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学位論文題名Fabrication of R/Iesoscale Polymer Structures by Self-Organization

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Academic year: 2021

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博 士 ( 理 学 ) 薮    浩

     学位論文題名

Fabrication of R/Iesoscale Polymer Structures by     Self‑Organization

(自己組織化によるメゾスケール高分子構造の作製)

゛ 学位 論文 内容 の要 旨

  ナ ノ メ ー ト ル か ら 数 十 マ イ ク ロ メ ー ト ル に 至 る メ ゾ ス ケ ー ル に お い て 微 細 構 造 を 作製 す る こ と は 、 材 料 科 学 の 分 野 で 非 常 に 重 要で あ る 。 そ の方 法 と し て 、低 次 元 の ナ ノ スケ ー ル 構 造 体を 作 製 し 、 階 層 的 に 組 織 化 す る こ と に より 、 新 規 の 機能 性 材 料 を 創製 す る ボ ト ム アッ プ 型 の 構 造形 成 が 近 年 注 目 さ れ て い る 。 一 方 対 流 など 熱 力 学 的 な非 平 衡 状 態 で形 成 さ れ る 構 造( 散 逸 構 造 )は 幅 広 い ス ケ ー ル 、 材 料 系 に お い て 観 察さ れ る 普 遍 的な 現 象 で あ る。 本 研 究 で は 高分 子 溶 液 か ら溶 媒 が 蒸 発 し て いく 過 程 ( 散 逸 過程 ) で 自 発 的に 形 成 さ れ る構 造 を 利 用 し、 こ れ ら を固定 化する ことに よ っ て 、 自 己 組 織 的 に 微 粒 子 、 二 次 元 ・ 三 次 元 構 造 な ど の ヌ ゾ ス ケ ー ル 構 造 形 成 を 試 み た 。   ナ ノ ス ケ ー ル の ピ ル デ ィ ン グ ブ ロ ック の ひ

と つ と し て ナ ノ 微 粒 子 が 挙 げら れ る 。 ナ ノ微 粒 子 は バ ル ク 材 料 の 破 砕 や 界面 活 性 剤 を 用い た ェ マ ル ジ ョ ン 重 合 な ど が 一般 的 に 用 い られ て い る 。 し か し な が ら こ れ らの 方 法 は 粒 径の 制 御 が 困 難 で あ る こ と 、 材 料の 多 様 性 が ない こ と が 問 題 で あ っ た 。 こ れ ら既 存 の 方 法 に対 し 、良 溶 媒 に 微 粒子 化 し た い材料 を溶 解させ 、 こ れ に 貧 溶 媒 を 加 え た 後 、 良溶 媒 を 蒸 発 させ る こ と に よ り 、 貧 溶 媒 中 に 材料 が 微 粒 子 とし

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Fifl.l.Preparation method of nano‑particles.

て 分 散 す る こ と を 新 規 に 見 出 し た(Fig.1)。 動 的 光 散 乱を 用 い た 粒 径 測定 に よ り 、 形成 さ れ た 粒 子 の 粒 径 は 数 十nmか ら 数 十pmま で 溶 液 濃 度 と 、 貧 溶 媒 の 量 を 変 化 さ せ る だ け で 大 幅 に 変 化 し た 。 貧 溶 媒 混 合 後 の 粒 径 の 時 間 変 化 を、 良 溶 媒 の 蒸 発速 度 を 一 定 にし て 測 定 し たと こ ろ 、 し ぱら く 一 定 の 粒 径 を 保 っ た 後 、 急 激 な 粒 径の 増 加 が 観 察 され た 。 こ の こと か ら 粒 子 の形 成 メ カ ニ ズム は 次 の よ う に 考 え ら れ る 。 貧 溶 媒 混 合後 、 粒 子 は 析 出と 溶 媒 和 し た状 態 を 行 き 来し て お り 、 一定 の 溶 媒 組 成 に な っ た 後 | 粒 子 の 核 が 析出 す る 。 こ の 核に 材 料 が 吸 着さ れ 、 次 第 に粒 子 が 成 長 した も の と 考 え ら れ る 。

  DNAやRNAな ど の 核 酸 は ア デ ニ ン ― チ ミン ( ウ ラ シ ル) 、 シ ト シ ンー グ ア ニ ン とい う 相 補 的 な 水 素 結 合 を 形 成 す る 。 ア デ ニ ン 、 ウ ラ シ ル 、 シ ト シ ン をそ れ ぞ れ 持 つ一 本 鎖RNA、polyA polyU, polyCと 脂 質 の ポ リ イ オ ン コ ン プ レ ッ ク ス を 調 製 し 、 こ れ らの 微 粒 子 を それ ぞ れ 調 整 した 。 調 製     ―32―

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した微 粒子のう ち、相 補的な 塩基対 を形成 するpolyA微 粒子とpolyU微粒 子を混合すると、直ち に数 百pmの凝 集 体 が 形成 さ れ た。一 方、非 相補的 なpolyA微粒 子とpolyC微粒子 を混合 した場 合では 、それぞ れの粒 径のピークが観察され、凝集体は形成されなかった。このことから微粒子 表面に 核酸塩基 が存在 しており、微粒子表面間においても相補的な塩基対を形成していることが 示唆さ れた。

  一方 高分子溶液を固体基板上に滴下すると、溶 媒の蒸 発を駆動カとして結露、対流、ディウェツ ティン グなどが引き起こされる。これらの現象を 高 分子 パ タ ー ンの 作 製 に 利用 す る ことで 、2次 元・三 次元的なメゾ構造が作製可能であることを 見出し た。高湿度下においては、溶媒が蒸発する 際の潜 熱により、溶液表面が冷却され、溶液表面 上に空 気中の水蒸気が結露する。結露した水滴は 毛管カ により細密充填し、これを鋳型とすること で ハ ニ カ ム 状 多 孔 質 膜 が 形 成 さ れ る 。   本 研 究 では機能 性材料 からの ハニカ ム状多 孔 質 膜の 作 製を試 みた。 ポリイ ミドは スーパ ーエ ン ジニ ア リング プラス チック として 知られ 、耐

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―I而磊T                 ‑

伽 巾 ヰ

Fig.2. Reaction scheme and scanning electron micrograph of polyimide honeycomb‑patterned 熱性・耐 薬品性 の高い 材料で ある。 しかし ながfilm.

らポリイ ミドは 難溶解 性であ り一般的な有機溶媒に不溶である。そこでポリイミドの前駆体であ るポリア ミック 酸を用 いた。 ポリアミック酸は水溶性であるため、これを脂質とのポリイオンコ ンプレッ クスを 形成さ せるこ とで、ク口口ホルムに溶解させた(Fig.2)。これを高湿度下でキャ ストする ことに よって 、ハニ カム状多孔質膜を得、さらに化学イミド化することによって、ポリ イミドハ ニカム 状多孔 質膜を 得た。FTーIR RAS測定により、イミド化を確認した。ハニカム状多 孔質膜は イミド 化後も 周期性 を保っ ており 、レー ザ散乱による回折実験においても7次以上の回 折スポットが観察された。フィルムの耐熱性を熱重量分析(TGA)により、測定したところ、作製し た ポ リ イ ミ ド 多 孔 質 膜 は450℃ 以 上 の 耐 熱 性 を 持 っ て い る こ と が わ か っ た 。   そのほ かにも フッ素系 高分子から同様の構造を作製し、その撥水性について検討を行った。ま た、ハニ カム状 多孔質 膜を鋳 型として他の材料に構造を転写することによって、マイクロレンズ アレイや 微粒子 の新規 な作製 法を見出した。さらに溶液界面から溶媒が蒸発する過程を用いてド ット、ス トライ プ、ラ ダーパ ターン を作製 できる ことを 見出した 。

  本研究 によル メゾスケ ールにおいて機能性材料から微粒子、二次元・三次元パターンを、溶液 からの溶 媒の蒸 発過程 におけ る自己組織化により作製できることが明らかとなった。これらの方 法は機能 性材料 の新規 なメゾ スケー ル構造 体作製 法とし て幅広い 分野へ の応用が期待できるも のと考え られる 。

 33

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(3)

学 位 論 文 審 査 の要 旨 主 査    教 授    下 村 政 嗣 副 査    教 授    魚 崎 浩 平 副 査    教 授    喜 多村    昇 副 査    教 授    居 城 邦 治

     学位論文題名

Fabrication of Mesoscale Polymer Structures by     Self‑Organization

     (自己組織化によるメゾスケール高分子構造の作製)

  

現在マ イクロフ ァプリケ ーショ ン技術は フォト リソグラ フイー を基本と したトップダ ウン型の 微細加 工技術が 主流である。しかしながら本質的に多段階プロセスであり、回折 限界など の技術 的な問題 点が指摘されている。一方、非平衡・開放系において形成される 自己組織 化構造 油幅広い サイズスケール・材料系に見られる普遍的な現象である。この自 己組織化 構造を 固定化し 、メゾスケールの構造化に利用することが出来れぱ断たなメゾス ケール構造形成の手法となる。   ・

  

本論文 は、高分 子の溶液から溶媒が蒸発していく過程に着目し、その過程で形成される 自己組織 化購造 を高分子 の析出 という手 段を用 いて固定 化し、O 次元 から

3

次元に至るメ ゾスケー ルの構 造形成に 成功したものである。著者は貧溶媒を加えた溶液中から良溶媒が 蒸発する過程で貧溶媒中に材料が微粒子として析出する「自己組織化忻出法」を見いだし、

様々な機能性材料からの微粒子形成を可能とした。さらに核酸‑ 瞶質複合体微粒子を本方法 で調製し 、相補 的な塩基 対を形成する微粒子間のみに凝集体が形成されることを明らかに した。この結果|よぉち怯で調整した核酸・脂質複合体微粒子が生体内と同様の分子認識能を 保持して いるこ とを示し ている。さらに高分子の溶液を高湿度下でキャストすることによ り得られ るハニ カム状多 孔質膜について、耐熱性は高いが従来加工が困難であったポリイ ミドから ハ二カ ム状多孔 質膜を得る方法を考案した。前駆体であるポリアミック酸と脂質 の複合体 を有機 溶媒に溶 かし、これを高湿度下でキャストした後に化学イミド化を行うこ とで 熱 分 解点 が

500

度以上の 耐熱性ハ 二カム フィルム の作製 に成功し た。ま た、撥水 材 料のフッ素樹脂についても同様にハ二カム構造・ピラー構造を自己 繃汀匕により作製し、

超撥水膜 が作製 出来るこ とを示した。これらの結果から自己組織化により機能性材料から

メゾスケールの構造形成が可能であると結論した。

(4)

  

これを要するに、著者は、自己組織化を用いたメゾスケールの構造形成を各次元におい て成功したものであり、自己組織化による機能性材料の創製の新たな指針を明らかにした も の と し て 、 ナ ノ サ イ エ ン ス に 対 し て 貢 献 す る と こ ろ 大 な る も の が あ る 。

  

よって著者は、北海道大学博士(理学)の学位を授与される資格のあるものと認める。

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