C02レーザーによるSF6の誘導透過・誘導吸収の測定 (II) : 振動エネルギーの空間的広がり
著者 宮永 喜一郎, 服部 幸彦, 北嶋 巌
雑誌名 福井大学工学部研究報告
巻 39
号 1
ページ 137‑159
発行年 1991‑03
URL http://hdl.handle.net/10098/4221
目 137
C02 レーザーによる SF6 の誘導透過・誘導吸収の測定 ( 1 1)
一 一 振 動 エ ネ ル ギ ー の 空 間 的 広 が り 一 一
宮永喜一郎・ 服部幸彦・ 北嶋巌・
Measurements of Induced Transmission and Absorption of SF6 after Pumped by a CO2 Laser (11)
‑Spatial Evolution of Vibrational Energy ‑
Kiichiro MIYANAGA, Yukihiko HATTORl,組dIwao KITAZIMA (Received Feb. 28, 1991)
The spatial distribution and dissipation of vibrational energy in SF6 gas after multi‑ photon excitation was measured with the pump‑probe technique by use of two tunable TE C02 lasers. The probe beam (0.5mm radius) monitored the induced transmission and abso叩tionboth inside and outside of the pumped region (0.6mm), or the in‑axis and off‑axIs vibrational distribution. The vibrationally excited (hot) molecules are extended over the radial distance of 3mm out of the the pumped region at the delay time of 50μs after pumping. It was observed that the probed spectra and time behavior of the 0宜:'axis absorption was quite different from that of the in‑axis. The vibrational temperature of the off‑axis molecules seems much lower than that of the in‑axis. Thus
,
it is considered thatぬesurrounding molecules are sufficiently excited by the T ‑V collisional process due to the gas expansion out of the pumped region rapidly heated up by the V‑T relaxation. The effects of gas pressure,
additive gas ( He,
N2 ) and pump intensity were also s七udied.1. ~言命
本論文は、前報 1)の赤外ー赤外
2
重共鳴法を用いてS F
6ガスをC O
2 レーザーで赤外励起した後、振動エネルギーが空間的に広がる様子を調ペたものである。
赤外多光子励起後された
S F
6分子の振動エネルギーの緩和過程は、赤外ー赤外2
重共鳴法 1‑6)や、 赤外ーラマン2
重共鳴法 7.8) などのポンプ・プローブ法で早くから調ペられている。また、分子 内の振動エネルギーがV‑T緩和の結果、熱に変換され 励起領域内はもちろんのことガスセル内全 体で生じる(圧力、密度、温度)などの変化は、干渉法制や光屈折偏向法 10】などで部分的に調 べられている。すなわち、励起された振動エネルギーは、分子内・分子聞でV‑V緩和をし、最終的 にV‑T緩和により熱となる。そのため励起領域内ではガス温度が上昇し、熱膨張が起こる。その結 果、励起領域内及びその周辺では急激に分子密度が変化することにより、屈折率が変化し、また音 波を生じる。このような微視的な分子間のエネルギー移乗から巨視的な屈折率変化や音波発生ヘ移り変わる過渡的現象はいまだ明確とは言えない。
*電子工学科
138
本研究の目的は、振動エネルギー分布の時間変化を直接観測する方法として用いられてきた赤外 ー赤外
2
重共鳴法により励起領域内のみならずその周辺で振動エネルギーがどのように空間的に広 がり散逸していくかを調パることである11>。実験は、
2
台のパルスC O
2 レーザーを用いたポンプ・プロープ法で誘導透過・誘導吸収の測定を 行う.励起領織内及び励起領域外で測定を行い、吸収スペクトルのシフト、誘導信号の時間変化、誘導信号の空間的広がりを観測する。その結果から振動エネルギーがどの様な過程で空間的に広が っていくかを考察する。更に
S F
sガス圧、添加ガス、励起光強度が振動エネルギーの空間的広がり や散逸過程に及ぼす影響についても検討する。2.
7.則支芭居頁玉里振動エネルギーが空間的に広がっていく過程には、次の4つが考えられる11。)
( a )
励起分子からの幅射を他の宋励起分子が共鳴吸収することにより振動エネルギーが広がる.(b)励起分子自体の拡散により、振動エネルギーが広がる。
(c)分子問衝突により、励起分子の振動エネルギーをそのまま未励起分子に受け渡すことにより振 動エネルギーが広がり、運動エネルギーも大きくなる。
(d) V‑T緩和後のガス温度上昇に伴う圧力波発生により、周囲の未励起分子が第一種衝突励起され、
振動エネルギーが広がる.
Att.
C e l l
Lens( a )
Detector
一 一
一 一
Probe RegionPump Region 1.2mmCT
( b )
Fig.l. Arrangement of pump加amand pro be be釧 ina sample cell;(a) horizontal cross configuration of two beams with angle of 15,・(b) vertical probe positions within pump axis
( O m m )
and shifted out ofit (1,2,3剛).
などの過程が考えられる。本論文では、振動エネルギーがこれらのどの過程によって広がってい くかを、振動エネルギーを直接に観測できるポンプ・プロープ法を用いて調べる。
ポンプ・プローブ法の原理は前報 1・5.6)で述ペているが、プローブ光の股収は、ポンプ光で励 起された準位から更に上の準位に対して行われる。ところで、
S F
6の振動準位は、非調和項の影響 で上準位ほど振動準位間隔が縮小していくので、ポンプ光で励起される準位が高くなればなるほど プロープ光の吸収は長波長側にシフトする。そのため、S F
6 ガス中を通るプローブ光は、ポンプ光 が照射された後、短波長側では暖収が滅り誘導透過となり、長波長側では股収が増え誘導駿収とな る。それ故、プロープ光の肢収スペクトルを観測することにより振動温度、ガス温度を推定できる。また、誘導信号の時間変化及び空間分布を観測することにより、振動エネルギーの空間的広がりと 熱エネルギーの流れを考察することができる。
ここで吸収係数
α( c m
惜しT o r r ‑
1)と、誘導信号A
はそれぞれ次式で表される。1 . 1
αpτinE
(1)fl=
号
ι (2)ただし、
P : S F
sガス圧、立:試料セル長、1 0
:ポンプ光なしの場合のプローブ光強度、1 :
ポンプ光あ りの場合のプロープ光強度である。ここでfl>Oのとき誘導透過、 AくOのとき誘導股収である。0 . 7
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pmP ‑ branch)
F i g . 2 . F u n d a m e o t a l o r g r o u n d s t a t e a b s o r p t i o n c o e f f i c i e n t ( c m ‑
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SFs•S o l i d s q u a r e p o i n t s w e r e o b s e r v e d w i t h p u l s e d w e a k C O
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2),a n d s o l i d c u r v e i s u s u a l a b s o r p t i o n p r o f i l e ( a f t e r
J .
1.S t e i n f e l d ) .
140
3 . ~定屠食斉も
ポンプ・プローブ法の実験には、
2
台のT EC O
2レーザーを用いた。今回、主にポンプ光として用 いているレーザー光強度はO . 4 J / c m
2で、これは1
分 子 当 り 約3‑‑5
光子疲収に相当する。励起領(a)
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Fig.3. Absorption spectra with 0.4J/cm2 for 2Torr SFs• (a)in pump axis. (b)for dist叩cefrom pump b鵠m鉱 isr=lmm. (c)r=2肌 (d)r=3
肌ロ
:withoutpump.():delay time τ記 μs. .:τ=50μs.・
:τ=100μs,":τ=200μs.域内の実験では、ポンプ光を1.4cm厚の試料セル内に照射した後、遅延時間を与えてその励起領繊 (l.2Bφ)にプローブ光を入射し、その時の透過率を測定したoFig.lに示すように励起領域外の 測定はプロープ光の検知器の位置を励起中心(伽.)より、 11m'ずつ上方にずらして行った.なお、プ ロープ光は位置により強度が異なるためアッテネーターで調整して用いた.
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32 28 24 20 16 12 8 PROBE LINES (10.6μm P‑branch) Fig.4. Induced spectra with 0.4J/cm2 for 2Torr SF6.(a)in pump
axis, (b)for distance from pump be叩 axisr=lmm, (c)r=2mm, (d)r=3剛 .0 :delay time τ孟lμ品目:τ=50μS
・ ,
:τ=100μStA:τ=200μs.
142
Fig.2にSFsν3モードのv=Oから'v=1への基礎吸収のスベクトルを示す。実線は、 Brunet12)が Globarで測定した股収スペクトルである。本実験で用いるプロープ光で測定したスペクトルと比パ てみると、 P(26)より長波長側では誤差を生じているが、大体よい一致を得ている。また、ポンプ 光とプローブ光の出力の変動を:t
5%
以下に抑えるため、オシロスコープでレーザー出力をモニタ ーしながら測定を行った。ここで、励起領域内ではポンプ領域とプローブ領域が重なっているので INAXISと呼ぴ、励起領 2つのレーザ一光は交差しないので OFFAXISと呼ぶ10.t t)
多主題食糸吉身毛
振動エネルギーの空間的広がり 域外では、
4 . l
Fig.3にCO2 レーザーパルスで SFs2Torrを赤外多光子励起後に、プローブ光の波長を P(10)か らP(32)まで変えた時の吸収スペクトルを示す。 (a),(b), (C), (d)はそれぞれ励起領域内、及び励 起領域から 1,2,3nun離れた点で測定したスペクトルである。測定時刻は、励起直後(時間分解能豆 1μs )及び、 50、100、200μsの遅延時間後である。吸収スペクトルは、励起直後には、ポンプ光な しのスベクトルと比ペてP(22)を境にして、短波長側ではプローブ光の股収が減少し、長波長側で は増加することが分かった。その光吸収の増減の割合は、励起領域から離れるにつれ少なくなって
4 .
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Fig.5. Time dependence of the induced signala at two probe lines P(16) and P(30) in and off pump be胡 axiswith O.4J/cm2 for 2Torr SF6・ 0: in pump axis.
・
:fordistance from pump be釧 axisr = l r
町1,口:r=2m m .
A:r=3mm.
いった。 (a)の励起中心では、遅延時間 50μsで、スペクトルは最も長波長側八シフトし、信号の 大きさは全体的に小さくなり、なだらかに広がった。その後時聞が100、200μsと経つにつれ、スペ クトルは短波長側に戻り、信号はポンプ光なしのスペクトルに近づいていった。 (b)の1mm離れた 場合には、スベクトルのピークは、 50μs後に P(22)付近にシフトするが、長波長側へのシフトは 励起領域内に比パれば少ない。 (c),(d)と励起領域から離れるにつれ、信号はポンプ光なしの場合
とほとんど変わらなくなっていった。
Fig.4に誘導透過、誘導暖収のスペクトルを示す。 (a)
,
(b),
(c),
(d)はそれぞれ励起領域内、及 び励起領域から 1,
2,
3mm離れた点で測定したスベクトルである。 (a)の場合、信号は、励起直後に P(22)を境にして短波長側では誘導透過、長波長側では誘導駿収となった。スペクトルの境目は、50μs後に長波長側のP(26)付近にシフトし、その後時間が経つにつれ、 P(22)に戻っていったo (b) の場合には、スペクトルの境目は 50μs後にP(24)付近にシフトする。 (c),(d)と、それ以上離れ るとスベクトルの境目は、遅延時間によらずP(22)で一定であり、励起領域内から離れるにつれ、
誘導信号の大きさが減少していった。
Fig.5に誘導信号のより詳しい遅延時間変化を調ペるために ν3モードの
v
=0→υ=1への股収が 最も大きいP(16)をプロープ光の短波長側の代表に選び、長波長側の代表をP(30)に選んだときの、遅延時間話lμs、10、30、50、70、100、150、200μsにおける変化を示す。このとき、信号の振舞いは、
励起領域内と励起領域外で全く異なっていることが分かった.特に誘導吸収の振舞いの違いは顕著 である。励起領域内での信号の時間変化は
4
つの区間に分けることができる。(1
)励起直後、短 波長側では誘導透過となり、長波長側では誘導疲収となる。 (II) 50μsまでは誘導透過は増加し、誘導磁収は減少する。 (m)100μsまでは、誘導透過は減少し、誘導肢収は回復するo (lV) 100μs以降では、誘導透過、誘導肢収はともにゆっくりと減衰していく.これに対し励起領域外で は、励起直後、 2剛、 3剛雌れたところでは信号は生じておらず、信号の立ち上がりに時間遅れがみ られる。 50μsまでは、鶴導透過、務導吸収はともに立ち上がり、その後ともにゆっくりと減衰し
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Fig.6. Spatial evolution of induced signals .with parameter of delay time. (a)induced transmission of P(lS) probe line, and (b)induced absorption of P(30) with 0.4J/cm2 for 2Torr SF6・
o
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孟1μs ・ , :τ=50μS ,
・ :τ=100μs
,.:τ=200μs.
Fig.6に、誘導信号すなわち、振動エネルギーが空間的に広がっていく様子を遅延時間話lμs、 50、100、200μsをパラメーターとして示す。横軸は励起領域からの距離、縦軸は (a)誘導透過及び
(b)誘導股収の大きさを示している。誘導信号は、励起直後には2棚、 3馴離れたところでは生じて おらず、励起領域外の信号が時間とともに増加していく。そして、誘導信号は50μs後に最も広が っている。ただし、その振動エネルギーとしての広がりは励起領域内から高々3mm程度であること が分かった。
SF6ガス圧依存性
Fig.7にSF6ガス圧を 5Torrに変えたときの(a)励起領域内と、 (b)励起領域外2mmでの股収スベク トルを示す。ポンプ光なしの駿収スペクトルはSF62Torrのときより、長波長側に広がった。 (a)の 場合、吸収スベクトルのピークは励起直後にP(20)にあり、その後、ピークは50μs後に、 P(28)に シフトしている。 (b)の場合、プローブ光なしのスベクトルとほとんど変わらなかった。
Fig.8に同じく 5Torrのときの(a)励起領域内と、 (b)励起領域外2mmでの誘導信号スペクトルを 示す。 (a)の場合、誘導信号は、 2Torrのときに比ペ全体的に大きくなる。 (b)の場合、スペクトル の境目は2Torrのときと同様に遅延時間によらずP(22)となった。
Fig.9に誘導信号の時間変化を示す。励起領域内及び励起領域外での信号の立ち上がりのピーク はともに30μsとなり、 2Torrのときの50μsと比ペて早くなった。励起領域外では励起直後、 2mm、 3剛離れたところでは信号は生じておらず、信号の立ち上がりに時間遅れがみられた。
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Fig.9. Time dependence of the induced signals at two probe lines P(16)
釦dP(30) in and off pump be細 axiswith 0.4J/cm2 for 5Torr 8F6 • 0: in pump axis
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Fig.10. Spatial evolution of induced signals with parameter of delay time. (a)induced transmission of P(16) probe line. and (b)induced absorption of P(30) with 0.4J/cm2 for 2Torr SFs• (c)induced transmission of P(16) probe line, and (d)induced absorption of P(30) with 0.4J/cm2 for 5Torr SFs• ():delay time τ孟lμs,口:τ=50μs.
・
:τ=100μs....:τ=200μs.Fig.l0(a),(b)はFig.6(a), (b)と同じく 2Torrのときの振動エネルギーの空間分布であり、 (c), (d)には 5Torrのときの振動エネルギーの空間的広がりを示す。誘導信号は、 2Torrのときに比ペ励 起領域内では大きくなるが、励起領域から離れるにつれ急激に減少しているo50μs後においても 信号はあまり励起領域外には大きく広がっているとは言えなかった。
4 . 3
添加ガス効果Fig.llにSF62TorrにHe20Torrを添加した場合の股収スペクトルを示す。 (a)は励起領域内での スペクトルで、 (b)は励起領域外2mmでのスペクトルである。 (a)の場合、ポンプ光なしの場合の疲 収係数はSF6 のみのときと比ペてやや大きくなり、長波長側に広がった.また、 50μs後でのスペ クトルの長波長側へのシフトはあまり見られなくなり、長波長側の信号は小さくなった。 (b)では スペクトルの変化は少なかった。
Fig.12にSF62TorrにN220Torrを添加した場合の股収スベクトルを示す。 (a)は励起領域内での スペクトルで、 (b)は励起領域外2mmでのスペクトルである。股収係数の増加の割合は、 He添加のと きに比パて大きくなった。スベクトルは、 Heの場合と同様に長波長側に広がる。 (a)の場合、 He添 加のときと同様に長波長側の信号は小さくなった。 (b)では He添加のときと同様にスペクトルの変 化は少なかった。
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Fig.12. Absorption spectra with 0.4J/cm2 for 2Torr SF6 and 20Torr N2 • (a)in pump axis,(b)for dist叩cefrom pump beam axis r=2mm.口:withoutpump,():delay timeτ亘lμs,
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:τ=50μs・ ,
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.A:τ=200μs.Fig.11. Absorption spectra with 0.4J/cm2 for 2Torr SFs and 20Torr He. (a)in pump axis,(b)for distance from pump beam axis r=2mm.口:withoutpump,():delay time τ壬lμs,
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Fig.14. Induced spectra with 0.4J/cm2 for 2Torr SF6 and 20Torr N2.(a)in pump axis, (b)for distance from pump beam axis r=2mm. O:delay ti冊 τ豆lμs
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:τ=50μs, ・
:τ=100μs,
A:τ=200μs.Fig.13. Induced spectra with O.4J/cm2 for 2Torr SF6釦d20Torr He.(a)in pump axis, (b)for distance from pump be訓 axisr=2醐 .
O:delay timeτ~1μ5 ,・ :τ=50μ5 ,・ :τ=100μ5 , A:τ=200μ5.
200
グ 一 、 と S二 S
0.6
0.4 (
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凶コ ロ
霊園 0 . 2
o
100 150
TIME(μs)
50 DELAY
o
Fig.15. Time dependence of the induc凶 signalsat two probe lines P(l6)釦dP(30) in and off pump beam axis with O.4J/cm2 for 2Torr SFs and 20Torr He.():in pump axis.
・
:fordistancefrom pump beam axis r=lmm,口:r;2mm,.a.:r=3剛 .
0‑0‑ 0
、 ¥
¥ ̲0ーーーo
o 00 ‑ v
0 . 2
o
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J4 ZO
一 ω
200 100 150
TIME
(μs)
50 DELAY
o
B ‑02
0
コ
ロ z
Fig.16. Time dependence of the induced signals at two probe lines P(16)釦dP(30) in and off pump beam axis wi th O.4J/cm2 for 2Torr SFs and 20Torr N2.():in pump axi
・
s,
:fordistancefrom pump beam axis r=lmm,ロ :r=2mm, ~:r=3mDL
150
0.6
0.4
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.
胡. .
2
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0.6、ー"
Oelay Tlme
SFS 2Torr Pump 0.4 J/cm2
~oJ ・\
トト SF6 2 Torr + He 20Torrz 。 ト
ω 0 . 2
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歪 0
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ト ー
←
(d)ト'ミミ:::~と--圃
i ーでー:=::::t~~ミミ且
SF6 2 Torr + N2 20 Torr (f)
? ¥ , ふ
1 2
3
0 1 2DISTANCE OF OFFAXIS {mm}
Fig.17. Spatial evolution of induced signals with parameter of delay time. (a)induced transmission of P(16) probe line, and (b) induced absorption of P(30) with 0.4J/cm2 for 2Torr SFs• (c) induced transmission of P(16) probe line, and (d) induced absorption of P(30) with 0.4J/cm2 for 2Torr SF6 and 20Torr He. (e)induced transmission of P(16) probe line,and (f)induced absorption of P(30) with 0.4J/cm2 for 2Torr SF6 and 20Torr N2・ O:delay time τ孟lμ丸田:τ=50μs
・ ,
:τ=100μs.A:τ=200μs.Fig.13にHeを添加した場合の誘導信号スベクトルを示す。 (a)は励起領域内でのスベクトルで、
(b)は励起領域外2mmでのスペクトルである。 (a)の場合は、誘導股収の信号が、 8F6のみのときに 比パ小さくなっていることが分かった。しかし、スベクトルのシフトや、 (b)での信号の振舞いに 変化はなかった。
Fig.14にN2を添加した場合の誘導信号スペクトルを示す。 (a)は励起領域内でのスベクトルで、
(b)は励起領域外2nunでのスペクトルである。 (a)
,
(b)ともに、信号は、 8F6のみのときに比べ全体的 に小さくなっていることが分かった。Fig.15に Heを添加した場合の誘導信号の時間変化を示す。励起領域内では信号の立ち上がりの
E
の区聞が30μsと、 8F6のみのときの50μsと比ペて早くなった。また、 Eの区聞が70...80μsと短 縮している。励起領域外でも信号の立ち上がりは30μsと早くなった。Fig.16にN2を添加した場合の誘導信号の時間変化を示す。励起領域内では信号の立ち上がりは 30μsと早くなり、 Eの区間は 70...80μsと短縮した。励起領域外でも信号の立ち上がりは30μsと 早くなった。
Fig.17(a),(b)は、 Fig.6(a),(b)の SF62Torrの結果を転載したものである。ここで (c),(d)に Heを添加した場合の振動エネルギーの空間的広がりを示す。誘導信号の広がりの大きさはSF6のみ の場合とほとんど変わらなかった。また、 (e)
,
(f)にN
2 を添加した場合の振動エネルギーの空間的 広がりを示す。誘導信号は励起領域内及び励起領域外ともに、 SFsのみのときに比パて全体的に小さくなっている。
4. 4
励起光強度依存性Fig.18にSFs2Torrのとき、励起光強度を0.IJ/cm2に変えた場合の吸収スペクトルを示す。 (a) は励起領域内でのスペクトルで、 (b)は励起領域外2mmでのスベクトルである。 (a)の場合、長波長 側へのシフトが、
0 .
4J/cm2のときに比パて少ないことが分かった。 (b)の場合、励起後のスペクト ルは、ポンプ光なしのスベクトルとほとんど変わらなかった。Fig.19に同じく励起光強度 0.lJ/cm2の場合の誘導信号スベクトルを示す。 (a)は励起領域内で のスペクトルで、 (b)は励起領域外2剛でのスペクトルである。 (a)の場合、スペクトルの境目は、
励起直後にはP(20)にあり、 0.4J/cm2のときのP(22)に比ペ短波長側にあることが分かる.スペク トルは、 50μs後にP(22)にシフトし、その後再びP(20)に戻っていった。 (b)の場合は、ほとんど誘 導信号を観測できなかった。
Fig.20に励起光強度O.lJ/cm2の場合の誘導信号の時間変化を示す。励起領域内ではEの区聞が 70μsまでとなり、 0.4J/cm2のときの100μsに比べて短縮した。励起直後には、励起領域から2mm、
3
剛離れたところでは信号は生じておらず、信号の立ち上がりに時間遅れがみられた.また、励起 領域外の信号は小さくなった@Fig.21(a)
,
(b)はFig.6と同じくSF62Torrに 0.4J/cm2のポンプで行ったものである。 (c),
(d) には励起光強度 O.lJ/cm2の場合の振動エネルギーの空間的広がりを示す。誘導信号は、励起領域 内及び励起領域外ともに、 O.4J/cm2のときに比パて小さくなった。5.
布告宣言寸・ヨ管雰要5 . 1
振動エネルギーの空間的広がりMmN
(b) 0.6
2 2
0
ベ
{ ω t z コ
﹄︽)
. a
J 4 z o
‑ ω
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o
B
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z 。
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8 32 28 24 20 16 12
PROBE LINES (10.6μm P‑branch)
8
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" 。
ト '7 0.4
E O ト 0.2
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o
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a z σ ω
国叫
0.2
o
Fig.19. Induced spectra with 0.lJ/cm2 for 2Torr SFs• (a)in pump axis, (b)for dist組cefrom pump beam axis r=2mm.
0: delay timeτ孟1μs
・ ,
:τ=50μs・ ,
:τ=100μs,
A:τ=200μs.Fig.18. Absorption spectra with 0.1J/cm2 for 2Torr SFs• (a)in pump axis, (b)for distance from pump be訓 axisr=2mm.
ロ
:withoutpump,
O:delay time τ豆lμs・ ,
:τ=50μs,
・
:τ=100μs,A:τ=200μs.0.4
。
g
凶‑0.2 ロ z
,園、
倒
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コ c a
L圃
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‑ 0.2
o
4 4 z o
‑ ω
100 150 200
TIME(μ5)
50 DELAY
o
Fig.20. Time dependence of the induced signals at two probe lines P(16) and P(30) in and off pump beam axis with O.lJ/cm2 for 2Torr SF6 • ():in pump axis
・ ,
:fordistance from pump be訓 axisr=lmm.ロ
:r=,
2l 1 U 1 I
.:r=311U1l.
SF62Torr Pump 0.4 J/cm2
(b)
0.6
, 圃h、
: m : : 0.4
コ z
ミ a 0 . 2
、 ‑
」
《
50.6 ω
o
0.1 J/cm2
(d) Pump
2 0 . 4
0 コ
。 ZO.2
o
(mm)
Fig.21. Spatial evolution of induced signals with parameter of delay time. (a)induced transmission of P(16) probe line, and (b)induced absorption of P(30) with O.4J/cm2 for 2Torr SF6 • (c)induced transmission of P(16) probe line. and (d)induc猷iabsorption of P(30) with O.lJ/cm2 for 2Torr SF6 • ():delay time τ孟1μs
・ ,
:τ=50μs・ ,
:τ=100μ5,
.:τ=200μ5.15<1
[1] 振動エネルギーの緩和
励起領域内での誘導信号の時間変化は 4つの区間に分けられ、次のような緩和モデルで既に説明 されている1.5.6) (1) 励起された振動エネルギーはν 3モードから1μs以内に、他のモード や準連続状態内にR‑R、V‑V緩和を行う(孟1μs)0 (II) V‑T緩和が始まり、ガス温度が上昇する。
V‑T緩和はV‑V緩和に比パてゆっくりしている (τυーT=122μs.Torr幻、 τυーυ=1.1μs.Torr13))
ので振動エネルギーの分布は広がる(壬50μs)0 (ill) 励起領域内からの分子拡散や急激なガス 温度上昇に伴う熱膨張により励起領域内に未励起分子が入り込み、振動温度が下がる(亘100μs)。
(W)
ガス冷却とともに準連続状態内の振動エネルギーがゆっくりと緩和する(100μs亘)0[2J 振動温度、ガス温度の推定
振動温度、ガス温度は、lYi収スペクトルのピークの位置から推定できるo Table 1 • ,こ、赤外ー赤 外2重共鳴法制や衝撃波法14)を用いて得られている扱収スベクトルのピークと振動温度、ガス温 度の関係を示す.ただし、赤外ー赤外 2重共鳴法では、まず振動温度が上昇しその後、 V‑T緩和に よって、ガス温度が上昇する.一方、衝撃波法では、まずガス温度が上昇し、 T‑V励起によって振 動温度が上昇する.われわれの実験では、最も振動エネルギーの空間的広がりが大きくなる 50μs 後には、 V‑T緩和はすでに進行しているため、振動温度 TvI bとガス温度 TQasはすでに平衡状態に 達していると仮定することができる.この乙とにより、 SF62Torrにおけるスペクトルのシフトか ら温度を計算すると14・15)、励起領域内ではスベクトルのピークは 300Kにおいて u=0→u=1の 遷移に対応する 947cm‑1 (P(16))から、 50μs後には 937cm‑1にシフトするので、 650Kに上昇し ていると考えられる。同じく励起領域外 l聞のところでは 942cm‑1にシフトするので 450Kに、 2mm離れたところでは 944cm→にシフトするので 350Kに上昇し、 3mm離れたところではスペクトル のシフトはみれず、 300Kであると考えられる。
[3] 振動エネルギーの空間的広がり
振動エネルギーが空間的に広がっていく過程には、 (a)輔射の共鳴股収、 (b)励起分子自体の拡 散、 (c)分子間衝突による励起、 (d)圧力波発生による来励起分子の第一種衝突励起、などが考え られる。とれを励起領境外での振舞いの特徴、すなわち、(1)誘導吸収の時間的振舞いが励起領域 内と励起領域外では全く異なったこと、 (2)駿収スペクトルが長披長側ヘシフトしないこと、 (3) 誘導信号は励起領域から離れるにつれ立ち上がりが遅れること、 (4)誘導信号は時間とともに励起 領域外に広がっていくこと、などを考慮すると次のように考えられる。
(a)まず、 Fig.22(a)のように、高振動励起分子が誘導放出した光を他の分子が股収し励起される という輔射の共鳴股収が考えられる 16) しかしこの過程は励起後直ちに起こるはずであり、励 起領域内からの距離に依存して誘導信号の立ち上がりが遅れていることを説明できない。
(b)次に、励起分子自体の拡散については信号の立ち上がりの遅れを説明することができるが、
Fig.22(b)のように同じ分子が空間的に広がっていくので励起領域内と励起領域外とでの信号の 振舞いは同じはずである。しかし、誘導吸収の時間変化は明らかに異なっている。
(c)分子間衝突により、他の分子に振動エネルギーを与えるとともに、運動エネルギーも大きくな る.この場合、信号の立ち上がりの遅れを衝突により広がっていく時間と考えることができる。
また、主に低い振動準位に励起されるので励起領域外ではスペクトルは長波長側にシフトしてい ないことを説明できる.しかし、 Fig.22(c)の点線のような、衝突によって振動エネルギーをそ
Table 1. Sound velocity of SF6隣S
Authors Ref. Results Ex開ri鵬ntal鵬thod (year) (method of excitation) O'Connor 17) 138m/s Acoustic interfero鵬 tricmethod
(1954)
‑Woo(d1 9 et a1. 18) 132m/s Infrared fluorescence 70) (Q‑sw CO2 laser) Ka tayama et al. 9) 140m/s Interferometric鵬 thod
(1975) (Q‑sw CO2 laser)
v v
争
(b)。 。
v
ミーーうーーーーーー̲̲Y...、~'+J(.E.
。 。
Fig.22. Pro凶bleprocesses of spatial evolution of vibrational energy in SF6 gas after pumping; (a)the radiative energy transfer by emission and absorption process, (b)the 船 leculardiffusion out of the pumped region, (c)the V‑V energy transfer by molecular collisions, (d)the T‑V excitation by collisions of first kind between heated‑up molecules and surrounding unexcited molecules.
156
のまま移乗する過程もあることを考えると、 (b)の分子拡散の場合と同様に、励起領域内と励起 領域外での信号の振舞いの違いを説明できない。
(d)最後に、 Fig.22(d) に示すように未励起分子の第一種衝突励起が考えられる。励起分子が V‑T 緩和を行うことにより励起領域内の温度が急激に上昇し、熱膨張が生じる。この熱膨張は励起領 域外に圧力波として伝幡する。よってこの圧力波により励起領域周辺の来励起分子がT‑V励起さ れる、と考えられる。信号の遅れを圧力波が伝幡するのに要する時間と考え、また、励起領域外 のスペクトルが長波長側にシフトしていないことは衝突によっては低い準位が主に励起されるこ
とを考えれば妥当である。
以上のことから、振動エネルギーは励起領域外には主に (d)の未励起分子の第一種衝突励起によ って広がっていくと考えられる。
[4J
圧力波の伝幡速度務導信号の立ち上がりの遅れは、 [3Jでの考察により、圧力波の伝幡に要する時間と考えるこ とができる.すなわち、励起領域から2剛離れたところでは、信号の立ち上がりが
10μs
遅れること から圧力波の速度は約2 0 0 m / s
と推定できる。T a b l e l l
.に示すように、この圧力波の速度は3 0 0 K
で のS F
6 ガス中を伝わる音速よりも速いといえる。このことから、圧力波は、励起領域内での急激な 温度上昇に伴う熱膨張により生じ、励起領域から3剛程度離れたところまでT‑V励起することのでき るエネルギーを持って伝幡していくと考えられる。しかし、それ以上離れるとT‑V励起できるほど のエネルギーはないので、音波だけが伝わり、エネルギーを散逸していくと考えられる。[5J
振動エネルギーの散逸モデル以上のことから振動温度、ガス温度、密度変化(圧力波、音波)を結び付けて次のような振動エ ネルギーの散逸モデルが考えられる。
(1)
C O
2レーザー10.4μm
のP
分枝でS F
6の ν 3モードを赤外多光子励起すると、励起領織内の振動 温度が上昇する。 (2)その後、振動エネルギーは、分子内及び分子関で R‑R、v ‑ v
緩和を行う。最 終的に νBモードからのV‑T緩和により基底状態に戻り、ガス温度が上昇する.一方、 V‑T緩和は V‑V緩和に比パて非常にゆっくりしているので、励起領域内では振動温度が上昇するo (3)ガス温 度上昇により生じた急激な熱膨張により局所的な密度の滅少が起こり圧力波が生じる。圧力波によ って励起領域周辺の未励起分子が第一種衝突励起されるので励起領域周辺(孟3
蜘) の振動温度が 上昇する。 (4)圧力被は衝突によりエネルギーを敏出してしまうので、 3mm以上より離れたところ では衝突により、熱を伝導していくだけになる。5 . 2 S F
6ガス圧依存性S F
6ガス圧を2 T o r r
から5 T o r r
へ高くすると、ポンプ光なしの場合の吸収スペクトルは長波長側に 広がる。これはガス圧が高くなると励起分子同士の衝突が頻繁になり衝突励起 (V‑Vup pumping) が起こり、より高準位に励起されやすくなるためである。同様の理由で、駿収スペクトルの長波長 側へのシフトは大きくなっている。励起領域内での誘導信号の時間変化ではV‑T緩和時間に相当する Eの区聞が
30μs
と短縮され、ガス温度冷却に相当するWの区間は反対に長くなっている。これは分子間衝突に強く依存する V‑T 緩和は促進され逆にガス温度は長く保持されることを示している。このことは振動エネルギーの空 間的広がりからも説明できる。すなわち、ガス圧が高くなると励起領域内で分子問衝突が頻繁にな
るため、励起分子は励起領域外に出にくくなり閉じ込められる。そのため励起領域外では振動励起 される分子数が少なくなると考えられる。
5 . 3
添加ガス効果SFsに添加ガスを混入すると股収係数が大きくなった。これは、 Heあるいは、 N2が励起パルス 幅内でSFsと衝突することにより、 SFsの振動エネルギーを添加ガス分子の並進エネルギーとして 奪いやすくなり、回転緩和を促進させるためである。このことから、回転準位内で分布が広がりレ ーザーパルスをより有効に利用できるようになり、高密度に分子が励起されるようになる別。 N2 の方がHeよりも駿収係数が大きくなったのは、れの方が質量が大きいので回転緩和をより促進す るためと考えられる。
添加ガスを加えても、励起領域内のスペクトルにおいてあまり長波長側へのシフトはみられなか った。乙れは添加ガス分子との衝突によって、 V‑T緩和が促進するためである。このことは誘導信 号の時間変化においてV‑T緩和に相当するEの区間が短縮したことからも説明できる。また衝突に よりガス温度上昇時間に相当するEの区間も短縮した。 He添加の場合、衝突によってSFsの振動エ ネルギーは並進エネルギーに変換される。並進エネルギーを得た Heは、励起領域外に広がっていく が、 HeはSFsに比ペて非常に軽いのでSF6の圧力波発生に影響を与えない。一方、 N2は2330cm‑t に振動準位を持つので、分子問衝突により SF6の準連続状態内から振動エネルギーを容易に受け取 る乙とができる。そのため、励起領域内ですでに誘導信号は小さくなり、励起領域外への振動エネ ルギーの広がりは抑えられる。励起領域外では、 N2同士の衝突で振動エネルギーがゆっくりと熱に 変えられていると考えられる.
5 . 4
励起光強度依存性励起光強度をO.4J/cm2からO.lJ/cm2に弱くすると、励起領域内では、股収スペクトルは長波長側 へのシフトが少なくなり、誘導信号スペクトルはスペクトルの境目が短波長側にあることが分かっ た。誘導信号の時間変化においては、ガス温度上昇に伴う分子拡散に相当するEの区間、ガス冷却 に相当するWの区間が短縮された。励起領域外ではほとんど誘導信号を観測できなかった.これら のことはすパて吸収される振動エネルギーが小さいことから、励起される準位が低いととで説明で きる。すなわち、励起光が強いほど多くの分子が励起され、また、振動エネルギーは高準位に高密 度に励起できるので励起領域内の誘導信号は大きくなり、ガス温度がより上昇する。そのため、よ
り大きな圧力波が発生し、励起領域外に振動エネルギーはより広がると考えられる.
6.
東~幸舌1)振動エネルギーの空間的広がり;赤外多光子励起後、振動エネルギーはV‑T緩和により励起領 域内では急激にガス温度が上昇し、熱膨張が起こる。そのため、熱膨張による圧力波が生じる.こ の圧力波により励起領域周辺の分子が第一種衝突励起されることにより振動エネルギーは広がって いくと考えられる。振動エネルギーとしての広がりは励起領域内から高々3醐程度であることが分 かった。この圧力波の伝幡速度は約200m/sと推定でき、 300Kにおいて SFsガス中を伝わる音速より も速いことが分かった。
2) SF6ガス圧依存性 ;SFsガス圧を高くすると、分子間衝突によって励起分子は励起領域内に閉じ
158
T a b l e l l . T e m p e r a t u r e s o f S F
sm o l e c u l e s a s a f u n c t i o n o f m a x m u m v a l u e o f e n e r g y
(v ma x ).A u t h o r s ( y e a r )
(鵬t h o d )
Lyman
e t a l . ( 1 9 7 5 )
Bagr a t a s h v i l i e t a l . ( 1 9 7 9 ) ( S h ∞
kw a v e ) t 4 ) ( I R ‑ I R d o u b l e r e s o n a n c e ) 4
】ν聞ISX T 0 0 (K) a) Tυ. T・R(K)b) Tu(K)C)
( c m ‑t )
P ( 2 0 ) 3 5 0 ( 9 4 4 . 2 )
P ( 2 2 )
位。( 9 4 2 . 4 )
P ( 2 4 ) 5 0 0
.45 0 : t 5 0 5 5 0 : t 5 0
d 1( 9
4.0 . 5 )
P ( 2 6 ) 5 7 0 ( 9 3 8 . 7 )
P ( 2 8 ) 6
4.0 6 1 0 : ! : 6 0 7 5 0 : ! : 6 0
・}( 9 3 6 . 8 )
a ) : E q u i l i b l i u m t e m p e r a t u r e .
b ) : H e a t i n g o f a l l d e g r e e s o f f r e e d o
m.c ) : H
伺t i n go f o n l y v i b r a t i o n a l d e g r e e s o f f r
関d o
m.d ) : φ = 0 . 1 6 J / c m
2 ,e):φ=0.
34J/cm2•込められる.そのため励起領域外で振動励起されている分子数は少なくなった.
3)
添加ガス効果;H e
を加えても、S F
6の振動エネルギーの空間的広がりの大きさはほとんど変わ らなかったが、ぬを加えると、分子間衝突によりS F
sの準連続状態内から振動エネルギーとしても 受け取ることができるので、S F s
の振動エネルギーとしての広がりは抑えられることが分かった.4)
励起光強度依存性;励起光を強くすると、より多くの分子を高準位に高密度に励起することが できる。そのため、励起領域内でのガス温度上昇が高くなり、より大きな圧力波が発生するので、振動エネルギーは、より大きく広がることが分かった.
議封書辛
従来、励起された分子の振動緩和を調ペるために用いられてきた赤外‑赤外 2重共鳴法を振動エ ネルギーの空間的広がりに活用した例は他にはない t91。この発想は著者の一人(1.K.)が 2年前に カナダのLa
v a lU n i v e r s i t y
を訪ねてP r o f . S . L .
Chi n
らと熱エネルギーの空間分布をd i s c u s s i o n
してきたことに誘起されて、研究室のゼミナール中に出でてきたものである。当時、院生であった 服部20)や、現在院生の宮永21)を中心に卒研生、北口雅哉、中谷猛、長谷川武彦君らの協力により
実験が遂行された。ここに合わせて謝意を表しておきたい.
著書kヨ管3(:南え
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,
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8)北島、木下、 λ回、岡井、岩津; レーザー研究 18 (1990) 22. 9) H.Aung and M.Katayama; Qpt.Comm. 14 (1975) 85.
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160