数学
B
(微分積分)
金曜 4 時間目 14:40–;1502 教室
1
積分
積分法はもともと図形の面積や体積を求める方法論から発展したものである。経済学な どには、あまり関係がないように思われるかもしれないが、面積(や体積)の計算は非常 に基本的な計算であり、意外にいろいろなところで必要になってくる。 たとえば非常に簡単な応用として、以下のように商品の仕入量を計算する際に用いられ る。ある商品の年間の需要の変化が以下のようなグラフで表されるとする。(これが毎年 繰り返す。) - 時期 6 需要量 4/1 9/1 3/31 このとき、ある店がこの商品を毎年どのくらい仕入れればいいか、を知るためには、グ ラフの下の部分の面積を計算すればいい。すなわち、グラフの下の部分(曲線と縦軸、横 軸で囲まれた部分)の面積が1年間の総需要量、つまり仕入れるべき商品量となる。 また、さらに需要が増大する夏場(6月∼9月)にはどのくらい仕入れればいいかも同 じように該当部分の面積を計算することによって調べることができる。 このような計算は、統計学でも必要となる。1.1
区分求積法
例1. 曲線y = x2とx軸および直線x = 1によって囲まれた図形の面積を求めてください。 6 -1 われわれは三角形や長方形の面積は簡単に計算できるが、曲線を含む図形の面積はどの ように計算すればよいだろうか?まず、ものすごく大雑把に考えてみると、問題部分の面積は点(0, 0)と(1, 1)を結んで できる直線を斜辺とする三角形の面積S△ = 1× 1 × 1 2 = 1 2 よりも小さいということ は分かる。 4等分(上方和) 今度は、長方形の面積が簡単に計算できることを活かして、問題の図形を長方形を使っ て近似してみる。まずは、少し粗っぽく、4つの長方形で近似してみる。 6 -1 • [0, 1]区間を4等分する。 • このとき4つの長方形の底辺はそれぞれ 1 4 である。 • 各長方形の高さを右端の値でとる(実際の面積よりもちょっと多めにしておく)と、高 さはそれぞれ左から ( 1 4 )2 , ( 2 4 )2 , ( 3 4 )2 , ( 4 4 )2 である。このことを ( k 4 )2 (k = 1, 2, 3, 4)と表す。 • したがって求める面積S4は以下のように計算できる。 S4= 1 4 ( 1 4 )2 +1 4 ( 2 4 )2 +1 4 ( 3 4 )2 +1 4 ( 4 4 )2 = 1 4 (( 1 4 )2 + ( 2 4 )2 + ( 3 4 )2 + ( 4 4 )2) = 1 4 4 ∑ k=1 ( k 4 )2 = 1 4· 1 16 4 ∑ k=1 k2 = 1 4· 16· 4 6 (4 + 1)(2· 4 + 1) = 15 32 = 0.46· · · 数列の和の計算には、以下の公式を利用している。 (12+ 22+· · · + n2) = n ∑ k=1 k2 = n 6 (n + 1)(2n + 1)
8等分(上方和) 上の4等分はまだまだ雑で、実際の図形と比べるとかなり余計な部分が含まれてしまっ ている。したがって、実際の図形の面積Sは、上のS4よりもっと小さいはずである。そ こでさらにもっと細かく8等分してみる。 6 -1 練習問題 2. [0, 1]区間を8等分したときの面積S8を求めてください。 1. 各長方形の底辺は? 2. 各長方形の高さは? 3. 面積S8は? n等分(上方和) これまでの議論を一般化して、今度はn等分してみる。 6 -1 練習問題 3. [0, 1]区間をn等分したときの面積Snを求めてください。 1. 各長方形の底辺は? 2. 各長方形の高さは? 3. 面積Snは?
このnがどんどん細かくなっていたったときに、最終的に行き着く先はどんな値だろう か?すなわち、n→ ∞のときの面積Snの極限 lim n→∞Sn はどのような値になるだろうか? lim n→∞Sn= limn→∞ 1 6n2(n + 1)(2n + 1) = lim n→∞ 1 6 ( 1 + 1 n ) ( 2 + 1 n ) = 1 6 · 1 · 2 = 1 3 したがって、lim n→∞Snは 1 3 に収束する。すなわち、[0, 1]区間を極限まで細かく分割し て面積を求めると、極限的には 1 3 になる。このことから、目的の曲線y = x 2とx軸お よび直線x = 1によって囲まれた図形の面積は 1 3 になりそうだと予想できる。 ただし、これまでの計算では、長方形の面積を少し多めにとっていた。(そのようにし て求めた面積Snおよび lim n→∞Snを上方和と呼ぶ。)今度は少なめにとってみたらどうだろ うか? 1 3 より小さくなるだろうか? 下方和 これまでは長方形の高さを大きい方で計算していた。そこで今度は、高さを小さい方で とって面積を計算してみる。 6 -1 • [0, 1]区間を4等分する。 • このとき4つの長方形の底辺はそれぞれ 1 4 である。 • 各長方形の高さを「左端の値」でとる(実際の面積よりもちょっと少な目にしてお く)と、それぞれ ( k 4 )2 (k = 1, 2, 3)である。(今度は左端の長方形は面積0に なる。) • したがって求める面積s4は以下のように計算できる。 s4 = 1 4 3 ∑ k=1 ( k 4 )2 = 1 4 · 1 16 3 ∑ k=1 k2 = 7 32
練習問題 4. [0, 1]区間を8等分したときの面積s8を求めてください。 6 -1 1. 各長方形の底辺は? 2. 各長方形の高さは? 3. 面積s8は? 練習問題 5. [0, 1]区間をn等分したときの面積snを求めてください。 1. 各長方形の底辺は? 2. 各長方形の高さは? 3. 面積snは? n→ ∞のときの面積snの極限 lim n→∞snの値は以下のとおり。 lim n→∞sn= limn→∞ 1 6n2(n− 1)(2n − 1) = lim n→∞ 1 6 ( 1− 1 n ) ( 2− 1 n ) = 1 6 · 1 · 2 = 1 3 したがって、[0, 1]区間を極限まで細かく分割して面積を求めると、高さを小さめにとっ た場合ではもやり、極限的には 1 3 になる。 各自然数nについては明らかにsn< S < Snであり、極限的にはlim sn= lim n→∞Sn= 1 3 である。このことから、目的の曲線y = x2とx軸および直線x = 1によって囲まれた図 形の面積Sは 1 3 であると考えられる。この面積Sを以下のように表す。 ∫ 1 0 x2dx 一般化:区分求積法 これまでの2次関数y = x2についての議論を一般化して、一般の関数f (x)について考 えてみる。曲線y = f (x)とx軸および直線x = a、直線x = b(a < b)によって囲まれ た図形の面積を求めたい。
-f (x) a = x0 x1 x2 x3 . . . xn= b まず区間[a, b]を以下のようにn個の区間に分割する。 a = x0, x1, x2, . . . , xn−1, xn= b このとき各長方形の底辺はそれぞれ xk− xk−1 (k = 1, 2, . . . , n) 高さは右端でとればそれぞれ f (xk) (k = 1, 2, . . . , n) ここで、区間の分割を極限まで細かくすると、以下のことが直感的に認められるだろう。 • 底辺は極限まで小さくなるため、底辺がすべて同じ長さである必要はない、すなわ ちn分割はn等分である必要はない。 • 高さも最大であろうと最小であろうと中間であろうと、どこで測っても構わない。 (実際にこれらが成り立つことを保証する積分の定理があるが、ここでは省略する。)そこ でとりあえず、高さは底辺の右端の値で求めることにすると Sn=f (x1)(x1− x0) + f (x2)(x2− x1) +· · · + f(xn)(xn− xn−1) = n ∑ k=1 f (xk)(xk− xk−1) S = lim n→∞ n ∑ k=1 f (xk)(xk− xk−1) この面積Sを以下のように表す。 ∫ b a f (x) dx ∫ b a f (x) dxの値を求めることを、fをaからbまで積分するという。記号∫ は「インテグ ラル(integral)」と読む。この記法は、以下のような対応に基づいたものである。 lim n→∞ n ∑ k=1 f (xk) (xk− xk−1) ↓ ↓ ↓ ∫ b a f (x) dx 和の極限 高さ 底辺 ∑ はギリシア語のSで、英語のsum(和)を意味し、 ∫ はSを縦に引き伸ばしたもの で、和の極限を意味している。
問題は、一般の(連続)関数f (x)に対して ∫ b a f (x) dxを求めることである。前にみた ようなf (x) = x2の場合にはS = ∫ 1 0 x2dxすなわち lim n→∞ n ∑ k=1 1 n ( k n )2 は数列の和の 公式を使って計算できた。しかし一般の場合には和の極限 lim n→∞ n ∑ k=1 f (xk)(xk− xk−1) を計 算するのは困難である。 そこで重要になるのが微分法と積分法の関係である。面積の計算にも微分が使えるので ある。微分と積分の関係についてみる前にまずは、積分の基本性質を少しだけ挙げておく。 以下の性質は、面積のイメージで容易に納得できるものである。 1. ∫ a a f (x) dx = 0 (aからaまでの積分は0である。) 2. ∫ b a f (x) dx = ∫ c a f (x) dx+ ∫ b c f (x) dx(積分は2つの部分に分けて計算してもよい。) 3. ∫ b a f (x) dx =− ∫ a b f (x) dx (aからbまでの積分の符号をマイナスにしたものが、逆のbからaまでの積分になる。) ニュートンとライプニッツの大発見は、「関数f (x)を積分して( ∫ x a f (x) dx)、微分す ると元(f (x))に戻る」というものである。 関数f (x)−−−→積分 求積関数 ∫ x a f (x) dx −−−→ f(x)微分 これによって、f (x)の下の面積を求めるためには、微分してf (x)となる関数(原始関数 と呼ぶ)を求めることに帰着する。実際、F (x)がf (x)の原始関数(F′(x) = f (x))とす ると ∫ b a f (x) dx = F (b)− F (a) という定理が成り立つのである。 そこでまず、このニュートンとライプニッツの大発見について見ておく。問題は、以下 の2つである。 1. F (x) = ∫ x a f (x) dxとして、この関数を微分すると本当にf (x)になるのか? 2. 微分してf (x)になる関数F (x)がわかれば、本当に面積を計算できるのか?つまり ∫ b a f (x) dx = F (b)− F (a)となるのか?
1.2
積分と微分の関係
まずは、1つ目の問題「f (x)を積分して(F (x) = ∫ x a f (x) dx)、微分すると本当にもと に戻るのか(F′(x) = f (x))?」について、具体例を見てみる。練習問題 6. f (x) = x [0, 5]とする。F (x) = ∫ x 0 x dx (0≤ x ≤ 5)とするとき、三角形 の面積を計算して以下の値を求めてください。 1. F (0), F (1), F (2), F (3), F (4), F (5) 2. 一般に、0≤ x ≤ 5について、F (x) = ∫ x 0 x dx = 3. F (x)を微分するとF′(x) = x −−−−−−−−→積分 ∫ x 0 x dx ∥ ∥ 微分 ←−−−−−−−− 練習問題 7. f (x) = 2x [0, 5]とする。F (x) = ∫ x 0 2x dx (0≤ x ≤ 5)とするとき、三角 形の面積を計算して以下の値を求めてください。 1. F (0), F (1), F (2), F (3), F (4), F (5) 2. 一般に、0≤ x ≤ 5について、F (x) = ∫ x 0 2x dx = 3. F (x)を微分するとF′(x) = 2x −−−−−−−−→積分 ∫ x 0 2x dx ∥ ∥ 微分 ←−−−−−−−− 練習問題 8. f (x) = 1 2 x [0, 5]とする。F (x) = ∫ x 0 1 2 x dx (0≤ x ≤ 5)とするとき、 三角形の面積を計算して以下の値を求めてください。 1. F (0), F (1), F (2), F (3), F (4), F (5) 2. 一般に、0≤ x ≤ 5について、F (x) = ∫ x 0 1 2 x dx = 3. F (x)を微分するとF′(x) = 1 2 x 積分 −−−−−−−−→ ∫ x 0 1 2 x dx ∥ ∥ 微分 ←−−−−−−−− 上の具体例を見ていると、「積分して微分すればもとに戻る」という以下の定理が成り 立ちそうである。 定理 9 (基本定理). 区間[a, b]で定義された関数f と、変数a≤ x ≤ bについて、 F (x) = ∫ x a f (x) dx とするとき、関数Fは微分可能で、以下が成り立つ。 F′(x) = f (x) この定理は、端的にいえば「積分して微分すると元に戻る」ということを表し、微分と 積分が互いに逆演算であることを表す非常に重要な定理であり、微分積分学の基本定理と よばれる。(後に述べるもう一つの重要な定理も基本定理とよぶことがある。) f (x) −−−−−−−−→積分 ∫ x a f (t) dt 基本定理 ∥ ∥ 定義 F′(x) ←−−−−−−−−微分 F (x) ニュートンとライプニッツによるこの大発見によって、微分法と求積法(積分法)は一体 のものとして微分積分学と呼ばれるようになり、飛躍的に発展したのである。
Proof. F (x) = ∫ x a f (x) dxとおくと、このF (x)は、aからxまでの範囲の曲線f (x)の下 の面積を求める関数である。 -f (x) F (x) S a x x+h ここで、 S = ∫ x+h x f (x) dx とおくと、Sも曲線f (x)の下の面積だから、F (x)を使って以下のように表せる。 S = F (x + h)− F (x) また、Sの面積を、F (x)を使わずに区分求積法で考えてみると、底辺h、高さf (x)の 長方形の面積よりは大きく、また底辺h、高さf (x + h)の長方形の面積よりは小さい。す なわち f (x)× h < S < f(x + h) × h 各項をh(h > 0)で割ると f (x) < S h < f (x + h) S = F (x + h)− F (x)だったから、 f (x) < F (x + h)− F (x) h < f (x + h) h→ 0のときの極限をとると lim h→0f (x) < limh→0 F (x + h)− F (x) h < limh→0f (x + h) lim h→0f (x) = f (x)、h→0lim F (x + h)− F (x) h = F ′(x)、lim h→0f (x + h) = f (x)だから、結局、 F′(x) = f (x)であることがわかる。 Remark 10. 上のような ∫ x a f (x) dxという表記では異なる変数( ∫ x a のxと、f (x)dxの x)が一つのxで表されおり、混乱を避けるため、2つ目のxを別の文字、たとえばtに置 き換えて、通常は以下のように表す。 ∫ x a f (t) dt 上のxは変域がa≤ x ≤ bとなる変数だが、tはa≤ t ≤ xであり積分変数と呼ばれる。
1.3
原始関数
残る問題は、「微分してf (x)になる関数が見つかれば、本当に面積が計算できるのか?」 である。これは先の基本定理(積分して微分すると元に戻る)を用いて証明できる。 定義 11. 関数f (x)が与えられたとき、微分するとf (x)になる関数、すなわち F′(x) = f (x) を満たす関数F (x)をf (x)の原始関数(または不定積分)という。 定理 12 (基本定理2). F (x)がf (x)の1つの原始関数とするとき、以下が成り立つ。 ∫ b a f (x) dx = F (b)− F (a) この定理も微分積分学の基本定理とよばれることがあり、「原始関数が分かれば積分(面 積)は計算できる」(数列の和やその極限値を調べなくても)ということを表している。 Proof. G(x) = ∫ x a f (x) dx とおくと、「微分すると元に戻る」基本定理(定理9)から、G′(x) = f (x)である。また F (x)はf (x)の原始関数だから、F′(x) = f (x)である。よって、G(x)とF (x)の差の微分 を考えると以下のようになる。 (G(x)− F (x))′ = G′(x)− F′(x) = f (x)− f(x) = 0 微分して0になるのは、定数だけだから、ある定数Cについて、 G(x)− F (x) = C xにaを代入すると G(a)− F (a) = C ここで、G(a) = ∫ a a f (x) dx = 0だから、C =−F (a)である。よって G(x)− F (x) = −F (a) 移項してxにbを代入すれば ∫ b a f (x) dx = G(b) = F (b)− F (a) 定理の右辺のF (b)− F (a)は、 [ F (x) ]b a または F (x)ba と書かれる。したがって上の定理は以下のように表すこともできる。 ∫ b a f (t) dt = [ F (x) ]b a練習問題 13. 以下の値を求めてください。 1. ∫ 1 0 x2dx (ヒント)まずx2の原始関数F (x)(微分してx2になる関数)を1つ求める。次に [ F (x) ]1 0つまりF (1)− F (0)を計算する。 2. ∫ 2 1 x2dx 上の練習問題で分かるように、面積(定積分)を計算するためには、与えられた関数 f (x)の原始関数を求めればよい。そこで、面積の計算を進める前に、まずは原始関数を求 めるための公式の導入とその練習をしておくことにする。
1.4
不定積分の計算
たとえば、 ( 1 3 x 3 )′ = x2だから、1 3 x 3はx2の1つの原始関数だが、 ( 1 3 x 3+ 3 )′ = x2 だから、 1 3 x 3 + 3もx2 の原始関数であり、またさらに ( 1 3 x 3+√2 )′ = x2だから、 1 3 x 3+√2もx2の原始関数である。このように、x2の原始関数は無数に存在する。 定義 14. 関数f (x)の原始関数を総称して、f (x)の不定積分と呼び、以下の記号で表す。 ∫ f (x)dx 上の記号 ∫ f (x) dxは、f (x)の原始関数の任意の1つを表すと考えてもよいし、また f (x)の原始関数を一般に表すとも考えられる。 上でみたように、x2の原始関数は、Cを任意の定数として 1 3 x 3+ C という形で表すことができ、またx2の原始関数はこれらですべて尽くされる。このこと を通常以下のように表す。 ∫ x2dx = 1 3 x 3+ C 定義 15. ある区間におけるf (x)の原始関数の1つをF (x)とすれば、その区間における f (x)の任意の原始関数は、定数CによってF (x) + Cで表される(C = 0のときにF (x) 自身)。このことを以下のように表す。 ∫ f (x)dx = F (x) + C ここで、Cは積分定数とよばれる。 関数f の原始関数(不定積分)を求めることを、fを積分するという。また、不定積分の ことも単に積分とよぶことがある。 通常われわれが扱う連続関数に対しては、原始関数と不定積分は同じものとみなされる。以下の練習は、f (x)が具体的に与えられたときに、その原始関数 ∫ f (x) dxを具体的に 求めることである。たとえば、 ∫ x dx =?を求めたい。そのためには、微分と積分の関係 を利用して、「微分してxになる関数(xの原始関数)」を求めればいい。 ∫ x dx ∥ ? x −−−−−−−−→積分 ∫ x dx ∥ ∥ (?)′ ←−−−−−−−−微分 ? 微分してxになる関数(原始関数)((?)′ = xとなる「?」)を考えると、 1 2 x 2が見つか る。ただし、これはxの原始関数の1つであり、これに定数を加えたものもすべて微分し てxになる関数、つまりxの原始関数だから、結局答えは以下のようになる。 x −−−−−−−−→積分 ∫ x dx ∥ ∥ ( 1 2 x 2+ C )′ 微分 ←−−−−−−−− 1 2 x 2+ C ∫ x dx = 1 2 x 2+ C 以下では、微分してf (x)になる関数(原始関数)を求めるための公式と、その練習を行う。 1.4.1 xnの不定積分 上では ∫ x dxを求めたが、同じように ∫ x2dxを求めてみると以下のようになる。 x2 −−−−−−−−→積分 ∫ x2dx ∥ ∥ (?)′ ←−−−−−−−−微分 ? ∫ x2dx =? (?)′ = x2 ? = 1 3 x 3+ C ∫ x2dx = 1 3 x 3+ C 一般に、 ∫ xndxについても同様に ∫ xndx =? (?)′ = xn ? = 1 n + 1x n+1+ C すなわち、以下が成り立つ。
定理 16. ∫ xndx = 1 n + 1x n+1+ C (n = 0, 1, 2, . . . ) とくに、 ∫ 1 dx = x + Cだが、 ∫ 1 dxを通常、 ∫ dxと表す。 練習問題 17. 次の不定積分を求めてください。(積分定数Cを忘れないこと。) 1. ∫ x4dx 2. ∫ x5dx 3. ∫ x6dx 4. ∫ x99dx 5. ∫ x100dx 解答 1.4.2 定数倍および和・差の不定積分 定理 18. 1. ∫ kf (x) dx = k ∫ f (x) dx (kは定数) 2. ∫ ( f (x) + g(x) ) dx = ∫ f (x) dx + ∫ g(x) dx 3. ∫ ( f (x)− g(x) ) dx = ∫ f (x) dx− ∫ g(x) dx Proof. 2. f (x) + g(x) −−−−−−−−→積分 ∫ (f (x) + g(x)) dx ∥ ∥ (?)′ ←−−−−−−−−微分 ? ∫ (f (x) + g(x)) dx =? (?)′ = f (x) + g(x) ここで、 (∫ f (x) dx + ∫ g(x) dx )′ = (∫ f (x) dx )′ + (∫ g(x) dx )′ = f (x) + g(x) だから、? = ∫ f (x) dx + ∫ g(x) dx、つまり ∫ (f (x) + g(x)) dx = ∫ f (x) dx + ∫ g(x) dx 練習問題 19. 上の公式を証明してください。
例 20. ∫ (8x3− 5x + 3) dx = 8 ∫ x3dx− 5 ∫ x dx + 3 ∫ dx = 8· 1 4 x 4− 5 · 1 2 x 2+ 3x + C = 2x4− 5 2 x 2+ 3x + C 練習問題 21. 次の不定積分を求めて下さい。 1. ∫ (3x2− 4x − 2) dx 2. ∫ (2x + x3) dx 3. ∫ (x− 1)(2x − 3) dx 4. ∫ t3(t− 6) dt 5. ∫ (2y + 5)2dy 6. ∫ 5 dx 7. ∫ 7 dy 8. ∫ (2x3− 3x2) dx 9. ∫ (x− 3)(2x + 1) dx 10. ∫ (3x + 2) dx 11. ∫ (x2− 6x + 5) dx 12. ∫ (8x3+ 2x2+ 4x) dx 13. ∫ (x + 2)(x− 2) dx 14. ∫ (3x + 7)(x− 1) dx 1, 2, 3 解答 練習問題 22. 次の2つの条件をみたす関数F (x)を求めてください。 1. F′(x) = x2− 4x, F (3) = −4 (a) F (x)は微分してx2−4xになる関数だから、 F (x) = ∫ (x2− 4x) dx = (b) F (3) =−4だから、積分定数Cを求めるこ とができて、C = (c) よってF (x) = 2. F′(x) = 6x2− 4x − 5, F (2) = 2 3. F′(x) = 1 3 x− 1 2 , F (1) = 11 3 4. F′(x) = 15x2− 2x + 6, F (−1) = −9 5. F′(x) = (3x− 1)(1 − x), F (1) = 3 f (x) −−−−−−−−→積分 ∫ f (x) dx ∥ ∥ F′(x) ←−−−−−−−−微分 F (x) 4,5 解答
発展問題 23. 1. 曲線y = f (x)が点(1, 0)を通り、かつ曲線上の任意の点(x, f (x))における接線の傾 きは3(x2− 1)です。関数f (x)を求めてください。 2. 曲線y = f (x)が点(0,−2)および点(2, 0)を通り、また、曲線上の任意の点(x, f (x)) における接線の傾きはx3− ax(aは定数)です。定数aの値および関数f (x)を求 めて下さい。 1.4.3 xαの不定積分 最初に挙げた公式は一般に、実数の累乗にまで拡張することができる。(証明は省略する。) 定理 24. 実数α̸= −1について、 ∫ xαdx = x α+1 α + 1 + C 一般に、 ∫ 1 f (x)dx のことを ∫ dx f (x) とかく。 Remark 25. α = −1のときは、分母が0になってしまうため上の公式では定義できな い。α =−1のときの ∫ x−1dxについては別の公式があるが、ここでは扱わない。 練習問題 26. 次の不定積分を求めてください。 1. ∫ dx x3 2. ∫ dx x2 3. ∫ dx √ x 4. ∫ −x−6dx 5. ∫ 3√x dx 6. ∫ 1 x√xdx 7. ∫ 6x−14 dx 8. ∫ dx xn ただし n は n≥ 2 となる整数 解答 練習問題 27. 次の不定積分を求めてください。 1. ∫ ( 1 √ x − 2 x3 ) dx 2. ∫ ( x + 1 x )2 dx 3. ∫ (x−√x)2dx 4. ∫ x3− 2x2 x5 dx
1.5
定積分
以下では、関数がある区間で定義されていて(連続で)、積分の上端、下端はつねにそ の区間の点であるとする。 定義 28. 関数f (x)について、 ∫ b a f (x) dxを定積分とよぶ。f (x)の原始関数(不定積分) の1つをF (x)とするとき、以下が成り立つ。 ∫ b a f (x) dx = [ F (x) ]b a= F (b)− F (a) 練習問題 29. 次の定積分を求めてください。 1. ∫ 4 0 x3dx (ヒント)まず不定積分 ∫ x3dx = F (x)を求める。次にF (4)− F (0)を計算する。 2. ∫ 2 −1(y 2− 2y − 3)dy 3. ∫ −3 3 (x− 3)2dx(下端<上端とは限らない!) 解答練習問題 30. 次の定積分を求めてください。 1. ∫ 9 4 dx √ x 2. ∫ 3 1 1 x2 dx 3. ∫ 3 1 1 x3 dx 1. ∫ 3 1 2 x2 dx 2. ∫ 5 −23dx 3. ∫ 1 −1(2x 2+ 3x + 5)dx 5. ∫ 3 0 (t− 3)2dt 6. ∫ −1 3 (y3− 4y)dy 解答 以下の公式は、後に面積の計算をするときにとくに役に立つ。 定理 31. ∫ β α (x− α)(x − β) dx = − 1 6 (β− α) 3 練習問題 32. 上の公式を証明してください。
1.6
偶関数と機関数(参考)
定義 33. 関数f (x)は、f (−x) = f(x)が成り立つとき偶関数とよばれ、f (−x) = −f(x) が成り立つとき奇関数とよばれる。 定理 34. f (x)が偶関数のとき、 ∫ a −af (x)dx = 2 ∫ a 0 f (x)dx f (x)が奇関数のとき、 ∫ a −af (x)dx = 0 上の公式は、置換積分法を使って証明できるが、ここでは以下のグラフの例による直感 的なイメージで理解しておくことにする。以下のグラフは、3,4,5,6次関数の例であり、 一般に偶関数のグラフはy軸に関して対称、奇関数のグラフは原点に関して対称となる。練習問題 35. 次の積分の値を求めてください。 1. ∫ 2 −2x 2dx 2. ∫ 2 −2x 4dx 3. ∫ 1 −1(x 3+ 2x2+ 1) dx 4. ∫ 3 −3(4x 3+ 6x2− 9x − 10) dx 5. ∫ −3 3 (x− 3)2dx
2
積分法の応用
2.1
面積
定理 36. 区間[a, b]を定義域に含む(連続)関数f (x)について、曲線y = f (x)とx軸お よび2直線x = a, x = bで囲まれた図形の面積Sは • f(x) ≥ 0のときは、S = ∫ b a f (x) dx • f(x) ≤ 0のときは、S =− ∫ b a f (x) dx • f(x)の符号が変化するときは、S = ∫ b a |f(x)| dx 面積を計算する際には、グラフの概形を描いて、f (x)が+の側にあるのか、−の側に あるのかを把握する必要がある。 例 37. 曲線y = x3− 3x2+ 2xとx軸で囲まれた図形の面積Sを求めてください。 Proof. 1. 曲線とx軸との交点を求める。(グラフの概形をかく。)y = x3−3x2+2x = x(x−2)(x−1) y = 0となるのは、x = 0, 1, 2のとき。 2. 正負を確認して面積を求める。 S = ∫ 1 0 (x3− 3x2+ 2x) dx− ∫ 2 1 (x3− 3x2+ 2x) dx = 1 2 練習問題 38. 次の曲線とx軸で囲まれた図形の面積Sを求めてください。1. y = 3x2− x3 2. y = x3+ x2− 2x 3. y = x2− 5x + 4(定理31利用可) 4. y = x2− x − 6(定理31利用可) 練習問題 39. 次の曲線とx軸および2直線x = 1, x = 4で囲まれた図形の面積を求めて ください。 1. y = 4x− x2 2. y = x3 解答
定理 40. 区間[a, b]においてf (x)≥ g(x)であるとき、2曲線y = f (x), y = g(x)、および 2直線x = a, x = bによって囲まれた図形の面積Sは、以下の式で与えられる。 S = ∫ b a ( f (x)− g(x) ) dx 1. g(x)≥ 0のときは、 -f (x) a b g(x) 左の図から明らかに S = ∫ b a f (x) dx− ∫ b a g(x) dx = ∫ b a ( f (x)− g(x) ) dx 2. f (x), g(x)が負になる場合があるときには、それぞれの曲線をy軸の正の方向に適当 な数mだけ平行移動しても面積は変わらないから、それを計算する。 -f (x) a b g(x) f (x) + m g(x) + m S = ∫ b a (f (x) + m) dx− ∫ b a (g(x) + m) dx = ∫ b a ( f (x) + m− (g(x) + m) ) dx = ∫ b a ( f (x)− g(x) ) dx 結局求める面積は上の場合と同じである。 例 41. 放物線y =−x2+ 2x + 4とy = x2によって囲まれる図形の面積を求めてください。 1. まず2つの曲線の交点を求める。(グラフをイメージして上にあるものから下にある ものを引いた方が定理31を使うのに便利。) −x2+ 2x + 4 = x2 −2x2+ 2x + 4 = 0 −2(x + 1)(x − 2) = 0 2. 面積を計算する。(この場合は定理31が使えたが、使えない場合もある。) S = ∫ 2 −1−2(x + 1)(x − 2) dx = −2 ∫ 2 −1(x + 1)(x− 2) dx = −2 · − 1 6 (2 + 1) 3 = 9 練習問題 42. 次の曲線で囲まれた図形の面積を求めてください。 1. y = x2− 4 と y = x− 2 2. y = 4x− x2 と y = x− 4 3. y = x2− 3x − 4 と y = 2 + x− x2 4. y = 2x2− 7x + 9 と y = 5x− x2
練習問題 43. 次の曲線と直線で囲まれた図形の面積を求めてください。 1. y = x2− 3x + 5 と y = 3 2. y = 2x2+ 3x− 5 と y = x− 1 3.(難)y = 2x2+3x−5 と y = x2+4x−3 4. (難)y = x3− x2 と y = x− 1 練習問題 44. 次の各組の曲線や直線によって囲まれる図形の面積を求めてください。 1. y = x2− 1とx軸 2. y = 1− x3とx軸とy軸 3. y = x2− x3とx軸 4. y =−x2+ 2x + 3とx軸 5. y = x2とy =−x2+ 3x + 5とx = 0とx = 2 解答 練習問題 45. 次の曲線とx軸および直線x = 1, x = 2で囲まれた図形の面積を求めてく ださい。 1. y = x2− 2x + 2 2. y =−x2+ 5x− 6
2.2
経済学への応用
練習問題 46. 次の2つの条件をみたす1次関数f (x) = ax + bを求めてください。 ∫ 1 0 f (x) dx = 1, ∫ 1 0 xf (x) dx = 1 練習問題 47. 次の条件をみたす2次関数f (x) = ax2+ bx + 1をそれぞれ求めてください。 1. f′(1) = 4, ∫ 1 0 f (x) dx = 1 2. f (2) = 3, ∫ 1 0 xf (x) dx = 1 3 もともと積分は面積を求めるための計算方法を発展させたものだった。積分の記号が以 下の意味をもっていたことを思い出しておく。 lim n→∞ n ∑ k=1 f (xk) (xk− xk−1) ↓ ↓ ↓ ∫ b a f (x) dx 和の極限 高さ 底辺 この記号に現れているように、積分の基本的な計算は、「掛けて得られる値(長方形の 面積)を足す」という操作である。このような操作は求積問題に限られるものではない。 たとえば2つの駅の間を走る電車の速さが時間とともに変化し、それが以下のグラフで表 されるとする。6 -0 速さ(km/分) 時間(分) 10 1.5 5 このグラフは、出発時点から「0分後の速さは0km/分」(つまり停止している)、「5分後 の速さは1.5km/分(1分間で1.5km進める)」、「10分後の速さは0km/分」ということを 表している。またグラフからも分かるように、電車の速度はつねに変化していて、1分後 の速さと5分後の速さは異なる。(5分後に最大の速さ(1.5km/分)に達する。) われわれは「速さ(km/分)×時間(分)」で、ある時間(瞬間)に電車が進む距離(km) が計算できることを知っている。そこで、この電車が出発から5分後までに進む距離を考 えてみる。(5分後の時点(瞬間)で進める距離(1.5× 5 = 7.5)は、出発から5分間で進 んだ距離とは異なる。7.5 kmという距離は、5分後の時点(瞬間)で電車が1分間に進め る距離である。)おおざっぱに、各1分間で電車の速さが変わらない(一定)と考えると、 出発から5分後までに電車が進む距離は、以下の距離を足し合わせることで求めることが できる。 • 1分後の時点で進む距離f (1)× 1 • 2分後の時点で進む距離f (2)× 1 • 3分後の時点で進む距離f (3)× 1 • 4分後の時点で進む距離f (4)× 1 • 5分後の時点で進む距離f (5)× 1 = 7.5 6 -0 速さ(km/分) 時間(分) 10 1.5 5 上の計算では、各1分間で速さが一定であると考えたが、これは面積を計算するときに 長方形で近似したのと同じ考え方である。厳密には出発してから5分後までのすべての時 点(瞬間)で進む距離を足し合わせたもの(求積問題でいえば底辺を極限まで細かく分割 して求めた長方形の面積の和)、すなわち以下の定積分が求める距離である。 ∫ 5 0 f (x) dx 速さ 瞬間 上のような積分を使った計算方法は、たとえば以下のような量を求めるためにも用いる ことができる。 速さ(km/h) × 時間(h) = 距離(km) 生産速度(kg/h) × 時間(h) = 生産量(kg) 限界費用(円/kg) × 生産量(kg) = 費用(円) 利率(円/円) × 元金(円) = 利息(円) 毎年の収入(円/年) × 勤続年数(年) = 総収入(円) 1期間の需要量(量/期間) × 期間 = 需要量
練習問題 48. 乙商店では、1期間を20日としたとき、その間の商品の需要をよく観察し たところ、その傾向が次の関数でモデル化できることがわかった。(各期の需要変動は同 様であるとする。) f (x) = x2− 30x + 250 1. このとき、1期間のこの製品の需要すべてに応えるためには、どれだけの製品を仕 入れる必要がありますか? 2. 乙商店では、今期の営業のうち16日から20日まで社員旅行で休業することとなっ た。このとき、今期はいくら仕入れる必要がありますか? 練習問題 49. 生産量がx kgのとき、限界費用(新たに1 kgあたり生産するのに要する費 用)y万円が、 y = 50− 4x + 6x2 で与えられているとする。生産量を3 kgから7 kgまで、4 kg生産するのに要する費用を 求めてください。 練習問題 50. ある工業製品を作っている機械があり、30分を1期間とする。その機械の 生産する速さが時間とともに変わって、1期間における時刻tのときの生産速度(1分当 たりの生産量)が、 y = 40 3 x− 4 9 x 2 であるとき、5分から10分までの生産量を求めてください。 練習問題 51. ある鉱石について、定価1 kg当たり30(万円)であるが、x kg購入するご とに3x2(万円)安くなる。(購入量とともに単価が変化している。) 1. x kg購入したときの単価を求めてください。 2. 1.4 kg購入したときの金額を求めてください。 3. 2.3 kg購入したときの合計金額を求めてください。 4. 一般にx kg購入したときの合計金額を表す関数を求めてください。 要改訂!! 練習問題 52. ある鉱山で鉱石を産出している。x kg産出した時点で、さらに1kgあたり 産出するのに要する費用(限界費用:万円/kg)が次の式で与えられている。 y = x2− 6x + 20 5 kg生産するのに要する総費用を求めてください。
参考文献
教科書 [1] 微分積分,矢野健太郎,石原繁編(裳華房)(おススメ。計算練習メイン。) [2] 数学読本4, 5, 松坂和夫(岩波書店)(おススメ。数学IIIC+α。わかりやすく非常に 丁寧。練習問題も豊富。) [3] 基礎数学のI II III, 江見圭司,江見善一,矢島彰(共立出版) [4] 関数・微分方程式がビジュアルにわかる微分積分の展開—数学・物理学・工学の三体 一体,江見圭司(共立出版) [5] 解析入門1, 松坂和夫(岩波書店)(古本しかないのが残念。) [6] 解析入門, S.ラング著,松坂和夫,片山孝次 訳(岩波書店)(見た目がちょっとごちゃ ごちゃしてる。) [7] 微分積分読本 1変数,小林昭七(裳華房) [8] オイラーの贈物―人類の至宝 eiπ=-1 を学ぶ, 吉田武, 東海大学出版会; 新装版 (2010/01) [9] 定本 解析概論,高木貞治(岩波書店) 教科書(やさしめ・読みもの) [10] なっとくする微積分,中島匠一(講談社)(おススメ。わかり易くてちゃんとしてる。) [11] 微積分のはなし〈上,下〉 変化と結果を知るテクニック,大村平(日科技連出版社) (おススメ。結構ちゃんとしてる。) [12] ゼロから学ぶ微分積分,小島寛之(講談社) [13] やさしく学べる微分積分,石村園子(共立出版) [14] 変化をとらえる―math stories,高橋陽一郎,東京図書 (2009/11/10) 経済学関係 [15] 経済学と経済学に必要な数学がイッキにわかる!!,石川秀樹(学習研究社)(かなりや さしめだけど結構いいかもしれない。) [16] 改訂版 経済学で出る数学: 高校数学からきちんと攻める, 尾山大輔, 安田洋祐,日本 評論社;改訂版 (2013/3/19) [17] 経済・経営を学ぶための数学入門, 平井裕久, 韓尚憲, 皆川健多郎, 丹波靖博, 後藤晃 範(ミネルヴァ書房)(例が豊富。) [18] 現代経済学の数学基礎(上下), A.C.チャン, K.ウエインライト(シーエーピー出版) その他 [19] 数学は言葉—math stories, 新井紀子(東京図書)(数学の言語としての論理学。) [20] はじめて学ぶイプシロン・デルタ,細井勉(日本評論社) [21] 数学のロジックと集合論,田中一之,鈴木登志雄(培風館)(実数論。)[22] 「無限と連続」の数学–微分積分学の基礎理論案内,瀬山士郎 (東京図書) [23] 無限と連続–現代数学の展望(岩波新書 青版96),遠山啓(岩波書店)(読み物。) [24] 数学入門(上、下)(岩波新書),遠山啓(岩波書店)(読み物。) [25] 数学をなぜ学ぶのか(中公新書),四方義啓,中央公論新社 (2003/05) [26] 生き抜くための数学入門(よりみちパン!セ),新井紀子,イースト・プレス(2011/7/16) [27] マンガでわかる微分積分 微積ってなにをしているの? どうして教科書はわかりに くいの?(サイエンス・アイ新書),石山たいら,大上丈彦, 森皆ねじ子(ソフトバン ククリエイティブ)(まったく初心者で数学が苦手な人向け。) おススメしない [28] 直観でわかる数学,畑村洋太郎(岩波書店) [29] 経済系のための微分積分,山下元,瀧澤武信(共立出版)
参考文献
教科書 [1] 線形代数学,川久保勝夫(日本評論社)(おススメ。分かりやすい。練習問題も多い。 比較的安い。) [2] 線型代数入門,松坂和夫(岩波書店)(説明が多い。) [3] ベクトル・行列がビジュアルにわかる 線形代数と幾何 多次元量の図形的解釈,江 見圭司,江見善一(共立出版) [4] 現代経済学の数学基礎(上), A.C.チャン, K. ウエインライト(シーエーピー出版) 教科書(やさしめ) [5] なっとくする行列・ベクトル,川久保勝夫(講談社)(おススメ。上の教科書を読み物 風にしたもの。練習問題がほとんどない。) [6] 意味がわかる線形代数,石井俊全(ベレ出版)(おススメ。非常に読み易い。練習問題 がほとんどない。) [7] ゼロから学ぶ線形代数,小島寛之(講談社)(わかりやすい。練習問題がほとんどない。) [8] 行列とベクトルのはなし—線形代数の基礎,大村平(日科技連出版社) [9] ゼロから学ぶ数学の4、5、6,瀬山士郎(講談社)(読み物として。) [10] やさしく学べる線形代数,石村園子(共立出版)(公式と計算のやり方。) [11] 線形代数30講(数学30講シリーズ),志賀浩二(朝倉書店)(勉強した後のまとめと して役立つかもしれない。) 読み物 [12] 数学入門 上(岩波新書),遠山啓(岩波書店)(おすすめ。) [13] 論文の教室 : レポートから卒論まで,戸田山和久(日本放送出版協会)(分かりやす い。おもしろい。おすすめ。)2.3
置換積分一歩前(参考)
置換積分とは、合成関数の微分に対応する積分法である。(合成関数の微分は、(f (g(x)))′ = f′(g(x))∫ · g′(x)という公式だった。)ここでは、そのもっとも簡単な公式を紹介しておく。 f (ax + b) dx =?を考える。そのために、(?)′= f (ax + b)となる?を求める。 f (ax + b) −−−−−−−−−−→積分 ∫ f (ax + b) dx ∥ ∥ (?)′ ←−−−−−−−−−−微分 ? F (t)をf (t)の原始関数の一つとする。すなわち、F′(t) = f (t)とする。このとき、合成 関数の微分法によって以下が成り立つ。 ( 1 a F (ax + b) )′ = 1 a · F ′(ax + b)· a = f(ax + b) したがって、? = 1 a F (ax + b) + Cである。 定理 53. F (t)がf (t)の一つの原始関数で、a̸= 0のとき、 ∫ f (ax + b) dx = 1 a F (ax + b) + C この公式は、f (t)のtに代入する式がax +bという形の1次式の場合(たとえば(ax +b)α やsin(ax + b)などの形)にしか使えないことに注意しておく。もう少し一般の場合は後 に置換積分法として導入する。 例 54. 不定積分 ∫ (2x− 1)10dxを求めてください。 Proof. t = 2x− 1として、f (t) = t10とすれば、F (t) = ∫ t10dt = 1 11 t 11+ Cだから、 ∫ (2x− 1)10dx = 1 2 · 1 11 (2x− 1) 11+ C = 1 22 (2x− 1) 11+ C このようにして、上の公式は、f (ax + b)のa(上の例では2)を特定できれば、後は ax + bを1つの変数のように考えて(t10)積分できることを示している。練習問題 55. 次の関数の不定積分を求めてください。 1. (2x + 1)2 2. (5− 4x)3 3. (x + 3)2 4. (3x− 2)4 5. (4− 3x)3 6. 1 (2x + 3)2 7. √ 1 3x + 1 8. (3x− 2)2 9. (1− 4x)3 10. ( 2 3 x + 1 )2 11. (x + 2)10 12. (1− 5x)3 13. 6 (1− 2x)4 14. √4− x 15. √ 1 2x + 3 16. ( x 3 + 8 )3 17. √ 1 8x + 7 上の公式は、定積分を求める際にもそのまま使える。 例 56. 定積分 ∫ 1 0 (2x− 1)10dxを求めてください。 Proof. ∫ 1 0 (2x− 1)10dx = [ 1 22 (2x− 1) 11 ]1 0 = 1 11 練習問題 57. 次の定積分を求めてください。 1. ∫ 3 0 (x− 3)2dx 2. ∫ 2 4 (4− x)3dx 3. ∫ 0 1 (2x− 1)3dx 4. ∫ 2 1 (3− 2x)10dx 5. ∫ 3 1 (2x− 1)3dx 6. ∫ 2 −2 √ 5− 2x dx 7. ∫ 5 1 √ 1 + 3x dx 8. ∫ 2 1 (2x− 3)4dx 9. ∫ 3 2 1 √ 3x− 5dx 10. ∫ 2 −2 √ 5− 2x dx 11. ∫ 5 1 √ 1 + 3x dx 12. ∫ 2 1 (2x− 3)4dx 13. ∫ 3 2 1 √ 3x− 5dx