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仏教文化研究所紀要43 001宇野 順治・古泉 圓順「復元:トルファン出土「二十八(七)宿占星書」」

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(1)

Ryukoku University

NII-Electronic Library Service

 

宿

」 四 四

N工 工

Eleotronlo  Llbrary  Servloe

  研 ”

西

  員

             

↓                                                                                                    

2

  『

昌 残 影 図 録 』 の う ち 第 三 三

「 暦 学

」 の

甲、

乙 二 片

裏、

都 合 四 面 と

合 で ぎ る 文 献 の あ る こ と が 判 明 し た 。 ド イ ツ の ベ ル リ ン 科 学 ア カ デ ミ

所 蔵 す

か つ て の ド イ ツ

ト ル フ ・ ン 探 検 隊

の 「 °

゜・

及 び

献 が そ れ で あ る ・ こ の

号 の 他 に 「

T

皿 」 な る 記 号 が 書 き 込 ま れ て い て 、 二 十 世

の 初 頭 に ド イ ツ 第 二 次 探 検 隊 が ト ル フ ァ ン 付 近 で 発 掘 し た も の で あ る こ と を 示 し て い る

  『 高

残 影 図 録 』 の 「 暦 学 書 甲 乙 片 」 に は そ の 上 端 に 天 界

か れ て お り

 

「 。

F

ト o。 ω ○ 民

」   の 下 端 に は 地 界 線 が み え る の で

  「 暦 学 書 甲 乙 片 」 が 上 に 位 置 し

 

ぽ レ

巨 く

」 淤 下 部 と な っ て 接 合 さ れ る と い う こ と が わ か っ た 。 そ れ ぞ れ の 断 片 が 占 め る 分 量 は

 

「 暦 学

甲 乙 片 」 が 四 十 % 強

し た が ウ て

8

ゲ 』 Q。 ω O 目

L は 六 十 % 弱 と い う こ と に な る 。 つ ま り 同

の 文 献 が 、 以 上 の よ う に 四 分 六 に 分 断 さ れ て

方 は

ロ コ レ ク シ ョ ン

他 は ベ ル 聾 ン コ レ ク シ ョ ン に 所 蔵 さ れ て

た り 、 百

  歳 月 を 経 た

、 こ こ に 再 び 邂 逅 し て 、

献 本

の 役 割 を

に 至 っ た と 言 う こ と で あ る 。   っ な ぎ 合 わ せ の 順

は 次 の 通 り で あ る ひ 下 に 位 置 す る 「 o げ

同 ◎ひ 03 ◎ 門

」 の 上

の 端 か ら 先 ず 「 暦 学 書 乙 片 表 」 を 、

い で 「 暦 学

裏 」 を

裏 返 し て 、

 

「 o 『

°

μ o◎ ω O く

」 の 上 に は 、

か ら 「 暦

書 甲

表 」 、

 

「 暦 学

乙 片 裏 」 が 繋 ぎ 合 わ さ れ る 。

 

「 暦 学 書 甲 乙 片 」 、 「 。

F

ド 。。

8

μ く 」 上 下 の 接 Ryukoku  

(2)

面 で は

互 に

け た 文

元 が 可

と な り

「 占 星 書 」 で あ る こ と も 判 明 し た 。 「

」 の

通 し て

読 す る と

こ の 文 献 は 『

残 影 図 録 』

製 当 初 に 同

さ れ た 「 暦 学

」 で は な く

 

献 に は 罫 線 が 引 か れ

に は ほ ぼ 二 十

ほ ど の 漢 字 が

か れ て い る 。   「 甲

」 か ら 始 ま る 面 は

ま ず 十

行、

二 行

ほ ど の 空 白 行 が あ っ て 、 五

が 。

 

「 乙 表 」 か ら の 面 で は 、 五

行、

空 白 二 行

次 い で 十 二 行 が あ る 。   そ れ ぞ れ の 行 に は 「 ● 」 の

出 し が あ り

出 し に 続 い て 星 の 名 が 記 さ れ

当 該 の 星 の 宿 る 日 に

日 月 蝕 が 起 こ っ た 時 の 吉 凶 、 同 時 に 地 震 が 揺 っ た と き の 災 厄 の 有

が 示 さ れ て い る 。   星 は 「 甲 片 表 」 に は

宿

宿 、 角

宿、

宿

が 。

 

「 甲 片

」 に は

宿

鬼 宿

柳 宿

星 宿

 

) 宿 が 。

 

「 乙 片 表 」 に は ( 畢 )

宿、

宿

参 宿 が 。   「 乙 片 裏 」 に は 壁 宿

宿 が

そ れ ぞ れ 記 さ れ て い て 、 こ れ が 二 十 八 宿 を 構 成 す る 星 宿 で あ る こ と は 明 瞭 で あ る 。                                

4

  中 国 で 古 く か ら 行 わ れ て き た 二 十 八 宿 は 、

の ご と く で あ る 。     東 方

 

亢、

尾 、

の 七 宿     北 方   斗 、 牛

虚、

危 、 重 、 壁 の 七

宿

    西 方  

婁 、 胃

昴、

参 の 七

宿

    南

 

井、

、 柳

軫 の 七

宿

で あ っ て

角 宿 か ら 始 ま っ て

回 り に

太 陽 の 黄 道 の 上 を 、 不

分 に 位 置 す る 二 十 八 の 星 座 を 割 り 当 て た

こ れ ら の 星 座 が 昏 に 南 中 し て か ら

び 昏 に 南 中 す る ま で の 時 間

つ ま り 恒 星 年 を 割 り 出 し

こ れ に よ っ て 季 節 季

の 太

の 位

を 知 ろ う と 言 う も の で あ る 。   言 う ま で も な く

月 の 運 行 か ら

ケ 月 を 知 る 太 陰 暦 で は 、 暦 と 季

の 移 ろ い に 誤 差 が 生 じ る わ け で あ る か ら 、 こ れ を 修 正 す る た め に は

太 陽 運

を 把 握 す る こ と は 不 可

で あ っ た 。 か く し て 二 十 八

宿

め ら れ た の で あ る 。               復 元   ト ル フ ァ ソ 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」                                                           四 五

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堡 兀   ト ル フ ァ ン 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占

星 書 」                                                     四 六   何 故 に 二 十 八 宿 の 先 頭 が 角 宿 な の か に つ い て は

こ れ ま た 古 代 の 中 国 人 が

宇 宙 の 支 配 者 天 帝 の

殿 と

え た 北 極 星

そ れ に 隣 接 し て 北 極 星 を 中 心 に 回 り な が

人 間 の 運 命 を 司 る と 信 じ ら れ た 北 斗 七

そ の 北

に 最 も

い 位 置 に あ っ た の が 角 鶴 耐 あ っ た か ら 、 そ れ が 出 発 点 と な っ た と い う の で あ る 。   さ て

宿 は

こ の 文 献 で は 「 甲 片

」 に 記 さ れ て い る 。 と こ ろ が

宿 の

に は

宿

宿 に つ い て の 記 載 が あ っ て

こ れ が 出

点 で は な い こ と が 知 ら れ る 。 つ ま り こ の 「 占 星

」 は 中 国 式 の 二 十 八 宿 で は な い と い う こ と で あ る 。                                                                  

6

  と こ ろ で 唐

代、

不 空 三 蔵 訳 出 の 『

殊 師 利

薩 及 諸 仙 所 説 吉 凶 時 日

悪 宿 曜 経 』   「 宿 曜 暦 経

日 宿 直 所 生 品

二 」 に 依 れ ば 、 星 宿 は 昴 か ら 始 ま                        

マ っ て い る 。 こ れ に 不 空 の 弟 子 揚

風 が 注 を

し て    

風 目

中 国 天 文

昴 七 星 、 主 胡 兵

西 方 之

宿

也 。 然 今 案

説 星 多 不 与 中 国 相

符。

と 述 べ る よ う に

中 国 の 星 宿 と は

容 れ な い 星 宿 が 仏 典 に あ っ て

そ れ は 昴 か ら 畢

觜、

鬼、

へ と 廻 っ て ゆ く の で あ り

中 国 で 西 方 に 配 置 さ れ て い る 昴 が

方 に 位 置 し て い る 矛 盾 の 指

風 注 の 謂 で あ る 。                                        

7

  同 様 に

代 那 連 提 耶 舎 の 訳 し た 『 大 方 等 大

経 』 巻 第 四 十

「 日 蔵 分 中 星 宿 品 第 八 之

」 で も     我 今 以 昴 為

宿 也 。 復 次 置 畢

第 二 宿 。

次 置

三 宿 。 次 復 置 参 為 第 四 宿 。 次 復 置 井 為

宿

為 第 六 宿 。 次

為 第 七

宿。

    次 置 南 方

宿 名 日 七 星

                                                 

8

と す る よ う に

方 昴 を 初

宿

と す る 星 宿 は

く 星 宿 な の で あ る 。   再 び 文 献 に 戻 っ て

 

「 乙 片 表 」

行 の 下 段 で は

  「

」 の 下 、 僅 か に 「 畢

宿

」 と 読 め る 。 畢 は 仏 典 の 星 宿 で は

目 の

宿

で あ る か ら

「 乙 片 表 」 の 右 に は

失 わ れ て は い る が

昴 宿 の 記 載 が あ っ た に 違 い な い 。 つ ま り こ の 文 献 は 「 乙 片 表 」 か ら 出 発 す る 星 宿 の 「 占 星 書 」 と い う こ と に な る 。   「 乙 片

」 か ら 出

す る 「 占 星

」 で は

へ と 記 述 が す す む 。

宿 の 次 に 位

す る 井 宿 は 「 甲 片

」 の

二 行 目 に 記 さ れ て い る か ら 、   「 乙 片 表 」 か ら 「 甲 片

」 へ と 続 く こ と が わ か る 。

 

「 甲 片 裏 」 で は 井 宿 の

後、

鬼、

柳 、 星

張 宿 の 記 述 で こ の 片 が 終 わ る 。  

宿 に

く の は 翼 宿 で

こ れ は 「 甲 片 表 」 の 第 二 行 底 か ら 第 三 行 首 に か け て 「 ● 若

宿 日 」 が こ れ で あ る 。   「 甲 片

」 の 最 初 の 二 行 は 前

「 甲 N工 工

Eleotronlo  Llbrary  

(4)

片 裏 L 末 尾 張 宿 の 記 事 の 続 き で あ り

そ し て

翼、

軫、

亢 の 順

と な る 。   「 乙 片 裏 」 の

段 に は 「 ● 若 壁 宿 日 」 と み え る か ら 、 こ の 行 前 段 に 記 さ れ て い る も の は 室 宿 の 記 事 の

尾 と い う こ と に な る 。

 

片 表 」 は

宿

わ っ て い た か ら

こ の

後、

室 宿 に 至 ま で の 記

は 欠

し て い る の で あ っ て

  「 乙 片

」 か ら 「 甲 片 表 」 に は 、 紙 面 は 繋 が ら な い

  さ き に 示 し た 『 大 集 経 』

 

「 星

宿

品 」 で は     東 方

 

昴、

畢 、

参、

井、

鬼、

柳     南 方

 

七 星

、 翼 、 軫 、

角、

亢、

琢     西 方  

房、

箕、

牛、

女     北 方

 

虚、

辟、

奎 、 婁

胃 と み

兄 る か ら

南 方 第 七

宿

鼠 か ら

西

房、

箕、

、 女

北 方

、 第 二 の 虚

ま で の 十 宿 分 と

北 方 第 三 室 宿 分 の 前 半 は

当 然 「 乙 片 裏 」 か ら 「 甲 片 表 」 に 至 ま で の 間 に

こ れ ら の 記 載 が 存 在 し た に 相 違 な い 。   北

第 六

宿

婁 と 第 七 宿

の 二 宿 分 も 失 わ れ て い る が

こ れ は 「 甲 片 裘 」 の 末 尾 に あ っ た 筈 で

失 わ れ た 第 六

以 下 に 書 か れ て い た も の で あ ろ う 。 「

」 の

  「 占 星 書 」 の 元 の 形 は

採 寸 の 記 録 『

昌 残

 

「 暦 学 書

片 」 高 六

七 ×

五 、 同

に 「 乙 片 」 六

七 x

五 セ ン チ メ ー ト ル

及 び 「 。 び μ o。

8

」 に 書 き 込 ま れ た 法 量 九

四 × 二

八 セ ン チ メ ー ト ル に よ っ て

そ の

面 の 横 幅 は

五 セ ン チ メ ー ト ル

紙 の

さ は 「 暦

書 甲 乙

」 を 加 ・ 兄 て

セ ン チ メ ー ト ル ほ ど の 、 や や 正 方 形 に 近 い

謂 う と こ ろ の 枡 形 本 の よ う な 形 状 で あ っ た と お も わ れ る 。   こ れ に 用 い ら れ た 紙 も 、

 

ド c。 ω O 」 に よ っ て あ ら ま し を 知 る こ と が で き る 。 つ ま り 「 甲 片 」 の 約 半 分 の 欠 失 し な

分 を

う と 、 紙

嫁 ほ ぼ 三

セ ン チ メ ー ト ル

も ち ろ ん 紙 高 は

六 セ ン チ メ ー ト ル の 紙 と い う こ と に な る 。 こ れ を 中

か ら 縦 に 半 分 に 折 る と 、

本、

の 用

と な る 。             復 元   ト ル フ ァ ン 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」                                                               四 七

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「 乙 片 」 は 首 部 を 失 っ て い る が 、 当

は ま ず 「

」 の 前 分 に 相 当 す る 記 述 が あ っ た で あ ろ う 。

い て 昴 宿 と そ の 吉 凶 、 そ し て

の 「 乙 片 表 」 畢 宿 の 吉 凶 に 及 ぶ 。 こ の 占 星

で は 「 乙 片

」 が 第

面 の

半 と い う こ と に な る 。

 

「 乙 片 表 」 の 末 行 に は 「 ● 若 参

宿

日 月 蝕

人 人 皆 有

有 地 」 と あ り

こ の あ と 「 甲 片 裏 」 の

部 「 動

、 草 木

苗 嫩 毀 落

行 人 、 小 王

盗 賊 等 死 。 」 へ と 文 章 が

せ る か ら

 

「 乙 片

」 か ら 「 甲 片 裏 」 に 続 く こ と が 確 か め ら れ た 。   第 二 面

 

「 甲 片 裏 」 は

宿

後 半 に 始 ま っ て

宿 に 及 ぶ 。

 

「 ●

張 宿 日 、 日 月

蝕、

則 南

国 王

逋 厄 。 」 が 「 甲 片 裏 」 の 末 行 で あ る 。   第 三 面

 

「 甲 片

」 は

行 首 三 字 ほ ど は 欠 け て い る が

第 二 行 の

「 ● 若 」 か ら 第 三

首 「 翼 宿 日 」 と み え る か ら 、

 

「 甲 片

」 最 初 の 二 行 は 「 甲 片 裏 」 か ら 続 い て き た 張

宿

の 占 文 後 段 で あ っ て

 

「 甲 片 表 」 が

三 面 と な る 。 第 三 面 は 張 宿

半 か ら 翼 宿 、

宿

宿

亢 宿 の

文 が 記 さ れ て い る 。 第 三

末 尾 、 亢

宿

の 占

の 末 行 は 「 唯 地 動

盗 賊

人、

屠 者

行 」 ま で で

わ っ て い る 。 こ の あ と に 続 く 文 が

中 に 見 い だ さ れ た 。 三 国 時 代 の 呉 で 、 天 竺 僧 竺 律 炎 と 居 士 支 謙 と の 共 訳 に な る 『

経 』 巻 下 「 観 祥 災 品 」 に は 「 月 在 亢 宿

而 地 動 者

諸 有 盗 賊 、

屠 者

行 客 象 馬

依 山 住 人 、 皆 当 衰 滅 」 と み え て

第 三 面 の 「

地 動 」 よ り 「 屠 者

」 ま で と 同

で あ る こ と が わ か る 。 と い う こ と は

三 面 か ら

の 行 に は 「 行 + 客 象 馬 … 」 と

か れ て い た 可

性 は 極 め て 高 い 。 つ ま り 第 三 面 か ら 「 乙 片 裏 」 の

行 目 「 困 人

及 諸 大 夫 、 皆 有

厄 」 に は

が ら ず

し た が っ て 「 乙 片

」 は 第 四 面 に は な ら な い と い う こ と が わ か っ た 。  

四 面 、 第 五 面

 

先 に も 少 し 触 れ た が

第 四 面 、

五 面 は 欠 失 部 分 で あ る 。

か ら 始 ま っ た 「 占 星

」 の う ち 第 四 面 の 終 わ り で 亢 宿 の

ま で 進 ん だ 。 こ の あ と

 

「 乙 片

行 壁 宿 に 至 る 問 に は 「 氏

房 、 心

箕、

女、

室 」 の 十

星 宿 が あ る ( 但 し 仏

の 場 合

宿 が 無

二 + 七

こ と も

る ・ と す る と +

) ・ お よ そ

し て い る と

ら れ る 第 二

第 三 面 で は

そ れ ぞ れ

張 L

 

「 翼

軫、

角、

亢 、

」 五 星

宿

つ つ の 占 文 が あ る か ら 、 失 わ れ た

五 両 面 に も ほ ぼ 同 分 量 の 占 文 が あ っ た に 相 違 な い

そ れ が

枚 の

形 の 紙 の 表 裏 に 書 か れ て い た 。 こ の 紙 を 仮 に 「 丙 片 」 と す る と 、 第 四 面 は 「 丙 片

」 第 五 面 は 「 丙 片 裏 」 と い う こ と に な る 。   「 甲 」

 

「 乙 」 片 は 切 り

さ れ て 別 葉 に な っ て い た か ら わ か ら な か っ た が

 

9

°

ド G。 ω O 」 を

も と も と

紙 の 「 甲 」 と 「 乙 」 と の 間 に は 二

ほ ど の 空

の あ る こ と が 判 明 し た

 

「 ° 『 」 °。 ω OL の 空 行 に は 針

な ど が 見 あ た ら な い か ら

線 装 で は な い

お そ ら く 「 丙 片 」 は こ の 空 行 に 糊 で

け ら れ て い た も の で あ ろ う と 考 え て い る

つ ま り こ の 「 占 星

」 は 粘 葉 本 の 様 式 を と っ て い た も の で あ る 。 N工 工

Eleotronlo  Llbrary  

(6)

 

六 面   「 乙 片

」 の 最 初 の 行 に は 「 困 人

及 諸 大 夫

有 災

厄。

」 と み え る

こ れ は 「 丙 片

」 か ら

い て き た 室 宿 の 占 文 の 尾 部 で あ る

そ こ へ 壁 宿

宿

の 占 文 が 続 く 。 こ の あ と 欠 失 し て い る が 婁 宿

宿 の 占

が あ っ て

六 面 が 完

す る

で あ る 。   か く し て こ の 「 占 星

」 は 六 面 か ら な る

形 本 「 二 十 八 ( 七 )

宿

占 星

」 で あ っ た こ と を 知 る 。 「

」 と

  先 に も 触 れ た が

こ の 「

」 は 仏

に み る 星

宿

の 順 序 に 配 列 さ れ た 星 座 に 月 が 宿 り 、 そ の 延 長

上 に 太 陽 の 位 置 を 知 る こ と の で き る 日

そ れ が 日

蝕 で あ り 、 さ ら に そ の 日 に 地 震 の あ っ た 場 合 の 当 目

厄 が

る か

い か の 吉 凶 を 占 っ た も の で あ る 。   こ の 「 占 星 書 」 と 同 様 に 、 定 め ら れ た 星 座 と 月 宿 と の 関 係 を 説 い た 経

が 蔵 経

に 見 ら れ る こ と は 夙 に

摘 さ れ て い る

三 国 時 代 の 呉 国 に お い て 竺

炎 と 支

共 訳 に な る 『

』 上 下 二

西 晋 の 竺 法

・ 舎

太 子 二 + 八

宿

那 連

耶 舎 訳 ・ 大 方

・ 巻

十 六 「 月 蔵 分

十 二 星 宿

受 品 第 十 八 」

隋 朝 に 入 っ て 同 じ く 那 連 提 耶 舎 訳 出 に な る 『

方 等 大 集 経 』 巻 第 四 十

「 日 蔵 分 中 星 宿 品 第 八 之

『 同 経 』 巻

四 十 二 「 日

分 中 星 宿 品 第 八 之 二 」 が あ り 、 ま た

代 に 不 空 訳 に な る 『 文 殊

利 菩

及 諸

所 説 吉 凶 時 日

悪 宿

経 』 上 下 二 巻 が そ れ で あ る 。   (

1

)   『

経 』 と の 関 係   『 摩 登 伽 経 』

下 の 「 観

祥 品

六 」 に は 月

宿

と 星

座、

の 吉 凶

及 び 地 動 の

を 説 く 条 が あ っ て 、 そ の 記 述 の

部 は

こ の 「 占 星

」 の 文 言 と 極 め て 近 似 す る と こ ろ が あ り

ま た 「

品 」 に よ っ て こ の 「 占 星 書 」 の 欠 失 部 分 の 補 填 が 可 能 で は な い か と お も わ れ る と こ ろ も あ る 。 示 せ ば 次 の

く で あ る

参   宿     「 占 星

」 若 参 宿 日

日 月

、 則 人 人

厄 。 復 元   ト ル フ ァ ソ 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」 「 観

品 」 四 九

(7)

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宿

亢 宿 復 元   ト ル フ ナ ン 出 土 「 二 十 八

( 七 ) 宿 占 星 書 」 唯 纔 有 地 動 者 、

萎 死 、 苗

毀 落

小 王

賊、

等 死

宿 日

日 月 蝕

則 織

皆 有 遉 厄 。 若 有 地 動

国 土

厄 。 若 従 西 地

動、

蛇 狼

有 毒 長

虫、

死 。

宿 日

蝕 、 其 年

泰 。

地 動

則 諸 驢 馬

等 、

。 又 其 歳 中 、 近 有

宿

生 者

皆 有 災

有 盗 賊

楽 人

象 馬

皆 当

月 在 参

宿、

等 死

宿、

害 。

木 萎 死 、   五 〇 苗 嫩 毀

落、

行 人

小 王

地 動 者

龍 蛇

飛 鳥 走

A 呈 毋 薬

当 被

 

宿

の 場 合

  「 占 星 書 」 で は 「 唯 纔 」 の 二

い の み

他 は 全 く 「

災 祥 品 」

 

宿

で は 逆 に 双 本 に 共 通 す る

字 は 「

蛇 」 の み

し か し 他 の

に お い て も ぺ て い る と み て よ い

 

宿

に あ っ て は

に 示 し た よ う に

門 甲 片 表 」 め

尾 か ら

 

「 丙 片 表 」 に

く 部 分 に あ り

も ち ろ ん 「 丙 片 」 は 失 わ れ て い る の で 、 推 測 の 域 を 出 る も の で は な い が

 

「 占 星

」 の 「 地 動

諸 有 盗 賊

楽 人

行 」 ま で が

 

災 祥 品 」 と 同 文 な ら ば

  「 占 星 書 」

 

「 甲

」 末 行 の 「 行 」 字 に

く 「 丙 裘 」 首 行 に は

ら く 「

象 馬

依 山 住 人

滅。

」 と 記 さ れ て い た と 考 え て よ い の で は な い か 。

 

星 書 」

 

「 乙

」 の

壁 宿 の 日 に 日 月 蝕 し た と き の 占 い 文 に は 、

宇 判 読 の 難 し い 文 字 が あ る 。

 

「 ● 壁 宿 日

日 月 蝕 、 大 国 王

 

     

 

宜 祭 於

自、

穣 ( 穣 は

禳、

下 は 禳 に 写 す ) 解 之 吉 。 」 の な か で

と し た と こ ろ に 当 た る

字 で あ る 。

 

見 「 日 」 や 「 月 」   に 近 い 字 形 で は あ る が

こ れ な ら ば 「 日 月 蝕 」 が

星 宿 の 記 述 に あ る の で

誤 る こ と は な い

字 の 中

が 破 れ て い て そ の ま ま で は

み 辛 い が

 

「 肉 」

と は

め な い か 。 な ぜ な ら ば 『

登 伽

上 「 説

図 品

五 」 に は 「 壁 宿 二 星

形 如 人 歩

夜 、 及 月 而 行 、 以 肉

之 。 」 の

文 が あ る と こ ろ か ら

斯 く 考   月 在 亢

宿

、 而 地

盗 賊

行 客

馬 ・ 依   山 住 人

滅。

  の そ れ と

文 で あ る 。 少 し 文 言 は 異 な る も の の

そ の 内 容 に あ っ て は

じ こ と を 述 N工 工

Eleotronlo  Llbrary  

(8)

え た の で あ る 。   (

2

 

経 』   「 日

分 申 星 宿 品 第 八 之

と の 関 係   「 星

宿

八 之

」 に

く 各 星

宿

の 項 の 中 で 、

 

「 占 星

」 の

と 関 係 が あ る と 考 え ら れ る も の は 次 の 通 り で あ る 。        

 

        「 占 星 書 」                                                 「 星 宿 品 第 八 之

」   「

 

宿

 

若 井 宿 日

日 月

蝕、

人 多 瘡 病

沙 門 梵

共 有

。 宜 祭 日     次

置 井 為 第 五

宿、

於 日 天 。

属 井

宿

、 以 粳 米 華 和

蜜、

       

 

  天

散 向 於

方、

厄 自

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

  「 壁

 

宿

」  

壁 宿 目

、 大 国 王 、

。 宜 祭 於

之 吉 。

 

    次 復 辟 為 第 四

宿。

… 属

者、

以 肉 祭 之 。   「 占 星 書 」 の 「 井 宿 」 で は 日 天 を 祀 る の に 、

 

「 炒 稲

」 を 用 い る と す る が

こ の 「 炒 稲 花 」 と は

稲 の 籾 を そ の ま ま 火 で 妙 っ て

殻 か ら 白 い

を ポ ソ

子 の

く に

か せ た も の を 云 い

 

「 星

宿

品 」 に 示 す 「

米 華 」 と 同 じ 物 を 指 す 。   ま た

項 で 「 壁 宿 」 の 祭 祀 に 用 い る と

し た 「

」 字 に つ い て も

  「 星 宿 品 」 で も 明 ら か に 「

を 以 て

る 」 と み

兄 る か ら 、 こ の 判 読 は あ な が ち 的 は

れ で は な か っ た と 考 え て よ い 。 (

3

 

集 経 』

 

「 日

分 中 星 宿 品 第 八

二 」 と の

係 「 星

宿

二 」 に も 「

」 に 共 通

る 内

の 記 述 が 見 ら れ る

     

 

 

    「

星 書 」 「

 

宿

 

井 宿 旧

日 月 蝕 、

瘡 病 、

共 有

。 宜 祭 日      

 

 

以 炒 稲

向 於 南 方 、 災 厄 自 除 ρ 「 壁

 

宿 」

 

若 壁 宿 汨

日 月

蝕、

国 王 、 当 有

。 宜 祭

肉 、 禳 解 之

吉。

 

宿 」

 

若 奎

宿

日 月

蝕、

牛 疫 、 宜 取

角、

有 祀 焼

、 疫 止      

 

 

復 元   ト ル フ ゲ ン 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」   「 星

宿

八 之

ご 井 宿 六 日 用

  二

甘 六 日 得

病、

宿

日 用 事 。 其 日

宿

十 二 日 用 事

其 日 得 病

粳 穀 華 、 祭 於 日 天 。 八 日 得

。 華 及 鹿 鯆 以 祭 火 神

宜 以 香

祭 於

 

 

    五

七 日

二 十 日 乃

(9)

Ryukoku University

NII-Electronic Library Service      

 

    復 元   ト ル フ ァ ソ 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」                                                             五 二      

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

。   「 星 宿 品 第 八

ご は

そ れ ぞ れ の 星

宿

に 係 わ る 目 に 罹

し た 者 が

祭 祀 に よ っ て 治 癒 を 得 よ う と す る

法 を 説 い た も の で あ る が 、 こ れ に も 「 占 星 書 」 と 通 ず る 祭 祀 法 が 示 さ れ て い る 。

 

「 井 宿 」 の 場 合 粳 穀 を 炒 っ て

と し た も の 。   「 壁 宿 」 で は

鹿

の 乾 し 肉 を

い る と 云 う 。   「 占 星 書 」 で は 「 奎 宿 」 は 牛 の 疫 病 、

 

「 星 宿 品 第 八

ご で は も ち ろ ん 人 間 の

気 で あ ろ う が 、 と も に 香 木 を も っ て 祀 る と い う と こ ろ で は 双 方 共 通 す る 。   こ の よ う に し て み る と

  『

登 伽 経 』

 

『 大 集 経 日 蔵 分 星

宿

品 之

』   『 大 集 経 日 蔵 分 星 宿 品 之 二 』 と 訳 者 、 翻 訳

代 、 経 典 名 は 異 な れ ど も 、 こ の 「 占 星

」 が こ れ ら 仏

と 密 接 な 関

を 持 っ て 作 製 さ れ た も の で あ る こ と が 知 ら れ る の で あ る 。

N工 工

Eleotronlo  Llbrary  Servloe

以 上

ぺ た と こ ろ は 「 占 星

」 と 占 い の 内

の 近 似 す る

料 を

典 の 中 に 求 め た

と こ ろ が

は 必 ず し も

を み な い が 、 そ の 行 文 に は 実 に 近

す る 経 文 が あ る 。 先 に も 示 し た

代 不 空 三 蔵 訳 に な る 『

殊 師 利

薩 及

仙 所

吉 凶 時 目

宿 曜 経 』 巻 下 所 収 の 「 七

占 」 が そ れ で あ る 。   「 七 曜 占 」 と す る か ら

当 然 の こ と な が ら 日 月 火 水 木 金 土 の 各 曜 日 に 日 月 蝕 が

こ り 、 且 つ 地 震 の あ っ た と き の

い で あ る 。 示 せ ば 次 の 通 り

    太

直 日 。 … 其 日

日 月

蝕、

及 地 動

処 万

不 生 。     太

直 日 。 … 其 日

日 月

蝕、

拜 地 動

無 休

息。

至 日 月 在 時 、 未 来 世 巳 来 、 年 月 日

然 。 常 転

尽 。     榮 惑 直 日 。 …

有 日 月 蝕 、 及 地

者 多 死

    辰 星 直 日 。 …

此 日

蝕 、 及 地 動 。 歳

。     歳 星 直 日 。 …

此 日

日 月 蝕 、 及 地

者 。 王 公 已 下 災

厄。

    太 白 直 日 。 …

日 月

蝕、

及 地 動

足 風 、

有 雷 電

多 少 田 苗 。     鎮 星 直 日 。 … 此 目

日 月

蝕、

及 地 動

。 世

、 威 重 人

。 Ryukoku  

(10)

  「 占 星

」 で は

い の

件 が 「 日 月

」 と 「 地 動 」 と の 二 つ で あ っ て 、 そ れ ぞ れ に

い の 判 断 を 記 し て い る が 、 地

」 が 占 い の 対

に な っ て い る と こ ろ が

  「 占 星

」 と 異 な る 。 し か し 同 形

と み て よ い で あ ろ う

こ の 「 七 曜

」 で は 「 日 月

及 「

」 の

 

こ の 「

星 書 」 の 説 く と こ ろ は 、

に も 述 べ た よ う に 大 別 し て 二 部 門 に 分 け ら れ る 。

 

1

) 各 星 座 の 宿 る 日 に 日

ま た は 月

が あ っ た と き の 吉 凶

 

2

) そ の 日 に 地

が 揺 っ た と き の 災 厄

と 次 の よ う に な る 。 畢 星

 

宿

 

  「 目

蝕 」 則 至 那

遭 疫

癘、

君 王 有

。 則 入 人 皆 有 厄

則 人

沙 門

及 諸 熱

。 共

厄。

則 国 王 大

近 海 人 則 織 綾 絹 師

。 東 方 南 方 諸 国 君 王

厄 。 則

厄。

復 元   ト ル フ ァ ソ 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」 で あ る

そ れ ら を 抄 出 し て

覧 に す る  

 

「 地 震 」 婦 人

多 嗽

。 則 諸 王 子 、 及 山 居

人。

之 類

死 、 苗 嫩 毀

落、

人 小 王 、 盗 賊 等 死 。

水 虫

然 其 国 王 、 及 臣 佐

井 衆 人

逋 難 、 国 。

牧 馬 人 、 諸 高

諸 畜 類

皆 有 厄

冦 至 。 然

国 王

更 相 侵 擾 。 国 土 災 厄 。 若 従 西 地 動

則 龍 蛇

及 口 是 有 毒 長

、 死 。 諸

志 、 及 諸 驍 踴

擲 戯 人

口 口

。 奔 投 他

厄.

。 五 三

(11)

Ryukoku University

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Ryukoku  Unlverslty 軫

復 元   ト ル フ ァ ソ 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」 東 方 圜 王 、 及

臣 佐 、

厄 。 諸

及 工 巧 人

皆 有 厄 。 ゐ    

 

 

ヘ        

    で     ヘ    

歳 之 申

国 事

吉。

    へ     ゐ  

 

其 年 清 泰 。 五 四 応 更 地 動

北 方

ゐ    

    ヘ     ヤ           ヘ     ヘ     ヘ     ヘ          

    ヘ     ヘ    

之 中

厄、

諸 物 成

熟、

然 諸

口 。 婦 人

逋 厄 。

国 王 、 工 巧 師

。 剥 驢 馬 、 野

。 又

歳 中

近 有 疫

癘。

有 災

厄。

宿

者、

 

 

 

 

壁         大 国 王 、 当

厄 。

 

 

 

 

 

疫 。

 

「 「 占 星 書 」 と 仏 典 L の 章 で も 触 れ た が

祀 の 法 が 説 か れ て い る 。

 

「 説 星 図 品 第 五 」 に は 「 其 所 祭 祀

為 用 何 等

何 神 主 之 」 紀 所 行 善

之 相 L 、   「 月

諸 星 、 置 立 城 邑 善 悪

」 、   「 月 在 諸

宿

天 雨 之 相 」 、

宿

地 動

相 」 を 説 く 。

 

「 明

別 品

七 」 に は 「 月

衆 宿

者 軽 重 」

 

こ れ ら の

で こ の 「 占 星 書 」 の 内 容 と 共 通 す る と こ ろ は 、 は 、

凶 で は な く 「 凶 相 」

 

「 災

」 の み で

る 。 つ ま り 「 日 月 蝕 」

 

「 地 動 」 し て い る 9

 

し か る に こ の 「

」 で は 「

宿 」 の 日 に 日 月 蝕 す れ ば 「 歳 の

中、

唯 地

当 衰

こ の 「

星 書 」 と は

係 少 な か ら ぬ 『 摩 登 伽 経 』 に は 、

 

  こ

困 人

及 諸 大

、 皆 有

厄 。

 

  牧 馬 人

天 竺 国

悉 有 厄 。

 

 

    ヘ     ヘ    

 

  其

無 事

諸 人 皆

災 。

 

     

 

 

    月 宿

星 宿 と そ れ に よ っ て 生 ず る

凶 禍

と 祭

 

  と し て 各 星 宿 の 祭 祀 の

法 を 記 す 。

 

「 観 災 祥 品 第 六 」 で は 「 星 「 日 月

凶 之 相 」 、   「 月 在

星 所 応 為

  「 地 動 之 相 」

  「 月 在

 

     

 

に お い て

病 と 治 癒 の 方 法 が

べ ら れ る 。 「 日

吉 凶

相 」 と 「 月 在

宿 地

之 相 」 で あ る が

 

登 伽 経 』 が 説 く と こ ろ

 

     

 

 

は 『 摩 登 伽 経 』 の 所 説 に お い て は 凶

乱 興

を 示 す も の と

は 清

L 、   「 亢 宿 」 の 日 に 日 月 蝕 す れ ば 「 其 の

は 清

」 と す る 。 ま N工 工

Eleotronlo  Llbrary  

(12)

た 「 軫 宿 」 の 日 に 地 が 動 ず れ ば 「 其 の

の 中 、 国 に 災 厄

諸 の

が 成

す る 」 、   「

宿 」 の 日 に 地 が 動 ず れ ば 「 其 の 歳 無 事 」 と 記 し て

吉 の 相 を 示 し て い る ( 右 表 下 段 傍

) 。 こ れ は 『 摩 登 伽 経 』 に は み ら れ ぬ と こ ろ で あ る 。   ま た 『

経 』 所

の 「 日 月 蝕 」   「 地 動 」 の 条 に は

祭 祀 や 除 災 の 方 法 や 手 段 を 記 さ な い

こ れ ら は 別 に 項 を 立 て て 「 説 星 図 品 第 五 」 お よ び 「 明 時

別 品 第 七 」 に お い て 扱 わ れ て い る 。 と こ ろ が こ の 「 占 星 書 」 で は     井

宿

日 月

蝕、

則 人 多 瘡 病

沙 門

梵 志

共 有 厄 。 宜 祭 日 天

以 炒 稲 花 散 向 於 南 方

災 厄 自 除 。    

宿

日 、 日 月 蝕

婦 人 、 及 工 巧 人

皆 有 厄 。 人 宜 鉄 屎

以 赤

繪、

東 之 以 黄 帯 、

左 臂 上 、 諸 厄

滅。

    壁 宿 日 、 日 月

王 、 当 有

。 宜 祭 於

地 動

牧 馬 人

天 竺 国

皆 悉

厄 。 宜 取 金 魚 、 焼 烙 其 頭

   

宿 日 、 旧 月 蝕

有 牛

疫。

宜 取

角、

祕 焼 薫 香 木

矣。

の ま う に 『

登 伽 経 』 に は み ら れ ぬ 祭 祀 や 除 災 の 方

部 に 記 さ れ て い る 。   「

宿 」 の 日 に 「 稲

の ポ ン で も っ て 太 陽 を 祀 る 」 、

 

「 壁 宿 」 の 日 に 「 肉 を も っ て 祀 る 」

 

「 奎 宿 」 の 日 に 「 香

を 焼 薫 」 し て 災 厄 を 祓 う こ と が

『 大 集 経 』

 

「 日 藏 分 中 星

宿

品 」 の 所

と 符 合

る こ と は

に 記 し た 通 り で あ る 。                                                                                                                          

11

  「

宿 」 の 日 の 祀 り 、 鉄

を 赤 い

に 包 み

こ れ を

色 の

ね て

左 腕 に 結 び 付 け れ ば 、 そ の 災 難 が 消

す る と い う の は

『 歳 時 広 記 』 に 記 す

漢 費 長

の 受

に ま つ わ る 重

旬 の 厄

除 け の 習

通 う も の が あ る 。  

じ く 「

宿 』 の 臼 の

除 け に 「 金 魚 の 頭 を 焼 烙 す る 」 と い う の は

我 が 国 の 節 分 に

鰯 の 頭 を 焼 い て 柊 に 刺 し 門 に

く と い う こ と と 符 合 す る が 、

拠 を 知 ら な い 。

  ト ル フ ァ ン の 地 は

く か ら 漢 人 が 住 み

い て

 

」 の ご と き 漢 人 の

が 築 か れ た し

7

世 紀

に い た っ て は

王 朝 の 植 民 地 「 西 州 」 と し 《

人 の 支

を 受 け た 。 従 っ て こ の 地 を 探 検 し た り

し た 人 々 に よ っ て

漢 字 を 用 い た 文 献 が 多 数

見 さ れ

来 さ れ た 。 こ こ に 取 り 上 げ た               復 元   } ル フ ァ ン 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」                                                           五 五

(13)

Ryukoku University

NII-Electronic Library Service               復 元   ト ル フ ァ ン 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」                                                         五 六 「 占 星

」 断 簡 も そ う し た も の の

つ で

る 。   「 占 星 書 」 が 漢 字 で 書 か れ て い る に も か か わ ら

中 国

の 星

宿

二 十 八 宿 に

ら な い と こ ろ は

こ の 「

昌 国 」 乃 至 「 西 州 」 が 漢 人 の 支

下 に あ り な が ら も

オ ア シ ス の 道 に 建 て ら れ た 諸 民 族 国

で あ っ た こ と を 物

る も の で あ る 。   「

 

宿 」 の 条 「 日 月

蝕、

則 至 那 国 人 、 多 遭 疫 癘

及 諸 熱

病。

」 に み え る 「 至 那 国 人 」 は

明 ら か に 「 シ ナ 国 人 」 つ ま り 中 国 を 指 す も の に

な い が 、 そ れ を 敢 え て 「 至 那 国 人 」 と 記

す る と こ ろ に 、 漢

化 圏 の 外 周 部 に

す る ト ル フ ァ ン の 住 民 状

が 窺 え る で は な い か 。 因 み に 『 摩 登 伽

 

「 日 月 薄 蝕 吉 凶

相 」 に み え る 「 月 在 昴 宿

若 有

者 、 中

禍 難 必 起 。 」 の 「 中 国 」 は 、 謂 う と こ ろ の

国 国

に お い て 翻 訳 に か か わ っ た 訳

と 訳 場 に

な っ た 人 々 の 意 図 に よ っ て な さ れ た 訳

で あ ろ う 。   ト ル フ ァ ン の

掘 に か か わ っ た 我 が

谷 探

隊 や ド イ ツ 探 検 隊 な ど に よ っ て も た ら さ れ た 文

本 類 は

く あ る が

こ れ ら を

査 す れ ば こ う し た 同

文 献 の 接 合 は さ ら に 可

と な り

新 し い 研 究 面 が 展 開 す る こ と で あ ろ う 。   な お 末 尾 に 「 二 十 八 ( 七 )

宿

占 星 書 」

と し て 、

の 録

げ た 。

N工 工

Eleotronio  Library  Servioe

註 ( 1 )   藤 枝   晃 編   出 口 常 順 蔵 ト ル フ ァ ソ 出 土 仏 典 断 片 図 録 『 高 昌 残 影 』

京     都 法 蔵 館 刊

HO 日 年 。 ( 2 )   『 ト ル フ ァ ン 出 土 仏 典 の 研 究 ー 高 昌 残 影 釈 録 』 未 刊 、 不 日 法 蔵 館 よ り 出     版 予 定

    見 付 け た き っ か け は

竺 沙 雅 章 氏 を は じ め 『 同 右 書 』 の 編 集 に 取 り 組 ん     で い た 龍 谷 大 学 西 域 文 化 研 究 会 の 研 究 員 の 面 々 に よ る 釈 文 整 理 の 過 程 で あ     っ た

  『 高 昌 残 影 』 諸 文 献 の 取 り 扱 い に は

こ れ と 最 も 近 縁 関 係 に あ る ベ     ル リ ン コ レ ク シ ョ ン ト ル フ ァ ン 文 書 の 解 明 が 不 可 欠 と 考 え て 、 こ れ の 同 定     が 併 行 し て 進 め ら れ て き た 。 こ の 作 業 の 申 で 全 く 同 じ 字 体 の 文 献 が 彼 此 の     間 に 存 在 す る こ と が 見 い だ さ れ た 。 こ う し て 幾 つ か の 文 献 の 接 合 が 試 み ら     れ た の で あ る

( 3 )   ベ ル リ ン 科 学 ア カ デ ミ ー 所 蔵 ト ル フ ァ ソ 文 書 は

そ の 写 真 が 、 龍 谷 大 学     西 域 文 化 研 究 会 に 委 託 さ れ て い て

研 究 が 進 め ら れ て い る 。 そ れ ら の 中 の    

点 で あ る

( 4 )   新 城 耕 蔵 「 支 那 に 於 け る 二 十 八 宿 」   『 東 洋 天 文 学 史 研 究 』 卜。 O 悼 頁 。     橋 本 増 吉 「 二 十 八 宿 法 の 由 来 」   『 支 那 古 代 暦 法 史 研 究 』 H 卜。 °。 頁

新 城 説     批 判 が 展 開 さ れ る 。     飯 島 忠 夫 「 二 十 八 宿 の 伝 来 」   『 支 那 暦 法 起 原 考 』 紹 切 頁

新 城 中 国 起 源   説 に 対 し て の 批 判

( 5 ) 新 城 耕 蔵 「 支 那 に 於 け る

十 八 宿 」   「 二 十 八 宿 の 起 首 が 角 を 以 て 始 ま れ     る 理 由

角 は 丁 度 北 斗 柄 の 方 向 に 当 っ て 居 る が た め で

斗 柄 の 方 向 に ょ り     て

年 の 季 節 を 定 め た る 方 法 の 名 残 り で あ る 。 」 前 出 『 東 洋 天 文 学 史 研 究 』   b。 O °。 頁 。 Ryukoku  

(14)

( 6 ) 『 大 正 大 蔵 経 』

・。

8

二 +

三 八 八 頁 ( 7 )   『 大 正 大 蔵 経 』 多 。ひ 零

十 三 巻

二 七 四 頁 。 ( 8

  「 大 方 等 大 集 経 」 巻 第 五 十 六

  「 月 蔵 分 第 十 二

星 宿 摂 受 品 」 に よ れ     ば

  「 東 方 七 宿

者 角 宿 主 於 衆 鳥

二 者 亢 宿 主 於 出 家 求 聖 道 者 。 」 ( 大 正     蔵 十 三

三 七

上 ) … 以 下 略 … の ご と く

仏 典 に あ っ て も

角 宿 を 起 首     と す る 二 十 八 宿 も あ っ た

9

) 新 城 耕 蔵 「 イ ン ド

ア ラ ビ ア

及 其 他 に 於 け る 二 十 八 宿 」 前 出 『 東 洋 天     文 学 史 研 究 』 b。 嶺 頁 。       飯 島 忠 夫 「 二 十 八 宿 と 朔 と の 起 原 」 前 出 『 支 那 暦 法 起 原 考 』 「 月 が 恒 星     の 間 を 縫 っ て 天 を

週 す る 日 数 が 二 十 七 日 七 時 余 で あ る と い ふ 事 実 に 基 づ     く 。 L α   ω 頁 D

10 )   『 大 正 大 蔵 経 』 歹 お OH

二 十

〇 頁 註 ( 6 ) 『 摩 登 伽 経 』 と は     同 本 異 訳

11 )   陳   元 覩 『 歳 時 広 記 』 巻 三 十 四

  「 重 九 」 。   「 続 斉 諧 記 日 。 汝 南 桓 景

    随 費 長 房 遊 学 累 年

長 房 因 謂 景 日

九 月 九 日

汝 家 当 有 災 厄

宜 急 去 令 家     人

各 作 絳 嚢

盛 茱 萸

以 繋 臂

登 高

飲 菊 酒

禍 乃 可 消 。 」 補 注     「 出 口 常 順 コ レ ク シ ョ ソ 」 は

同 師 が

九 三 四 年

ベ ル リ ン 留 学 中 に 入 手   さ れ た

ト ル フ ァ ン 出 土 仏 典 写 本 で あ る

復 元   ト ル フ ァ ン 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」 五 七

(15)

Ryukoku University

NII-Electronic Library Service 復 元   ト ル フ ァ ン 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」

面 五 八   『 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 』 擬 ( 録

) 乙

+ 。 紫 Hc 。 ω O 同

( 前

) ( 若 昴 宿 日

日 月 蝕 …  

 

 

     

 

 

      若

宿 日 、 日 月 蝕

則 至 那 国 人

遭 疫 癘

及 諸 熱 病 。 若 地 動

婦 人 災

。 人

嗽 病 。 ○ 若 嘴 宿 日 、 日 月 蝕

君 王

厄 。

動、

王 子 、 及 居 山 人

類、

災 厄 。 宜 禳 禍 。

同 昴 宿 。   若 参 宿 日

日 月 蝕

則 人 人 皆

厄 。 唯 纔

N工 工

Eleotronlo  Llbrary  Servloe

(16)

第 二 面   甲 裏 + o 『

°

同 Q。

85

 

 

草 木

落 。

盗 賊 等 死

 

 

● 若 井 宿 日

日 月 蝕 、 則 人 多

病 。 沙 門

志 共 有 厄 。  

 

宜 祭 日 天

以 炒 稲 花 、 散 向 於 南 方

災 厄 自 除 。 若 有 地  

 

則 多 饒 水

虫。

然 其 国 王 、 及 臣 佐

有 遖  

 

奔 投 他 国 。 諸

馬 人

諸 高 掾 人

諸 畜 類

 

 

有 厄 。 ● 若

宿 日 v 日 月

蝕、

則 国 王

及 居 近 海 人

 

 

有 逎 厄

若 地 動

至 。 然 諸 国 王

更 相 侵 擾 。  

 

● 若 柳 宿 日 、 日 月

蝕、

則 織 綾

迚 厄

若 有 地  

 

国 土 災 厄 。 若 従 西 地 動

蛇 狼 蝎

是 有

 

 

有 餓 死 。 ● 若 星 宿 日 、 日 月 蝕

東 方

南 方

国  

 

君 王 、

地 動

諸 梵 志

及 諸 驍 踴 騰

戯 人 、

 

 

口 □ 口 。 ● 若

宿 目

日 月 蝕

則 南 方 国 王 、 当 有 逋

復 元   ト ル フ ァ ソ 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」 五 九

(17)

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Ryukoku  Unlverslty 復 元   ト ル フ ァ ソ 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」 六 〇

三 面

 

+ 。 『 Ho 。 ω O タ

 

ロ ロ ロ

国 王 皆

厄 。 水 居 禽 鳥

皆 此

厄。

之 口

 

人、

怨、

疫 病 。 応 更 地 動

北 方

来。

 

宿

日 月 蝕

東 方 国 土

及 其 臣 佐 、

厄 。 若 地

 

此 厄 同 前 。 ● 若

宿 目

日 月 蝕

婦 人 、 及 工 巧 人 、 皆 有

 

厄 。 人 宜 鉄

屎、

以 赤 繪

東 之

以 黄 帯

左 臂 上

 

厄 消 減 。

地 動

其 歳 之 中 、 国

災 厄

諸 物

 

成 熟 。 然 諸

婦 人

連 厄 。 ●

角 宿 日 、 日 月 蝕 。

 

中、

清 吉 。

地 動

諸 国 王

工 巧 師 厄

 

宿 日 、 日 月

蝕、

清 泰 。

動、

驢 馬 、 野

 

皆 有

。 又 其 歳 中

疫 癘 。 此 宿 生

 

皆 有

厄 。

地 動

盗 賊

行 N工 工

Eleotronlo  Llbrary  

(18)

復 元   ト ル フ ァ ソ 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」 第 四 面

 

( 丙 表 )     客

象 馬

依 山 住 人

皆 当 衰

底 宿 日

若 房 宿 日

若 心 宿 目

若 尾 宿 日

若 箕 宿 日

目 月 蝕

日 月

蝕、

日 月 蝕

日 月 蝕

日 月 蝕

若 地 動 、

地 動 、

動、

、 六

(19)

Ryukoku University

NII-Electronic Library Service

Ryukoku  Unlverslty 復 元   ト ル フ ァ ン 出 土 「 二 十 八 ( 七 ) 宿 占 星 書 」 第 五

 

( 丙 裏 ) 六 二 若 斗 宿 日

日 月

蝕、

   

 

 

     

 

若 地

牛 宿 目

日 月 蝕

   

 

 

     

 

若 地 動 ) 若 女 宿 日

日 月

蝕、

   

 

 

     

 

若 地 動

若 虚

宿

日 月 蝕

   

 

 

     

 

若 地

若 危 宿 日

日 月 蝕

   

 

 

     

 

若 地 動

宿 日

日 月 蝕

N工 工

Eleotronlo  Llbrary  

参照

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