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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 理 学 ) 内 野 隆 之

 Geology of the Early Carboniferous accretioary complex,       Nedamo Terrane, Northeast Japan

‑Evolution of the Paleozoic subduction zone along the eastern Asian margin‑

    

( 東 北 日 本 , 前 期 石 炭 紀 付 加 体 ; 根 田 茂 帯 の 地 質

― アジ ア 東縁 域 に おけ る 古生代沈 み込み帯 の発達過 程―)

学位論文内容の要旨

(要旨)

  根田茂帯はジュラ紀付加体である北部北上帯とシルル紀〜白亜紀の島弧・浅海相からなる 南部北上帯の境界部に位置している.根田茂帯は一般に著しい剪断変形を被っており,珪長 質凝灰岩/泥岩の破断変形互層と緑色岩の卓越で糊對寸けられる,

  根田茂帯はこれまで付加年代が不明であったが,本研究により放散虫化石が発見され,前 期石炭紀の付カロ体であることが明らかになった.これまで日本列島において,化石で年代が 決定した付加体としては秋吉帯や超丹波帯など中期ペルム紀が最古であったが,根田茂帯は そ れ ら よ り 約80Maも 古 い 付 加 体 ( 日 本 最 古 ) で あ る こ と が 明 ら か に な っ た .   また根田茂帯から約380Ma(後期デボン紀)の変成年代を持つ高圧型変成岩が見出された,

苦鉄質片岩には藍閃石も晶出しており,それらは少なくとも緑レン石青色片岩相の高圧変成 作用を受けたことが明らかになった,この変成年代は,根田茂帯の付加年代よりも有意に古 い年代を示し,このことは根田茂帯の付加以前により古い付加体・変成岩が存庄していたこ とを示す.それらがより後に形成された根田茂帯中に,テクトニックブロックとして取り込 まれていると考えられる.

  根田茂帯には高圧変成岩の礫を大量に含む礫岩が分布している,したがって根田茂帯の付 加体形成時,後背地には高圧変成岩が分布していたと考えられ,それらは根田茂帯中にテク ト ニ ッ ク ブ ロ ッ ク と し て 分 布 し て い る 高 圧 変 成 岩 の 本 体 で あ っ た 可 能性 が 高 い .   南部北上帯の既存データと本研究で明らかになったデータを統合して,北上山地のテクト ニクスを復元した.その結果,オルドビス紀に島弧が形成され,その前縁で沈み込みが起き ていたことが導かれた.それらは基本的には白亜紀まで継続し,島弧の堆積岩からなる南部 北上帯と付加体がペアで形成されていた.これらは西南日本のテクトニクスと基本的には同 じテクトニクスであった.

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学位論文審査の要旨

主 査

  

助 教 授

  

川 村 信 人 副 査

  

教 授

  

竹 下

  

徹 副 査

  

教 授

  

松 枝 大 治

副 査

  

助 教 授

  

吉 田 孝 紀 ( 信 州 大 学 理 学 部 )

 Geology of the Early Carboniferous accretioary complex,       Nedamo Terrane, Northeast Japan

‑Evolution of the Paleozoic subduction zone along the eastern Asian margin‑

    

( 東 北 日 本 , 前 期 石 炭 紀 付 加 体 ; 根 田 茂 帯 の 地 質

― アジ ア 東 縁域 に おけ る古生 代沈み込 み帯の発 達過程― )

  近年,東アジア大陸縁辺部における古生代の発達史に関する研究は,大陸の離合集散過程 を解明する意味で盛んに行われている.しかし,その多くは大陸内部(モンゴノレ・揚子地塊 北縁など)や限定された地域(例えば西南日本の一部)に限られたもので,特にプレート沈 み込みで形成された付加体と,その ペア である火山弧のセットに着目した研究は,日本 列島ではいまだ未開拓の分野で,特に古生代島弧テレーンが顕著に発達する東北日本では,

そ の よ う な 観 点 の 研 究 が な く , 今 後 の 発 展 が 待 た れ て い る 状 況 に あ る ,

  本論文は,このような現状にある日本列島の古生代テクトニクスについて,微古生物年代・

高圧型変成岩岩石学・同位体年代学,およぴ付加体地質学などの多様な手法を用い,東北日 本古期付加体『根田茂テレーン』に関する研究をおこなぃ,東アジア縁辺域の古生代テクト ニクスモデンレの構築を目的としたものである,

  こ の研究 におけ る,学界への主要な貢献は3っある.第一は,日本列島で初めて,前期石 炭紀の付加年代を示す放散虫化石を根田茂テレーンから発見したことである.これは今まで 知 られて いた中 期ペルム紀付加年代より8千万年以上古く,日本列島最古の付加体である.

第 二に, 根田茂 テレーン からは じめてNa角閃石片岩を発見したことである.この発見によ って,根田茂テレーンが高圧型付加変成作用を受けていることが確認された.第三に,高圧 型 変成岩 の同位 体年代測 定を共 同研究 として行い,380 Maというデボン紀の変成年代を得 た ことで ある. この高圧型変成岩は南部北上帯の西側に接する母体ー松0平テレーンの上部

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デボン系に不整合で被覆される松0平変成岩に対比される可肯旨性が高い,これも日本列島の 付加変成年代として は,産状が複雑な黒瀬川帯のものを除いて日本最古の付加変成岩同位体 年代であり,日本列 島形成にかかわるプレート沈み込み―付加作用の最初期を示すものとし て,きわめて重要な データである.

  著者は,こ れらの新知見をべースとして,隣接する古生代島弧地質体(南部北上帯)など の地質情報を 加味し,オルドビス紀以降のプレー卜テクトニックモデルの独創的な試案を構 築し提示した ,日本列島の古生代テクトニクスに関する包括的なモデルはまだ無く,試案と はいえ,その 意義は大きい.

  以上 を要約すると,著者は日本列 島ではこれまで知られていなかった前期石炭紀付加体を 発見す るという顕著な新知見を得た ものであり,日本列島ひいては東アジア〜古太平洋緝辺 部の古生代テクトニクスという未発達の学問分野に対して貢献するところ大なるものがある,

  よって著者は ,北海道大学博士(#)の 学位を授与される資格あるも のと認めるもので ある.

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