b == 110)
方向にきれいに流れている。また,淀み部の搬送材両端で はっきり流跡が確認でき,圧力分布をみても1/10=0.9
(Fig.4)の場合に比べ搬送材両端で圧力が下がっている。
これは搬送材幅がノズル長さと等しいため搬送材両端の外 側ではノズルから流出したジェットが直接影響しないので 端部が層流に近く,ジェットが流れやすくなっているため に両端では速い速度で大気に流れ出している。これより淀 み領域があまり絞られずに大気に通じているため,やや低 いクッション圧力になっていることが推察される。
4.2支持力特性
支持力特性については現在三次元理論が解明されていな いため,今回の実験では二次元理論の指数関数理論と Barratt理論をもとに考察する。
初めに実験模型のフ十一タの搬送材両端に仕切をして二 次元模型とし,同様の実験をして実験模型の精度と実験方 法の正確さを確認した。
左\8
O.8
O.6
O.4
O.2
Tvvo Dimensions b=110 rm 1/1.=1.O
oX e−3di
Ebrponentta1 Theory
一一一一一一 @Ba㎜t七Theo可
虚\£
O.8
O.6
O.4
O.2
e o
Three Dimens±ons b=110 an e=3dO A 1/1.=O.6
塾 ロ1/1。一〇.9
x
xX o 1/1.=1.o N
xX 一 Exponential Theory
s
N 働一陶一噌Barratt Theory 8 NX,
XXN a. N
ム ロ
騒e
艮
5 10
h/t 15
Fig.27 Variation of cushion pressure coefficient with helght/jet thickness by three dimensional model.
(e=300 b=110)
虚\£
O.B
O.6
O.4
O.2
o o
o o
o
o
1:hTee D1皿ensions b=冨110面
o o
o 1/1.=o.g
θ冨150
一 Ebrpcmential Theory
一一一一@Barratt Theory
o
o O o
o o
O 5 10 15
h/t
Fig. 26 Variation of cushion pressure coefficient with heightfjet thickness by two dimensional model.
( e =30e 1/1,= 1.0 b = 110)
o 5 10
h/t 15
Fig.28 Variation of cushion pressure coefficient with height/jet thickness by three dimensional model.
(e= 150 1/10= O.9 b= 110) i
Fig.26に搬送三幅1; 340mm(1/10=1.o),ノズル角度 θ=30。,フロータ長さb=110mmで二次元の場合の無次元 支持力(Pc/Pt)3)を示す。これよりほぼ正確に実験ができ ているといえる。Fig.27にノズル角度θ=30。フロータ長 さb=110mmで搬送開門1=204mm(1/10=0.6),306㎜(1/10
=0.9),340mm(1/10=1.0)の場合の三次元模型の無次元
支持特性(Pc/Pt)を示す。 Fig.28に搬送材幅1=306mm
(1/10 ・O.9),ノズル角度θ=15。,フロータ幅b=110mm の場合の三次元模型の無次元支持特性(Pc/Pt)を示す。
Fig.27より支持力は搬送材幅にあまり影響されていな いことがわかる。浮揚高について観察すると,三次元模型 であるからジェットは搬送材両端部から大気に流出するた めにクッション室内の圧力が比較的低く,全体的に二次元 理論値に近く,前述(4.L2 浮揚高さに関する特性につ いて)の考察からもこの付近で二次元的な特性となってい ることより,h/t=2や4の場合では三次元的な特性がh/
t=6,8,10と12の付近では二次元的な特性となってい ることが推察される。また,h/t=15の場合はジェットが 仕切板に衝突し,直接搬送材板に当たらず,従ってクッショ ン室の形成がないので搬送材板上の圧力があまり上がらな いため,小さな支持力となっていることが推察される。こ れらより超薄膜搬送材の搬送には浮揚高に関する支持力の 変化が比較的少ないh/t=6 一12の辺りの使用が適してい ると思われる。
Fig. 28と比較して見ると,θ=15。の場合はh/t=8の 付近で二元理論値に近い特性となっており,それ以上の浮 揚高ではジェットが仕切板に衝突するため小さな支持力と なっている。
ノズル角度が小さくなった場合,ジェットはフロー寮内 に深く入り,また,搬送材板上をライン方向に流れるため 支持力の変化が激しくなり,搬送材がうねりを生ずるよう になる。それ故θ・・1SQの場合は超薄膜搬送材の搬送には 適しておらず,むしろθ=30。の場合の方が適している。
次にフロータ長さに関する支持力特性について考察す る。Fig. 29に搬送材幅1=306mm(1/10=0.9),ノズル角 度θ =・30。でフロータ長さb=70と200mmの場合の無次元支 持特性(Pc/Pt)を示す。
二次元値はほぼ理論値と等しい。三次元値を見るとb=
70mmの場合はh/t=8の付近で二次元理論値に近い特性と なっていることが推察され,それ以上の浮揚高も二次元理 論値に近い値になっている。b=200mmの場合はかなり小
さな支持力となっていることから,フ二一タ長さが長くな るとジェットは両端部からかなり流出していることが推察 される。また,h/t=8以上の浮揚高ではジェットは二次 元理論値の特性を持った流れ方をしている。
4. 3流量特性
流量係数3)も支持力特性と同じく三次元理論が解明され ていないため,二次元理論の指数関数理論をもとに考察す
る。
Fig.30に搬送材幅1=340mm(1/lo=・1.0),ノズル角度 θ=300,フロータ長さb=110mmで二次元模型実験の場合 の流量係数を示す。
虚\8
O.8
O.6
O.4
O.2
O 伽
︑唖︑︑△O ︑︑︑ ︑︑︑唖
▲● 6▲
Three Dimens±ons e b=200 mm Ab== 70 mm C[rvvo Dimensions O b==200 mm A bF 70 mm 1/1.=O.9 eL300
e
一Exponential Theory
6
一一一一一・aarratt [11heory
o会
R e e e e
9
o
O 5 10 15
h/七
Fig. 29 Variation of cushion pressure coefficient with height/jet thickness by two and three dimen−
sional model,
(e=300 1/lo== o.g b=200 or 70)
σO 1.0 O.8 O.6 O.4
O.2
[[rvvO Dimensions 1/1.=1・O
o o
o b=110 mm e=30
b o o o
Exponential Theory
o
o
O 5 10 15
h/七
Fig. 30 Variation of mass flow coefficient with height/
jet thickness by two dimensional model,
(θ二300 1/!0=1,.O b=110)
これで見るように実験値が理論値によく沿っていて実験 の精度を検証することができる。
Fig,31にノズル角度θ=30。,フロータ長さb=110mm で搬送材幅1=204mm(1/10=0.6),306mm(1/10=0.9),
340mm(1/10=1.0)の場合の流量係数を示す。 Fig.32に搬 送材幅1=306mm(1/10=0.9),ノズル角度θ=15。フロー タ幅110mmの場合の流量係数を示す。 Fig.31を見ると,
搬送材幅が狭いとノズルから噴出されたジェットは一部が 搬送材に衝突せずに直接大気に流出するものもあるため h/t=2−6,1/lo・=O.6の場合は1/10=0.9と1.0の場合に 比べて流:量係数は大きい。しかしh/t=・6の浮揚高ではど
1.0
8 伍
びO
O.6 O.4
O.2 o
Three Dimensions b=110㎜θ=30
A A 目 8
O 1/1.=1.o 口 1/10=:0。9 A 1/le=O・6 Exponentia L Theory
o 5 10
h/t 15
Fig. 31 Variation of mass flow coefficient with height/
jet thickness by three dimensional model,
(e=300 b=110)
9
1.0
O.8 e.6
O.4 O.2 o o
[Vhree Dimensions b==liO mm
1/1.=O.9 o O o
oe=15
o
一 Exponential [Pheory
5 10
h/t 15
Fig. 32 Variation of mass flow coefficient with height/
jet thickness by three dimensional model,
(e= 150 1/lo=O.9 b=110)
れもほぼ等しい値になっていることより,h/t=6以上の 浮揚高では搬送材幅に関係なく流量係数は一定となる。
また,三次元模型ではジェットが両端部からも大気に流 出しているため,二次元理論よりも大きな流量係数となっ ており,Fig,32に於ける,流速の速いθ=15。の場合では 顕著である。
次にフロー町長さに関する流量係数について考察する。
Fig,33に搬送材幅1=306mm(1/10=0.9),ノズル角度θ
=30。でフロータ長さb=70と200mmの場合の流量係数を示
す。
h/t=4以下ではb=200mmの場合の流量係数がやや大 きいが,それ以上ではほぼ同じ値である。つまり浮揚高が 高くなると流量係数はフロー防長さに影響されない。これ らより浮揚高が高くなると流量係数はノズル角度以外には 影響されないことがわかる。
5.結 言
以上のように搬送材幅,浮揚高,ノズル角度,フロータ 長さに関するフロー口内のクッション圧力形成機構,支持 力特性及び流量特性について調べてきたが,これらの因子 のうちで超薄膜搬送材の非接触連続搬送に最も影響を及ぼ す因子として,浮揚高とノズル角度炉考えられる。
ノズル角度については支持力特性に関する影響が穏やか なθ =30。の場合の方が適している。また,浮揚高につい ては浮揚高に関する支持力の変化が穏やかなh/t=6 ・一・12 のあたりが適している。
今回の実験ではノズル角度θ=15。と30。の場合について のみ考察を行ったが,他にθ;45。,600,75。などの場合 についても実験し,考察する必要があると思う。
6.参 考 文 献
1.0
g
O.8 O.6 O.4
O.2 o
[Vhree Dimensions
[Dvvo Dimensions
ΩO△
婿.
60e b=200 mm A b== 7ti mm O b==200 mm A b=: 70 mm
ぎき8
0e == 30
1/1.= O.9 1]xponential [rheory
1)芋瀬
2)
3)三森 正行 tl 太郎 道満 脂身 安富善三郎
中外技録 75WAL1077 ,i 81WALI177
油圧と空気圧 昭和57年 13−7 日本油空圧学会
4)流れの可視化学会 流れの可視化ハンドブック p.92 朝倉書店
5)鴨井 新生 機械の研究 昭和43年 20−4 日本機械学会
︒ 5 10 15
h/t
Fig. 33 Variation of rnass flow coefficient with heightf jet thickness by two and three dimensional model.
( e= 300 1/lo== O.9 b : 200 or 70)