• 検索結果がありません。

宋代募兵制の研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "宋代募兵制の研究"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

宋代募兵制の研究

さいとう ただかず

齋藤 忠和

宋代募兵制とは、「軍人として飯をくうという形態である」。しかし、こうした理 解から一歩踏み出し、それが具体的に如何なることかを知ろうとするとき、これまでの 宋代兵制研究では充分に説明できない。

本稿は「募兵制とは何か」という根源的な問いに答えるため、軍法および軍隊を取り 巻く人の流れの出口部分について、以下の通り考察した。

第一部は軍法研究である。これまでの研究では、軍法の全容は示されず、律との関係 も説明されていなかったが、本研究は宋代軍法の全容を提示し、軍法と常法との関係か ら、軍隊社会と民衆社会との関わりや差異についても明らかにした。

第二部では、兵士の行く末に関わり、王曽瑜・小岩井弘光両氏の剰員制研究を基礎に、

宋代の剰員・帯甲剰員制が王朝の社会安定と予備役的な戦力の確保、また兵士にとって はもしものときの保障となり、募兵制を基底部で支える重要な制度であることを示し た。

第三部では、剰員帯甲剰員制を含め、軍隊社会の出口部分における各種保障制度、す なわち「兵士はどこへ行くのか」を包括的に考察し、「募兵制とは何か」について、一 定の回答を示すとともに、漏沢園(公共墓地)に注目し、『守城録』という兵書を用いる など、宋代史研究の新たな可能性を示した。

第四部では、第一部から第三部までの考察を踏まえ、募兵制とは何かについて総括し、

北宋禁軍の近代性を確認した。

本稿により、宋代募兵制は、兵士がその生涯を兵士として全うしうる様々な保障制度 や軍隊の一元管理を目指すための軍法など、多様な制度からなる複合的なものであるこ とがわかるとともに、中国史上はじめて「兵士(軍人)として飯を食う」ことができる ようになった宋代の兵士、とりわけ北宋禁軍はある種近代的な常備軍・国民軍であっ て、前代までの兵士たちとは明らかに一線を画すことが明示された(兵制の唐宋変革)。

したがって宋代の中国は、主に経済的な理由によって戦争が生じ、経済力の乏しい君主 たちが臨時雇用の兵士を寄せ集めて戦い、貧者が蓄財の機会としての戦争に群がるよう な社会状況にはなかったのである。

参照

関連したドキュメント

諸君はこのような時代に大学に入学されました。4年間を本

 第一の方法は、不安の原因を特定した上で、それを制御しようとするもので

歴史的経緯により(マグナカルタ時代(13世紀)に、騎馬兵隊が一般的になった

アナログ規制を横断的に見直すことは、結果として、規制の様々な分野にお

このような情念の側面を取り扱わないことには それなりの理由がある。しかし、リードもまた

ISSJは、戦後、駐留軍兵士と日本人女性の間に生まれた混血の子ども達の救済のために、国際養子

[r]

UCC第九編の﹁警告登録制度﹂を理解するためには︑ 本稿の検討からも明らかなように︑